なめこは、1年中スーパーに並んでおり、比較的安価なきのこです。
みそ汁の具に使うという方も多いのではないでしょうか。
なめこはどのような栄養があるのでしょう。
本記事ではなめこの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- なめこの栄養とは
- なめこの健康効果とは
- なめこをおいしく食べるコツとは
なめこの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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なめことは
なめこには、天然と菌栽培があります。
天然のなめこは、ブナやナラの枯れ木や切り株に自生しています。
なめこの主な産地は長野、山形、新潟となっています。
味噌汁の具として、日本ではとても親しまれているなめこです。
しかし海外にもなめこは自生していますが、食用としているのは日本だけです。
なめこは、ほかのキノコにはないぬめりが特徴となっています。
ぬめりがあるのは、なめこが乾燥を非常に嫌うためです。
自分からぬめりを出すことで乾燥や寒さ、敵から身を守っていると考えられています。
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なめこのおすすめ五大栄養素
なめこには、さまざまな栄養素があります。
そのなかでもとくに注目したい栄養素を紹介しましょう。
ぬめりの主成分ムチンとペクチン
ムチンはたんぱく質と多糖類が結合してできた成分です。
ネバネバしているのが特徴で、消化器官などに付着して表面を保護する働きがあります。
インフルエンザなどのウイルスの侵入を予防し、免疫力アップの効果があります。
ペクチンもネバネバの主成分です。
ペクチンは食物繊維のひとつで、水溶性食物繊維で水に溶けます。
腸内環境を整える効果が期待できます。
食物繊維で腸をきれいに
なめこには、食物繊維が豊富です。
水溶性・不溶性食物繊維が含まれますが、水溶性食物繊維が多くなっています。
水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になり、ゆっくりと腸を移動します。
そのため、栄養の吸収速度を緩やかにして、血糖値の急激な上昇を抑えられます。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収して便の量を増やします。
便が増えることで便通がよくなり、便秘予防に効果があります。
また水溶性・不溶性食物繊維は、どちらも腸内の善玉菌のエサになり腸内環境を整えます。
なめこ100gに含まれる食物繊維は3.3gです。
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カリウムでむくみ予防
カリウムはミネラル成分のひとつです。
体の調子を整えるために必要な栄養素です。
カリウムは、体内の水分調整をします。
塩分であるナトリウムが体内に多く取り込まれると、それを排出する働きがあります。
余分な水分を体外に排出する働きがあるので、むくみ予防に効果が期待できます。
なめこ100gに含まれるカリウムは230mgです。
カリウムとむくみの関係に興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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皮膚炎を防ぐナイアシン
ナイアシンはビタミンの一種です。
糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わり、エネルギー代謝に欠かせない栄養素です。
ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康を守る効果があり、皮膚炎などの炎症を鎮めます。
また、ナイアシンにはアルコールの分解を早める働きがあります。
二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を早めます。
二日酔い予防に、飲酒後の1杯のなめこ汁は効果があるでしょう。
なめこ100gに含まれるナイアシンは5.1mgです。
免疫機能を高めるβ⁻グルカン
β-グルカンは、食物繊維の一種で、きのこ類に多く含まれている栄養素です。
糖質や脂質の吸収を抑え、整腸作用効果も期待できます。
また、β-グルカンには、体の免疫力を高める働きがあります。
がん細胞の増殖を抑制するという研究発表もあり、注目されています。
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なめこを食べて得られる栄養効果5選
なめこの栄養素は、私たちの健康にどのような効果が期待できるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
腸内バランスを整える
なめこには、不溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンをはじめ、食物繊維が豊富です。
食物繊維はゆっくりと腸内を進み、腸壁にこびりついた老廃物などを排出します。
老廃物を排出することで、善玉菌が増えやすい環境を作ります。
便秘予防の効果もあります。
便秘が続くと、腸内バランスが崩れ悪玉菌が優位になります。
悪玉菌は毒素を出し、腸管から血液に乗り、体全体に広がっていきます。
大腸がんの原因ともいわれており、腸内環境を整えることは健康維持の第一歩です。
腹持ちがよくダイエットにぴったり
なめこは100gあたり15kcalと低カロリーです。
なめこやなめこのヌメヌメには、食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は、胃や腸の中で水分を吸い込んで大きく膨らむため、腹持ちがよくなります。
また、脂肪を燃焼し、糖質の代謝をアップするビタミンB群も豊富です。
カリウムはむくみを解消し、ナイアシンも脂質の代謝をサポートします。
このように、なめこは栄養素からみてもダイエットにピッタリといっていいでしょう。
血圧の上昇を防ぐ
カリウムは同じミネラルであるナトリウムを体外へ排出する作用があります。
そのため、塩分のとり過ぎが原因となる高血圧の予防として効果が期待されています。
また、カリウムを多く摂取することで、脳卒中のリスクが低下することも分かっています。
カリウムは生鮮食品に多く、煮たり茹でたりすると水に溶けだしてしまう栄養素です。
そのため、なめこのように味噌汁にして溶けたカリウムも一緒に摂取するのが理想的です。
むくみを軽減する
塩分の摂り過ぎは、血圧の上昇だけでなく、むくみも引き起こします。
私たちの体内の塩分濃度は常に0.9%に維持されています。
なぜなら、これ以下でも以上でも細胞が生きていけないからです。
この状態を維持するために、塩分が多くなると体の塩分濃度を薄めようとします。
そのためには水分を補給し、水分の排出をセーブし、体内に水分をためようとします。
これがむくみの仕組みです。
なめこの栄養素には、カリウムも多く含まれています。
カリウムはナトリウムの量を調節する働きがあります。
余分なナトリウムを汗や尿とともに体外に排出するため、むくみを解消します。
美肌をつくる
なめこには「コンドロイチン」という栄養素が含まれています。
コンドロイチンは、肌に潤いを与えアンチエイジングにも効果が期待できます。
また、なめこに含まれる「トレハロース」という栄養成分も注目されています。
トレハロースは、多くの化粧品にも使用されている自然界の糖です。
高い保湿力で肌の乾燥を防いでくれます。
免疫機能が向上する
β-グルカンは、きのこ類に多く含まれる不溶性食物繊維の一種です。
β-グルカンは、免疫機能の中枢である「マクロファージ」「キラー細胞」を活性化します。
免疫力の増強によって、がんの増殖を抑えたり、生活習慣病予防効果が期待できます。
また、なめこには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、腸内環境を整えてくれます。
最近の研究から、腸内環境は体内の免疫力に深く関係していることがわかっています。
風邪をひきやすいという方は、積極的になめこを食べて腸内環境を整えましょう。
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おいしくなめこを食べるには
なめこをおいしく食べるためには、なめこの選び方や保存の仕方を知っておきましょう。
なめこの選び方
スーパーで売られているなめこを選ぶときには、次の点をチェックしましょう。
- かさが開いていないなめこを選ぶ
- ぬめりが濁っていないなめこを選ぶ
- かさの大きさが揃っているなめこを選ぶ
なめこの保存方法
なめこはできるだけ早めに食べることです。
冷蔵庫で保存する場合は、野菜室ではなくチルド室のようにやや低温が適所です。
もしすぐに食べる予定がない場合には、冷凍保存もおすすめです。
真空パックされているなめこは、そのまま冷凍庫に入れましょう。
なめこは、冷凍しても食感やぬめりも変わらないので、冷凍向きのキノコです。
美味しいなめこのレシピ
なめこは、味噌汁だけではもったいない食材です。
なめこの栄養素を効率よく摂取する方法などもご紹介しましょう。
なめこの栄養素を逃さず食べられる料理
なめこの栄養素をできるだけ無駄なく効率よく摂取するメニューをご紹介します。
なめこの炊き込みご飯
なめこの炊き込みご飯は、なめこの栄養素がそのまま食べられる料理です。
なめこだけでなく、いろいろなキノコを入れて食感や香りの違いを楽しんでください。
ニンジンや油揚げ、ツナなどを入れると彩やダシとなって、よりおいしくなります。
なめこと大根の味噌汁
定番のなめこの味噌汁です。
なめこから溶け出した栄養素もまるごと摂取できます。
実はなめこをはじめ、きのこ類はあまり消化がよくありません。
消化酵素を多く含む大根と一緒に味噌汁にすると、効率よく栄養を摂取できます。
なめことしめじの和風きのこパスタ
なめことしめじ、大根おろし、めんつゆを和えた和風パスタです。
暑い夏などは、冷たい冷製パスタとしてもおいしくいただけます。
アクセントに大葉や柚子胡椒の風味を効かせれば、さらに食欲が増します。
なめこあんかけ揚げ出し豆腐
ヘルシーな一品です。
ボリュームもあるので、ダイエット中の方にはおすすめです。
豆腐は木綿豆腐を使いましょう。
出汁で深い味わいに仕上げ、なめらかなあんをまとわせたなめこが絶品です。
長芋オクラなめこのねばねば和え
最強のネバネバを合体させたメニューです。
オクラは、ダイエットや美容に効果が期待できます。
サッと茹でて、鮮やかな緑も楽しんでください。
長いもはイモ類では珍しく、生で食べられます。
カロリーもそれほど高くなく、整腸作用もあります。
三大ネバネバ素材を使ったシンプルで健康にいい一品です。
夏バテ予防など、積極的に食べるようにしましょう。
きのこダイエットに興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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なめこを食べるときの注意点
栄養も豊富で美味しいなめこですが、食べる際には注意する点がいくつかあります。
ごく基本的なことですが、気を付けるに越したことはありません。
生のなめこは食中毒の危険性有り!加熱して食べよう
スーパーで真空パックのかたちで売られている場合、なめこは生の状態です。
袋の中で乳酸菌などの雑菌が繁殖している可能性があります。
料理で加熱する場合には問題ありません。
和え物などのときには、沸騰したお湯で1、2分程度茹でてから使いましょう。
ただし、茹で過ぎると食感が損なわれるので注意しましょう。
食物繊維過剰摂取による腹痛に注意
食物繊維は、腸内環境を整えるのに必要な栄養素です。
しかし、食物繊維の過剰摂取は、かえって下痢や便秘などを起こしてしまいます。
くれぐれも摂り過ぎには注意しましょう。
下記では、食物繊維のとりすぎについても解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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なめこの収穫時期と産地
なめこは、日本全国で親しまれているキノコの一つとして知られています。
その特徴的な表面のヌルヌルとした粘質や山吹色の傘は、多くの人々に愛されています。
産地と生産量
なめこの主な産地は長野県と山形県であり、次いで新潟県が挙げられます。
特に原木栽培においては、福島県も生産量が多い地域として知られています。
これらの地域では、適した気候や土壌の条件が揃っており、質の良いなめこが生産されています。
収穫時期と旬
天然のなめこは、主に秋の9月から11月にかけて収穫されることが多いです。
この時期はなめこの旬とされ、最も美味しいとされるのは10月から11月中旬です。
一方、栽培物のなめこは通年での生産が可能であり、夏場は需要が少ないため価格が下がる傾向にあります。
このため、夏場は特にお買い得な時期と言えるでしょう。
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なめこの栄養に関するよくある質問
なめこはどのような栄養成分が含まれていますか?
なめこには食物繊維、ビタミンD、ビタミンB群、ミネラル(特にカリウム)、そしてβ-グルカンという免疫機能をサポートする成分が含まれています。
なめこのβ-グルカンにはどのような効果がありますか?
β-グルカンは、免疫機能の強化やコレステロール値の低下、血糖値の安定化などの効果が報告されています。
なめこはダイエットに適していますか?
はい、なめこは低カロリーで高い食物繊維を含むため、満腹感を得やすく、ダイエット中の間食としても適しています。
なめこにアレルギーを引き起こす成分は含まれていますか?
なめこアレルギーは非常にまれですが、全ての食品と同様に、個人によってはアレルギー反応を示すことがあります。
不安がある場合は、少量から試してみるか、医師に相談することをおすすめします。
なめこを毎日食べることに問題はありませんか?
なめこは自然な食材であり、特に過剰摂取による健康リスクは報告されていません。
ただし、バランスの良い食事を心がけるため、様々な食材を組み合わせて摂取することがおすすめです。
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なめこの栄養まとめ
ここでは、なめこの栄養について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- なめこの栄養は「ムチン」「ペクチン」「食物繊維」「カリウム」など
- なめこの健康効果は「腸内バランスを整える」「ダイエット」「免疫向上」など
- なめこをおいしく食べるコツは新鮮ななめこを早めに食べること、冷凍保存もOK
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。