ロコモティブシンドロームとは、「立つ」「歩く」といった動作が困難となることです。
また、寝たきりになる危険性が高くなった状態をいいます。
ロコモティブシンドロームには、どのような原因があるのでしょうか?
ロコモティブシンドロームは、どのような人がなりやすいのでしょうか?
本記事では、ロコモティブシンドロームの3大原因やロコモティブシンドロームになりやすい人の特徴などについて以下の点を中心にご紹介します。
- ロコモティブシンドロームとは
- ロコモティブシンドロームの3大原因とは
- ロコモティブシンドロームになりやすい人の特徴とは
ロコモティブシンドロームについて理解するためにもご参考頂けますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドロームとは、運動器に障害が起こることです。
「立つ」「歩く」などの動作が困難で寝たきりになる危険性が高くなった状態をいいます。
そのため、運動器症候群、ロコモとも呼ばれています。
超高齢化社会の日本では、年々介護や支援を必要とする人の数が増加しています。
そのうち、5人に1人は運動器障害が原因といわれています。
ロコモティブシンドロームは、2007年に日本整形外科学会が提唱しはじめた言葉です。
日本整形外科学会では、動ける能力を維持することが重要であると呼びかけています。
年齢を重ねてきて徐々に足腰が弱くなり、歩いたり外出することが大変になっていませんか?足腰が弱くなり歩けなくなったり、閉じこもってしまうとロコモティブシンドロームという病気になる可能性がグッと高くなります。今回は、足腰が弱くなるこ[…]
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ロコモティブシンドロームの3大原因
ロコモティブシンドロームには、どのような原因があるのでしょうか?
ロコモティブシンドロームの3大原因について詳しく見てみましょう。
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。
男性よりも女性に多く、特に閉経後の女性に多く見られます。
骨がもろくなるため、軽く転んだだけでも骨折する可能性が高くなります。
骨折が原因で筋力の低下を招き、寝たきりとなるリスクが高くなります。
変形性関節症
変形性関節症とは、関節の軟骨がすり減ることで関節に炎症が起こる状態のことです。
主に加齢や体の歪みが原因で、関節の痛みや腫れなどの症状が見られるようになります。
立ったり、歩いたりする動作が難しくなるため、活動量の低下を招きます。
脊柱管狭窄症
脊柱管が狭くなることが原因で脊柱管の中を通る神経が圧迫される状態のことです。
脊柱管が狭くなると、両下肢のしびれや脱力感などの症状が見られるようになります。
歩くことが難しくなるため、活動量の低下を招きます。
ロコモティブシンドロームになりやすい人の特徴
ロコモティブシンドロームは、どのような人がなりやすいのでしょうか?
ロコモティブシンドロームになりやすい人の特徴について詳しく見てみましょう。
女性
女性は、もともと男性よりも骨粗鬆症になりやすいといわれています。
閉経後は女性ホルモンが低下し、骨密度が低下します。
骨密度の低下が原因で骨粗鬆症になるリスクが高くなるのです。
実際、骨粗鬆症患者は女性に多く、男性患者の約3倍といわれています。
また、女性は男性よりも靭帯や膝軟骨が脆弱で膝関節を損傷しやすいといわれています。
高齢者
加齢に伴い、筋力の低下がみられます。
筋力の低下は、転倒のリスクが高まる要因の一つです。
特に転倒による骨折は、寝たきりへのリスクが高まるという負のサイクルを招きます。
体力の低下や筋力の低下を招き、ロコモティブシンドロームになりやすい状態になります。
肥満体型の人
肥満体型の人は、膝関節に負担がかかりやすくなります。
膝関節に負担がかかることで、膝に炎症が生じ活動量の低下を招く可能性が高くなります。
ロコモティブシンドロームによる症状の変化
ロコモティブシンドロームの症状には、段階があり状態が悪化していく場合があります。
ロコモティブシンドロームの症状の変化について詳しく見てみましょう。
①筋力の低下
筋力の低下により、疲れやすくなると活動量の低下を招きます。
活動量の低下により、筋力の低下を招くという負のスパイラルが生じます。
②バランスが取れない・関節痛
筋力の低下により、バランスが取りづらくなったり、関節痛がみられるようになります。
また、活動量の低下に伴い、関節を動かせる範囲が狭くなる場合があります。
③歩行の減少
- 関節痛などの痛みへの恐怖
- バランスが取りづらくなることでの転倒への不安や恐怖
などが原因で、歩行することへの意欲が低下し歩行機会の減少につながります。
外出することが少なくなり、家に引きこもりがちの生活になります。
④寝たきり
歩行機会も減少し、家に引きこもる生活が続くことで、さらに筋力の低下を招きます。
活動量が極端に減少し、寝たきりの状態になってしまう場合があります。
ロコモティブシンドロームの簡易チェック
日本整形外科学会の対策で、ロコモティブシンドロームの簡易チェックがあります。
下記の7つの項目をチェックしてみましょう。
- 階段を上がるのに手すりが必要か?
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難か(1Lの牛乳パック2個程度)?
- 片足で靴下が履けるか?
- 横断歩道を青信号で渡り切れるか?
- 家の中でつまずいたりしないか?
- 家のやや重い仕事が困難か?(掃除機・布団など)
- 15分くらい歩き続けられるか?
1つでも当てはまる場合は、ロコモティブシンドロームの恐れがあるといわれています。
早めに整形外科専門医を受診しましょう。
出典:ロコチェック【ロコモを知ろう | ロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト】
ロコモティブシンドローム予防となるトレーニング
ロコモティブシンドロームを予防するには、どのようなトレー二ングがあるのでしょうか?
ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングについて詳しく見てみましょう。
片脚立ち
片脚立ちは、まっすぐ前方を見て背筋を伸ばし立位の姿勢をとります。
片脚を1分上げて維持しましょう。
左右1分ずつを3セット行いましょう。
スクワット
スクワットは、両足を肩幅より少し広めに開いて立ちます。
両足のつま先は、外側に約30度開きます。
両膝がつま先より前に出ないように、ゆっくりと膝を45度くらいまで曲げます。
太ももと上半身がまっすぐになるように保ちます。
深呼吸するペースで、5~6回を3セット行いましょう。
ロコモティブシンドロームと特徴が似ている病気
ロコモティブシンドロームと特徴が似ている病気があります。
ロコモティブシンドロームの特徴と似ている病気について詳しく見てみましょう。
廃用症候群
長期にわたる安静状態による心身の機能低下のことをいいます。
ロコモティブシンドロームと異なる点は、運動器以外の不調も含まれる点です。
筋委縮やうつ病、認知症など運動器以外の病気を発症するリスクが高まるため、注意が必要です。
サルコペニア
サルコペニアとは、主に加齢により、筋肉量や筋力の低下が見られる状態をいいます。
全身の筋力低下が見られる状態であり、ロコモティブシンドロームに含まれます。
フレイル
フレイルとは、加齢により、心身が衰えた状態をいいます。
フレイルの状態になると、病気にかかりやすくなることでストレスに弱くなり、健康障害がみられやすくなります。
フレイルの種類は、身体的・精神的・社会的の大きく3つに分けられます。
フレイルの種類 | 内容 |
身体的フレイル | 低栄養、ロコモティブシンドロームを含む運動機能障害など |
精神的フレイル | うつ病、認知障害など |
社会的フレイル | 引きこもり、孤食など |
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食生活でもロコモティブシンドローム対策
ロコモティブシンドロームを予防するには、どのような食生活が適しているのでしょうか?
骨や筋力を強化する食生活を送る必要があります。
どのような栄養素を積極的に摂取すると良いのか、詳しく見てみましょう。
栄養素 | 特徴 | 含まれる食品 |
タンパク質 | 筋肉をつくるのに欠かせない栄養素 | 肉類・魚類・乳製品・大豆製品 |
カルシウム | 骨をつくるために欠かせない栄養素 カルシウム単独では、あまり効果的に吸収されない | 魚類・海藻類・緑黄色野菜・大豆製品・乳製品など ビタミンD タンパク質 マグネシウム 葉酸 リン などの栄養素が含まれる食品と一緒に摂取すると吸収率が上がる |
炭水化物 | 筋肉を働かせるエネルギー源となる栄養素 | 米・パン・麺類などの主食 |
ビタミンK | 骨をつくったり、維持することをサポートする栄養素 | 納豆などの大豆製品や青菜 |
脂質 | 炭水化物と同様に、筋肉を働かせるエネルギー源 | サラダ油やバターなど |
ビタミンB6 | タンパク質の働きをサポートする栄養素 | マグロやカツオなど赤身の魚類やキウイ、バナナなど |
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ロコモティブシンドロームの原因のまとめ
ここまで、ロコモティブシンドロームや3大原因、なりやすい人の特徴などを中心にお伝えしてきました。
- ロコモティブシンドロームは、運動器に障害があり寝たきりの危険性が高い状態
- 3大原因には、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症
- なりやすい人の特徴は、女性、高齢者、肥満体型など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。