貧血による頭痛に悩まされる方は少なくありません。
ところで、なぜ貧血は頭痛を引き起こすのでしょうか。
また、貧血による頭痛を改善するには、どうすればよいのでしょうか。
本記事では、貧血による頭痛について、以下の点を中心にご紹介します。
- 貧血で頭痛が起こる理由
- 貧血の主な種類
- 貧血を引き起こす病気
貧血による頭痛について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
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貧血とは
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世間一般的に、貧血といえば血液が少なくなるイメージがあります。
しかし実は、貧血では、血液の量自体にはあまり変動はみられません。
貧血とは、血液の量ではなく、成分が薄くなった状態を指します。
より具体的には、血液中にある赤血球・ヘモグロビンが減少した状態が貧血に該当します。
赤血球に含まれるヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ役割を果たします。
赤血球やヘモグロビンが減少すると酸素の運搬に支障が出るため、全身の細胞が酸欠を起こします。
つまり貧血が起こるわけです。
貧血になると、頭痛・めまいをはじめとしたさまざまな不調があらわれやすくなります。
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貧血の定義
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貧血の診断基準は、ヘモグロビンの濃度です。
世界保健機関は貧血の定義を以下のように定めています。
- 男性:13.0g/dl
- 女性:11.0g/dl
貧血の重症度もヘモグロビンの濃度であらわされます。
- 10~12g/dl:軽度の貧血
- 7~9g/dl:中程度の貧血
- 4~6g/dl:重度の貧血
自覚症状があらわれるのは、中程度から重度の貧血です。
ただし、症状のあらわれ方は個人によって異なります。
ヘモグロビン数値が6g/dlを下回ると、生命維持に支障をきたすおそれがあるため、輸血の対象となります。
貧血の症状と重症度チェック
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貧血の主な症状をご紹介します。
あてはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
めまい・立ちくらみがする | 頭痛がする | 顔色が青白い |
吐き気・嘔吐がある | 首・肩こりに悩んでいる | 爪が白っぽい |
朝、なかなか起きられない | イライラしやすい | 冷え性である |
動悸・息切れがある | 下まぶたの内側が白っぽい | 口内炎ができやすい |
疲れやすい | 髪に艶がない・抜けやすい |
1~2個当てはまる場合は、軽度の貧血のおそれがあります。
食生活の改善などを心がけてください。
3個以上当てはまる方は、中等~重度の貧血が疑われます。
生活習慣などを見直しても症状が改善しない場合は、念のため病院を受診しましょう。
貧血は隠れた病気のサインである可能性が高いためです。
貧血で受診する場合、診療科は内科が適当です。
もし月経前後の貧血がひどい場合や婦人科系の不調がある場合は、婦人科の受診もおすすめです。
貧血で頭痛が起きる原因
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頭痛は貧血を代表する症状です。
なぜ、貧血になると頭痛が起こりやすくなるのでしょうか。
答えは、脳が酸欠を起こすためです。
貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少するために、体内の酸素運搬に支障が出ている状態です。
脳に運ばれる酸素の量も少なくなるため、頭痛があらわれやすくなります。
脳は身体の中でも、特に酸素を必要とする器官です。
具体的には、全身の酸素の約1/4が脳で消費されます。
つまり、脳は他の器官よりも貧血の影響を受けやすいのです。
頭痛と同時にあらわれやすい症状がめまいです。
めまいの原因も、同じく脳が酸欠起こすことです。
ただし、症状のあらわれ方には個人差があります。
たとえば、頭痛のみで、めまいがあらわれないこともあります。
反対に、めまいはあるものの、頭痛はしないケースもみられます。
頭痛・めまい以外の貧血症状としては以下が代表的です。
- だるい・疲れやすい
- 眠気
- 肩こり・首こり
- 吐き気・嘔吐
貧血の種類
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貧血は、原因によっていくつかのタイプに分けられます。
貧血の代表的なタイプをご紹介します。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、貧血の中でももっとも代表的なタイプです。
原因は、体内の鉄分が不足することです。
鉄分はヘモグロビンの原料となります。
体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンが合成されなくなるため、貧血に至ります。
鉄分不足の代表的な原因としては、食生活の偏りです。
簡単にいえば、食べ物からの鉄分摂取量が足りていないのです。
鉄分は体内で合成されません。
そのため、食べ物などから補給する必要があります。
鉄分は、他の栄養素と比べても吸収率が低い栄養素です。
そのため、鉄分が豊富な食品を意識して食べなければ、鉄分不足は簡単に起こり得ます。
たとえ鉄分の摂取量は十分でも、失われる量が多ければやはり鉄分不足に陥ります。
たとえば鉄分は、運動時などに大量に消費されます。
そのため激しい運動をする方は、十分に鉄分を摂取していても、鉄分不足が起こることがあります。
再生不良性貧血
再生不良性貧血は、血液中の成分がすべて減る病気です。
具体的には、白血球・赤血球・血小板が少なくなります。
軽度の場合は、血小板の減少と貧血症状だけで済む場合もあります。
発症原因は、なんらかの原因で、造血幹細胞が障害を起こすことです。
造血幹細胞とは、血液の成分を作り出す細胞です。
なぜ造血幹細胞が障害を起こすのかは、ハッキリ解明されていません。
一説には、遺伝子異常や、薬剤・放射線の影響などが指摘されています。
再生不良性貧血は、国が定めた指定難病の1つです。
溶血性貧血
溶血性貧血とは、血液中の赤血球が破壊されるタイプの貧血です。
より具体的には、赤血球の寿命が縮まります。
赤血球は骨髄で作られ、血流に乗って全身を循環した後、寿命を迎えれば破壊されます。
赤血球の寿命は平均120日です。
溶血性貧血では、赤血球の寿命が極端に短くなります。
つまり、赤血球が次々に破壊されていくのです。
一方、骨髄で作られる赤血球の数には限界があります。
つまり、赤血球の合成が破壊に追いつかなくなるわけです。
赤血球の消失量が合成量を上回ると、血液中の赤血球は減少に転じます。
赤血球の数が極端に不足すると、貧血に至ります。
溶血性貧血の原因としては、先天的な赤血球異常などが指摘されています。
あるいは、自己免疫性溶血性貧血や発作性夜間血色素尿症などの難病が原因になることもあります。
巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
巨赤芽球性貧血(悪性貧血)は、未成熟な赤血球が増えるタイプの貧血です。
主な原因は、ビタミンB12・葉酸の不足です。
ビタミンB12と葉酸は、赤血球を作るために必要な成分です。
ビタミンB12と葉酸が不足すると、赤血球の合成がうまくいかなくなります。
具体的には、赤血球が十分に細胞分裂しない状態で、血液中に放出されやすくなります。
十分に細胞分裂していない赤血球は、通常よりもサイズが大きくなります。
未成熟でサイズが大きい赤血球は、巨赤芽球と呼ばれます。
巨赤芽球の多くは骨髄内で死滅するため、赤血球としての役割を果たせません。
つまり全身に酸素を運搬する能力がないため、身体が酸欠に陥るというわけです。
なお、巨赤芽球性貧血の中でも目立つのが、「悪性貧血」というタイプです。
悪性貧血の原因は、胃の異常によってビタミンB12の吸収がうまくいかなくなることです。
胃の異常とは、たとえば胃粘膜の萎縮や、胃液の分泌異常などがあります。
腎性貧血
腎性貧血は、腎機能の低下によって起こる貧血です。
腎臓は、赤血球の合成を促す器官です。
具体的には、エリスロポエチンというホルモンを分泌することで、骨髄での赤血球合成を促します。
腎臓の機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌が減少します。
すると骨髄での赤血球の合成がうまくいかなくなるため、貧血が起こりやすくなります。
薬剤性貧血
薬剤性貧血は、処方薬などによって引き起こされる貧血です。
貧血の原因となりやすいのは、以下のような薬剤です。
- 抗生物質
- 解熱消炎鎮痛剤
- 消化性潰瘍治療薬
薬剤性貧血は、医薬品の服用から数ヶ月後にあらわれることがあります。
多くの場合、該当の医薬品の服用を中止すれば、貧血症状は1~2週間で改善されます。
出典:厚生労働省【重篤副作用疾患別対応マニュアル 】
女性特有の貧血
女性は男性より貧血のリスクが高いです。
理由は、女性は月経・出産などで大量出血しやすいためです。
過月経の方は出血の頻度が高くなるため、通常の月経がある女性よりも、さらに貧血のリスクが高くなります。
子宮筋腫や子宮がんといった婦人科系の疾患も大量出血の原因となります。
貧血による頭痛の対処法
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貧血によって頭痛がある場合は、頭痛薬(鎮痛薬)などを利用するのも1つの方法です。
頭痛薬は、ドラッグストアなどで市販されているものでかまいません。
症状がひどい場合は市販の鎮痛薬では対処できないこともあります。
また、頭痛薬はあくまで一時しのぎの対処であり、根本原因である貧血を改善する効果はありません。
貧血の原因は多くの場合、鉄分不足です。
貧血の改善・予防するには、日頃から鉄分摂取を心がける必要があります。
貧血気味の方は、鉄分が豊富な食品を摂りましょう。
食品から鉄分を十分に摂取するのが難しい場合は、鉄剤やサプリメントを利用するのもおすすめです。
鉄分とあわせて摂取したいのが、ビタミンB12と葉酸です。
ビタミンB12と葉酸は、赤血球の合成をサポートするためです。
そのほか、タンパク質やビタミンCの摂取も大切です。
タンパク質はビタミンB12などと同じく、血液を作るのに欠かせない成分です。
一方、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける栄養素です。
できれば、鉄分と同時に摂取してください。
貧血による頭痛に悩んでいる方は、ぜひ自身の食生活を見直してみてください。
鉄分・ビタミン・タンパク質などの栄養バランスが整えば、自然と貧血は起こりにくくなります。
貧血による頭痛も改善されるため、頭痛薬に頼る必要はなくなります。
全身疾患が原因で貧血になる可能性
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貧血は、全身疾患が原因で引き起こされることもあります。
貧血の原因になりやすい病気をご紹介します。
腎不全
腎臓は、エリスロポエチンというホルモンを分泌して、骨髄での赤血球合成を促進します。
腎不全によって腎機能が低下すると、エリスロポエチンがうまく分泌されなくなります。
エリスロポエチンが分泌されないと、骨髄に赤血球合成の指令が届きにくくなります。
赤血球が十分に作られなくなるため、貧血が起こりやすくなります。
子宮筋腫・子宮がん
子宮筋腫・子宮がんは、どちらも子宮からの出血を伴う疾患です。
具体的には、過剰月経や、月経時以外の不正出血を引き起こします。
出血の際には、鉄分・ヘモグロビンが大量に体外に流出します。
すると体内のヘモグロビンが不足しやすくなるため、貧血のリスクが高まります。
肝硬変
肝硬変によって肝機能が低下すると、赤血球が変形しやすくなります。
赤血球が変形すると酸素の運搬に支障が出やすくなるため、貧血のリスクが高まります。
肝硬変は、脾臓の腫れを招くこともあります。
脾臓は、古くなった赤血球を破壊する器官です。
脾臓が腫れると赤血球が必要以上に破壊されてしまいます。
脾臓の腫れは、赤血球だけでなく、白血球・血小板の減少を招くこともあります。
胃の全摘出
胃がんなどによって胃を全摘出した方は、貧血のリスクが高くなります。
胃の機能が低下すると、栄養の吸収効率が低下するためです。
たとえば鉄分の吸収率が下がると、ヘモグロビンが合成されにくくなります。
ビタミンB12が吸収されず、赤血球の合成に支障が出ることもあります。
つまり全身の酸素運搬に支障がでやすくなるため、貧血のリスクが高まります。
妊娠・出産・授乳
妊娠・出産・授乳の期間中は、胎児の発育のために、母胎は多くの鉄分を必要とします。
鉄分の消費量が補給量を上回りやすいため、貧血が起こりやすくなるのです。
妊娠・授乳中の方は、貧血を予防・改善するためにも、意識して鉄分の摂取量を増やす必要があります。
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貧血に不可欠な栄養素
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貧血を予防・改善するには、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
貧血予防に効果のある栄養を以下にまとめました。
鉄分 | ヘモグロビンの原料になる |
ビタミンB12 | 赤血球の合成をサポートする |
葉酸 | ビタミンB12とともに、赤血球の合成をサポートする |
タンパク質 | 赤血球・ヘモグロビンの原料になる |
ビタミンC | 鉄分の吸収を助ける |
ビタミンE | 赤血球の破壊を防ぐ |
亜鉛 | 赤血球の破壊を防ぐ |
銅 | 鉄分がヘモグロビンになるのをサポートする |
出典:厚生労働省【貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう】
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日本人の栄養素等摂取状況
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貧血予防のためには、鉄分・タンパク質・ビタミン・亜鉛・銅などを十分に摂取する必要があります。
では、日本人は貧血予防に役立つ栄養をどれくらい摂取しているのでしょうか。
以下は、厚生労働省が発表した日本人の栄養素等摂取状況をまとめた表です。
男性 | 女性 | |
鉄分 | 8.0 | 7.3 |
ビタミンB12(μg) | 6.9 | 5.7 |
葉酸(μg) | 295 | 283 |
タンパク質(g) | 77.7 | 65.7 |
ビタミンC(mg) | 91 | 96 |
ビタミンE(mg) | 7.0 | 6.5 |
亜鉛(mg) | 9.2 | 7.7 |
銅(mg) | 1.20 | 1.04 |
出典:厚生労働省【第1部 栄養素等摂取状況調査の結果】
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貧血に良い食べ物
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貧血予防におすすめの食べ物をご紹介します。
鉄分 | レバー類・魚介類(いわし・赤身の魚・牡蠣・あさり)・海藻・大豆・大豆製品・緑黄色野菜(ほうれん草・小松菜) |
タンパク質 | 牛肉・豚肉・鶏肉・卵・魚・乳製品・大豆・大豆製品 |
ビタミンC | レモン・いちご・キウイ・小松菜・じゃがいも・ピーマン |
特に大切なのは鉄分です。
ヘモグロビンの原料となるため、積極的に摂取しましょう。
鉄分はタンパク質・ビタミンCと一緒に摂取すると、より効率的に体内に吸収できます。
貧血に悪い食べ物・飲み物
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貧血の原因の1つは、鉄分の不足です。
鉄分は赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となる重要な栄養素です。
鉄分の吸収を妨げる食べ物・飲み物は、貧血に悪いといえます。
その代表的なものは、タンニンという成分が含まれる緑茶や紅茶、烏龍茶、コーヒーなどです。
また
- 玄米やおからなどに含まれる不溶性食物繊維
- 加工食品の添加物として含まれるリン酸
なども鉄分の吸収を阻害するといわれています。
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貧血による頭痛を改善するサプリメント
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食品からの鉄分摂取などが難しい場合は、鉄材やサプリメントなどを利用するのも1つの方法です。
ちなみに鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
吸収率が高いのはヘム鉄です。
サプリメントを選ぶ際は、ヘム鉄配合かどうかをチェックするのもおすすめです。
女性は、鉄分の含有量が18mg前後のサプリメントを選ぶとよいでしょう。
胃が弱い方は、サプリメントを利用しても栄養が十分に吸収されないおそれがあります。
効率よく鉄分を摂取するには、胃ではなく腸で溶けるように設計されたサプリメントを選びましょう。
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貧血を放置する危険性
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貧血を放置するのは危険です。
特に頭痛がある場合は要注意です。
貧血によって頭痛がある場合、脳が酸欠を起こしている可能性が高いです。
脳の酸欠を放置すると、脳梗塞などに発展するおそれがあります。
心臓が酸欠を起こすと、心筋梗塞が起こる可能性もあります。
重大な疾患を防ぐためにも、貧血は放置しないでください。
貧血は隠れた病気のサインであることもあります。
そのため貧血を放置すると、病気を見落とすことになりかねません。
貧血症状がひどい場合や、長く続く場合は、念のため病院を受診してください。
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貧血による頭痛に関するよくある質問
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貧血頭痛は、貧血状態が原因で起こる頭痛の一種です。
多くの人がこの症状について疑問を抱いています。
そこで、よくある貧血頭痛に関する質問にお答えします。
鉄欠乏性貧血と片頭痛の関係性って?
鉄欠乏性貧血は、鉄の不足によりヘモグロビンの合成が妨げられる状態です。
一方、片頭痛は脈動性の激しい頭痛の一形態です。
片頭痛の有病率は3.2%であり、特に30〜39歳の年齢層に多く見られます。
また、女性の方が男性の4.4倍もの高い有病率を示しています。
鉄はドーパミンの合成に関与しており、片頭痛はドーパミンの血中濃度が低下することで引き起こされると考えられています。
このため、鉄欠乏性貧血と片頭痛は関連があるとされています。
鉄欠乏性貧血の改善には、鉄を含む食品の摂取や鉄剤の補給が効果的です。
ただし、片頭痛の症状がある場合は、適切な治療や医師の指導を受けることが重要です。
このように、鉄欠乏性貧血と片頭痛は鉄とドーパミンの関係性から関連していると考えられています。
鉄の適切な摂取や適切な治療によって、片頭痛の症状の緩和や改善が期待されるのです。
出典:【日本人の片頭痛の有病率調査】
出典:【Association Between Dietary Iron Intake and Serum Ferritin and Severe Headache or Migraine – PMC】
貧血が続くとどうなる?
貧血は酸素を運ぶ能力の低下によって引き起こされます。
酸素は体内の細胞に必要な栄養素であり、不足すると様々な影響があらわれます。
貧血の場合、酸素を供給するために心臓が通常よりも一層働かなければなりません。
このオーバーワークは、心臓や脳に負担をかける可能性があります。
長期間にわたって貧血が続くと、重大な疾患が引き起こされる可能性があります。
心筋梗塞や脳卒中などの心血管系の疾患のリスクが増加し、記憶力の低下などの認知機能の低下も見られることがあります。
ですから、貧血の症状が続く場合は早期に病院を受診することが重要です。
医師の診断と適切な治療によって、貧血による悪影響を最小限に抑えられます。
貧血は何科を受診すべき?
貧血が続く場合は、血液内科か一般内科を受診しましょう。
医師の診察によって貧血の原因を特定するため、採血が行われる場合もあります。
血液検査によって貧血の程度や原因が明らかになります。
また、貧血に伴って血便や血尿が見られる場合は消化器内科の受診が必要です。
これによって内臓の疾患や出血の原因を詳しく調べられます。
さらに、月経異常が見られる場合は婦人科の受診が適切です。
女性の場合、月経に関連した貧血が起こることがあるので、専門医に相談することが大切です。
鉄分のサプリや薬はいつまで飲み続けるべき?
鉄分のサプリや薬を飲み続ける期間は、多くの場合、貧血の改善には約6か月ほどかかります。
一般的には1か月ほどで貧血の症状が改善されます。
しかし、よくなってからすぐに摂取を中止すると再び貧血になる可能性があります。
なぜなら、体内に鉄分を貯蔵する必要があるためです。
鉄分は体内で吸収されてから血液中に取り込まれ、赤血球の中のヘモグロビンに結合して酸素を運びます。
鉄分の貯蔵はフェリチンというタンパク質を介して行われます。
したがって、血液検査でフェリチンの値が正常化するまで、医師の指示に従って鉄分のサプリや薬を内服することが重要です。
医師との相談を通じて、適切な服用期間を確定することが望ましいです。
生理と頭痛に関係性はある?
生理と頭痛には関係性があります。
一般的に、生理の開始2日前から開始後の3日間に頭痛が起こりやすいといわれています。
この頭痛は、女性ホルモンであるエストロゲンの変動が関係していると考えられています。
具体的な原因はまだ明確には分かっていません。
しかし、エストロゲンの急激な変化が、頭痛を誘発する可能性があります。
生理前後で頭痛が起こる場合、頭痛薬の服用が有効な対策となります。
ただし、適切な薬の種類や服用方法については医師と相談することをおすすめします。
生理に伴う頭痛の症状を軽減するために、適切な対処法を見つけることが重要です。
貧血による頭痛のまとめ
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ここまで、貧血による頭痛についてお伝えしてきました。
貧血による頭痛の要点を以下にまとめます。
- 貧血で頭痛が起こるのは、酸素を運搬するヘモグロビンが不足することで脳が酸欠を起こすから
- 貧血の主な種類は鉄欠乏性貧血のほか、再生不良性貧血や悪性貧血など
- 貧血を引き起こす病気は、腎不全・婦人科系疾患・肝硬変・胃の病気など
最後までお読みいただき、ありがとうございました。