アミロイドβを減らす方法について
高齢化が進む中、年々増加している病気の1つが認知症です。
近年、アルツハイマー型認知症の原因となる物質について、明らかになりつつあります。
原因となる物質とは、アミロイドβというタンパク質です。
アミロイドβが脳に溜まることで、アルツハイマー型認知症を誘因するとされています。
では、アミロイドβを減らす方法は、ご存知でしょうか。
本記事では、アミロイドβを減らす方法について以下の点を中心にご紹介します。
- アミロイドβを減らすと認知症は解消されるのか
- アミロイドβを減らす方法
- アミロイドβに対するサプリメントの効果
アミロイドβを減らす方法を理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アミロイドβってそもそも何なの?
アミロイドβ(ベータ)とは、脳内で作られるタンパク質の一種です。
神経の成長と修復に欠かせない役割のある、前駆体タンパク質APPの部分断片です。
アミロイドβは年齢に関わらず、健康な人の脳にも存在します。
通常は脳内のゴミとして、短期間で分解され、排出されます。
出典:厚生労働省「認知症」
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アミロイドβの減少が認知症の解消を導く?
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβの蓄積により発症することが有力視されています。
では、どのようにアミロイドβが蓄積されるのでしょうか。
原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、加齢などによりタンパク質の分解や排出がうまくいかないことから始まります。
異常なタンパク質が排出されずにいると、毒性の強いアミロイドβが脳内で蓄積します。
認知症を発症する20年も前から脳に溜まり始めていると言われています。
蓄積すると、アミロイドβは神経細胞同士をつなぐネットワークを傷つけます。
傷つけられた神経細胞が死んでしまうことで、脳が萎縮します。
脳が委縮することにより、アルツハイマー型認知症が発症するとされています。
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アミロイドβを減らすことはできるの?
アミロイドβの蓄積を防ぐ薬の開発が世界中で期待されています。
以下の点を中心に、アミロイドβを減らすための方法をご紹介します。
- 生活習慣病予防
- 適度な運動
- 健康な食生活
- 脳を活動的に
- 社会的な活動への参加
①生活習慣病の予防
認知症は、生活習慣病との関連が強いとされています。
ライフスタイルを見直すことで、アミロイドβを減らすことにつなげましょう。
厚生労働省では、生活習慣予防として以下の対策を推奨しています。
適度な運動
運動をすることで、得られるメリットは多くあります。
生活習慣病だけでなく、心疾患やがんなども罹患リスクを抑えられます。
息がはずみ、汗をかく程度の運動を30分以上、週2日以上を目指しましょう。
最初はウォーキング、軽い筋トレなど無理のない範囲で行いましょう。
バランスのとれた食生活
偏った食生活は、身体に負担がかかります。
ビタミン類、食物繊維、カルシウムを十分に摂ることが推奨されています。
反対に、塩分や糖分、動物性脂肪を控えましょう。
「まごわやさしい」の食生活を目指すのが、おすすめです。
喫煙をしない
たばこの煙には多くの化学物質が含まれています。
化学物質は、発がん性が疑われています。
その他、歯周病や心筋梗塞などの原因になることも分かっています。
適切なアルコール摂取
お酒が引き起こす生活習慣病もあります。
肝障害、膵炎、脂質異常症、高血圧症、がんなどさまざまな病気があります。
飲酒によるリスクを考慮したうえで、適切な量を摂取するようにしましょう。
快適な睡眠
睡眠不足は、肥満・高血圧・メタボリックシンドロームを発症する危険性があります。
また、無呼吸症候群は生活習慣病が原因と言われています。
生活習慣病のリスクを少なくする睡眠時間は7時間前後とされ、睡眠は健康にとって重要であることがわかります。
②適度な運動
アミロイドβの蓄積を妨げるためには、運動は効果が高いことが分かってきています。
有酸素運動をすることで、神経細胞を活性化するホルモンが分泌されます。
ホルモンの分泌を促すことで、アミロイドβを分解する酵素を増やすことが期待できます。
また、脳の血流を良くする効果があり、脂肪をゆっくりと燃やしていきます。
1日5000歩のウォーキングは、認知症を3分の1に減らすと言われています。
また運動後は睡眠の質も上がるため、アミロイドβの排出にも好影響を与えます。
③健康な食生活
生活習慣病予防と同様に、健康な食生活は認知症を予防するにも重要です。
栄養バランスの良い食事を規則正しく摂り、食べ過ぎないようにしましょう。
具体的には、コレステロールを減少させる青魚を摂ることがいいとされています。
アルツハイマー病の発症リスクが低下するという報告があります。
また、大豆製品にはコレステロールや中性脂肪を低下させる効果があります。
特に女性において、豆類の摂取が推奨されています。
豆類の適量摂取により、10年後の認知機能低下リスクが低下したという研究もあります。
ほかにも、野菜や果物などはビタミンやポリフェノールなどの抗酸化作用があります。
抗酸化作用により、活性酸素から受ける神経細胞のダメージを減らすことができます。
反対にアルコールや高脂肪の動物性食品の摂取のし過ぎは推奨されていません。
なぜなら、アルツハイマー病の発症リスクを高めるためです。
出典:国立長寿医療研究センター「No.24食事と認知機能(3)」
④脳を活動的に
認知機能に直接働きかけるには、脳トレが有効です。
なぞなぞなどの高齢者向けの脳トレも非常に効果的です。
そのほかにも、普段の生活にも取り入れられるトレーニングもあります。
脳トレ 具体例
・ 出来事や記憶したことを思い出す
・ 数日前のメニューを思い出す
・ テレビに出ている芸能人の名前を言う等
・ 同時進行する
・ ウォーキングしながら計算をする
・ 料理しながら会話をする等
・ 計画や工程表をつくる
・ 新しい料理レシピに挑戦する
・ 散歩ルートを考える
・ 旅行の計画を立てる等
⑤社会的な活動への参加
人や社会との関わりによってうまれるコミュニケーションにも予防の効果があります。
積極的に集まりに出かける、何か活動をするなどの人は認知症になりにくいと言われます。
1人では出来ない社会的な活動をすることで、脳の神経細胞を活性化させます。
また地域や社会と関わることで、やりがいなどが生まれ、認知症予防につながります。
積極的に外へ出かけ、人とのコミュニケーションを取るようにしましょう。
アミロイドβの減少とサプリメント
認知症の予防効果をうたったサプリメントは、多く存在します。
厚生労働省によると、ビタミンEとビタミンCの併用がより効果があるとされています。
しかし、まだ研究途中であり、サプリメントの使用が必ずしも有用視されているとはいえません。
サプリメントを摂取することは、認知症予防の1つの手段として考えましょう。
出典:厚生労働省「抗酸化と関連するビタミン」
アミロイドβの減少のまとめ
今回は、アミロイドβの減少についてご紹介しました。
アミロイドβについての要点を以下にまとめます。
- アミロイドβを減らすと認知症の進行を低下させることができる
- アミロイドβを減らすには、食生活の見直し・適切な運動・脳トレ・社会的なつながりが重要
- アミロイドβに対するサプリメントの効果はまだ実証されていない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。