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アラニンアミノトランスアミナーゼについて
アラニンアミノトランスアミナーゼが高値を示す場合、肝臓の疾患を患っている可能性があります。
アラニンアミノトランスアミナーゼとは、なにをあらわす数値なのでしょうか
アラニンアミノトランスアミナーゼ高値とは、どのような意味をもつのでしょうか
本記事ではアラニンアミノトランスアミナーゼについて以下の点を中心にご紹介します。
- アラニンアミノトランスアミナーゼの数値が高いことの意味
- 肝臓の病気について
- アラニンアミノトランスアミナーゼとASTの違いについて
アラニンアミノトランスアミナーゼについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アラニンアミノトランスアミナーゼとは
アラニンアミノトランスアミナーゼ(以下ALT)とは、アラニンアミノ基転移酵素のことです。
アミノ酸合成に必要な酵素の一種です。
なんらかの原因で、肝臓の細胞が壊れると、ALTは血液中に流出します。
そのため、肝臓障害の判断基準の一つとされています。
また、ALTは別名、GPTとも呼ばれることがあります。
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ALTで何が分かる?
ALTは、肝臓細胞が破壊されることで血液中に出現します。
そのため、肝臓の状態を把握するための指標として使われています。
ALTに対して、それぞれどのようなことが考えられるのか、数値を中心にみていきましょう。
ALTの基準値
血液検査におけるALTの男女別の基準値は、以下のとおりです。
性別 | ALTの基準値 |
男性 | 8~42U/I |
女性 | 6~27U/I |
人間ドックにおける血液検査では、ASTとALTをもとに肝臓の細胞におけるダメージ度を判断していきます。
大きなダメージを負えば負うほど、ALTの数値は高くなります。
そのため、ALTの数値により疾患があきらかになります。
ALT高値の場合
高値の場合に考えられる具体的な疾患については、以下の通りです。
ALT数値 | 疾患 |
高度(500U/I以上) | 劇症肝炎,急性肝炎,ショック肝 |
中等度(150~500U/I) | 慢性活動性肝炎,自己免疫性肝炎,アルコール性肝炎,胆汁うっ滞,薬剤性肝障害,急性心筋梗塞,筋疾患 |
軽度(150U/I以下~基準値上限) | 慢性非活動性肝炎,アルコール性肝障害,脂肪肝,肝硬変,肝癌,溶血性貧血,悪性腫瘍 |
肝炎は、初期では自覚症状がない疾患といわれています。
ダメージが軽度であるほど、気付きにくいためです。
そのため、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
ALT低値の場合
低値の場合に考えられる具体的な疾患については、以下の通りです。
ALT数値 | 考えられる原因 |
低値(10U/l以下) | 腎不全,妊娠,ビタミンB6欠乏症,d-ペニシラミンやイソニアジドの服用,透析患者 |
低値の場合は取り立てて問題はないといわれています。
ALTとASTの違いは?
ASTは、心臓の筋肉や骨格筋、赤血球などに存在する酵素の一種です。
そのため、ASTのみ高い場合は、心筋梗塞など筋肉の組織が破壊されたと判断する材料となります。
一方で、ALTは、肝臓に存在しています。
そのため、肝細胞の状態をみて障害の大きさを診断することに適しています。
ちなみに両者が上がり続けている場合は、肝炎の可能性があるため注意が必要です。
ALTの数値を改善するには
数値を改善するには、ALTが上昇した原因を突き止めることが重要です。
主な要因に「アルコール、偏食、肥満、運動不足、糖尿病」などが挙げられます。
肝疾患は、いずれも日常の生活習慣かウィルス感染によるものです。
原因に対しての解決法を把握しておくことも重要です。
以下に疾患に対する解決策を示します。
疾患 | 解決策 |
アルコール性肝障害 | アルコールを控える |
薬剤性肝障害 | 薬の副作用で起こるため、原因となる薬品の服用を控える |
自己免疫性肝炎 | 免疫を抑制する内服薬治療 |
慢性活動性肝炎 | 内服薬治療 |
脂肪肝 | 食事・運動療法で予防する |
肝鬱 | 食事・運動療法で予防する |
胆汁うっ滞 | 医療機関での治療が必要 |
劇症肝炎 | 内服治療 |
急性汗炎 | 入院して安静にする、食欲不振時は点滴を打ち体力の維持に努める |
肝硬変 | ウイルス性、アルコール性、非アルコール性、自己免疫性などによる炎症長期化が原因のため、それぞれに合わせた対処が必要 |
基本的には不調を感じたら、検診して肝臓を定期的にチェックすることが前提です。
自分一人で抱え込まないようにしましょう。
肝疾患の種類と罹患率は?
肝臓は、体に必要である様々な物質を作るはたらきがあります。
また、有害な物質を解毒、排泄するなどの生命維持のために重要な役割を果たす臓器です。
そのうえ、再生能力が高い特性があります。
そのため病気がある程度進行していないと、異常を感知できないことが考えられます。
悪習慣やウィルス感染により、長期的な肝臓の炎症がすすむと、下記のような肝疾患の兆候が現れてきます。
- ウィルス性肝疾患:B型肝炎ウィルスなどにより肝臓の細胞が壊れる病気
- 脂肪性肝疾患:肥満、糖尿病、アルコールの過剰摂取により、肝臓の細胞に脂肪が蓄積する病気
- 自己免疫性肝疾患:免疫機能の異常により、自身の肝臓を攻撃して、障害を及ぼす病気
現在、就労世代の14.7%が肝機能検査において異常が発見されています。
また、肝疾患は長期間にわたると肝癌を併せて発生させます。
このことからも、ALTの検査がいかに重要かわかることでしょう。
出典:厚生労働省【肝疾患に関する留意事項】
アラニンアミノトランスアミナーゼのまとめ
ここまでアラニンアミノトランスアミナーゼについてお伝えしてきました。
アラニンアミノトランスアミナーゼの要点をまとめると以下の通りです。
- アラニンアミノトランスアミナーゼの数値が高いことは、肝臓の疾患があることを意味している
- 肝臓の病気には「ウィルス性肝疾患、脂肪性肝疾患、自己免疫性肝疾患」がある
- アラニンアミノトランスアミナーゼは、アミノ酸合成に必要な酵素の一種
- ASTは心臓の筋肉等に存在する酵素の一種
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。