長く続く倦怠感は、体の重大な危険信号の可能性があります。
ところで、倦怠感とはどのような症状を指すのでしょうか。
また、倦怠感を予防するにはどうしたらよいのでしょうか。
本記事では、倦怠感について、以下の点を中心にご紹介します。
- 倦怠感の症状
- 倦怠感の原因
- 倦怠感の対処方法
倦怠感について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
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倦怠感とは
倦怠感とは、疲れた感覚が続き、日常生活に支障が出ている状態です。
身体的な疲れを想像しがちですが、精神的な疲労感も倦怠感に該当します。
倦怠感は、心身が疲労のピークを迎えたというサインだといわれています。
より具体的にいえば、脳や体からの「休みなさい」という危険信号として、倦怠感があらわれるのです。
倦怠感の代表的な原因は日常的な疲労・ストレスです。
あるいは、全身疾患が原因で引き起こされることもあります。
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倦怠感の症状はどんな感じ?
倦怠感があっても「疲れているだけだろう」と放置する方は少なくありません。
たしかに倦怠感は、疲労・ストレスなどに起因することが多いです。
十分な休養をとって疲労・ストレスが緩和されれば、倦怠感も和らぐことがあります。
しかし、多忙な方は、倦怠感があっても十分な休養を取ることが難しい場合もあります。
倦怠感があるにもかかわらず、休養をとれずにいると、重症化して日常生活に支障をきたす可能性があります。
最悪の場合は、そのまま体を壊すことにもつながりかねません。
健康を損なわないためにも、倦怠感の症状が長く続く場合や、休養しても治らない場合は、念のため病院を受診しましょう。
それでは、気をつけるべき倦怠感の症状についてご紹介します。
熱がないのに悪寒がする
悪寒は、ゾクゾクするような寒気を感じることです。
たとえ気温が高い時期でも、悪寒に襲われると体がブルブル震えることがあります。
悪寒は多くの場合、風邪やインフルエンザなどの初期症状としてあらわれます。
しかし中には、発熱などの風邪症状がないにもかかわらず、悪寒に襲われることがあります。
風邪を引いていないのに悪寒がする場合、原因の1つとして倦怠感が挙げられます。
より具体的には、自律神経のバランスの乱れが悪寒を引き起こします。
自律神経とは、内臓の働き・ホルモン分泌を調節する神経系です。
体温や血圧の調整も自律神経が行います。
自律神経は、ストレス・疲労が重なるとバランスが乱れやすくなります。
すると体温調節機能が狂いやすくなるため、風邪を引いていないのに悪寒を感じることがあります。
倦怠感による悪寒を改善するには、体をゆっくり休めることが大切です。
寒気がひどい場合は、毛布にくるまったり、お風呂に入ったりして、体を芯から温めましょう。
頭痛やめまいがする
倦怠感の1種として、頭痛やめまいがあらわれることがあります。
特に多いのが偏頭痛です。
偏頭痛は、片側のこめかみから頭頂部にかけて、ズキズキと痛むのが特徴です。
偏頭痛が起こるのは、血管の収縮・拡張のためと考えられています。
具体的には、脳血管が過度に収縮したあと、急激に拡張することが原因です。
血管が急激に広がると、脳の血流が一気に増えるため、頭痛やめまいなどがあらわれやすくなるのです。
偏頭痛の原因は解明されていませんが、一説ではストレス・疲労が指摘されています。
偏頭痛・めまいがある場合は、静かな場所でゆっくり横になりましょう。
吐き気を感じる
胃に器質的な問題がないにもかかわらず、吐き気・嘔吐がある場合は、倦怠感の可能性が高いです。
倦怠感によって吐き気があらわれるのは、自律神経と関係があります。
自律神経は、消化器官をはじめ全身の内臓をコントロールします。
疲労・ストレスによって自律神経が乱れると、消化器官の働きが低下します。
そのため、吐き気・嘔吐などの症状があらわれやすくなります。
倦怠感によって吐き気・嘔吐がある場合、まずはゆっくり休息しましょう。
温かくて消化のよい食事を心がけると、胃腸が回復しやすくなります。
喉の痛みを感じる
倦怠感によって喉の痛みが出ることがあります。
痛みではなく、喉が詰まったような感覚・違和感が出ることも少なくありません。
原因不明の喉の痛み・不快感は、咽頭異常感症と呼ばれています。
発話・食事・呼吸などに支障を来すこともあります。
咽頭異常感症の原因の多くは、ストレス・疲労の蓄積です。
具体的には、疲労などによって自律神経のバランスが崩れることで、喉に異常が生じます。
喉に不快感がある場合は、清涼感のあるのど飴・タブレットなどを口にすると、症状がやわらぐことがあります。
あわせて、休養をとるなどして、体をゆっくり休めることも大切です。
眠気が続くが寝ても疲れが取れない
睡眠でトラブルが起こっている場合、睡眠障害が疑われます。
いわゆる「不眠症」が該当します。
- 布団に入っても2時間以上寝付けない
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝、予定よりかなり早い時間に目が覚める
- 十分に寝たつもりだが、疲れがとれない
不眠症の原因の1つとして、過度な疲労・ストレスなどが挙げられます。
より具体的には、疲労によって自律神経のバランスが崩れ、睡眠のリズムが乱れることが原因です。
改善するには、生活習慣を見直したり、十分な休養をとったりすることが大切です。
やる気が出ない
倦怠感の代表的な症状が、意欲の低下です。
何をするにも億劫で、やる気が出ない状態が該当します。
やる気が出ない原因は、脳・体が休息を促しているためです。
意欲を低下させることで、強制的に体を休めようとしているわけです。
どうしてもやる気がでないときは、思いきって休息するのも1つの方法です。
心身が十分に休養できれば、倦怠感・意欲の低下も自然と解消されることが多いです。
食欲不振で食事を摂れない
倦怠感があらわれると、食欲が低下することがあります。
原因として、自律神経の乱れが挙げられます。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ちます。
交感神経は、緊張・興奮時に活性化し、食欲を抑制する働きをします。
一方、副交感神経はリラックス時に優位になります。
副交感神経が優位になると、食欲が増進されます。
疲労・ストレスがかかると、自律神経のうち、交感神経が過度に活発化します。
そのため、食欲が低下しやすくなるのです。
食事も摂れないほど疲れている場合は、無理に何かを食べる必要はありません。
無理に食事をすると、かえって胃腸に負担をかけるためです。
まずは体をゆっくり休め、食欲が回復するのを待ちましょう。
筋肉痛で気怠い
倦怠感によって、筋肉痛があらわれることがあります。
全身が重く感じたり、気怠さを感じたりするケースもみられます。
筋肉痛・気怠さの原因は自律神経の乱れにあります。
自律神経は筋肉のバランスをコントロールしているためです。
運動などをしていないにもかかわらず、筋肉痛がある場合は、疲れによる自律神経の乱れが考えられます。
関節痛がある
倦怠感は、関節痛を引き起こすこともあります。
重症化すると、歩けなくなることも少なくありません。
倦怠感による関節痛の原因は、自律神経の乱れです。
肉体のコントロールがうまくいかなくなるため、関節などに異常が出やすくなります。
原因不明の関節痛がある場合、まずはゆっくり休息するのも1つの方法です
息苦しい感じがする
倦怠感によって、息苦しさや胸が詰まった感覚に襲われることがあります。
疲労・ストレスがかかると、呼吸は自然と早く浅くなります。
体内に取り込まれる酸素が少なくなるため、息苦しさなどがあらわれやすくなります。
息苦しい感じがするときは、意識して呼吸を深くしましょう。
腹式呼吸を心がけると、肺が大きく開くため、息苦しさが緩和されやすくなります。
自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする神経のことです。心と体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経がバランスを取りながら、私たちの体を支えています。自律神経が不調をきたしたり乱れたりす[…]
倦怠感を感じるシチュエーション
倦怠感を感じやすい状況をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
病気に罹患した
倦怠感は、全身疾患が原因で引き起こされることもあります。
倦怠感を引き起こしやすい疾患には、たとえば以下があります。
- うつ病
- がん
- 更年期障害
- 風邪
- 急性肝炎
- 腎不全
- 糖尿病
- 貧血
十分に休息しても倦怠感が解消されない場合、全身疾患が原因の可能性が高いです。
倦怠感を改善するためにも、病院を受診して、原因疾患を治療しましょう。
激しい運動や激務を終えた
激しい運動や忙しい仕事を終えた後は、疲労から倦怠感があらわれやすくなります。
スポーツ・仕事などが原因の倦怠感は、一時的なものである可能性が高いです。
まずは体をゆっくり休めましょう。
栄養バランスのよい食事を摂ると、疲労の回復がはやまります。
寝不足
寝不足が続くと倦怠感があらわれやすくなります。
睡眠が十分でないと、体・脳に疲労が蓄積されるためです。
睡眠不足は、特に脳の疲労を招きます。
脳の疲労は、睡眠中にリセットされるためです。
寝不足が続いているという場合は、まずしっかり睡眠をとってください。
ただし、昼過ぎまで寝ていたり、昼夜逆転したりするような生活は、かえって睡眠リズムを崩します。
倦怠感を改善するには、起床・就寝時刻を一定にし、規則正しい生活を心がけることが大切です。
バランスの悪い食事を食べ続けた
栄養バランスの悪い食事は、倦怠感の大きな原因です。
疲労回復に必要な栄養が摂取できなくなるためです。
特に倦怠感を招きやすいのは、ビタミン・ミネラル不足です。
ビタミン・ミネラルは、体の調子を整える栄養素であるためです。
たとえばジャンクフードは、脂質・糖質が過剰な一方、ビタミン・ミネラルがほとんど含まれていません。
すると体が調子を崩しやすくなるため、倦怠感があらわれることがあります。
また、栄養バランスの悪い食事は生活習慣病の原因でもあります。
生活習慣病も、倦怠感を引き起こす原因の1つです。
倦怠感を改善するには、まず食事を見直すことが大切です。
仕事や人間関係のストレスが溜まっている
ストレスは倦怠感の代表的な原因です。
ストレスが蓄積すると、自律神経のバランスが崩れやすくなるためです。
自律神経は内臓の働きなどをコントロールしています。
そのため自律神経がバランスを崩すと、心身にはさまざまな不調があらわれやすくなります。
倦怠感を予防・改善するためにも、ストレスはこまめに発散しましょう。
たとえば趣味・旅行・買い物などがおすすめです。
ストレスを溜めないための工夫も大切です。
仕事量を見直したり、配置換えを検討したりして、ストレスの原因から遠ざかりましょう。
倦怠感を引き起こす要因
倦怠感の代表的な要因をご紹介します。
倦怠感は、主に心理的な問題で引き起こされることが多いです。
うつ病などの病を患っている
うつ病は倦怠感の代表的な原因です。
うつ病は気分障害の1種で、原因は脳の働きが悪くなることです。
うつ病では脳機能の低下によって、意欲の低下などが起こりやすくなります。
意欲が低下すると、何事にも興味を持てず、心身に気怠さを感じやすくなります。
うつ病では、不眠・肩こり・頭痛などがあらわれるのも、倦怠感と関係があります。
身体的な不快感は、そのまま倦怠感に発展しやすいためです。
出典:厚生労働省【うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省】
出典:厚生労働省【1 うつ病とは】
自分が病気でないか心配する気持ち
倦怠感があらわると、「自分は病気かも?」という不安に襲われることも少なくありません。
病気かもしれないという不安は、ときに「病気にちがいない」という根拠のない確信に変わることがあります。
自分を病気と思い込むのは、「心気症」という状態です。
心気症になると、自分の体調に過度に敏感になります。
ささいな不調を重症に感じるため、倦怠感などを感じやすくなるのです。
ほとんどの場合、検査を受けても重大な身体的器質は見つかりません。
過労
倦怠感の原因の多くは過労です。
疲労が蓄積すると、心身は疲労のピークを迎えます。
すると体を休息させるために、脳が倦怠感という形で危険信号を発するのです。
過労になる原因としては、長時間労働・睡眠不足などが代表的です。
働き過ぎていると感じる場合は、ゆっくり休息をとりましょう。
多くの倦怠感は原因不明
倦怠感は、原因がハッキリ特定されないことが多いです。
実際に複数の病院を受診しても原因が見つからず、結果、症状が改善しないというケースは少なくありません。
身体的な器質が見つからない場合は、心理面に問題があることが多いです。
もし身体的な異常がない場合は、精神科や心療内科を受診するのも1つの方法です。
自己判断しない方がよい倦怠感
倦怠感は全身疾患が原因の場合もあります。
「疲れているからだ」と症状を放置すると、重大な病気を見逃しかねません。
すこしでも気がかりな症状がある場合は、病院を受診してください。
病院を受診する目安となる症状をご紹介します。
2、3日休んでも残る倦怠感
休息しても倦怠感が残る場合は、全身疾患が隠れている可能性が高いです。
倦怠感を引き起こしやすい疾患には以下があります。
- 心疾患
- がん
- 脳卒中
- 急性肝炎
- 腎不全
- 糖尿病
- 関節リュウマチ
いずれも、放置すると重症化する可能性が高い病気です。
最悪の場合は命を落とすこともあります。
病気を見逃さないためにも、倦怠感が続く場合は病院を受診しましょう。
激しく動いていないのに感じる倦怠感
さほど運動していないにもかかわらず、倦怠感が続くことがあります。
原因として、運動不足によって体内の水分・血液循環が悪化していることが考えられます。
あるいは、運動不足による筋肉の凝りなども倦怠感の原因です。
運動不足による倦怠感は、悪化しやすい傾向がみられます。
だるいからといって体を動かさずにいると、運動不足に拍車がかかり、筋肉の凝り・血行不良が悪化しやすくなるためです。
体を動かしていないのにだるいと感じる場合、症状を放置するのはやめましょう。
軽く体を動かすと、症状が改善されることが多いです。
発熱を伴う倦怠感
倦怠感と同時に発熱がある場合は、なんらかの病気の可能性が高いです。
代表的なのは風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症などです。
あるいは、がん・肝臓障害・腎不全などの重大な病気が隠れている可能性もあります。
濃い色の尿を伴う倦怠感
倦怠感と同時に、尿の色の異常がある場合は、重大な病気が疑われます。
尿の色別に、代表的な疾患をご紹介します。
- 透明に近い:糖尿病・尿崩症
- 白濁:腎盂炎・膀胱炎
- 褐色:脱水症状・肝機能障害
- 赤色:尿路結石・腎不全
- 尿が泡立つ:腎臓障害
尿の色に異常がある場合は、倦怠感の有無にかかわらず、いちど病院を受診しましょう。
疲れやすさを伴う倦怠感
疲れやすいなどの症状がある場合、以下の疾患が疑われます。
- 貧血
- 糖尿病
- 狭心症・心筋症
- 更年期障害
- がん
- うつ病
いずれも放置すると、重症化する可能性が高い病気です。
急激な体重減少を伴う倦怠感
倦怠感があり、かつ急激な体重減少がある場合、以下のような病気の可能性があります。
- 糖尿病
- がん
- バセドウ病
- 逆流性食道炎
- 関節リウマチ
- うつ病
ダイエットしていないにもかかわらず、体重が急激に落ちた場合は、念のため病院を受診してください。
目安は、半年~1年で体重が5%減少した場合です。
薬を長期服用している場合の倦怠感
持病薬などの長期服用が倦怠感を引き起すこともあります。
倦怠感の原因となりやすいのは、抗がん薬・抗ヒスタミン薬・向精神薬などです。
長期にわたって服用している薬があり、かつ倦怠感が強い場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみましょう。
倦怠感の対処はどうすればよい?
倦怠感がある場合の対処方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
どれくらい倦怠感が続いているか振り返る
まずは、倦怠感の期間を確認しましょう。
倦怠感のキッカケが特定できれば、改善方法がみつかる可能性があります。
たとえば忙しい仕事が一段落して倦怠感が始まった場合、原因は疲労の可能性が高いです。
疲労が原因の場合は、休息すると症状が薄れる可能性があります。
もし思い出せないほど倦怠感が長く続いている場合は、病気の可能性があります。
数ヶ月単位で倦怠感が続く場合、いちど病院を受診しましょう。
どんな時に倦怠感を感じるか考えてみる
倦怠感が出やすい状況を特定することも、症状の緩和に役立ちます。
特に全身疾患がある方は、倦怠感が出やすいタイミングを把握しておくことが大切です。
たとえば持病薬の服用後に倦怠感がある場合、原因は医薬品の可能性が高いです。
医師に相談して、倦怠感が出にくい医薬品に切り替えたり、別の治療法を検討したりしましょう。
他の症状がないか確認する
倦怠感のほかに、全身症状がないかを確認しましょう。
全身症状がヒントになって、倦怠感の原因を特定できる可能性があります。
たとえば強烈な睡魔がある場合、倦怠感の原因は不眠と考えられます。
睡眠状況を改善すれば、倦怠感も収まりやすくなります。
倦怠感が長引いていれば医療機関を受診する
倦怠感が数ヶ月続く場合は、全身疾患が疑われます。
休息しても倦怠感が取れない場合も、他の病気が考えられます。
いつまでたっても倦怠感が解消されない場合は、いちど病院を受診しましょう。
倦怠感の期間・あらわれやすいタイミング・症状などをメモしておくと、より的確な診断につなげられます。
仕事や日常から離れた環境で過ごす
倦怠感の原因の多くは、ストレス・疲労です。
ストレス・疲労が強い場合は、いちど日常環境から離れるのも1つの方法です。
たとえば休職・休校を検討してください。
家ではゆっくり休めない場合は、病院と相談して入院するのもおすすめです。
日常的な煩わしさから解放されると、心身がゆっくり休息できます。
十分な休息がとれれば、倦怠感は自然と収まりやすくなります。
湯船に浸かる
倦怠感がある場合、全身の血行が悪化していることが多いです。
血行を改善すれば、倦怠感も薄れやすくなります。
血行促進におすすめなのが、入浴です。
ポイントはぬるめのお湯にゆっくり浸かることです。
具体的には、38~40℃のお湯に15~20分程度浸かりましょう。
43℃以上のお湯はかえって体に負担をかけるため、倦怠感がある場合は控えてください。
音楽を聴く
音楽を聴くことも、疲労回復・ストレス解消によい方法です。
おすすめなのはクラシックです。
クラシック音楽は、α波を起こす効果が高いためです。
α波は脳波の1種で、脳をリラックスさせる効果が高いと指摘されています。
ただし、α波はJ-POPなどでも起こるという説もあります。
音楽を聴くときは、クラシックにかかわらず、自分がリラックスできると感じる曲を選びましょう。
心地よいフレグランスを嗅ぐ
「香り」には疲労・ストレスを解消する効果が期待できます。
心地よい香りには、自律神経に働きかけて心身をリラックスさせる作用があるためです。
おすすめなのはアロマ(精油)です。
特に以下のような香りは、高いリラックス効果があります。
- ラベンダー
- 柑橘系
- ローズ系
- ネロリ
- サンダルウッド
香りを楽しむ方法としては、アロマを直接嗅いだり、温めたりするものが代表的です。
香りのよい入浴剤を使ったり、好きな香水を身につけたりするのもおすすめです。
就寝前は暗めの照明で過ごす
倦怠感を解消するには、質のよい睡眠をとることが大切です。
たとえば、就寝1時間前には照明を暗くしてみましょう。
部屋を暗くすると、心身がリラックスするため、スムーズに眠りにつきやすくなります。
自然に眠りにつくには、就寝前のスマートフォン・PCの使用を避けることも重要です。
デジタル機器が発するブルーライトは、脳を興奮させて眠りを浅くするためです。
好きな食べ物を食べる
好きな食べ物を食べることは、よいストレス解消法です。
ただし、暴飲暴食は肥満や糖尿病・高血圧などの生活習慣病の原因となります。
好きな物を食べるといっても、量・頻度はほどほどを守りましょう。
「週に1回だけ」などとルールを決めておくと、仕事などへのモチベーションも上がりやすくなります。
ビタミンB群を摂る
ビタミンB群は疲労回復効果の高い栄養素です。
疲労感が強い場合は、ビタミンB群が豊富な食べ物を積極的に摂りましょう。
栄養素 | 主な食品 |
ビタミンB1 | 豚肉・うなぎ・玄米・全粒粉・豆類 |
ビタミンB2 | レバー類・卵 |
ビタミンB6 | 牛レバー・かつお・まぐろ・ナッツ類 |
ビタミンB12 | レバー類・牡蠣・あさり・海苔 |
ナイアシン | 肉類・魚類・落花生 |
パントテン酸 | レバー類・魚卵・豆類 |
葉酸 | 緑黄色野菜・大豆製品・レバー類 |
ビオチン | レバー類・卵・キノコ類 |
食品からの摂取が難しい場合は、サプリメントを利用するのもおすすめです。
倦怠感の治し方 3ステップ
倦怠感の治し方をご紹介します。
倦怠感でお悩みの方は、ぜひお役立てください。
倦怠感の状態をチェックする
倦怠感を治すには、まず自身の症状を的確に把握する必要があります。
たとえば、以下のようなポイントに注意してください。
倦怠感と疲労感の違いに気をつける
自身の不調が、倦怠感なのか疲労感なのかを見極めましょう。
倦怠感と疲労感の違いは、回復のしやすさです。
多くの場合、疲労感は2~3日休息すれば解消されます。
反対に倦怠感は、休息しても解消されないこともあります。
どんな症状があるか書き出す
倦怠感の症状はさまざまです。
たとえばだるさ・意欲の低下だけでなく、悪寒・頭痛・喉の痛みなどがあらわれることもあります。
倦怠感がある場合は、まず自身にどのような症状があるのかメモしておきましょう。
ペンとノートを使うほか、スマートフォンのメモ機能などを使うのもよい方法です。
どれくらい症状が続いているか書き出す
倦怠感の期間を把握しておきましょう。
倦怠感は長期にわたるほど、重症化しやすくなるためです。
長期の倦怠感がある場合は、全身疾患の可能性も疑われます。
日記・ノート・スマートフォンのメモ機能などを活用すると、より正確な記録を残せます。
倦怠感の原因が何か思い出す
倦怠感が始まったキッカケをできる限り思い出してください。
特定のキッカケが判明できれば、有効な治療法をみつけやすくなります。
激しく運動した
激しい運動は全身に大きな負担をかけるため、倦怠感を引き起こすことがあります。
激しい運動によって引き起こされる倦怠感は、「オーバートレーニング症候群」などともよばれます。
オーバートレーニング症候群は、運動による生理的な疲労が積み重なり、慢性的な疲労感が出ることです。
出典:厚生労働省【オーバートレーニング症候群 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
病気に罹っている
なんらかの病気が倦怠感の原因になることもあります。
たとえ治癒しても、後遺症として倦怠感が残るケースもみられます。
後遺症として倦怠感が出やすいのは、新型コロナ感染症や脳卒中です。
季節の変わり目に抵抗力が落ちて弱っている
季節の変わり目は体調を崩す方も少なくありません。
理由は、気温変動などに体がついていけず、自律神経のバランスが崩れることです。
自律神経のバランスが崩れると、倦怠感などがあらわれやすくなります。
強いストレスに長くさらされている
ストレスは倦怠感のキッカケになりやすいです。
ストレスが生まれやすい状況としては、仕事・対人関係・環境の変化などが代表的です。
ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れやすくなるため、倦怠感を始めさまざまな不調があらわれやすくなります。
倦怠感の原因を解消する
倦怠感の原因が特定できる場合は、適切な対処法をとりましょう。
原因別に倦怠感の対処法をご紹介します。
生理前の倦怠感ならリラックスを心がける
生理前に倦怠感があらわれる女性は少なくありません。
倦怠感の原因は、女性ホルモンのバランスが崩れることで、自律神経が乱れることです。
生理前に不調があらわれる場合は、まずリラックスして過ごすことを心がけてください。
たとえばゆっくり湯船に浸かったり、アロマを嗅いだりするのがおすすめです。
あわせて、栄養バランスのよい食事を摂ったり、無理のない範囲で軽く運動したりすることも大切です。
心身がリラックスすると自律神経のバランスが整いやすくなるため、倦怠感が解消されることがあります。
重度の倦怠感がある場合は、セルフケアでは改善が難しい可能性があります。
婦人科を受診して、専門的な治療を受けてください。
病院を受診する
休息をとっても倦怠感がとれない場合や、数ヶ月症状が続く場合は、隠れた病気のサインの可能性があります。
重大な病気を見逃さないためにも、いちど病院を受診してください。
何科か分からない場合は内科、精神科を受診
倦怠感で病院を受診する場合、診療科は内科が適当です。
もしかかりつけの病院がある場合は、主治医に相談してもよいでしょう。
ストレス・心理的な要因に心当たりがある場合は、精神科を受診するのもおすすめです。
病気が原因であれば治療する
倦怠感の原因が全身疾患である場合、まずは原因疾患の治療を受けましょう。
疾患が治癒すれば、倦怠感も解消されるケースが多いです。
病気・倦怠感は、放置すると重症化するおそれがあります。
重症化を防ぐためにも、気になる症状がある場合はすぐに病院を受診してください。
うつ病が原因なら精神科や心療内科を受診
倦怠感はうつ病の症状の1つでもあります。
自分でうつ病の可能性が高いと感じる場合は、精神科や心療内科を受診してください。
うつ病は、放置するほど回復までの期間が長引く傾向がみられます。
なるべく短期間で治癒させるためにも、うつ病に心当たりがあるなら、病院を受診しましょう。
風邪が原因なら薬を飲んで様子を見る
倦怠感は風邪が原因で引き起こされることもあります。
風邪を引いている場合は、まず休養に努めましょう。
風邪薬を飲むのもよい方法です。
風邪薬は市販もされていますが、できれば病院で診察・処方を受けるのがおすすめです。
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倦怠感を予防する方法5選
倦怠感の予防方法をご紹介します。
予防方法は、消極的休息と積極的休息の2種類に分けられます。
倦怠感を予防するには、消極的休息・積極的休息の両方に取り組むことが大切です。
それでは、それぞれの内容をみていきましょう。
出典:厚生労働省【休養・こころの健康|厚生労働省】
質の高い睡眠をとる
質の高い睡眠は消極的休息に該当します。
睡眠によって、心身をしっかり休息させることが目的です。
質の高い睡眠を取るには、以下のようなポイントを心がけてください。
- 起床・就寝時刻を一定にする
- 就寝前は部屋の照明を暗くする
- 体への負担を避けるために、食事・運動は就寝の2~3時間前に終わらせる
- ブルーライトは睡眠の質を下げるため、就寝1時間以内のスマホ操作は避ける
- アルコールは睡眠の質を下げるため、寝酒は控える
- 起床後は朝陽を浴びて、体内時計をリセットする
アクティブレストで心の疲れも癒す
アクティブレストは積極的休息に含まれます。
アクティブレストとは、疲労時に軽い運動をすることでリフレッシュを図る方法です。
軽い運動をすると、筋肉の緊張がほぐれて、全身の血行が促進されます。
すると体だけでなく、心までリフレッシュしやすくなります。
おすすめなのは有酸素運動です。
散歩・ウォーキング・サイクリング・水泳などにとり組みましょう。
筋トレなどの激しい運動はかえって体に負担をかけます。
少なくとも疲労時は避けましょう。
適度な運動を毎日行う
適度な運動は積極的休息に含まれます。
定期的に運動をすると全身の血行が促進されるため、疲れにくくなります。
倦怠感予防に適しているのは、ウォーキング・水泳などの有酸素運動です。
スポーツが苦手な方は、1駅分余計に歩くなどして、運動量を増やす工夫をしましょう。
ストレッチやヨガで疲労を解消する
ストレッチ・ヨガは積極的休息に該当します。
ストレッチ・ヨガをすると、筋肉の緊張がほぐれ、体の柔軟性が高まります。
すると血行が促進されるため、心身がリフレッシュしやすくなります。
また、ストレッチ・ヨガは自律神経のバランスを整える方法としても有効です。
自律神経が整うと、体が疲れにくくなります。
栄養素が不足しない食事を心がける
食事の見直しは、消極的休息に含まれます。
栄養バランスのよい食事は、疲労を回復させる効果が高いです。
特に意識して摂取したいのがビタミンB群です。
ビタミンB群は、疲労回復に役立つ栄養素です。
そのほか、鉄分やタンパク質などを補給することも大切です。
なにか1つの栄養を偏って摂るのではなく、すべての栄養をまんべんなく摂ることを意識しましょう。
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倦怠感まとめ
ここまで、倦怠感についてお伝えしてきました。
倦怠感についての要点を以下にまとめます。
- 倦怠感の症状は、頭痛・めまい・悪寒・吐き気・筋肉痛など
- 倦怠感の原因は、ストレスや疲労のほか、がんなどの全身疾患、うつ病などの精神障害が代表的
- 倦怠感に対処するには、症状の期間・タイミング・種類を把握し、十分な休息をとったり、病院で検査を受けたりすることが大切
最後までお読みいただき、ありがとうございました。