プロリンとは、コラーゲンの原料となる成分です。
プロリンは、肌のシワやシミなどを修復することができます。
そもそもプロリンとは、どういう成分なのでしょうか?
プロリンは、どういう効果を持つのでしょうか?
本記事では、プロリンについて以下の点を中心にご紹介します。
- プロリンとは
- プロリンの効果とは
- プロリンの副作用とは
プロリンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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プロリンの基本情報
プロリンの基本的な情報を以下で紹介します。
プロリンとは
プロリンとは、タンパク質を構成するアミノ酸の1種です。
プロリンは、食品だけではなく体内でも合成される「非必須アミノ酸」という種類に属します。
プロリンは、グルタミン酸から生成されます。
ヒドロキシプロリンはプロリンにプロリン水酸化酵素が作用して生成されます。
また、プロリンは、コラーゲンを構成するアミノ酸の1つです。
コラーゲンのプロリンのうち、半数近くがヒドロキシプロリンに変換されます。
コラーゲンは、
- 筋肉
- 骨
- 皮膚
を構成するために欠かせないタンパク質です。
そのためプロリンには、
- 肌の若返り
- 関節痛の緩和
などの作用があると考えられています。
また、近年では
- 化粧品
- 健康食品
にも用いられています。
プロリンの主な働き
プロリンは、コラーゲンを構成するアミノ酸です。
プロリンを摂取することで、コラーゲンの生成の促進効果があると考えられています。
またプロリンには、骨や関節の健康を高める作用があります。
骨密度が低下すると、運動やトレーニングの最中に、骨折などのケガをするリスクが高まります。
そのため、プロリンの摂取で骨が強化されればケガの予防に繋がると考えられています。
骨密度が低下しているラットに、プロリンを含むコラーゲンペプチドの摂取を行った実験では、骨密度が増加したことが確認されています。
その他に、関節痛に対する痛みを調べた試験結果では、プロリンを含むコラーゲンペプチドの摂取により、関節痛が緩和されたことが確認されています。
そのため、関節が傷みやすい場合には、プロリンを始めとしたコラーゲンを構成するアミノ酸の摂取が、痛みの緩和や予防に繋がるでしょう。
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プロリンの3つの効果
プロリンを摂取することで得られる効果は、以下の3つあります。
- 関節痛の改善
- 美肌効果
- 脂肪燃焼
それぞれについて紹介します。
関節痛の改善
プロリンには、関節痛を改善する効果があります。
関節痛の原因として、骨と骨の間にある軟骨がすり減っているということがあります。
軟骨の約半分は、コラーゲンで構成されています。
そして、プロリンは、コラーゲンの合成を高める効果があります。
プロリンは、軟骨そのものの新陳代謝を活発にすることにより、関節の痛みを和らげる効果があります。
美肌効果
プロリンには、美肌効果があります。
肌は、
- 表皮
- 真皮層
にわかれます。
表皮は、肌のバリアの作用があります。
真皮は、表皮を支えるクッションで、皮膚に弾力を与える作用があります。
日光などの紫外線が肌の奥の真皮に当たると、紫外線は真皮のコラーゲンを変質させます。
真皮が変質することで、
- 皮膚が固くなる
- シワ
- たるみ
- シミ
などの「光老化」と呼ばれる現象があらわれます。
顔など日光の当たりやすい場所が老化する原因の約80%が、光老化だといわれています。
プロリンは、タンパク質やアミノ酸からコラーゲンの合成を促進する作用があります。
そして、プロリンには破壊されたコラーゲンを修復する効果があります。
そのため、紫外線による肌のダメージを修復し、美肌効果があると考えられています。
プロリンが肌に多く存在するだけで、肌にハリや弾力がでるといわれています。
脂肪燃焼
プロリンには、脂肪を燃焼させる効果があるといわれています。
プロリンには、胃やすい臓から分泌される消化酵素のリパーゼを活性化させる作用があります。
リパーゼは、脂肪を分解しエネルギーとして消費しやすくする作用があります。
リパーゼが活性化することで、脂肪燃焼を促進させ、
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
が減少すると考えられています。
ただし、プロリンそのものに脂肪の燃焼効果はありません。
しかし、プロリンは間接的に脂肪燃焼を促進させるために効果があると考えられています。
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プロリンの目安摂取量
プロリンには、過剰摂取の副作用がないとされています。
しかし、プロリンを含むアミノ酸は、1種類を1日10g以上摂ると、ショック症状を引き起こす可能性があります。
サプリメントによるプロリン1日あたりの摂取量目安の上限を2gとしているものが多いようです。
その目安を基準の上限として、サプリメントを取り入れてみてはいかがでしょうか。
プロリンが多く含まれる食品
プロリンが多く含まれる食品を以下で紹介します。
豚肉
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
豚ゼラチン | 13,000 |
豚軟骨(ゆで) | 2,500 |
豚ひき肉(焼き) | 1,200 |
豚ロース(とんかつ) | 1,100 |
豚ロース(生) | 920 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
焼き麩
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
車麩 | 4,100 |
釜焼き麩 | 3,800 |
板麩 | 3,400 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
湯葉
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
湯葉(乾) | 3,000 |
湯葉(生) | 1,300 |
湯葉(湯戻し) | 920 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
高野豆腐
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
高野豆腐(乾) | 3,000 |
高野豆腐(水煮) | 640 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
牛乳
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
カゼイン | 10,000 |
脱脂粉乳 | 3,500 |
全粉乳 | 2,400 |
加糖練乳 | 750 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
チーズ
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
パルメザンチーズ | 5,300 |
エダムチーズ | 3,800 |
エメンタールチーズ | 3,700 |
ゴーダチーズ | 3,400 |
プロセスチーズ | 2,400 |
カマンベールチーズ | 2,000 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
ヨーグルト
ヨーグルトは、成分量が牛乳に比べて少ないです。
プロリンを効率よく摂取するには、スキムミルク(脱脂粉乳)などを混ぜると効果的です。
食品名 | 100gあたりの成分量(㎎) |
ヨーグルト(脱脂加糖) | 450 |
ヨーグルト(無脂肪無糖) | 390 |
ヨーグルト(低脂肪無糖) | 360 |
ヨーグルト(ドリンクタイプ) | 280 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
プロリンを効率よく摂取するには
プロリンは、
- 鶏の皮
- 豚の皮
などのゼラチン部分に、特に多く含まれています。
食事より摂取が難しい場合は、サプリメントを利用することも検討しましょう。
サプリメントによりプロリンを摂取する場合は、空腹時の摂取が効果的といわれています。
プロリンが過剰・不足するとどうなる?
プロリンを
- 過剰摂取した場合
- 不足した場合
によるそれぞれの影響を紹介します。
過剰摂取した場合
プロリンの過剰摂取により、副作用が起こることは確認されていません。
多少プロリンの摂取量が増えることは、問題ないと考えられています。
しかし、プロリンを含めたアミノ酸を1日で10g以上摂取することにより、ショック症状が生じる可能性があります。
過剰摂取しても効果が高まるというわけではありません。
バランス良く摂取することが大切です。
不足している場合
プロリンが不足している場合は、コラーゲン量が減少します。
コラーゲン量が減少した場合、以下の症状を生じる可能性があります。
- 傷が治りにくい
- 肌にハリツヤがなくなる
- 関節痛の痛み
- 骨密度の低下
プロリンとビタミンCは一緒に摂取する
コラーゲンの生成を目的にプロリンを摂取する場合は、ビタミンCと一緒に摂取する必要があります。
コラーゲンの生成には、プロリンの他にヒドロキシプロリンという成分も必要です。
ヒドロキシプロリンは、プロリン水酸化酵素がプロリンに作用して生成されます。
ビタミンCは、プロリン水酸化酵素の活性に必要な成分で、ビタミンCがなければプロリン水酸化酵素は作用しません。
そのため、プロリンだけを摂取してもヒドロキシプロリンは生成されず、コラーゲンは合成されません。
コラーゲンを作るには、プロリンだけではなく、ビタミンCも同時に摂取する必要があります。
出典:厚生労働省【Ⅲ栄養指導】
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プロリンのまとめ
ここまでプロリンについてお伝えしてきました。
プロリンの要点をまとめると以下の通りです。
- プロリンとはタンパク質を構成するアミノ酸の一種
- プロリンには関節痛の改善、美肌効果、脂肪燃焼の効果がある
- プロリンの過剰摂取による副作用の報告はない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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