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健達ねっと>健康お役立ち記事>栄養>ヒスチジンとはどんな栄養素?効果や働きについて紹介

ヒスチジンとはどんな栄養素?効果や働きについて紹介

食べ物などから摂取できるアミノ酸は、タンパク質を作る働きがあることは知られています。
しかし、アミノ酸の1つであるヒスチジンの効果についてはあまり知られていません。

ヒスチジンは体内でどのように働くのでしょうか?
ヒスチジンはどのような食べ物に含まれるのでしょうか?

本記事ではヒスチジンについて以下の点を中心にご紹介します。

  • ヒスチジンとは
  • ヒスチジンの効果とは
  • ヒスチジンが含まれる食べ物とは

ヒスチジンについて理解するためにもご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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ヒスチジンとは

ヒスチジンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の1つです。
体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の1つに含まれます。

ヒスチジンの働き

ヒスチジンは体内でヒスタミンを合成します。
ヒスタミンは神経伝達物質として神経機能に作用し、脳全体の機能の調整に関与していると考えられています。

ヒスチジンは非必須アミノ酸?

ヒスチジンは元々、以下のように扱われていました。

  • 乳児期:準必須アミノ酸
  • 18歳以上の大人:非必須アミノ酸

しかし、1985 年に FAO(国際連合食糧農業機関)などの国際機関の発表により必須アミノ酸として扱われるようになりました。
特に乳児期には、ヒスチジンが体内で生成できないためです。

大人になるとヒスチジンは体内で生成することができます。
しかし、大人でもヒスチジンが不足すると皮膚病などの異変があらわれます。
そのため、大人も食物からヒスチジンを摂取し、不足しないようにすることが大切です。

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ヒスチジンの効果

ヒスチジンは体内に取り込まれると様々な効果を発揮します。
具体的にご紹介します。

成長促進作用

ヒスチジンは子供の成長をサポートする役割があります。
具体的には以下の通りです。

  • 赤血球の形成
  • 神経機能の補助

ヒスチジンは、赤血球を構成する成分の1つです。
特に成長期には、全身へ酸素や栄養素を運搬するために赤血球の形成は重要です。
ヒスチジンを摂取すると貧血予防にも効果が期待できます。

また、ヒスチジンから合成されるヒスタミンには神経機能を補助する働きがあります。
具体的には以下の通りです。

  • 覚醒の維持
  • 学習と記憶の改善
  • ストレス緩和
  • エネルギー代謝の亢進
  • 不安の改善

ヒスチジンは特に乳児期には体内で生成できないため、子供の成長には欠かせません。

脂肪燃焼作用

ヒスチジンから合成されるヒスタミンには、以下の効果があります。

  • 脳の満腹中枢に作用し、食欲を抑制する
  • 褐色脂肪細胞を活性化させ、脂肪燃焼を促す

褐色脂肪細胞とは、体温保持のために脂肪を燃焼する細胞のことです。

食欲抑制作用と脂肪燃焼作用から、ヒスチジンを摂取することでダイエット効果が期待できます。
なお、ヒスタミンそのものを摂取しても脳までは届かないため、ヒスタミンの元であるヒスチジンを摂取する必要があります。

脳神経の保護作用

脳内で炎症が起こることで脳細胞が死に、脳萎縮が起こることがあります。
認知症で認知機能の低下がみられる場合、すでに脳細胞死が起こっています。

ヒスチジンを含めた7種の必須アミノ酸を投与することで、脳の萎縮や炎症を防止し、認知症の進行を抑える効果が期待できます。

また、脳梗塞など、脳の虚血状態が起こると脳細胞は死にます。
ヒスチジンから生成されるヒスタミンは、脳虚血に対して脳神経を保護する効果が見られます。

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ヒスチジンが含まれる食品

ヒスチジンは魚類や肉類、乳製品や大豆食品などから摂取することができます。
魚類は赤身魚が白身魚よりヒスチジンを多く含みます。

ヒスチジンが含まれる具体的な食品は以下の通りです。

  • 魚類:カツオ、マグロ、カジキ、ブリなど
  • 肉類:鶏肉、豚肉、牛モモ肉、ハムなど
  • 乳製品:エダムチーズ、エメンタールチーズ、プロセスチーズなど
  • 大豆食品:大豆、油揚げ、納豆など
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ヒスチジンの摂取量

ヒスチジンの必要量は年齢によって異なります。
乳児期ではヒスチジンを体内で生成できないため、その他の年齢層より多く摂取する必要があります。
ヒスチジンの必要量の詳細は以下の表の通りです。

年齢(歳)体重1㎏に対する1日のヒスチジン必要量(mg/kg/日)
0.522
1-215
3-1012
11-1412
15-1711
18以上10

出典:厚生労働省「1―2たんぱく質」

大人の必要摂取量

上の表の通り、大人の1日におけるヒスチジンの必要量は、体重1㎏あたり10mgです。
具体的には、体重60㎏の成人男性であれば1日に60×10mg=600mg必要となります。

摂取例

ヒスチジンを効率的に摂取するためには、摂取する食品の種類が重要です。
体重60kgの成人男性であれば、例えば以下のいずれか1つを食べると、1日の必要量を十分摂取できます。

  • 真あじフライ1.5~2尾(100g):640mg
  • 鶏モモ肉のから揚げ3個(100g):810mg
  • カツオのさしみ2切れ(40g):960~1000mg
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アレルギーの原因はヒスタミンにある?

アレルギー症状はヒスタミンなどの過剰分泌によって生じます。

ほこりや花粉はアレルギーの原因となるアレルゲンといわれています。
アレルゲンが体内に入ると免疫機能が働き、IgE抗体(アレルギーに関する抗体)を産生します。
IgE抗体は肥満細胞に作用し、ヒスタミンの過剰分泌につながります。

過剰分泌されたヒスタミンによって、以下のようなアレルギー症状が出ます。

  • 目のかゆみ
  • くしゃみ
  • 湿疹
  • 喘息
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ヒスタミン中毒とは

ヒスタミン中毒は、ヒスタミンを過剰に蓄積した魚などを食べたときに起こります。
症状はアレルギーに似ていますが、アレルギーではなく食中毒です。
ヒスタミンを生成する細菌(ヒスタミン生成菌)が原因といわれています。

ヒスタミン生成菌は魚肉などに含まれるヒスチジンをヒスタミンに変換し、過剰に蓄積させます。
特に生の魚を常温下に放置すると、ヒスタミン生成菌はたくさんのヒスタミンを生成します。

ヒスタミンの過剰摂取による副作用症状

ヒスタミンの過剰摂取により様々な症状があらわれます。
通常は摂取後1時間以内に副作用症状があらわれます。
具体的には以下の通りです。

顔面の紅斑性発疹(口や耳たぶを中心に)灼熱感(口や喉)頭痛嘔吐下痢
蕁麻疹腹部痛動悸めまい目の充血

一般の食中毒の場合、加熱や冷却処理にて食中毒は予防できます。
しかし、ヒスタミンは一度生成・蓄積されると、加熱したり冷却したりしても減りません。
そのため、食品が生であっても火を通していても、食中毒を発症します。

また、ヒスタミン生成菌は冷凍状態ではヒスタミンを生成しませんが、解凍すると急速に
ヒスタミン生成が進むという報告もあります。

ヒスタミンによる食中毒の予防法は、以下の通りです。

  • 魚を保存する場合、速やかに冷蔵冷凍し、常温での放置時間を最小限にする
  • 鮮度が落ちた可能性のある魚は食べない(ヒスタミンが蓄積した可能性がある)
  • 内臓処理を早く行い、魚肉の汚染を最小限にする
  • 食べたときに唇や舌先にピリピリするといった刺激を感じた場合、食べずに処分する

ヒスタミンの摂取量

ヒスタミンの最大許容濃度は、WHO(世界保健機関)とFAOによって以下のように定められています。
具体的な数値は以下の通りです。

成分・栄養素最大許容濃度(mg/㎏)
ヒスタミン200

出典:内閣府食品安全委員会「ファクトシート ヒスタミン(概要)」

なお、ヒスチジンを含め、タンパク質自体には耐容上限量が設定されていません。
上限を決めなければならないような明確な根拠が十分にないためです。

ヒスタミン食中毒の発生状況

ヒスタミン食中毒は、発生件数に対して患者数が多いです。
すなわち、集団食中毒が発生していることがわかります。

具体的な発生状況は以下の通りです。

平成25年平成26年平成27年平成28年平成29年
事件数(件)7713158
患者数(人)1906140528374

出典:消費者庁「ヒスタミン食中毒 表1:ヒスタミン食中毒の発生状況」

なお、ヒスタミン食中毒患者の約6割は14歳以下です。
特に保育園・幼稚園・小学校・中学校などで多く見られます。

原因としては、給食を介した食中毒が考えられます。
学校給食で起きたヒスタミン食中毒の原因には、例えば以下のようなものがあります。

  • 調理の際の温度管理が不適切
  • 調理場の衛生管理が不十分
  • 食品納品時の検収が不適切

先にご紹介した通り、子供はヒスチジンを体内で生成できないため、食べ物から摂取しなければなりません。
ヒスチジンはカジキマグロに多く含まれます。
学校給食で起こったヒスタミン中毒の原因食材は、カジキやマグロであることがとても多いです。

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ヒスチジンまとめ

ここまでヒスチジンについてお伝えしてきました。
ヒスチジンの要点をまとめると以下の通りです。

  • 子供は体内でヒスチジンを生成できないため必須アミノ酸に含まれる
  • ヒスチジンから生成されるヒスタミンには脳神経の保護作用や脂肪燃焼作用がある
  • ヒスチジンは魚や肉、乳製品、大豆食品に多く含まれる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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  • 栄養提供
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