ラクトフェリンは人間や牛の乳に多く含まれているタンパク質です。
また、ラクトフェリンにはガン予防効果があるという研究結果があります。
そもそも、ラクトフェリンとはどのようなタンパク質なのでしょうか?
ラクトフェリンとガンにはどのような関係があるのでしょうか?
本記事では、ラクトフェリンとガンの関係について以下の点を中心にご紹介します。
- ラクトフェリンの役割とは
- ラクトフェリンのガン抑制効果について
- ラクトフェリンの含有量が多い食品について
ラクトフェリンとガンの関係について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ラクトフェリンはヒトに必要なタンパク質
ラクトフェリンは、人間の初乳や、涙、唾液、血液などに含まれるタンパク質です。
初乳とは、出産後3日間に出る母乳のことで、特に多く含まれています。
初乳にラクトフェリンが多く含まれている理由に、免疫力を持たない乳児を細菌などから守るためとされています。
また、少し赤い色をしているため、赤いタンパク質とも呼ばれます。
ラクトフェリンは、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の改善にも効果があると期待されています。
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
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ラクトフェリンの役割
ラクトフェリンの役割には、
- 抗菌、抗ウイルス活性を持つ
- ビフィズス菌を増やす
- 免疫を調節する
- 抗酸化作用がある
- 鉄の吸収を調節する
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介します。
抗菌、抗ウイルス活性を持つ
ラクトフェリンは、抗菌、抗ウイルス活性をする働きがあります。
ラクトフェリンは、鉄との結合力が高いため、マクロファージや好中球の中で鉄を使用しフェントン反応を活性化します。
フェントン反応を活性化することで、細菌やウイルスを攻撃します。
ビフィズス菌を増やす
ラクトフェリンには、腸内のビフィズス菌などの善玉菌を増やすプレバイオティクスの働きがあります。
プレバイオティクスとは、善玉菌のエサになることで、腸内の善玉菌を増やす働きをする成分です。
食物繊維やオリゴ糖もプレバイオティクスの一種となります。
人間の腸内には、約100種類もの細菌がすんでいて、善玉菌と悪玉菌が勢力範囲を争い続けています。
善玉菌が減り悪玉菌が多い状態は、便秘や下痢の原因となります。
そのため、ラクトフェリンを摂取することで、腸内環境が整えられます。
免疫を調節する
ラクトフェリンには、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化させる役割があります。
ナチュラルキラー細胞とは、ガン細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃することで体を守る働きがあります。
ナチュラルキラー細胞の活性が弱い状態は、病気に罹りやすいことがわかっています。
動物実験の結果では、ラクトフェリンを投与することで、ナチュラルキラー細胞が増える結果となりました。
また、ナチュラルキラー細胞の活性が強くなることもわかっています。
そのため、ラクトフェリンは免疫を向上する効果が期待できます。
抗酸化作用がある
ラクトフェリンには、活性酸素が過剰に発生する状態を抑える効果があります。
活性酸素とは、体内に取り込まれた酸素が活性化することで発生します。
活性酸素は、体内のガン細胞や細菌を攻撃して、殺す役割を持っています。
しかし、活性酸素が過剰に発生すると脂質を酸化させたり、正常な細胞を傷つけたりすることで老化につながってしまいます。
ラクトフェリンは、活性酸素を抑制する効果があるため、老化の予防に効果があります。
鉄の吸収を調節する
ラクトフェリンは、鉄の吸収率を上げる働きがあります。
貧血症状の原因は、鉄の不足によって起こります。
ラクトフェリンは、鉄と結合する性質を持ち、鉄と一緒に摂取することで、鉄の吸収率を上げる働きがあります。
そのため、ラクトフェリンは貧血の予防に効果が期待できます。
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ラクトフェリンの発ガン抑制効果
ラクトフェリンの発ガン抑制効果について
- 大腸ガン
- 膀胱ガン
- 食道ガン
- 肺ガン
- 肝ガン
- 乳腺ガン
- リンパ腫
があります。
それぞれ具体的にご紹介します。
大腸ガン
大腸ガンは、大腸に発生するガンで、良性のポリープがガン化するものと、正常な粘膜からガン化するものがあります。
早期の段階では自覚症状はほぼありません。
しかし、進行すると
- 血便
- 下血
- 下痢と便秘の繰り返し
- 腹痛
- 便が細い
- 残便感
- おなかが張る
- 体重減少
などの症状があらわれます。
国立がんセンターの調査では、ラクトフェリンは大腸ポリープを縮小させる効果があることがわかりました。
大腸ポリープは、大きくなるとガン化する可能性があります。
そのため、ラクトフェリンを摂取することで、大腸ガンの予防効果が期待できます。
膀胱ガン
膀胱ガンは、膀胱にできるガンのことをいいます。
膀胱ガンの主な症状には、
- 血尿や頻尿
- 排尿時の痛み
- 尿が残る感じ
- 切迫した尿意
などがあります。
進行すると、尿が出にくくなったり、腰や背中が痛んだりすることもあります。
また、血尿には目で見てわかる血尿と、顕微鏡で確認できる血尿があります。
ラクトフェリンは動物実験による発ガン抑制効果が期待できます。
ラクトフェリンは、大腸ガンに最も顕著に効果があり、他に食道、膀胱、肺、舌、肝などにおいてもガン予防効果が期待できます。
食道ガン
食道ガンは、初期の段階では自覚症状がほとんどないことが多いです。
検診や人間ドックで内視鏡検査やバリウム食道透視検査を行った際に早期発見することがあります。
食道ガンが進行すると
- 飲食時の胸の違和感
- 飲食物がつかえる感じ
- 体重減少
- 胸や背中の痛み
- 咳
- 声のかすれ
などの症状がみられます。
ラクトフェリンは、食道がんなどにおいてもガン予防効果が期待できます。
肺ガン
肺ガンは、気管支や肺胞の細胞がガン化したものをいいます。
肺ガンには、決定的な肺ガンの症状はありません。
そのため、症状がないうちに進行していることもあります。
主な症状には
- 咳や痰
- 痰に血が混じる
- 発熱
- 息苦しさ
- 動悸
- 胸痛
などがあります。
また、上記の症状は肺ガン以外にも呼吸器の病気にもみられる症状です。
複数の症状がみられる場合や症状が長引く場合は、早めに受診しましょう。
肝ガン
肝ガンは、肝臓の細胞がガン化して悪性腫瘍になったものをいいます。
肝臓は沈黙の臓器とよばれ、炎症があっても初期の段階では自覚症状はほぼありません。
検診やほかの検査のときにたまたま肝ガンが発見されることもあります。
肝機能の異常や肝炎ウイルスの感染を指摘された場合は、受診しましょう。
乳腺ガン
乳腺ガンは、乳腺にできるガンのことで、多くは乳管から発生します。
乳腺ガンの主な症状は、乳房のしこりです。
また、乳房にえくぼやただれができたり、左右の乳房の形が非対称になったり、乳頭から分泌物が出たりする症状があります。
リンパ腫
リンパ腫とは、白血球のうちリンパ球がガン化する病気をいいます。
リンパ腫は、ガン細胞の形態や性質によって
- B細胞リンパ腫
- T/NK細胞リンパ腫
- ホジキンリンパ腫
に分かれます。
細かく分けると100種類以上に分かれます。
ラクトフェリンは、ガンとの関係が検討されている健康素材です。
動物実験で血管新生の阻害や抗炎症作用などの効果が期待できます。
また、血管新生の阻害では上記のガンの予防だけでなく、関節リウマチや変形性関節症などの治療に使われる可能性があります。
ラクトフェリン含有量が多い食品
ラクトフェリンは、熱に弱いため、65℃30分以上の加熱処理をしない乳製品に多く含まれています。
サプリメントでは、1日の目安量が300mgほど含まれる商品が多くあります。
サプリメントを利用することで、効率よくラクトフェリンを摂取することができます。
しかし、バランスの良い食事を摂ることを前提としてサプリメントを利用しましょう。
また、サプリメントを利用する場合は、摂りすぎないように1日の目安量を守りましょう。
ラクトフェリンが多い食品
ラクトフェリン含有量が多い食品には
- ヨーグルト
- ナチュラルチーズ
- 乳飲料
などがあります。
それぞれ説明します。
ヨーグルト
ラクトフェリンを添加したヨーグルトというヨーグルトがあります。
112g中に100mgラクトフェリンが含まれているヨーグルトがあります。
ラクトフェリンは、牛乳から分離された上澄み液から抽出されます。
そのため、ヨーグルトに後からラクトフェリンを追加できます。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズには、100g中300mgほどのラクトフェリンが含まれています。
しかし、ゴーダチーズやプロセスチーズは、製造工程に加熱処理があるためラクトフェリンの含有量が少なくなっています。
乳飲料
乳飲料にラクトフェリンを追加した食品があります。
ラクトフェリン入り乳飲料は、手軽にラクトフェリンを摂れるためおすすめです。
ラクトフェリンと鉄で吸収アップ
ラクトフェリンは、鉄と結合する性質があるタンパク質です。
ラクトフェリンは、鉄と結合することで細菌の増加を抑えて、免疫力を高めます。
また、ラクトフェリンを摂ることで多くの鉄を吸収できるようになります。
胃のむかつきなどを起こすことなく鉄分を調整します。
ラクトフェリンとカゼインで生理機能を保つ
カゼインとは、カルシウムを運び体内への吸収を助けます。
また、カゼインは腸でのカルシウムの吸収を促進したり、血圧上昇を抑えたりなどの働きがあります。
ラクトフェリンとカゼインを摂ることで、さまざまな生理機能を保ちます。
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ラクトフェリンとガンの関係まとめ
今回は、ラクトフェリンとガンの関係の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- ラクトフェリンには、抗菌、抗ウイルス作用やビフィズス菌を増やす役割がある
- ラクトフェリンは、大腸ガンに最も効果があり、他に食道ガン、膀胱ガンなどに効果がある
- ラクトフェリンは、ヨーグルト、ナチュラルチーズ、乳飲料に多く含まれる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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