チロシンは、神経伝達物質の材料となる非必須アミノ酸の一種になります。
チロシンには、どのような効果があるのでしょうか?
チロシンには、どのような副作用があるのでしょうか?
この記事では、チロシンについて解説しながら、チロシンの効果とチロシンの過不足による症状などについてご紹介します。
- チロシンとは
- チロシンの効果や働きとは
- チロシンが不足したときの症状とは
- チロシンの過剰摂取による症状とは
ぜひ、最後までご覧いただき、チロシンを取り入れた健康づくりの参考にしてください。
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チロシンとは
チロシンとは、どのような栄養素なのでしょうか?
チロシンについて詳しく見てみましょう。
チロシンの意味
チロシンとは、芳香族アミノ酸に属する非必須アミノ酸の一種です。
チロシンは、
- 情報を伝達する神経伝達物質
- 自律神経の調整や代謝を行う甲状腺ホルモン
- 髪の毛や皮膚の色素であるメラニン
などの材料になります。
チロシンは、食品から摂取することができます。
また、チロシンはフェニルアラニンから合成され、アドレナリン・ドーパミンなどの神経伝達物質へと変換される栄養素になります。
チロシンの構造式
チロシンは、食品から摂取する以外に体内でも合成されます。
必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンが、体内でヒドロキシル化(酸化)することでチロシンが合成されます。
チロシンがさらにヒドロキシル化(酸化)することで神経伝達物質である
- アドレナリン
- ノルアドレナリン
- ドーパミン
などのカテコールアミンが生成されます。
また、チロシンがチロシナーゼにより酸化すると最終的にはメラニンが生成されます。
さらに、甲状腺ではチロシンから甲状腺ホルモンが合成されます。
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チロシンの効果・働き
チロシンには、どのような効果や働きがあるのでしょうか?
チロシンの効果や働きについて詳しく見てみましょう。
集中力・記憶力の向上
チロシンから合成される物質に、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンがあります。
これらの物質の分泌を促進させることで脳が覚醒します。
それに伴い、集中力の向上や記憶力を向上させます。
ストレスの緩和
ストレスを感じると、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌量が増えます。
チロシンを積極的に摂取することにより、アドレナリンやノルアドレナリンが合成されます。
ノルアドレナリンは緊張状態を和らげる作用があります。
神経の緊張をほぐすことによってストレスが緩和されます。
うつ病の改善
チロシンから合成されるノルアドレナリンやドーパミンが不足すると、意欲の低下とともに抑うつ症状が見られるといわれています。
チロシンの摂取により、ノルアドレナリンが合成されると緊張や不安が緩和されます。
また、チロシンの摂取により、ドーパミンが合成されるとやる気が出るようになります。
これらの作用により、チロシンには抑うつ症状を緩和する効果があります。
白髪予防
チロシンから合成されるメラニンは、髪や皮膚の色素を形成する働きがあります。
チロシンを積極的に摂取することで、メラニン色素が生成されます。
メラニン色素の生成により、髪の色素を保持し、白髪を予防します。
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チロシンの不足症状
チロシンは非必須アミノ酸であるため、体内で合成されます。
そのため、チロシンが体内で不足することはほとんどないといわれています。
しかし、不規則な食生活や食事制限などに伴い、チロシンが不足する可能性もあります。
チロシンが不足すると伝達物質やメラニンが不足するため、
- 集中力の低下
- 意欲の低下
- 抑うつ状態
- 認知症
- 白髪
などの症状が見られる場合があります。
チロシンの過剰摂取による副作用
チロシンは体内でアドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンなどさまざまな物質に変換されます。
そのため、通常の食生活でチロシンが体内に過剰になることはほとんどありません。
しかし、チロシンをサプリメントで摂取する場合は、過剰摂取による副作用が見られる場合もあります。
チロシンの過剰摂取により見られる副作用について詳しく見てみましょう。
血圧の上昇
チロシンを過剰摂取すると、ノルアドレナリンの分泌が増加します。
ノルアドレナリンの分泌が増加すると、血圧の上昇を引き起こします。
シミが増える
チロシンを過剰摂取すると、メラニンの生成が増加します。
メラニンが増加すると肌のシミやそばかすが増える場合があります。
チロシンの摂取量
チロシンは1日にどのくらい摂取すると良いのでしょうか?
チロシンの1日あたりの摂取量は、明確に定められていません。
チロシンをサプリメントから摂取する場合の1日の摂取目安量は、750mg〜1,000mgのものが多いようです。
チロシンは非必須アミノ酸の一種になります。
タンパク質は、非必須アミノ酸が構成要素として使われています。
そこで、タンパク質の1日の摂取量を目安にしてみましょう。
タンパク質の1日あたりの摂取推奨量は、男性で60~65g、女性で50gとなっています。
タンパク質を摂取することで、タンパク質に含まれているチロシンも摂取できます。
タンパク質は、鶏ささみやむね肉・チーズ類などの乳製品・鶏卵・大豆製品などに豊富に含まれています。
チロシンが含まれる食べ物
チロシンはどのような食品に豊富に含まれているのでしょうか?
チロシンが含まれている食品について詳しく見てみましょう。
【チロシンを含む食品(100gあたりのチロシン含有量)】
食品名 | チロシン含有量(mg) | 食品名 | チロシン含有量(mg) |
パルメザンチーズ | 2,700 | しらす干し | 1,500 |
かつお節 | 2,700 | きな粉 | 1,400 |
小麦粉 | 2,500 | チェダーチーズ | 1,400 |
ごまさば | 2,500 | かずのこ | 1,400 |
するめ | 1,900 | プロセスチーズ | 1,300 |
ビーフジャーキー | 1,900 | 落花生 | 990 |
ナチュラルチーズ | 1,700 | カシューナッツ | 690 |
ほたて貝柱 | 1,600 | 糸引き納豆 | 680 |
ゴーダチーズ | 1,500 | 豆腐 | 280 |
チロシンは、チーズや大豆製品、ナッツ類などに豊富に含まれています。
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チロシンサプリはいつ飲むのと良い?
チロシンのサプリメントは、いつ服用すると良いのでしょうか?
サプリメントの1日の目安摂取量についての記載はありますが、服用方法については特に記載がありません。
服用時間は、基本的にはいつ飲んでも問題ありません。
しかし、チロシンはドーパミンを合成する働きがあります。
ドーパミンには覚醒作用があるため、寝る前は避けた方が良いでしょう。
ライフスタイルに合わせて、服用時間を決めましょう。
大切なのは、毎日忘れずに継続して服用することです。
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チロシンサプリはADHDにも効果がある?
ADHDは、注意欠陥多動性障害ともいわれます。
ADHDは、
- 不注意(集中力がない)
- 多動性(じっとしていられない)
- 衝動性(思いつくとすぐに行動してしまう)
などの特徴的な症状が見られる障害になります。
ADHDの有病率は、小児期の精神疾患で最も多いといわれています。
ADHDの治療には、行動療法に基づいた日常生活の指導やソーシャルスキル・トレーニングがあります。
ADHDの病態として、脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンが十分に発揮されないことが要因とも考えられています。
そのため、ADHDの治療の1つとしてドーパミンを合成するチロシンが注目されています。
チロシンのドーパミンの分泌を促進させる作用がADHDの治療で期待されています。
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チロシンまとめ
ここまで、チロシンについてやチロシンの効果、チロシンの過不足による症状などを中心にお伝えしてきました。
- チロシンとは神経伝達物質の材料となる非必須アミノ酸の一種である
- チロシンの効果には集中力・記憶力の向上、ストレスの緩和、うつ病の改善、白髪予防などがある
- チロシンが不足すると、集中力の低下、意欲の低下、抑うつ状態、認知症、白髪などが見られる場合がある
- チロシンを過剰摂取すると、血圧上昇、シミなどが見られる場合がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。