緑内障とは、見たものを脳に伝える視神経に異常をきたし、視野が狭くなる病気です。
緑内障は、どのように検査をするのでしょうか?
緑内障を自分で調べるには、どのような方法があるのでしょうか?
本記事では緑内障について以下の点を中心にご紹介します。
- 緑内障の検査方法とは
- 緑内障の検査を始める時期とは
- 緑内障を自分で調べるには
緑内障について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
緑内障とは
緑内障とは、見たものを脳に伝える視神経に異常をきたし、視野が狭くなる病気です。
日本では、40歳以上の約20人に1人が緑内障と考えられています。
緑内障は早期に発見し、治療することが大切です。
緑内障の治療が遅れた場合は、失明する場合もあります。
緑内障は日本人が失明する原因の第1位ともいわれています。自覚症状があらわれにくいため、気づいたときには症状がかなり進行していることもあります。緑内障とは、いったいどのような病気なのでしょうか。緑内障を治療する方法はあるのでし[…]
スポンサーリンク
緑内障の検査方法
緑内障は、定期的な検査が重要な病気の1つです。
緑内障には、どのような検査方法があるのでしょうか?
緑内障の検査方法について詳しく見てみましょう。
問診
緑内障は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため、問診内容は以下のような内容になります。
問診内容 | |
高血圧や糖尿病など緑内障の危険因子の有無 | アレルギーの有無 |
ステロイド剤の使用歴 | 食生活や生活習慣 |
眼疾患の家族歴 | 喫煙歴 |
また、眼の自覚症状がある場合は、
- 見にくさの有無
- 視野の状態
- 眼の痛みや頭痛の有無
- 眼の充血の有無
- 眼の既往歴やケガの有無
などについて質問される場合があります。
その他、検査は以下の通りです。
眼圧検査
眼圧の状態を検査します。
眼圧検査には、2つのタイプがあります。
接触型:眼の表面に直接機械をあてる
非接触型:眼の表面に空気をあてる
眼圧は、1日の中でも変化がみられ、個人差があります。
緑内障の治療は眼圧を下げることが目的です。
そのため、眼圧検査は重要な検査の1つといえます。
隅角検査
検査用のレンズを入れて房水が出ている隅角の状態を検査します。
隅角検査は、病気の診断をはじめ、眼圧上昇の原因、病型の判断に必要な検査です。
眼底検査
眼から光を通して眼底の状態を検査します。
視神経の欠損や出血の有無など障害の度合いをみる検査です。
緑内障では、網膜の神経線維が集まって、眼球外へ出ていく視神経の乳頭部のへこみに変化がみられます。
視野検査
視野の状態を検査します。
視野検査には、2つのタイプがあります。
静的視野検査
異なった明るさや大きさの光を掲示して、決まった範囲内での網膜の光の感度を調べます。
初期の緑内障を発見することが多く、初期から中期の緑内障の経過を見るのに適しています。
動的視野検査
動く光を見て、見える範囲と光の感度を調べます。
静的視野検査で測定が難しい視野の測定に適しています。
緑内障では、視野の欠損具合や障害の程度から進行具合を判定するのに重要な検査になります。
OCT検査
OCT検査は、視神経乳頭や視神経線維層の厚みや形状を検査します。
OCT検査は、眼の網膜の断面図を見ることができます。
OCT検査では、緑内障の進行度合いを判定できます。
眼の疾患には、白内障と緑内障があります。白内障と緑内障は、どのような違いがあるのか気になってる方もいるかと思います。では、白内障と緑内障にはどのような違いがあるのでしょうか?本記事では、白内障と緑内障について以下の点を中心にご紹介しま[…]
必要な検査時間
緑内障に必要な検査時間は、検査内容によっても異なります。
緑内障では、眼圧検査・眼底検査・視野検査などは必須な検査となります。
緑内障に必要な検査時間は、一般的には約60分程度といわれています。
緑内障は自覚症状がほとんどない進行性の疾患です。緑内障は40歳以上の20人に1人がかかるといわれています。そもそも緑内障とはどういうものなのでしょうか?緑内障とは何が原因で発症するのでしょうか?本記事では緑内障の原因について[…]
緑内障検査時の注意点
緑内障の検査を受けるにあたっての注意点について詳しく見てみましょう。
コンタクトのケースは持参すること
眼底検査は、コンタクトレンズを装着したままでは検査を受けられません。
コンタクトレンズを装着している方は、ケースと眼鏡を持参しましょう。
車での来院は控えること
眼底検査は、散瞳する点眼薬を使用します。
点眼後4〜5時間は、視野がぼやけたり、まぶしさを感じたりします。
散瞳薬使用後の車の運転は、事故の危険性があるため、車での受診は控えましょう。
緑内障は、日本人の失明原因の第1位です。しかし、「緑内障の症状についてよく知らない」という方も多くおられます。緑内障では、いったいどのような症状があらわれるのでしょうか。本記事では、緑内障の症状について、以下の点を中心にご紹[…]
検査費用はどれくらい?
緑内障の検査費用は、保険適応のため、自己負担額の割合によっても異なります。
自己負担額が3割の場合の検査費用は、5,000円程度といわれています。
保険の種類や検査内容、片目もしくは両目などの条件によっても費用が異なってきます。
緑内障の検査費用が心配な方は、直接医療機関に問い合わせてみると良いでしょう。
緑内障は日本人の失明原因の第1位と指摘されています。緑内障による失明を防ぐには、手術による治療を選択するのも1つの方法です。ところで、緑内障の手術とはどのようなものなのでしょうか。本記事では、緑内障の手術について、以下の[…]
定期検診は何歳から始めれば良い?
緑内障は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
緑内障は、日本国内のみではなく、海外でも失明原因の上位疾患となっています。
緑内障は、40歳以上での発症が多いため、40歳を過ぎたら定期的に検診しましょう。
また、若い世代でも発症する可能性はあります。
目の異常や変化を感じた時には、早めに検査を受けましょう。
緑内障は、見たものを脳に伝える視神経に異常が起こり、視野が狭くなる病気です。また、緑内障は治療が遅れると、失明することもあります。緑内障には、どのような治療方法があるのでしょうか?緑内障の治療は、どのようなメリットやデメリッ[…]
緑内障セルフチェックのやり方
緑内障は、早期に発見することが重要です。
- 医療機関を受診する時間がなかなか取れない方
- 医療機関を受診するのが不安な方
などは、まずはセルフチェックを行ってみましょう。
片目を閉じた状態で1点を見つめてみましょう。
- 視野が欠けている
- 暗くなっている部分がある
- 歪んで見える
などの症状がある場合は、緑内障の可能性があります。
セルフチェックはあくまでも目安であり、結果がすべてではありません。
目の異常や不調を感じている方は、必ず医療機関を受診しましょう。
緑内障は日本人の失明原因の中でも大きな割合を占めます。しかし緑内障は自覚しにくいことから、発症に気づかずに過ごしている方は少なくありません。緑内障による失明を防ぐには、日頃から症状のセルフチェックを行うことが大切です。本記事[…]
スポンサーリンク
潜在的な緑内障患者の割合
日本緑内障学会が実施した疫学調査によると、緑内障は40代から増加することが明らかになっています。
40歳以上の約20人に1人、70歳以上の約7人に1人が緑内障を発症しています。
残念ながら、緑内障発症患者のうち、治療中の患者はわずか1割となっています。
約9割の方は、未治療または緑内障未発見潜在患者となっています。
つまり、約9割の方は緑内障であることに気づかずに過ごしていることになります。
また、緑内障が日本で失明第1位の原因疾患であることが知られていません。
約8割の方が、緑内障が日本で失明率が高い疾患であることを知りません。
若い頃から、規則正しい食生活や生活習慣を心がけ、緑内障を予防することが大切です。
出典:日本緑内障学会「緑内障疫学調査」
緑内障は失明の恐れがありますが自覚症状がほとんどない病気です。緑内障の治療は目薬の点眼が中心になります。緑内障にはどのような目薬があるのでしょうか?緑内障の目薬には副作用はないのでしょうか?本記事では緑内障の目薬につ[…]
スポンサーリンク
緑内障の治療方法
緑内障には、どのような治療方法があるのでしょうか?
緑内障の各治療方法について詳しく見てみましょう。
手術による治療
緑内障の手術による治療は、レーザーによる治療や点眼薬による治療で効果が見られなかった場合に行われます。
緑内障の手術による治療は、主に2タイプあり、
- 房水を目の外側に染み出すようにする術式
- 線維柱帯を切開し、房水を排出する術式
があります。
房水とは、角膜と水晶体の間、虹彩と水晶体の間を満たしている透明な液体のことです。
緑内障は、手術を行っても症状の改善は見られません。
緑内障の手術目的は、眼圧を下げることと現状維持になります。
緑内障の手術後も、病状の変化を早期に発見するために定期的に受診する必要があります。
レーザーによる治療
レーザーによる治療は、点眼薬による治療で効果がみられなかった場合に行われます。
緑内障のレーザーによる治療は、主に2タイプあり、
- 虹彩にレーザーで孔(あな)を開けることで、房水の流れを変える術式
- 線維柱帯にレーザーをあてることで、房水を排出させる術式
があります。
点眼薬による治療
緑内障の治療は、薬物療法が一般的です。
緑内障のタイプや重症度に応じて、さまざまな点眼薬があります。
緑内障の点眼薬は1剤で用いられる場合もあれば、併用する場合もあります。
点眼薬の用法は1回1滴であり、併用する場合は5分以上の間隔をあけて点眼します。
緑内障は、点眼薬による治療を行っても症状の改善は見られません。
緑内障の点眼薬による治療の目的は、眼圧を下げることと現状維持です。
病状の進行を防ぐことが目的になります。
緑内障の点眼薬による治療を受けても、改善しないと自己中断する方も多くみられます。
緑内障の治療は、定期的に通院し、長期的に見た根気強い治療が重要になります。
緑内障は、放置すると失明してしまう病気です。このような恐ろしい病気の原因にスマホが関係していることをご存じですか?緑内障にならないように、スマホとの付き合い方を考えなくてはなりません。本記事では緑内障の原因とスマホについ[…]
スポンサーリンク
緑内障の分類
緑内障は、大きく分けて3つに分類されます。
緑内障の3つの種類について詳しく見てみましょう。
原発緑内障
原発緑内障は、原因不明の緑内障で2つのタイプに分けられます。
開放隅角緑内障
一般的に多くみられる緑内障になります。
開放隅角緑内障では、軽度の眼圧上昇がみられ、進行が緩やかな慢性型がほとんどです。
眼圧が20mmHg以下の正常レベルである正常眼圧緑内障も開放隅角緑内障に含まれます。
閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障では、房水が流れ出る隅角が閉塞することで、急激に眼圧上昇をきたす急性緑内障発作がみられる場合があります。
閉塞性隅角緑内障は、急速に進行するため、治療が遅れると失明に至る場合もあります。
そのため、緊急な対応が必要になります。
小児緑内障
小児緑内障は、出生時から眼圧が高かったり、子どもの頃に眼圧が上昇したりする緑内障をいいます。
続発緑内障
続発性緑内障は、目のケガや病気などが原因で発症する緑内障をいいます。
- ケガや事故により目に傷がつき眼圧の上昇を招き発症する場合
- 糖尿病網膜症による合併症として発症する場合
- 白内障の合併症として発症する場合
- ステロイド剤の副作用により発症する場合
目の病気には、白内障や緑内障などさまざまな病気があります。中でも緑内障は、治療をせずに放置していると失明に至ることもあります。では、緑内障の予防にはどのようなものがあるのでしょうか?本記事では、緑内障の予防について以下の点を[…]
緑内障の検査まとめ
ここまで、緑内障についてお伝えしてきました。
緑内障の要点をまとめると以下の通りです。
- 緑内障の検査方法には、問診・眼圧検査・隅角検査・視野検査などがある
- 緑内障の検査を始める時期は、40歳以上である
- 緑内障を自分で調べるには、片目を閉じて1点を見つめる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。