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健達ねっと>健康お役立ち記事>緑内障>緑内障のレーザー治療の効果|レーザー治療の種類・安全性・副作用

緑内障のレーザー治療の効果|レーザー治療の種類・安全性・副作用

緑内障は放置すると失明の可能性があります。
そのため、症状に気づいたら早期に治療することが大切です。
緑内障の代表的な治療法として、レーザー治療が挙げられます。
緑内障のレーザー治療とは、どのようなものなのでしょうか。
本記事では、緑内障のレーザー治療について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 緑内障のレーザー治療をするべきタイミング
  • 緑内障のレーザー治療のメリット
  • 緑内障のレーザー治療の種類

緑内障のレーザー治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

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緑内障とは

緑内障とは、視野が徐々に欠けていく眼病です。
原因は、眼と脳をつなぐ視神経に障害が起こることです。

緑内障は、眼病の中でも比較的発症率が高い病気です。
放置すると失明することもあり、日本人の失明原因の第1位ともいわれています。

緑内障は、早期に治療すれば重症化リスクは低減できます。
失明を回避するためにも、症状に気づいたらすみやかに治療を受けることが大切です。

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緑内障のレーザー治療のタイミングと効果

緑内障の治療法は、大きく分けて点眼薬・レーザー治療・観血手術の3種類です。
最も一般的なのは点眼薬による治療です。

では、どのような場合にレーザー治療が選択されるのでしょうか。
まずはレーザー治療のタイミングやメリットについてみていきましょう。

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レーザー治療をするタイミング

緑内障の治療では、まず点眼薬による治療が行われることが多いです。
具体的には、眼圧を下げる点眼薬を毎日点眼します。

眼圧とは、眼球の内から外にかかる圧力のことです。
より詳細にいえば、眼球を循環する水分(房水)による圧力を指します。

房水は眼球内の毛様体で合成され、線維柱帯・シュレム管を通って血液内に排出されます。
しかし、ときに線維柱帯・シュレム管が詰まるなどして、房水が正常に排出されなくなることがあります。

房水が眼球内に過剰に蓄積されると、眼球が膨らんで硬くなります。
房水によって眼球が膨張した状態が、「眼圧が高い」状態に該当します。

眼球が膨張すると、やがて視神経を圧迫し始めるため、緑内障に至ります。
緑内障の進行を食い止めるには、眼球による視神経の圧迫を防ぐ必要があります、

簡単にいえば、眼圧を下げなければなりません。
そこで眼圧を下げる効果のある点眼薬を用いるわけです。

点眼薬治療の次に選択されることが多いのが、レーザー治療です。
レーザー治療では、目にレーザーを当てて、眼圧の降下を図ります。

点眼薬治療に比べると体への負担が大きくなります。
では、どのようなときにレーザー治療が選択されるのでしょうか。

ケースは個人によって異なりますが、たとえば以下のような場合にレーザー治療に踏み切ることが多いです。

  • 点眼薬で眼圧が十分に下がらない場合
  • 眼圧は下がったものの、視野の狭窄に歯止めがかからない場合
  • 急性緑内障発作で、視野の欠損が急激に進行している場合
  • 緑内障発作を起こす可能性が高い場合

レーザー治療をするメリット

緑内障のレーザー治療にはさまざまなメリットがあります。

  • 毎日の点眼が不要になる
  • 手術治療の中では比較的体への負担が小さい
  • クリニックによっては日帰り手術が可能
  • 観血手術に比べると術後の合併症リスクが低い
  • 効果は2~3年ほど持続する
  • 繰り返し治療が可能

レーザー治療は、点眼薬治療に比べると眼圧を下げる効果が高いです。
治療効果は2~3年持続します。

1回の手術で眼圧が正常に戻ることが多いため、毎日の点眼は必要なくなります。
毎日の点眼が煩わしいという方などには、レーザー治療はメリットが大きいでしょう。

レーザー治療は観血手術に比べると手術時間が短く、体への負担もさほど大きくありません。

手術時間も短く、日帰り手術を実施しているクリニックも多くあります。
また、眼球を切開するわけではないため、術後の合併症リスクもほとんどありません。

2~3年経過して効果がなくなった場合は、再度治療を受けられるのも、レーザー治療のメリットの1つです。

施術時間

緑内障のレーザー治療は、約5~15分程度で終わります。
多くの場合、術後に入院などは必要ありません。

ただし、実際の手術時間や入院の有無は個人によって異なります。

緑内障で用いるレーザー治療の種類

緑内障のレーザー治療として代表的なのは、レーザー虹彩切開術と選択的レーザー線維柱帯形成術です。

それぞれの内容・目的・効果などをご紹介します。

レーザー虹彩切開術(LI)

レーザー虹彩切開術は、レーザーで虹彩を切開する方法です。
虹彩は、水晶体と角膜の間にある膜です。

レーザー虹彩切開術の目的は、房水の新しい排出口を作ることです。
特に、原発閉塞隅角緑内障の治療に用いられることが多いです。

原発閉塞隅角緑内障は、目の中にある隅角という部位が閉じるタイプの緑内障です。
隅角とは、眼球内を循環している房水の排出口です。

隅角がなんらかの原因で閉じてしまうと、房水は出口を失います。
つまり房水が眼球内にどんどん蓄積されていくため、眼圧が高くなります。

レーザー虹彩切開術では、虹彩に小さな穴を開けて房水の排出口を新しく作ります。
房水の排出が再開されれば、眼圧は正常に戻りやすくなります。

選択的レーザー繊維柱帯形成術(SLT)

選択的レーザー線維柱帯形成術は、線維柱帯にレーザーを照射して眼圧を下げる方法です。
より具体的には、線維柱帯の詰りを解消して房水の排出を再開させます。

線維柱帯とは、角膜と虹彩の間にあるメッシュ状の膜です。
本来であれば、房水は隅角から線維柱帯の隙間を通過して血液内に排出されます。

しかし、ときに線維柱帯のメッシュが目詰まりを起こして、房水の排出が行われなくなることがあります。

線維柱帯の目詰まりの原因は、多くの場合、メラニン色素が蓄積することです。
選択的レーザー線維柱帯形成術では、レーザーを照射することで、蓄積したメラニンを破壊します。

メラニンが破壊されると、線維柱帯のメッシュ(隙間)が復活します。
すると房水の排出が再開されるため、眼圧が正常に戻るというわけです。

選択的レーザー線維柱帯形成術では、レーザーの標的をメラニン色素のみに絞ります。
線維柱帯自体にはダメージを与えないため、目への負担が少ないのがメリットです。

術後の合併症リスクもほとんどありません。
体への負担が少ないため、効果が薄れた場合は再度治療を繰り返せます。

緑内障で用いるレーザー治療の安全性

緑内障のレーザー治療は、安全性の高い治療法です。
メスで目を切開するわけではないため、術後の感染症や合併症のリスクはほとんどありません。

また、レーザー治療中や治療後にも痛みはほとんど感じません。
ただし、痛みの感じ方には個人差があります。

レーザー治療による治療効果は約74%といわれています。
治療後は、眼圧が平均で2~6mmHgほど低くなります。

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緑内障のレーザー治療後の注意点

緑内障のレーザー治療後は、以下のようなポイントに注意してください。

  • 治療の翌日に病院を受診し、視力・眼圧などの検査を受ける
  • 治療後の眼帯は不要だが、視力が変動しやすいため車の運転は控える
  • 緑内障治療薬やその他の医薬品の服用については、医師の指導に従う
  • 目にダメージを与えるため、飲酒・喫煙は控える
  • 目をむやみに叩いたりこすったりしない
薬の使い方

緑内障のレーザー治療の副作用

緑内障は合併症・副作用のリスクが低い治療法です。
ただし、副作用のリスクはゼロではありません。

起こりやすい副作用としては、以下が挙げられます。

  • 眼圧の変動
  • 虹彩の炎症
  • 充血
  • 目の異物感・違和感
  • 目がかすむ

副作用は、1週間ほどで治まることが多いです。
症状がひどい場合や、長く続く場合は、施術を受けたクリニックに相談してください。

レーザー治療の対象となる緑内障

緑内障にはさまざまなタイプがあります。
タイプによっては、レーザー治療が適さないこともあります。

レーザー治療の対象となる緑内障のタイプは以下の通りです。

原発閉塞隅角緑内障隅角が閉じることで房水が排出されなくなる
原発開放隅角緑内障線維柱帯が目詰まりを起こすことで房水が排出されなくなる
正常眼圧緑内障原発開放隅角緑内障のうち、眼圧が20mmHg以下
発達緑内障先天的な目の異常などが原因
続発緑内障糖尿病などの病気・ケガなどが原因

実際にレーザー治療が適応されるかどうかは、個人の状態などによって異なります。
治療方法については、かかりつけ医とよく相談してください。

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緑内障のレーザー治療のまとめ

ここまで、緑内障のレーザー治療についてお伝えしてきました。

緑内障のレーザー治療の要点を以下にまとめます。

  • 緑内障のレーザー治療をするべきタイミングは、点眼薬による治療効果が薄い場合や、症状の進行が著しい場合など
  • 緑内障のレーザー治療のメリットは、体への負担が少なく、術後の合併症リスクが低い点
  • 緑内障の主なレーザー治療は、レーザー虹彩切開術と選択的レーザー線維柱帯形成術

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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