ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>健康お役立ち記事>栄養>フェニルアラニンとチロシンが豊富な食べ物とその健康効果7選

フェニルアラニンとチロシンが豊富な食べ物とその健康効果7選

フェニルアラニンとチロシンはアミノ酸の1つです。
フェニルアラニンとチロシンはアミノ酸の中でも芳香族アミノ酸に含まれます。
フェニルアラニンとチロシンには、どのような健康効果があるのでしょうか?

本記事では、フェニルアラニンとチロシンについて以下の点を中心にご紹介します。

  • フェニルアラニンとチロシンが豊富な食品について
  • フェニルアラニンとチロシンの健康効果とは
  • フェニルアラニンとチロシンの関係性について

フェニルアラニンとチロシンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

スポンサーリンク

芳香族アミノ酸(AAA)とは

フェニルアラニンは、必須アミノ酸の1つです。
フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンは、アミノ酸の中でも芳香族アミノ酸に分類されます。
必須アミノ酸には、脳と神経細胞の信号を伝達する役割があります。

必須アミノ酸は、肉類、魚介類や、卵、乳製品などの食品のタンパク質の中に多く含まれています。
フェニルアラニンは、タンパク質の構成材料になります。
フェニルアラニンは、肝臓で非必須アミノ酸であるチロシンに変換されます。
チロシンは、興奮性の神経伝達物質の前駆体です。

関連記事

必須アミノ酸は体内で合成されません。必須アミノ酸は食品などから摂取する必要があります。そもそも必須アミノ酸とはどのようなアミノ酸なのでしょうか。必須アミノ酸はどのような食品に含まれているのでしょうか。本記事では必須アミノ[…]

スポンサーリンク

フェニルアラニンとチロシンが豊富な食品

フェニルアラニンとチロシンが豊富な食品にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で、それぞれみていきましょう。

大豆と大豆製品

大豆と大豆製品には必須アミノ酸が、バランスよく含まれています。
そのため、大豆に含まれるタンパク質は、バランスのとれた良質なタンパク質といわれています。

大豆製品には、大豆を原料とする凍り豆腐、湯葉、きな粉に豊富に含まれています。
きな粉はヨーグルトや牛乳に混ぜると、手軽に食べられるのでおすすめです。

カツオやサバなど魚の削り節

かつお節には、30種類ものアミノ酸が含まれています。
30種類の中でも最も大切といわれているのが、必須アミノ酸です。

かつお節は、削り方が違うだけでうま味や風味が変わります。
そのため、削り方を変えるだけで、飽きないようにバリエーションを変えることができます。

かつお節は、出汁やトッピングとして手軽に利用できます。
しかし、かつお節は一度に食べる量が少なくなってしまいます。
そのため、ほかの食品からも非必須アミノ酸を摂るようにしましょう。

ナチュラルチーズ

ナチュラルチーズには、チロシンが豊富に含まれています。
献立に鶏肉とチーズを組み合わせることで、効率よくチロシンを摂ることができます。

おすすめのレシピに「チキンチーズフライ」があります。
チキンチーズフライの付け合わせにトマトやジャガイモを加えることで、さらに栄養価がアップします。

イクラやすじこ

イクラは、鮭の卵を塩漬けや醤油漬けにしたものです。
また、すじこは膜をそのままにし、塩漬けにしたものをいいます。

イクラやすじこには、ビタミンB12やビタミンDが豊富に含まれています。
ビタミンB12は、貧血の予防、改善に役立ちます。
ビタミンDは、骨、歯の強化に有効です。

落花生

落花生は、油分が多く太りやすいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、落花生には非必須アミノ酸以外にもさまざまな健康効果があります。

落花生には、美容効果、がんなどの生活習慣病の予防などの効果が期待できます。
また、落花生を食べるときは、塩分のついていない無塩のものがおすすめです。

豚肉(ヒレやモモ)

豚肉には、フェニルアラニンやチロシンが豊富に含まれています。
また、肉を食べると幸せホルモンがでるといわれています。
幸せホルモンには、セロトニンといわれるホルモンがあります。
セロトニンは、必須アミノ酸と深く関わっていると考えられています。

うつの治療薬で使用される必須アミノ酸のトリプトファンは、セロトニンの素となります。
そのため、豚肉を摂ることでストレスを軽減でき、精神を安定させることができます。

鶏肉(むねやささみ)

鶏肉には、非必須アミノ酸以外にも動物性タンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質をしっかり摂ることで、美髪や美肌など美容効果が期待できます。

また、鶏肉を食べるときはむねやささみを選ぶことで、カロリーも抑えられます。
穀物などの主食中心の食事では、低栄養になりやすいです。
そのため、鶏肉などの肉類を一緒に摂りましょう。

おすすめ記事

タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]

フェニルアラニンとチロシンの健康効果

フェニルアラニンとチロシンの健康効果には

  • 神経伝達物質の原料になる
  • 記憶力を向上させる
  • うつ症状を緩和する
  • 黒色色素メラニンの原料になる
  • 皮膚を保護する
  • 鎮痛作用
  • 甲状腺ホルモンの原料

などがあります。

それぞれみていきましょう。

神経伝達物質の原料になる

フェニルアラニンとチロシンは、神経伝達物質の原料となります。
神経伝達物質には、ドーパミンとアドレナリンやノルアドレナリンがあります。

ドーパミンには、脳を興奮状態にして意欲をつくる効果があります。
脳を緊張状態にして、集中力を高めるノルアドレナリンの材料となります。
また、アドレナリンには、グリコーゲンの分解を促進して、集中力や決断力を向上します。

記憶力を向上させる

神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンは、記憶力や集中力を高める働きがあります。
チロシンは、脳を活性化させるドーパミンやノルアドレナリンの前駆体です。

神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンが不足すると、意欲が薄れてしまいます。
そのため、物事への関心や意欲が薄れて、集中力が低下します。

うつ症状を緩和する

ノルアドレナリンやドーパミンが不足すると、意欲が低下します。
その結果、抑うつ症状がみられます。
チロシンを摂ることで、ノルアドレナリンが合成されて緊張や不安を軽減できます。

さらに、ドーパミンが合成されることで、やる気の向上につながります。

黒色色素メラニンの原料になる

チロシンは、黒い色素をつくる原料になります。
髪が黒く見えるのは、メラニン色素という黒い色素が入っていることで黒く見えます。

メラニン色素は、体内のチロシナーゼという酵素とチロシンが合わさることで生まれます。
そのため、チロシンは黒い髪を作るもととなります。

チロシンが不足すると、髪に黒い色素が入らなくなるため、白髪が生まれてしまいます。

皮膚を保護する

フェニルアラニンには、白斑(はくはん)の治療に有効とされていて、皮膚病に効果があります。
白斑とは、皮膚の一部の色が白く抜けてしまう皮膚病です。

フェニルアラニンの経口摂取と紫外線A波の照射との組み合わせで効果があるとされています。
また、フェニルアラニンの外用と紫外線A波の照射との組み合わせでも効果があります。

鎮痛作用

フェニルアラニンには、痛みを抑える作用があります。
人工的につくられたフェニルアラニンは、鎮痛剤として使用されています。

医療現場では

  • 外傷
  • 骨関節炎
  • 慢性関節リウマチ
  • 腰痛
  • 片頭痛
  • 神経痛
  • 筋肉の痙攣

などの痛みを軽くさせます。

フェニルアラニンは毒性がないため、長時間使用しても効果が弱くなることはありません。
また、フェニルアラニンは繰り返し使うことで効果的に痛みを取り除けます。

さらに、抗うつ効果により、アスピリンなどの鎮痛剤が効かない方にも効果があるといわれています。

甲状腺ホルモンの原料

チロシンは、人間の成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの原料となります。
甲状腺ホルモンは、細胞の生まれ変わりを促す働きがあるので、子どもの成長に欠かせません。

しかし、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、交感神経が刺激されて、動悸などが生じます。

また、甲状腺ホルモンが不足すると、身体の代謝が正常に行われなくなります。
そのため、集中力の低下や、心筋梗塞の原因となる動脈硬化やコレステロール値の上昇などがおこります。

フェニルアラニンとチロシンの関係性

フェニルアラニンとチロシンには、どのような関係性があるのでしょうか?
以下でそれぞれみていきましょう。

フェニルアラニンをチロシンに変換する

フェニルアラニンは、体内で酵素によりチロシンに変換されます。
酵素には、フェニルアラニン4-モノオキシゲナーゼなどがあります。

チロシンからドーパ、さらにドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質に変換します。

フェニルアラニンをチロシンへ変換する酵素

フェニルアラニンは、チロシンと密接な関係があります。
フェニルアラニンにヒドロキシル基を追加するとチロシンになります。

また、肝臓細胞にはフェニルアラニン水酸化酵素といわれる酵素があります。
フェニルアラニンにヒドロキシル基を追加してチロシンに変換できます。

フェニルアラニンからチロシンに合成する酵素が足りないと、フェニルアラニン尿症といわれる病気を発症します。
フェニルアラニンが体内に過剰に溜まると、尿中に多量にフェニルケトン体が排出されます。

フェニルアラニンが過剰に溜まることで、脳に障害が生じ、知能障害、脳波異常などを起こす可能性があります。

チロシンは神経伝達物質の原料になる

チロシンは、神経細胞の興奮や抑制を伝達する神経伝達物質の原料となります。
さらに、成長を促したり、自律神経の調整を行ったりする甲状腺ホルモンの原料となります。

チロシンは、神経や脳の働きを助けるために必要なアミノ酸です。
うつ病の改善や、認知症の予防効果も期待できます。

チロシンはL⁻ドパとドーパミンの原料

チロシンはL⁻ドパとドーパミンの原料となります。
ドーパミンとは、副腎髄質や交感神経節後線維に含まれるホルモンの1つです。
ドーパミンには、運動機能、ホルモン調節機能、快感、多幸感などに影響を与えます。

ドーパミンが不足すると、筋固縮などの運動症状が起こる可能性があります。

チロシンはノルアドレナリンとアドレナリンの原料

チロシンはノルアドレナリンとアドレナリンの原料となります。
ノルアドレナリンは、神経を興奮させる神経伝達物質です。
ノルアドレナリンは、意欲、不安、恐怖と深く関係があります。

また、ストレスを受けるとノルアドレナリンが放出されるため、怒りのホルモンともいわれます。

アドレナリンとは、副腎髄質から分泌されるホルモンの1つです。
神経伝達物質の1つである、ストレス反応において中心的な役割があります。

血液中に放出されると心拍数や血圧が上昇し、瞳孔を拡大して血糖値を上げる働きがあります。

健達ねっとECサイト

フェニルアラニンとチロシンを効率よく摂取

フェニルアラニンとチロシンを効率よく摂取するにはどのようにしたらよいのでしょうか?
以下で、みていきましょう。

フェニルアラニンとチロシンのどっちを摂取すべき?

フェニルアラニンとチロシンは、どちらか一方のみを摂ればいいわけではありません。
フェニルアラニン、チロシンともに大切なアミノ酸です。

そのため、どちらも必要なアミノ酸であり、バランスよく摂ることが大切です。

フェニルアラニンとチロシンの違い

フェニルアラニンは、必須アミノ酸の1つで甲状腺ホルモンまたはほかの重要な代謝物の合成に不可欠です。

チロシンは、非必須アミノ酸の1つで黒色色素の原料になります。
また、ドーパミンやノルアドレナリン、アドレナリンの前駆物質にもなります。

フェニルアラニンとチロシンを併用しよう

フェニルアラニンは、体内でチロシンへ変換するアミノ酸です。
そのため、フェニルアラニンを摂ることで、チロシンの合成量が増加します。

フェニルアラニンとチロシンを効率よく摂るには、ビタミンB6も一緒に摂りましょう。
ビタミンB6は、神経機能や免疫機能をサポートする働きがあります。
また、タンパク質の代謝を促す働きもあるため、チロシンを効率よく利用できます。

良質なタンパク質と一緒に食べる

必須アミノ酸は、良質なタンパク質と一緒に食べる必要があります。
通常、一般的な食事を摂っている場合、アミノ酸が欠乏することはありません。

しかし、3食摂っていなかったり、植物性タンパク質の食生活だったりする場合は注意しましょう。
偏った食生活は、タンパク質が不足している可能性があります。

タンパク質の推奨摂取量を目安にしよう

適切なアミノ酸を摂るために、タンパク質の推奨摂取量を目安にしましょう。
適量のアミノ酸を摂る指標に、「アミノ酸スコア」といわれるものがあります。

アミノ酸スコアは、食品に必須アミノ酸がどのくらい含まれているかが示されています。
アミノ酸スコアが100に近いほど理想的です。
出典:厚生労働省【1─2 たんぱく質

薬の使い方

フェニルアラニンとチロシンまとめ

今回は、フェニルアラニンとチロシンの情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • フェニルアラニンとチロシンが豊富な食品は、大豆製品、削り節、イクラなど
  • フェニルアラニンとチロシンの健康効果は、記憶力向上、うつ症状の緩和など
  • フェニルアラニンは、体内で酵素によりチロシンに変換される関係性がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク