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健達ねっと>健康お役立ち記事>脳卒中>‎脳卒中の前兆って? 具体的な初期症状などを詳しく解説‎

‎脳卒中の前兆って? 具体的な初期症状などを詳しく解説‎

脳卒中は死亡だけでなく、寝たきりや介助などが必要になる怖い病気です。
しかし、早期発見・早期治療により完全自立ができる病気でもあります。
早期発見・早期治療のためには、前兆を見逃さないことが重要です。

脳卒中の前兆にはどのようなものがあるのでしょうか。

本記事では脳卒中の前兆について以下の点を中心にご紹介します。

  • 脳卒中の前兆や初期症状とは
  • 脳卒中になりやすい方とは
  • 脳卒中の早期発見に必要なこととは 

脳卒中の前兆について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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脳卒中とは 

脳卒中とは脳の血管が破れたり、詰まったりすることで起こる病気です。
脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞に障害が起こります。

脳は体のあらゆる機能を司る部分のため、運動機能や言語機能などが失われます。
出典:国立循環器病センター「脳卒中

脳卒中の種類と原因

脳卒中には、原因によって「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3種類があります。

種類脳梗塞脳出血(脳溢血)くも膜下出血
原因・特徴・脳卒中の過半数を占める。
・脳の血管が血栓によって詰まり、脳組織が壊死する。
・壊死した場所により運動機能や言語機能などに影響を及ぼす。
・3種類の脳卒中のうちで最も急激に症状があらわれ、重症化することが多い。
・脳の血管が破れて出血し、脳の組織が壊されて起こる。
・主に高血圧で動脈硬化が進み、細い血管が破れる。
・細い血管は脳の奥にまで広がっているため、出血すると脳の広範囲に広がる。
・脳動脈瘤という血管にできたコブが破裂することで起こる。
・脳動脈瘤が破裂すると、脳の表面を覆っている「くも膜」の内側が出血する。
・脳卒中の中でも死亡率が最も高い。

主な後遺症

脳卒中は後遺症が残りやすい病気です。
「大脳」「間脳」「小脳」「脳幹」など、損傷部位によって後遺症が異なります。
主な後遺症としては以下のようなものがあります。

運動まひ失語症・構音障害
感覚まひ排尿障害
言語障害感情障害
視野障害高次脳機能障害
嚥下障害

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脳卒中によくある前兆や初期症状

脳卒中には前兆や初期症状がありますが、この前兆を見逃さないことこそが大切です。

前兆で最も注意しなくてはならないことは「突然」ということです。
「さっきまで何事もなかったのに急に」がすべての前兆のポイントになります。

主な前兆と具体的な症状を以下で解説します。

頭痛

脳卒中でも多い前兆です。
突然「ガーン」と殴られたような頭痛がします。
今までに経験のないような激しい頭痛を感じたら、すぐに救急車を呼びましょう。

片方の手足に力が入らない

脳卒中の前兆では、「片方」ということが非常に重要で、両手・両足に症状が出ている場合には、脳卒中の可能性は低いです。
強弱はありますが、同時に片方の手と足に症状があらわれます。

ろれつがまわらない

口や舌、のどの筋肉がまひすることが原因です。
よだれが垂れたり、飲み物がうまく飲めなくなったりする症状もあらわれます。

片側の眼が見えなくなる

片側の眼が見えなくなり、目の前が真っ暗になります。
しばらくすると回復することがありますが、この症状は頸動脈が詰まる前兆です。
見逃すと脳梗塞を発症する危険性があるので、注意が必要です。

ものが二重に見える

どちらかの眼に障害が起こると、ものが二重に見えることがあります。
脳卒中で視神経がまひすると、二重に見えることがしばらく続きます。
脳梗塞とクモ膜下出血の前兆と捉えるべき症状です。

片方のまぶたが垂れ下がる

まぶたを動かす筋肉に指令する神経がまひすると、まぶたが垂れ下がります。
二重に見える症状と同時に起こることが多いです。

片方の眼が見えにくくなる

とくに新聞を読むとき、見る面積を広く使うので、気づきやすいです。
脳梗塞や脳出血の前兆の一つです。

意識がなくなる

脳卒中の前兆として、短時間に意識がなくなる発作が挙げられます。
意識がなくなっても、しばらくして回復したからといって安易に安心してはいけません。
繰り返すようなら、脳梗塞の前兆の可能性があります。

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脳卒中の前兆が現れる期間はどのくらい?

脳卒中は、突然発症すると思われがちですが、実は前兆もあります。
とくに脳卒中の中でも多い脳梗塞では、一過性脳虚血発作(TIA)という前兆があります

 一過性脳虚血発作は短くて数分、長くても30分程度で症状があらわれ、消えます。
そのため「あれ?ちょっと疲れているかな」と放置してしまう危険性があるのです。

しかし、一過性脳虚血発作が起こると5〜20%という高い確率で脳梗塞を発症します。
また、脳梗塞を発症した方の半数は、48時間以内に一過性脳虚血発作を起こしています。
一過性脳虚血発作を起こした方の3割は、3ヶ月以内に発症するというデータもあります。

脳卒中の種類ごとに多い前兆や初期症状は?

脳卒中は、いきなり重篤な症状があらわれる場合もあります。
しかし初めは症状が軽く、その後2〜3日してから急に悪化することも珍しくありません。

脳卒中は種類によって、前兆や初期症状に違いが出てきます。
前兆や初期症状を見逃さないことが大切です。

種類前兆初期症状注意点
脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)手足の痺れなどの症状詰まった血管が溶けると症状は治るが、後日脳梗塞を発症する危険性が高い。症状が治まったからといって放置せず、必ず病院で検査してもらうことが大切。
脳出血
くも膜下出血
激しい頭痛などいつもとは明らかに違う激しい頭痛くも膜下出血では2~3割の方が頭痛を訴える。迷わず病院に向かうことが大切。
重度の脳卒中意識障害意識消失意識障害の発作が続くようであれば、重度の脳卒中の前兆である可能性が高くなる。
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認知症が脳卒中の前兆である場合も

記憶力が著しく低下しているにもかかわらず、理解力や判断力は衰えていない状態を「まだら認知症」と呼びます。
認知症の症状が「まだら」状態となります。

まだら認知症といわれる症状には、小さな脳梗塞が原因となっていることがあります。
「ラクナ梗塞」と呼ばれ、脳の深いところの細い動脈にできる小さな梗塞です。
ラクナ梗塞の症状はほとんどありません。 

しかしラクナ梗塞が増えると、できた場所の血流が悪くなります。
脳神経にダメージを与えることもあり、ちょうど認知症のような症状と似ています。
記憶力の低下に加え、頭痛や手足のしびれがある場合は脳卒中の前兆かもしれません。

薬の使い方

脳卒中の疑いがあるときは何科に行くべき?

脳卒中の前兆や初期症状があらわれたら、病院の何科に行くのが適切なのでしょ。
まず、かかりつけの病院で診てもらうのが1番安心です。

かかりつけの病院がない場合には、以下のような診療科を受診しましょう。

  • 脳神経外科
  • 神経内科
  • 循環器科
  • 老年科

診察の結果、脳卒中が疑われた場合には、検査をします。
主な検査としては「CT検査」「MRI検査」「血管撮影検査」などを行います。
検査によって、脳卒中の状態を把握して適切な治療を行います。

脳卒中は早期発見&早期治療が重要 

脳卒中の場合は時間との闘いになります。
早期発見・早期治療をおこなうことで、後遺症が軽くなる可能性もあるためです。

治療までの時間が遅れるとどうなる?

脳梗塞では、発症から4.5時間以内であれば使えるという、特殊な治療方法があります。
しかし、治療の前には少なくとも1時間程度の検査をする必要があります。
そのため、4.5時間以内での治療開始は、難しい可能性が高いのが現状です。

迷うことなく、可能な限り早く病院を受診することが大切です。

覚えておきたいfast(ファスト)チェック

可能な限り早く病院を受診するためには、前兆を見逃さないことが大切です。
前兆を確認するFAST(ファスト)チェックを覚えておきましょう。

F=Face(顔のまひ)
A=Arm(腕のまひ)
S=Speech(言葉の障害)
T=Time(発症時刻)

顔の片側や口角が下がっている。
片方の腕が上がらない、あるいは上がってもすぐに下がってしまう。
言葉のろれつが回らない、あるいは言葉が出てこない。
この3つのチェックに当てはまれば、あとは時間との闘いとなります。

一刻も早く救急車を呼ぶか、病院を受診しましょう。

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どんな人が脳卒中になりやすい?

脳卒中になりやすい人の特徴

脳卒中にならないようにするには、どのような生活を送ればいいのでしょう。
以下のような脳卒中になりやすい人の特徴からそのヒントが得られます。

高血圧肥満
糖尿病不整脈がある
心筋梗塞・狭心症になったことがある血縁者に脳卒中の人がいる
いびきが大きい喫煙習慣がある
大量にアルコールを飲む

脳卒中になりやすい人の特徴について、1つずつ説明します。

高血圧の方

くも膜下出血の発症率は、高血圧でない方に比べて9倍高くなります。
脳梗塞では4倍、脳出血では10倍以上の発症率となります。

肥満の方

脳卒中の危険因子として直接関係はありません。
しかし、肥満によって高血圧、糖尿病といった生活習慣病を発症します。
間接的に脳卒中になりやすいと考えていいでしょう。

糖尿病の方

血管がもろくなることで脳卒中を発症しやすくなります。
適切な治療をして糖尿病をコントロールしましょう。
コントロールができていない方は、できている方に比べて脳梗塞の発症が2倍になります。

不整脈がある方

不整脈によって心臓や血管に負担がかかります。
また心臓で血栓が生じやすく、血栓が脳へと移動すると血管が詰まる原因を作ります。

心筋梗塞・狭心症になったことがある方

脳卒中の原因は、動脈硬化にあります。
動脈硬化は、脳の血管だけでなく、心臓の血管など体のあちこちで起こっています。
心筋梗塞や狭心症になったということは、それだけ動脈硬化が進んでいる証拠です。

血縁者に脳卒中の人がいる方

血縁者に脳卒中の方がいる場合、危険率が高まります。
とくにくも膜下出血の方が血縁者にいた場合、発症率は通常の10倍になると考えられています。

いびきが大きい方

いびきには、危険ないびきがあります。
「睡眠時無呼吸症候群」によるいびきです。

急に静かになったと思ったら、しばらくして「グー、ガー」といびきが始まります。
静かになっている間は息が止まっている状態です。

睡眠時無呼吸症候群の方は、そうでない方に比べて脳卒中の発症率が3~4倍になります。

喫煙習慣のある方

タバコに含まれるニコチンには、血圧を急上昇させる作用があります。
動脈硬化を進行させるなどの悪影響もあり、脳卒中の発症率を高めます。

大量にアルコールを飲む方

大量のアルコールで脱水症状が起こり、血液がドロドロになります。
ドロドロになった血液は、血管に詰まりやすくなり脳卒中を起こす可能性を高めます。

生活を見直して改善することが大切

脳卒中を予防するためには、自分の健康に関心を持つことが大切です。
高血圧、糖尿病などは、きちんとした治療を続けることが肝心です。

肥満、喫煙、大量の飲酒は、生活を見直すことでかなり改善できる可能性があります。
適度な運動、バランスの取れた食事、寝る前の1杯の水など日頃から意識しましょう。

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脳卒中の発症状況や回復状況

昔は死の淵からの生還数が少なかった脳卒中です。
しかし、医療の進歩によって死亡率は低下し、社会復帰する方も多くいます。

若いから発症しないというのは間違い

脳卒中という病気は、確かに高齢者がほとんどを占めています。

しかし、若い方が発症しないというわけではありません。
20代でも脳卒中を発症する数はゼロではないのです。

20代から60代前半の多くは回復

どの世代でも、男性の方が女性よりも脳卒中の発症は多い傾向にあります。
脳卒中というと、後遺症などの大きな障害が残るというイメージが強いものです。

しかし、リハビリなどの適切な治療により回復することも多くなっています。
ただし、75歳以上になると、リハビリしても回復率は低下していきます。

発症後に復職する人も多い

20〜64歳までの「就労世代」では、7割以上がほぼ介助なしまで回復しています。
また、脳卒中を発症したあとの復職率は 50〜60%と報告されています。
出典:厚生労働省「脳卒中に関する留意事項

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脳卒中の前兆のまとめ

ここまで、脳卒中の前兆についてお伝えしてきました。
脳卒中前兆の要点をまとめると以下の通りです。

  • 脳卒中の前兆や初期症状は「手足のしびれ」「ろれつが回らない」「激しい頭痛」
  • 脳卒中になりやすい方は「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病を持つ方
  • 脳卒中の早期発見に必要なことは、FASTチェックを行うこと

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

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