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健達ねっと>健康お役立ち記事>脳梗塞>脳梗塞になりやすい人の特徴|原因疾患、生活習慣とその予防

脳梗塞になりやすい人の特徴|原因疾患、生活習慣とその予防

身近で脳梗塞になった方を見かけることがあります。
生活習慣病が脳梗塞発症のリスクを高めることもよく聞きます。

脳梗塞になりやすい人とはどのような人でしょうか?
どのような疾患が脳梗塞の原因となるのでしょうか?
脳梗塞の治療法はどのようなものでしょうか?

本記事では、脳梗塞になりやすい人について以下の点を中心にご紹介します。

  • 脳梗塞の原因となる疾患について
  • 脳梗塞の治療法について
  • 脳梗塞発症の予防について

脳梗塞になりやすい人について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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脳梗塞とは

脳梗塞は脳卒中の1つです。

脳卒中は、脳の動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称です。

脳梗塞は、何らかの原因で脳の血管が詰まって血液が流れなくなるために起こる疾患です。
脳卒中の約75%を脳梗塞が占めています。
脳卒中にはその他に以下の疾患があります。

  • 脳出血 :脳の血管が破れる
  • くも膜下出血 :脳動脈瘤が破裂する

脳梗塞は以下の3つに分類されます。

  • ラクナ梗塞
  • アテローム血栓性脳梗塞
  • 心原性脳塞栓症

それぞれの病態についてご紹介します。

ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は、脳の細い血管が閉塞して起こります。
以下のような身体障害が起きます。

  • 脱力
  • しびれ
  • 話しにくさ

アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞は、太い血管が閉塞して起こります。
以下のような身体障害が起こります。

  • 顔、体の片側だけが動かない
  • ふらつく
  • 視界が見えにくくなる

心原性脳塞栓症

心原性脳塞栓症は、主に心臓でできた血栓が脳へ飛び、血管が閉塞して起こります。
以下のような障害が起こります。

  • 意識障害
  • 激しい頭痛
  • 失禁
  • 片側マヒ
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脳梗塞の原因となる疾患

脳梗塞の原因となる疾患があります。
以下のような生活習慣病を抱えている人が脳梗塞になりやすい人にあたります。

高血圧脂質異常症
糖尿病肥満症/メタボリックシンドローム
心房細動喫煙

それぞれの疾患についてご紹介します。

高血圧

高血圧は脳梗塞の最も重大な危険因子です。
高血圧は、血圧の高い状態(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)が続く病気です。

高血圧の影響は、特に脳や腎臓、心臓などに及びます。
脳梗塞は高血圧の合併症として起こる病気で、血圧が高い人ほど発症率が高くなります。

脳梗塞の最大の危険因子である高血圧につながる生活習慣は以下のようなものです。

  • 塩分の摂りすぎ
  • 過剰飲酒
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 睡眠不足

脂質異常症

脂質異常症は動脈硬化を促進し、脳梗塞の危険因子になります。
脂質異常症は血清脂質値(血液中の脂肪分濃度)が異常を示す病気です。

血液中の脂肪分は以下のタイプに分けられます。
血管疾患が起こりにくい範囲は以下の通りです。

脂肪分のタイプ血清脂質値
LDL(悪玉)コレステロール140mg/dL未満
HDL(善玉)コレステロール40mg/dL以上
中性脂肪150mg/dL未満

出典:厚生労働省「e-ヘルスネット 脂質異常症」

脂質異常症は、3つの値のうちいずれかが超えた状態をいいます。

糖尿病

糖尿病も脳梗塞の危険因子の一つです。
糖尿病は、血糖値(血液中の糖分濃度)が高くなる病気です。
空腹時での血糖値が140mg/dLを超えるなど、高血糖が続く状態が糖尿病です。

糖尿病の治療効果はHbA1c値(ヘモグロビン値)で調べます。
HbA1cの目標値は7%未満とされています。

糖尿病の予防や治療は以下のような生活習慣を控えることです。

  • 食べ過ぎ
  • 飲みすぎ
  • 間食や夜食

日頃の生活習慣の継続的な改善が最も大切です。

糖尿病は脳梗塞以外にも、腎臓病、網膜症、末梢神経障害などの合併症の要因になります。

肥満症/メタボリックシンドローム

肥満症やメタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子になります。
肥満症やメタボリックシンドロームは、高血圧や糖尿病、脂質異常症の原因となるからです。

肥満症/メタボリックシンドロームの診断基準は以下の通りです。

  • 肥満症:BMI値が25以上(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))
  • メタボリックシンドローム:腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上に加えて、血圧、血糖値、血清脂質のうち2つ以上が軽度異常の場合

心房細動

心房細動を起こしている人は、脳梗塞の一つである心原性脳塞栓症を起こすリスクが高くなります。

心房細動は心房内の脈の乱れによって起こる不整脈の一種です。
心房細動は、心房が小刻みにふるえて麻痺した状態になり血液が滞留しがちになります。
その結果、心房内に血栓ができ脳へ飛んで血管が閉塞すると心原性脳塞栓症を起こします。

喫煙

喫煙によって脳梗塞発症のリスクは上昇します。
また、喫煙本数が増えると、同様に脳梗塞発症のリスクが高くなります。

喫煙と脳卒中病型別発症との関係についてのレポートがあります。
レポートの結果は以下の通りです。

【喫煙本数とラクナ梗塞の発症との関係(男性)】

  • 非喫煙者に対する喫煙者の発症率:約1.5倍
  • 喫煙本数と発症率(対非喫煙者)
    • 1-19本/日 :1.69倍
    • 20-39本/日 :1.34倍
    • 40本/日 :2.19倍

【喫煙本数とくアテローム血栓性脳梗塞の発症との関係(男性)】

  • 非喫煙者に対する喫煙者の発症率:約2.2倍
  • 喫煙本数と発症率(対非喫煙者)
    • 1-19本/日 :1.35倍
    • 20-39本/日 :2.61倍
    • 40本/日 :2.08倍

出典:国立がん研究センター「男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について」

脳梗塞の症状・前兆は?

脳梗塞の人には以下のような代表的な症状が起こります。

  • 運動障害
  • 感覚障害
  • 言語障害
  • その他の障害

それぞれ脳梗塞の人に起こる具体的な症状についてご紹介します。

運動障害

  • 片側の手足が動かなくなる
  • まっすぐに歩けない
  • つまずきやすい

感覚障害

  • 片側の手足がしびれる
  • 片側の手足の感覚が鈍くなり力が入らない

言語障害

  • 呂律が回らない
  • 言葉が出てこない
  • 言葉の意味が分からない

その他の障害

  • めまい
  • 意識障害
  • 片側の顔に麻痺がある
  • 視覚障害など

脳梗塞の治療法は

脳梗塞の初期の治療法について以下の3つをご紹介します。

  • t-PA療法
  • 血管内治療
  • 薬物療法

t-PA療法

t-PA療法は経静脈血栓溶解療法と呼ばれるもので、血栓を溶かす薬「t-PA」を使用します。
t-PA療法は脳梗塞発症後4.5時間以内までに有効に行える治療とされています。

血管内治療

血管内治療はカテーテルを使い、詰まっている血管を再開通させる治療法です。
以下の2種類があります。

  • メルシーリトリーバー :ステントに血栓をからめて取り除く方法
  • ペナンブラシステム :血栓を吸引しカテーテルごと引き抜く方法

血管内治療は脳梗塞発症後8時間以内までに行える治療です。

薬物療法

一般的な脳梗塞治療で使われる薬剤を以下にご紹介します。

  • 抗血小板薬 :血小板の働きを抑える薬
  • 抗凝固薬 :血液の凝固を抑える薬
  • 脳保護薬 :脳の神経細胞を保護する薬
  • 抗浮腫薬 :脳の浮腫を軽減させる薬
  • デキストラン :血流をよくする薬
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脳梗塞発症を予防するには?

脳梗塞の予防に必要な以下の項目についてご紹介します。

  • 高血圧、脂質異常症、糖尿病の治療
  • 不整脈の治療
  • 生活習慣の改善
  • 食生活の見直し
  • 適度な運動

高血圧、脂質異常症、糖尿病の治療

脳梗塞発症を予防するには、脳血栓を起こす動脈硬化の予防が必要です。
動脈硬化の予防には危険因子である高血圧、脂質異常症、糖尿病の継続的治療が必要です。

不整脈の治療

脳梗塞発症の原因となる心房細動(不整脈の一種)の治療には以下の3つがあります。

  • 薬物療法による
    • 心拍数をコントロールする薬の処方
    • 抗凝固薬(血栓の予防)の処方
  • カテーテルアブレーションによる
    • 心房細動の根治術として一般的に行われている治療法
    • 心房細動の原因となっている異常な電気信号を除去する治療法
  • 外科的治療による
    • 心房細動の根治術の一つ
    • 外科手術によって心房細動の原因の異常な電気信号を除去する治療法
    • カテーテルアブレーションに比べて身体的負荷が大きい

生活習慣の改善

脳梗塞予防の為に、日常の生活から危険因子を取り除く必要があります。
具体的には、以下のような生活習慣の改善です。

  • 過剰飲酒
  • 喫煙習慣
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 肥満・メタボリックシンドローム
  • 過度のストレス

食生活の見直し

脳梗塞予防のためには食生活の見直しも必要です。
食生活では以下のような点に気を付けましょう。

  • バランスの良い食事を心がける
  • 過食を控える
  • 塩分を控える(高血圧予防)
  • 適量の飲酒
  • 動物性脂肪を控える
  • DHAやEPAを含む青魚の摂取

適度な運動

運動習慣のある方ほど、生活習慣病にかかるリスクは低減するといわれています。
有酸素運動などの適度な運動の習慣化には、以下のような効果があります。

  • 肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病の予防
  • 動脈硬化の予防
薬の使い方

脳血管疾患の年代別患者数

厚生労働省から脳血管疾患の年代別患者数が公表されています。
公表されている年代別・男女別患者数をまとめると以下のようになります。

【性別・年齢階級別 脳血管疾患患者数(2017年)】

年齢階級男性(万人)女性(万人)
20~240.00.0
25~290.00.0
30~340.10.1
35~390.20.2
40~440.70.5
45~490.90.9
50~541.71.0
55~592.51.6
60~644.03.1

出典:厚生労働省「図表1-2-4 脳血管疾患患者数の状況」
この表から以下のことがわかります。

  • 男女とも40代から罹患者が増加し始めている
  • いずれの世代も男性に罹患者が多い
  • 30代でも男女ともに罹患者がいる

最近は、若年の脳梗塞患者も増加しています。
生活習慣の改善などの脳梗塞の予防が大切になっています。

脳梗塞になりやすい人のまとめ

ここまで、脳梗塞になりやすい人についてお伝えしてきました。
脳梗塞になりやすい人についての要点を以下にまとめます。

  • 脳梗塞の原因になる疾患には高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病がある
  • 脳梗塞の初期の治療法にはt-PA療法、血管内治療、薬物療法の3つがある
  • 脳梗塞の予防には、生活習慣病の治療、食生活の見直し、運動の習慣化などがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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