レーズンは甘みが強いため、パンやお菓子の材料としてよく用いられます。
またレーズンは、栄養補給としても優れた食品です。
そもそもレーズンにはどのような栄養があるのでしょうか?
また、レーズンを食べるときの注意点はあるのでしょうか?
本記事では、レーズンの栄養について、以下の点を中心にご紹介します。
- レーズンに含まれる栄養素とは
- レーズンに期待できる健康効果とは
- レーズンを食べるときの注意点
レーズンの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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レーズンに含まれる栄養成分
レーズンにはさまざまな栄養が含まれており、代表的なものに以下のものがあります。
- ミネラル
- ポリフェノール
- ブドウ糖
- 食物繊維
それぞれ紹介していきます。
ミネラル
レーズンに含まれる栄養として、代表的なものがミネラルです。
ミネラルの中でも、鉄分とカリウムが豊富です。
鉄分は、ヘモグロビンの原料になり、貧血を予防する栄養素です。
ヘモグロビンは、血液の赤血球に含まれる成分です。
肺で受け取った酸素を全身に運ぶとともに、二酸化炭素を肺に送り返す役割を担います。
カリウムの主な役割は、血圧を下げたり、むくみを解消したりすることです。
カリウムには、体内の水分量・塩分量を一定に保つ作用があります。
そのため、体内の塩分量が多い場合は、排尿回数を増やすなどして、塩分の体外排出を促します。
以下の表は、レーズンと生ぶどうに含まれる、カリウムと鉄分を比較したものです。
カリウム(mg) | 鉄分(mg) | |
レーズン | 740 | 2.3 |
皮付きぶどう(生) | 220 | 0.2 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
ポリフェノール
レーズンに含まれるポリフェノールには、強い抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、活性酸素を抑制する効果のことです。
活性酸素は血管・細胞を老化させる物質で、がんや生活習慣病の原因となります。
また、肌のたるみやしわといった老化現象も、活性酸素が原因で起こります。
ポリフェノールは体内の活性酸素を取り除くことで、血管・細胞を若々しく保ちます。
つまり、がんや生活習慣病の抑制、美肌効果などを期待できるのです。
また、ポリフェノールの種類によって、健康効果は異なります。
アントシアニンには、眼病予防や視力を改善する効果があります。
エピカテキンには、
- 抗ウイルス効果
- 殺菌効果
- コレステロールや血糖値を下げる
- 肥満を抑制する
などの効果も見込めます。
なお、アントシアニンとエピカテキンは、レーズンに豊富に含まれています。
ブドウ糖
ブドウ糖は糖類の1種で、ヒトが活動する際のエネルギー源になる栄養素です。
特にブドウ糖は、脳の唯一の栄養源といわれています。
ブドウ糖は、砂糖などと比べると体内に素早く吸収されます。
そのため、効率よくエネルギーにできるのです。
レーズンの栄養の約70%はブドウ糖です。
疲労時など、素早くエネルギーを補給したいときには、レーズンを食べるのがおすすめです。
以下の表は、レーズンと生ぶどうに含まれる、ブドウ糖を比較したものです。
ブドウ糖(g) | |
レーズン | 28.6 |
皮付きぶどう(生) | 8.4 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
食物繊維
食物繊維の代表的な役割は、便秘を改善し、腸内環境を整えることです。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維は、腸内で硬くなった便を柔らかくし、排出しやすくする効果があります。
不溶性食物繊維は、便のカサを増やす作用があります。
また、腸を刺激することで、便の排出を促す効果も期待できます。
便秘を解消するには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を摂取することが大切です。
レーズンには、水溶性と不溶性の両方が豊富に含まれます。
以下の表は、レーズンと生ぶどうに含まれる、食物繊維を比較したものです。
水溶性食物繊維(g) | 不溶性食物繊維(g) | |
レーズン | 1.2 | 2.9 |
皮付きぶどう(生) | 0.2 | 0.6 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
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レーズンの健康効果・効能
栄養豊富なレーズンには、さまざまな効果を期待できます。
レーズンの代表的な効果・効能は以下の通りです。
- 生活習慣病の予防
- がんの予防
- 腸内環境の改善
- 貧血の改善
- アンチエイジング効果
- 夏バテの防止
それぞれ紹介します。
生活習慣病の予防
レーズンは、生活習慣病の予防に役立ちます。
レーズンに豊富なカリウムには、体内の余分な塩分を排出する作用があります。
塩分は高血圧の原因です。
カリウムによって塩分を排出することで、血圧の降下が期待できます。
また、レーズンは糖尿病の予防にも役立ちます。
レーズンに含まれる食物繊維は、糖分や脂質の吸収を緩やかにする作用があるためです。
さらに、食物繊維は胃腸でふくらむ性質があり、食べ過ぎを抑制します。
そのため満腹感を得やすくなり、肥満や糖尿病を予防してくれる効果も見込めます。
ただし、レーズンには糖類であるブドウ糖が豊富です。
ブドウ糖は、摂りすぎると糖尿病の原因となります。
レーズンの食べ過ぎには気をつけましょう。
がんの予防
レーズンは、がんの発生リスクを軽減する効果があります。
がん予防に役立つのは、レーズンに含まれるポリフェノールという成分です。
ポリフェノールは、体内の活性酸素を取り除く作用があります。
活性酸素とは、がんの発生原因の1つです。
がんの発生リスクを下げるには、体内の活性酸素をできる限り減らすことが大切です。
ポリフェノールの中でも、がん予防に効果が高いのはカテキンです。
カテキンはがんの増殖を抑えるほか、胃がんの原因であるピロリ菌を抑制する作用があります。
カテキンは、レーズンに豊富に含まれています。
腸内環境の改善
レーズンは食物繊維が豊富なため、便秘改善・腸内環境の改善が期待できます。
便を柔らかくしたり、カサを増やしたりすることで、排出されやすい状態にします。
さらに、腸の運動を活性化させる作用もあるため、便が排出されやすくなります。
便秘が解消されると、腸内環境は整いやすくなります。
さらに食物繊維は、腸内の善玉菌のエサでもあります。
レーズンは善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富なため、腸内環境を改善したい方にはおすすめの食品です。
なお、腸内環境は全身の健康と深い関わりがあります。
腸内環境が改善されると、脳機能や認知機能を正常に保ちやすくなると指摘されています。
また、腸内環境は肌荒れ・肥満などとも関連があります。
美容・健康を維持したい方は、積極的に食物繊維を摂り、腸内環境を整えることが大切です。
引用:「腸内環境を整えるとどんなメリットが?体に嬉しい効果を徹底解説」
貧血の改善
レーズンには鉄分が豊富なため、貧血の改善が期待できます。
鉄分は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの原料であり、酸素の循環に欠かせない成分です。
ヘモグロビンが不足すると全身が酸欠になり、さまざまな不調があらわれやすくなります。
いわゆる「貧血」の状態に陥るのです。
貧血の症状には以下のものがあります。
- めまい・ふらつき
- 頭痛
- 慢性的な疲労感・だるさ
- 動悸
- 息切れ
貧血の方の中には、自分が貧血だと自覚していないケースも多くあります。
原因不明の疲労感や動悸、めまいなどが続く場合、慢性的な貧血が疑われます。
貧血の原因の多くは鉄分不足であるため、鉄分を摂取することが大切です
貧血気味の方や、貧血に似た症状がある方は、鉄分が豊富なレーズンを積極的に摂りましょう。
アンチエイジング効果
レーズンに含まれるポリフェノールには、強い抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、血管や細胞の老化を防ぐ作用です。
肌のしわやたるみ、しみなどの予防、認知症の予防が期待できます。
認知症とは、脳が老化して機能低下した状態です。
脳をはじめ、アンチエイジング効果を期待するなら、レーズンがおすすめです。
夏バテの防止
レーズンに含まれるカリウムは、夏バテ防止にも役立ちます。
カリウムは、体内のミネラルバランスを調節するのに欠かせない成分です。
しかし、水に溶けやすい性質のため、汗とともに流れ出てしまいます。
そのため、大量に汗をかく季節は、夏バテが起こりやすくなります。
ミネラルは体内では合成されないため、食品などから摂取する必要があります。
ミネラルの補給におすすめの食品が、レーズンです。
レーズンにはカリウムをはじめ、鉄・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
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レーズンはエネルギー補給にもおすすめ
レーズンは、エネルギーを補給したいときにもおすすめの食品です。
エネルギー補給のための、レーズンの食べ方をご紹介します。
ブドウ糖は効率の良いエネルギー源
レーズンの栄養の約70%はブドウ糖です。
ブドウ糖は体内に素早く吸収され、エネルギーとして活用されます。
特に、脳の活動にはブドウ糖が欠かせません。
ブドウ糖は、脳の栄養になれる唯一の成分であるためです。
身体をよく動かす方や、頭をよく使うという方は、レーズンを食べることで素早い疲労回復が期待できます。
食べ過ぎには注意
レーズンは、脂質やコレステロールがほとんど含まれていません。
そのため、ダイエット中のおやつとしてもおすすめです。
しかし、レーズンは糖類が多いため、カロリーが高い食品です。
レーズンを食べ過ぎると、肥満・糖尿病のリスクが高まります。
以下の表は、レーズンと生ぶどうに含まれる、エネルギーを比較したものです。
エネルギー(kcal/100g) | |
レーズン | 324 |
皮付きぶどう(生) | 69 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
1日の摂取量
レーズンの1日の摂取量は、約1/2カップ(約120粒)が目安です。
レーズン1/2カップは、グラムに換算すると約80gです。
健康を損なわないためにも、レーズンの食べ過ぎには注意しましょう。
レーズンの選び方
レーズンを選ぶときは、オイルコーティングがされていないものを選びましょう。
オイルコーティングとは、油脂でレーズンを1粒ずつ包むことです。
レーズンの水分を保ったり、粒同士がくっついたりするのを防ぐ役割があります。
品質・食感を保つためには重要な処理ですが、脂質を摂取することになります。
オイルコーティングの有無は、成分表示で確かめられます。
成分表示が「レーズン」のみのものは、オイルコーティングがされていません。
一方、「レーズン(植物)油脂」などと表記されている場合は、オイルコーティングされたレーズンです。脂質の摂取を控えたい方は、オイルコーティングされていないレーズンを探してください。
レーズンの美味しい食べ方
レーズンは食べ方をアレンジできます。
そのままの味に飽きた場合や、より美味しくレーズンを食べたい方は、試してください。
ヨーグルトに混ぜる
ヨーグルトにレーズンを混ぜると、甘みがついて食べやすくなります。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、善玉菌の1種で、腸内環境を改善するのに役立ちます。
一方、レーズンに含まれる食物繊維は、乳酸菌のエサとなります。
そのため、ヨーグルトとレーズンは、より高い整腸効果を期待できる組み合わせです。
サラダに混ぜる
レーズンは、サラダに混ぜるのもおすすめです。
ブロッコリーやパプリカなどの、ビタミンCが豊富な野菜と組み合わせましょう。
ビタミンCには、鉄分の吸収を助ける作用があるためです。
鉄分はレーズンに豊富な栄養素ですが、単体では体内に吸収されにくいという難点があります。
効率的にレーズンの鉄分を摂取するには、ビタミンCと一緒に食べるのも1つの方法です。
レーズンは普段どのように食べられている?
レーズンをよく食べているという方に、普段どのように食べているか調査しました。
レーズンを食べる理由として、
- レーズンの味が好き
- レーズン入りのお菓子・パンが好き
という回答が多くありました。
食べ方としては、「そのまま食べる」が最も多く、50.6%を占めています。
次いで多いのが、「ヨーグルトやシリアルに入れて食べる」が40.8%です。
また、「砂糖代わりに調味料として使う」という回答もありました。
そのまま食べたり、アレンジしたり、どちらの食べ方も好まれているのがわかります。
レーズンは子供にもおすすめ
レーズンは、子供のおやつとしてもおすすめです。
理由として以下のものが挙げられます。
- 発育に必要なミネラルが豊富
- 栄養価が高い
- 噛み応えがあるので歯が強くなる
- 脂質が少ないので太りにくい
子供にレーズンを食べさせてよいのは、離乳食後期からです。
生後9〜11ヶ月頃が目安です。
食べる量は体格などによって差がありますが、1回あたり5粒程度が適当です。
なお、小さい子供はレーズンをのどに詰まらせるおそれがあるので注意が必要です。
乳幼児に与える場合は、小さく刻んだり、お湯でふやかしたりして、食べやすいように工夫しましょう。
また、子供に与える場合は、洋酒漬けやオイルコーティングのレーズンは避けてください。
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レーズンの栄養まとめ
ここまでレーズンの栄養についてお伝えしてきました。
レーズンの栄養の要点をまとめると以下の通りです。
- レーズンには、ミネラル・ブドウ糖・食物繊維・ポリフェノールなどが含まれている
- レーズンに期待できる健康効果は、生活習慣病や肥満予防、便秘改善など
- レーズンはカロリーが高く、肥満の原因となりやすいため、食べ過ぎには注意する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。