貧血という言葉は知っていても、具体的にどのような症状があるのか知らないという方は少なくありません。
貧血では、一体どのような症状があらわれるのでしょうか。
また、どのように対策したらよいのでしょうか。
本記事では、貧血症状について、以下の点を中心にご紹介します。
- 貧血の主な症状
- 貧血の原因
- 貧血の予防・改善方法
貧血症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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貧血とは
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貧血とは、血液の成分が薄くなった状態です。
より具体的には、血液中の赤血球が減少した状態を貧血と呼びます。
赤血球の中にはヘモグロビンという成分があります。
ヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を全身に運ぶ役割を果たします。
赤血球が減るとヘモグロビンの数も少なくなります。
すると全身に酸素が届かなくなるため、さまざまな症状があらわれやすくなります。
いわゆる貧血が起こるわけです。
貧血の原因の多くは、ヘモグロビンの原料である鉄分不足です。
出典:厚生労働省【貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう】
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あなたも貧血かも?セルフチェックしてみよう!
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貧血のセルフチェック項目
以下に、貧血のセルフチェック項目をいくつか挙げます。これらの項目に当てはまる場合、貧血の可能性があると考えられます。
- 疲れやすい
- イライラする
- 憂うつになる
- 神経が敏感
- 集中力がない
- 顔・肌色が青白い
- 髪の毛の弾力がない・抜け毛が多い
- 頭痛がする
- 目まいがする
- 冷える
- 朝起きられない
- 動悸・息切れがある
- 風邪をひきやすく、長引く
- 舌のただれ・口内炎になりやすい
- 塩味が欲しくなる
- 肩・首筋がこる
- 消化不良になる
- 骨が折れやすい
- 爪がもろく、艶がない
- 手足の指がずきずき痛む
これらの項目に多く当てはまる場合、貧血の可能性が高いと考えられます。
ただし、これらのチェック項目はあくまで参考の一つであり、正確な診断は医療機関で行う必要があります。
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主な貧血の症状について
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セルフチェックの結果はいかがでしたか?
下記では、貧血の症状の中でも主な症状について、さらに詳しく解説していきます。
貧血の主な症状|めまい・立ちくらみ・目の前が暗くなる
貧血ではめまいなどの症状があらわれやすくなります。
原因は、ヘモグロビンの不足によって全身が酸素不足になることです。
全身の血行が悪くなると脳への血流が滞りやすくなります。
すると脳細胞が酸欠になるため、めまいなどの症状があらわれやすくなります。
めまいがあらわれやすいのは、立ち上がったときや、安静時から急に身体を動かしたときです。
【主な症状】
- 目がぐるぐる回る
- 足下がふわふわと浮いているような感覚がする
- 立ち上がったときに目の前が真っ暗になる
貧血の主な症状|動悸・息切れ
動悸・息切れも貧血の代表的な症状です。
ヘモグロビン不足になると全身に酸素が供給されなくなります。
すると臓器や細胞が酸欠を起こすため、息切れなどが起こりやすくなります。
また、貧血が起こると心拍が上がりやすくなるため、動悸を感じやすくなります。
心拍が上がるのは、酸欠を補おうとして心臓が必死に血液を全身に送るためです。
動悸が激しくなると、痛いと感じることもあります。
【主な症状】
- 階段・軽い坂道の上り下りで息が切れる
- 重い荷物が持てない
- 心臓が脈打つような感覚がある
- 胸の痛み
貧血の主な症状|全身倦怠感・疲れやすさ
貧血によって倦怠感・疲れやすさがあらわれるのは、ヘモグロビンの不足が原因です。
全身が酸素不足になるため、すこし運動しただけで疲労感を感じやすくなります。
疲れが取れにくいのも貧血症状の1つです。
【主な症状】
- 疲れやすい
- 慢性的にだるい
- 朝、なかなか起きられない
貧血の主な症状|頭痛・肩こり
貧血になると、頭痛・肩こりが起こりやすくなります。
原因は、血流悪化によって筋肉に十分な酸素が届かなくなることです。
酸欠になった筋肉は代謝が低下します。
代謝が低下すると疲労が取れにくくなるため、肩こりなどの原因となります。
【主な症状】
- 肩・首が凝る
- 頭痛
- 頭が重く感じる
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貧血の主な症状|眠気・あくび
眠気・あくびも貧血によって起こりやすい症状です。
貧血になると、全身の血流が悪化するため、脳に酸素が届きにくくなります。
脳機能が低下しやすくなるため、眠気を感じることや、頭がボーッとすることが増えます。
あるいは、貧血による睡眠障害も眠気の原因です。
貧血になると、睡眠に関わるホルモンのバランスが悪くなります。
結果、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることは少なくありません。
睡眠が不足すると、昼間に眠気を感じやすくなるほか、あくびが出やすくなります。
あくびが増える原因は、脳の酸欠自体にもあります。
あくびによって大きく息を吸うことで、脳に酸素を届けようとする仕組みが働くためです。
【主な症状】
- 日中に強い睡魔に襲われる
- 頭がボンヤリする
- あくびが多い
貧血の主な症状|寒気
貧血になると寒気を感じやすくなったり、手足が冷えたりしやすくなります。
全身の血行が悪化することで、手足などの末端まで血流が届かなくなるためです。
末端に血流が届かなくなると、末端にある細胞は酸欠になるため、活動が低下します。
結果、細胞が熱を生み出せなくなるため、冷えやすくなってしまうのです。
【主な症状】
- あたたかい季節でも手足が冷える
- 寒気を感じやすい
- お腹が冷えて下痢をしやすい
貧血の主な症状|顔面蒼白、下まぶたの裏(眼瞼結膜)が白い
ヘモグロビンは赤い色素です。
血液が赤色をしているのもヘモグロビンに由来しています。
そのため貧血になってヘモグロビンが減ると、血液の赤みが薄れます。
結果、顔色が悪くなるなどの症状があらわれやすくなります。
【主な症状】
- 顔色が青白い
- 皮膚が黄色っぽくくすんでいる
- 下まぶたの裏をめくったとき、白っぽい
- 爪が白い
貧血の原因は?
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貧血の主な原因をご紹介します。
予防対策のためにもぜひ参考にしてください。
貧血の原因|鉄分の摂取不足・吸収不良
貧血の代表的な原因は鉄分不足です。
鉄分はヘモグロビンの原料となるためです。
鉄分が不足する原因としては、以下が挙げられます。
- 偏った食事・鉄分の摂取不足
- ダイエットによる過剰な食事制限
- 月経
- 胃腸の低下によって鉄分の吸収がうまくいかない
貧血の原因|鉄の需要量の増加
鉄分を十分に摂取しているつもりでも貧血になることがあります。
鉄分の消費量が供給量を上回った場合です。
たとえば以下のような方は鉄分の消費量が増えるため、貧血が起こりやすくなります。
- 成長期
- 月経
- 妊娠中
- 授乳中
- 激しいスポーツをしている
貧血の原因|造血機能の低下
血を作る機能が低下すると、貧血が起こりやすくなります。
造血機能の低下の原因としては、以下の全身疾患が代表的です。
- がん
- 肝臓病
- 白血病
- 腎不全
- 骨髄の病気
貧血の原因|月経過多
月経過多は、経血の量が多くなりがちです。
つまり大量に出血するため、貧血のリスクが高まります。
月経過多の原因には以下があります。
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 血液の病気
貧血の原因|慢性的な出血
慢性的な出血がある方も、貧血が起こりやすくなります。
慢性的な出血を引き起こしやすいのは、以下のような疾患です。
- 大腸がん
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃がん
生理と貧血の関係は?
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男性よりも女性のほうが貧血のリスクは高めです。
女性は月経があるためです。
ある調査によると、女性の大半が貧血による症状を経験しています。
特に起こりやすいのは月経の前後で、全体の7割を占めていました。
一方、貧血症状の原因を誤解している方は少なくありません。
具体的には、睡眠不足・血行不良と誤解しているケースが目立ちます。
自身の貧血に気づき、貧血対策をしている方は全体の約2割でした。
約3割の方は、対策の必要性を感じていても実行に移していません。
また、約4割の方は、対策の必要性を感じていないという回答でした。
貧血は、放置すると慢性的な不調につながりかねません。
毎日を活動的に過ごすためには、貧血の症状を理解し、正しく対処することが大切です。
出典:【フェムケアに関する実態調査結果】
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貧血の予防・改善法
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貧血の予防・改善法をご紹介します。
ぜひお役立てください。
貧血の予防と改善方|食生活の見直し
鉄分不足による貧血の予防・改善をするには、食事を見直すことが大切です。
具体的には鉄分が豊富な食品を摂りましょう。
あわせて、タンパク質やビタミンBの摂取も大切です。
いずれも、血液を作るために欠かせない成分であるためです。
食事はさまざまな食品を少しずつ食べると、必要な栄養をまんべんなく摂取しやすくなります。
貧血の予防と改善方|サプリメント
食事から十分な鉄分を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも1つの方法です。
成長期の方や、妊娠中・授乳中の女性は鉄分の消費量が多いため、上手にサプリメントを利用しましょう。
ただし、栄養摂取の基本は食事です。
サプリメントは、あくまで足りない栄養を補うために活用してください。
貧血の予防と改善方|原因疾患の治療
貧血の原因が全身疾患である場合、疾患を治療しなければ貧血も改善されません。
まずは、病院を受診して疾患の治療に努めましょう。
貧血を起こしやすい疾患には、たとえば下記があります。
- 大腸がん
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
女性には月経があるため、女性の多くは貧血に悩まされているといわれています。症状がなく、知らず識らずのうちに貧血になっている人もいます。そもそも貧血にはどのような症状があるのでしょうか?また、どのような対処方法があるのでしょうか?[…]
貧血に関するよくある質問
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貧血の人はどのような症状がある?
貧血の症状はめまい、動悸、疲れやすさ、頭痛、眠気、寒気、顔色の悪さ、食欲不振、手の震え、異食症など多岐にわたります。
これらの症状は全身の酸素不足や血行不良が原因で起きます
貧血の3つのタイプは何か?
貧血には鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血の3つの主要なタイプがあります。
鉄欠乏性貧血は鉄の不足、溶血性貧血は赤血球の早期破壊、再生不良性貧血は骨髄の機能不全がそれぞれ原因となります
貧血の段階は何か?
貧血の進行度はヘモグロビン値により評価され、軽度、中度、重度の3段階に分けられます。
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貧血症状のまとめ
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今回は、貧血症状についてお伝えしてきました。
貧血症状の要点を以下にまとめます。
- 貧血の主な症状は、めまい・動悸・息切れのほか、頭痛・寒気・異食症など
- 貧血の代表的な原因は鉄分不足だが、慢性疾患などによって起こることもある
- 貧血の予防・改善方法は、栄養バランスのよい食事・原因疾患の治療
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。