ビタミンB1は健康を意識する方にとっては、欠かせない栄養素の1つです。
では、ビタミンB1はどんな食べ物に多く含まれているのでしょうか。
本記事では、ビタミンB1について、以下の点を中心にご紹介します。
- ビタミンB1とは
- ビタミンB1を含む食べ物について
- ビタミンB1の不足や過剰摂取の影響
- どんな方におすすめなのか
また現代人のビタミンB1の摂取状況についても紹介していきます。
ビタミンB1について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ビタミンB1とは
※画像はイメージです
糖質は、ヒトのエネルギー源となる栄養素の1つです。
体内でブドウ糖に分解され、脳や神経の原動力になる栄養素といわれています。
つまり、ビタミンB1が不足すると、エネルギー生成ができずに体に影響が及ぶことが考えられます。
また、ビタミンB1は他の作用として
- 脳や神経系を正常にする
- 皮膚や粘膜の健康維持を補助する
- 疲労回復
などの様々な効果が期待できる栄養素です。
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ビタミンB1を含む食べ物は?
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ビタミンB1が含まれている食品は、動物性食品では肉や魚、植物性食品では穀類・豆類が該当します。
ビタミンB1を効率的に摂取できる食品と含有量をご紹介していきます。
【動物性食品可食部100g当たりのビタミンB1含有量】
食品名 | 含有量 |
豚ヒレ肉(赤肉) | 1.32㎎ |
豚もも肉(赤肉) | 0.96㎎ |
生ハム | 0.92㎎ |
ボンレスハム | 0.90㎎ |
豚ロース肉(赤肉) | 0.80㎎ |
豚肩肉(赤肉) | 0.75㎎ |
うなぎ(蒲焼き) | 0.75㎎ |
たらこ | 0.71㎎ |
ショルダーベーコン | 0.58㎎ |
かつお節 | 0.38㎎ |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
普段の食生活で、「最近、肉を食べていないな…」と感じたら、お肉料理を増やしましょう。
また、朝食時はハムやベーコンをパンとセットにして食べることで、より摂取量を増やすことができます。
【植物性食品可食部100g当たりのビタミンB1含有量】
食品名 | 含有量 |
ごま(乾燥) | 0.46㎎ |
大豆(国産・黄大豆で乾燥) | 0.41㎎ |
ごま(炒り) | 0.49㎎ |
あずき(乾燥) | 0.46㎎ |
落花生(乾燥) | 0.41㎎ |
ベーグル | 0.19㎎ |
大豆(国産・黄大豆でゆで) | 0.17㎎ |
玄米ごはん | 0.16㎎ |
ライ麦パン | 0.16㎎ |
あずき(ゆで) | 0.15㎎ |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
肉類・魚類と比べ、含有量は少ないのがわかります。
植物性食品からビタミンB1の摂取量を増やしたいという場合は、ごはんや食パンなどの主食を玄米やライ麦パンに替えてみましょう。
また、ニンニクや玉ねぎに含まれる「アリシン」と同時に摂取するのがおすすめです。
吸収率も高まり、より効率的にビタミンB1を摂取できます。
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必要な摂取量
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ビタミンB1は、ヒトのエネルギーを生み出すことに関与する重要な栄養素です。
ビタミンB1の摂取の基準として、厚生労働省では「食事摂取基準」が定められています。
基準内での、ビタミンB1は以下の表のとおりです。
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢 | 平均必要量 | 推奨量 | 平均必要量 | 推奨量 |
18歳~49歳 | 1.2㎎ | 1.4㎎ | 0.9㎎ | 1.1㎎ |
50歳~74歳 | 1.1㎎ | 1.3㎎ | 0.9㎎ | 1.1㎎ |
75歳以上 | 1.0㎎ | 1.2㎎ | 0.8㎎ | 0.9㎎ |
出典:厚生労働省[日本人の食事摂取基準]
性別と年齢ごとに目安となる摂取量が決められています。
また糖質の摂取量が多い方や、体を動かす機会が多い方はエネルギーを多く必要とします。
エネルギーの生成のために、目安よりもより多くのビタミンB1を摂取するように意識しましょう。
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ビタミンB1の不足や過剰摂取の影響
※画像はイメージです
「ビタミンB1が不足したときや、過剰に摂取したときは身体への影響はあるの?」
と摂取量について心配な方向けに、ビタミンB1不足と過剰摂取が引き起こす現象について解説していきます。
ビタミンB1不足
ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーに変換されずに身体の倦怠感・疲労感を
感じます。
普段の食事にビタミンB1を多く含む食材を取り入れるなどして、少し意識しましょう。
それだけでも、十分にビタミンB1不足が解消できます。
特にビタミンB1不足が深刻なレベルになると、以下の3つの病気の発症可能性が高くなります。
- 脚気(かっけ)
- ウェルニッケ・コルサコフ症候群
- 乳酸アシドーシス
脚気(かっけ)
脚気とは、ビタミンB1が不足することで、糖質が欠かせない脳・神経系に悪影響が及ぶ病気です。
脚気の症状は、
- 食欲の低下
- 身体の強い倦怠感
- 手足の知覚障害
- 動悸・息切れ
などを引き起こしてしまいます。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群
ウェルニッケ・コルサコフ症候群はビタミンB1が不足することで脳に小さな出血が起こり、視界の震えやふらつき、意識障害などを引き起こすウェルニッケ脳症という病気と、回復後でも高い確率で障害をもたらすコルサコフ症候群の総称です。
乳酸アシドーシス
乳酸アシドーシスとは、血液中の乳酸値が高まることで、吐き気や意識障害、呼吸困難を発症する病気です。
この病気はビタミンB1によって引き起こされることもあります。
さらにこれらの病気の
症状のレベルがさらに悪化すると、
- 脚力が弱体化し、立ち上がれない
- 心不全を起こしてしまう
などの症状が出ることもあるため、注意が必要です。
また、栄養バランスの偏った食事が原因で発症するケースがあるともいわれています。
インスタント食品や飲酒のし過ぎには、注意しましょう。
ビタミンB1の過剰摂取
ビタミンB1を過剰摂取することで、起こる症状は報告されていません。
体内に吸収された栄養は一度、肝臓に蓄えられます。
その後、貯蔵量が限界になると血中濃度が上昇していきます。
濃度が上限を超えると、余剰分のビタミンB1は尿として排泄されるので、ビタミンB1の過剰摂取は問題ありません。
しかし例外として、サプリメントでの栄養補給は摂取量を調整する必要があります。
チアミン塩化物塩酸塩を1日に10g以上の摂取を数週間続けることで
- 頭痛・不眠
- いらだち
- かゆみ
などの症状が発症した例もあるので、注意が必要です。
食品からの摂取であれば、発症の可能性は低いのでご安心ください。
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どんな方におすすめなのか
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ビタミンB1は、皮膚や粘膜への不調、脳・神経系にも効果が期待できます。
では、特にどんな方におすすめなのかを解説します。
以下の症状がある方には、ビタミンB1の摂取をおすすめします。
- 運動や仕事をすることがしんどい
- 体を動かす機会・時間が多い
- 糖質の摂取量が多い
- 慢性的な倦怠感を感じる
など体に対して、エネルギー不足を補う際にはビタミンB1の摂取が有効的です。
何事にも身体が資本になるため、食材などからうまく補うようにしていきましょう。
現代人のビタミンB1の摂取状況
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実際の現代人のビタミンB1の摂取状況は、どうなっているのでしょうか。
厚生労働省から発行されている「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」のデータによると男女別でのビタミンB1の摂取量は、下記の表のとおりでした。
・1歳以上、男性・年齢階級別:ビタミンB1の栄養素摂取量
年齢 | 総数 | 1-6歳 | 7-14歳 | 15-19歳 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60-69歳 | 70歳以上 |
調査人数 | 3,260 | 181 | 273 | 143 | 211 | 314 | 445 | 417 | 548 | 728 |
ビタミンB1(㎎) | 0.98 | 0.59 | 0.97 | 1.26 | 1.08 | 1.01 | 1.01 | 0.96 |
出典:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」
・男性・栄養摂取量の平均値
年齢 | 20歳以上 | 65-74歳 | 75歳以上 | 70-79歳 | 80歳以上 |
調査人数 | 2,663 | 578 | 460 | 496 | 232 |
ビタミンB1(㎎) | 1.00 | 0.98 | 0.95 | 0.99 | 0.88 |
出典:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」
・1歳以上、女性・年齢階級別:ビタミンB1の栄養素摂取量
年齢 | 総数 | 1-6歳 | 7-14歳 | 15-19歳 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60-69歳 | 70歳以上 |
調査人数 | 3,666 | 208 | 244 | 134 | 217 | 354 | 470 | 491 | 626 | 922 |
ビタミンB1(㎎) | 0.84 | 0.57 | 0.88 | 0.91 | 0.83 | 0.85 | 0.83 | 0.84 | 0.89 | 0.83 |
出典:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」
・女性・栄養摂取量の平均値
年齢 | 20歳以上 | 65-74歳 | 75歳以上 | 70-79歳 | 80歳以上 |
調査人数 | 3,080 | 679 | 587 | 575 | 347 |
ビタミンB1(㎎) | 0.85 | 0.91 | 0.79 | 0.89 | 0.74 |
出典:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」
男女ともに平均値を見ると、厚生労働省で定められている摂取基準値を下回っていることがわかります。
健康的な生活を送るためにも、摂取基準値を目安に意識的にビタミンB1を摂取しましょう。
ビタミンB1まとめ
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今回は、ビタミンB1についてご紹介しました。
ビタミンB1についての要点を以下にまとめます。
- ビタミンB1の摂取により、糖質をエネルギーに変換できる
- 「食事摂取基準」を目安に、食事を摂るよう意識する
- ビタミンB1は、動物性食品で肉や魚、植物性食品では穀類・豆類などが含まれる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。