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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>不整脈を治す手術|費用や入院期間など気になる疑問を解消しよう

不整脈を治す手術|費用や入院期間など気になる疑問を解消しよう

不整脈は、速くなったり、遅くなったり不規則に脈が打たれる病気です。
また、カテーテル治療やペースメーカーの植え込みなど手術が必要な場合もあります。
不整脈の手術の種類、費用・入院期間はどれくらいなのでしょうか?

今回は「不整脈の症状と治すための手術」についての解説をしていきます。

  • 不整脈にかかる治療費とは
  • 不整脈の手術でのリスクとは
  • 手術前後での注意事項とは

不整脈の手術について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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不整脈とは

不整脈とは、脈が「遅い、速い、不規則に脈が打たれる」状態を指します。
1分間に50以下の場合を徐脈、100以上は頻脈と診断されます。

不整脈は以下の3種類に分類されます。

  • 心拍数が速い「頻脈性不整脈」
  • 心拍数がゆっくり「徐脈性不整脈」
  • 心拍数が不規則「期外収縮不整脈」

また、「病気としての症状、生理的な症状」の2種類に分別可能です。

病気の不整脈では、突然脈拍が120以上になり頻脈が起きます。
頻脈と同時に、「息切れ、胸痛、失神」といった症状が出ることもあります。

そのため、日常生活を送るうえで支障を来す場合は注意が必要です。
病気としての症状の場合は、薬の内服や手術で治療していきましょう。

一方、生理的な症状は運動、精神的興奮、発熱により脈が速くなります。
これは、生理的な頻脈ともいえるため、だれにでも起こり得ます。

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不整脈手術の種類

不整脈を治すために行われる外科手術は、以下のようなものがあります。

  • カテーテルアブレーション
  • ペースメーカー移植術
  • 直流通電除細動、除細動器(ICD)の植込み
  • メイズ手術

まずは、不整脈の手術の種類について解説していきます。

カテーテルアブレーション

メスを使わない心臓手術の一種で、心臓内の不整脈の原因を焼灼します。
開胸手術と比較しても負担は少なく、焼灼による痛みはほとんどないことが特徴です。

具体的な所要時間は、約1時間~数時間で、通常3日~1週間程の入院期間になります。
心房細動(しんぼうさいどう)や心室性不整脈など、内服薬での治療が困難な不整脈に対してカテーテルアブレーションは効果的です。

 ペースメーカー移植術

心臓に電気信号を送ることで、脈拍数を正常値に戻す機械を移植する手術です。
基本的に局所麻酔を打ち、手術を実施します。

入院期間は3日ほどで、手術時間は1~2時間ほどで完了するといわれています。
ただし、ペースメーカーは、患者さんの脈が遅いことを感知する機械にすぎません。

そのため、不整脈が完治するわけではなく、一生ペースメーカーが必要です。
また、電池で稼働するため、数年に一度は電池交換の手術があります。

直流通電除細動、除細動器(ICD)の植込み

直流通電除細動、除細動器(ICD)を胸部、または腹部に植え込む手術です。
治療機器は、ICD本体と導線で構成されています。

植え込む機械の役割は、心臓の動きを常時監視と、ペースメーカー同様の頻脈の検出です。
電気ショック治療に必要な電力を蓄電する部分と、主電源となる電池を内蔵しています。

さらに、脈拍の記録や、治療の履歴も記録します。
そして、検出された頻脈の速さ、頻脈の種類に応じて段階的な治療も可能です。

メイズ手術

心房の壁を切り、電気刺激を操作して心房の痙攣(けいれん)を抑える外科手術です。
主に「心房細動」に対して治療を施します。

心房細動とは、心房といわれる心臓の上の部屋が小きざみに震える症状です。
主に「動悸、めまい、脱力感、胸の不快感、呼吸困難」などを引き起こします。

心房細動の原因になる心房の壁を切り開き、組織の冷凍や高周波を当てて焼いていきます。

不整脈を治す手術にかかる費用

不整脈を治すための手術は、前述したとおりでさまざまです。
次に、手術にかかる費用についてそれぞれ見ていきましょう。

カテーテルアブレーションは自費だと150万円から250万円かかる

メスを使用しない心臓手術の一種で、心臓内の不整脈の原因を焼灼する手術です。
焼灼による痛みは、ほとんどないといわれています。

カテーテルアブレーションの費用は、以下のとおりです。

通常の健康保険適用(自己負担約3割)高額療医療費制度適用
70歳未満の場合60~80万円3.6~28万円
70歳以上の場合6~28万円1.5~28万円

ペースメーカー移植術は150万円から300万円かかる

心臓に電気信号を送り、脈拍数を正常値に戻す機械を移植する手術です。
ペースメーカー移植術の費用は、以下のとおりです。

用途費用
保険適用前の費用150~300万円
自己負担3割45~90万円
高額医療費制度適用の場合約9万円の自己負担

詳しくは各保険の担当部門または病院の窓口にお問い合わせ下さい。

植込型除細動器(ICD)植え込みは450万円から600万円かかる

植込型除細動器(ICD)植え込みの費用は、以下のとおりです。
不整脈の手術のなかでは、植込型除細動器(ICD)の植え込みやリード線を通すなど
さまざまなプロセスがある手術です。

用途費用
保険適用前の費用450~600万円
自己負担3割135~180万円
高額医療費制度適用の場合約9万円の自己負担

メイズ手術は100万円程度かかる

心房の壁を切り、電気刺激を操作することで心房の痙攣を抑える外科手術です。
心房細動に対して治療を施していきます。

メイズ手術の費用は、以下のとおりです。

用途費用
保険適用前の費用100万円
自己負担3割30万円
高額医療費制度適用の場合約9万円の自己負担

不整脈の手術では保険制度を活用しよう

この時点で、不整脈の手術の費用は、数百万円ほどかかることがわかりました。
それでは、費用が不足している場合は、断念するべきなのでしょうか?

答えはNOです。
保険制度を活用すれば、費用をおさえることができます

国の高額療養費制度を活用|自己負担額9万円程度

一般的な不整脈の治療費用は、ほとんど高額になりがちです。
しかし、医療保険制度である「高額療養費制度」を活用すれば、負担額を軽減できます。

負担限度額が定められており、定額を超える分は給付金として支給される制度です。

医療ソーシャルワーカーに相談する

高額療養費制度が、複雑そうで不安になる方もおられるのではないでしょうか?

医療費の制度は一般の方にとって、複雑である場合が多いです。
そのため、病院の医療ソーシャルワーカーに相談して不安を解消すると良いでしょう。

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不整脈の手術にかかる入院期間

不整脈の手術にかかる入院期間は、手術内容によって異なります。
ここからは、下記の4種類の手術の目安について解説していきます。 

  • カテーテルアブレーション
  • ペースメーカー移植術
  • 植込型除細動器植え込み
  • メイズ手術

カテーテルアブレーションなら2泊3日程度

カテーテルアブレーションの入院期間は、2泊3日程度が目安です。
治療前日に入院し、治療の翌々日には、退院できます。

入院が長期化しても、4週間ほどで退院できます。
また、外来検査で入院期間が短縮できることもあるので、うまく活用すると良いでしょう。

ペースメーカー移植術なら7日から10日程度

ペースメーカー移植術の場合は、7日~10日程度といわれています。
機器の移植手術は、

  • 入院から退院に実施される検査・処置
  • 薬の服用
  • 食事・入浴

など入院スケジュールにもとづいて行われていきます。

また、糖尿病などの基礎疾患がある場合、体調を調節するために手術前の入院期間が長期化することもあるでしょう。

同じく外来で、検査をあらかじめ受けておけば、期間を短縮できる可能性があります。

植込型除細動器植え込みなら7日から10日程度

植込型除細動器植え込みの手術期間は、7日~10日程度が目安です。
機器の植え込みおよび、皮膚を縫合する手術は約2~3時間程度といわれています。

入院が長期化しても、3~4週間で退院できます。
同じく糖尿病など、基礎疾患がみ見られる場合、手術前の入院期間を多めにとることもあるため注意が必要です。

メイズ手術なら2週間程度

メイズ手術の期間は、2週間程度です。
手術が長期化しても、3~4週間で退院できるといわれています。

こちらも、糖尿病などがある場合、体調を整えるために手術前の入院期間を多くとることも考えられます。

薬の使い方

不整脈の手術の成功率

不整脈の手術は、患者さんに合わせて成功率が変わります。

  • 手術の成功率
  • 手術での死亡確率
  • 手術の成功率の高め方

ここからは、上記の手術に関する項目について解説します。

不整脈の手術で成功する確率

不整脈は、手術を受ければ100%治せるというわけではありません。
なぜなら、不整脈は種類や持続期間など、さまざまな要素が絡むからです。

例えば、心房細動という不整脈では、「90~95%の成功率/5~10%の再発率」といわれています。
また持続性心房細動では、1年間持続していれば70%程度といわれています。

不整脈の種類や、持続期間、基礎疾患の有無によって、成功確率は大きく変わるのです。

不整脈の手術が原因で死亡するケースも稀にある

手術が原因となり、死亡するケースも存在します。
しかし、手術で失敗するリスクは極めて低く0.5%~2%程度といわれています。

そのため、不整脈で死亡するというケースは、ごく稀なことです。
成功率に不安がある場合、後述する成功率を高くする方法を参考にしましょう。

不整脈の手術で成功率を上げるには

不整脈の手術で成功率を高めるために、2つのコツがあります。
不整脈の手術に不安がある場合は、取り入れてください。

受ける術式を専門とする外科医を見つける

手術の成功率を高める方法は、不整脈の種類に合わせた専門の外科医を見つけることです。
受ける術式の技術が高い医師・医院を見つければ、より成功率が向上するでしょう。

手術前に体調を整えておく

手術を行う際は、皮膚を切り開いたり、ペースメーカーの機器を移植する必要があるため体力の消耗は激しくなります。

そのため、手術の前日は休んだり、睡眠を確保するなど体調を整えて臨みましょう。

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不整脈手術の術後の影響や後遺症のリスク

不整脈手術を行うと、手術後の影響や後遺症のリスクも考えられます。
ここからは、下記に挙げる後遺症のリスクについて解説していきます。

  • カテーテル挿入部からの出血
  • 血栓塞栓症
  • 心筋穿孔に伴う心タンポナーデ
  • 肺静脈狭窄
  • 横隔膜神経麻痺
  • 迷走神経の障害による食道と胃の機能障害
  • 心房ブロック

カテーテル挿入部からの出血

カテーテル操作から軽度の障害や、カテーテル挿入部位から出血するケースがあります。
ただし、外科的な処置を強いられることはほとんどありません。

また、重篤な後遺症が生じる確率は1%未満といわれています。

血栓塞栓症

焼灼した部分に、発生した血栓・血液が沸騰した気泡が血管を塞いでしまう状態です。
予防策としては、血液の凝固を防止する薬を投薬し、過度の熱を発生させないように配慮して手術を行います。

心筋穿孔に伴う心タンポナーデ

カテーテルの操作時に、心臓の筋肉や血管に傷が付き、心臓の周りに血液が溜まり、心臓の動きに障害がでる後遺症です。

しっかりと処置を行うことができれば、生命を脅かすものではないといわれています。
また、入院期間の延長および、特別な処置が必要な場合もあります。

肺静脈狭窄

肺静脈が先天的に、狭窄している状態を指します。
狭窄が重症化するにつれ、閉鎖状態になることもある後遺症です。

症状として、多呼吸、チアノーゼ、呼吸困難、体重増加不良、右心不全などがあり、
原因は不明とされています。

横隔膜神経麻痺

呼吸の際に重要な役割を果たす筋肉である横隔膜が、麻痺を起こしている状態です。
横隔膜は、2つ存在しており、片方か両方のいずれかで麻痺を起こします。

治療方法としては、呼吸補助と原因に対する治療が挙げられます。
また、横隔膜神経麻痺は、感染症・肺がんなど、危険な要因もあるため注意しましょう。

迷走神経の障害による食道と胃の機能障害

迷走神経とは、副交感神経の一部の名称です。
迷走神経は、唾液、胃液、膵液、胆汁などの消化液の分泌など、重要な役割を持ちます。

しかし、手術による迷走神経の切除が引き金となり、消化管運動の低下と消化管ホルモンの分泌が変化して、機能障害のリスクがあるため注意が必要です。

心房ブロック

脈が遅くなる不整脈のひとつです。
主に、めまいやふらつきが起きる症状です。
自覚症状がない場合でも、脈が遅いと診断されると心房ブロックと判断されることもあります。

また、一時的に心停止して失神を起こすこともあるので、注意が必要です。

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不整脈の手術前後に気を付けること5選

不整脈の手術前後に、以下のように気を付けるべきことが5つあります。

  • 精神的なストレスを溜めない
  • 睡眠不足に陥らないようにする
  • 疲労を持ち越さない
  • 過度のアルコール摂取を避ける
  • 中程度の強度の運動をする

では、それぞれ見ていきましょう。

精神的なストレスを溜めない

精神的なストレスを蓄積してしまうことは、不整脈を悪化させる原因になります。
なぜなら、ストレス反応から緊張しやすくなり、脈拍が上がるからです。

そのため、手術前後でもストレスの処理が欠かせません。
日常のストレスの原因を回避する、発散するなど対策を行いましょう。

睡眠不足に陥らないようにする

睡眠不足に陥らないようにすることも大切です。
常に、リラックスできない状況では、緊張して脈拍が早くなり不整脈が悪化します。

そのため、睡眠環境を整える、朝日を浴びるなどして対処していきましょう。
また、手術自体が体力を消耗するため、十分な睡眠をとることは大切です。

疲労を持ち越さない

手術の前後は、疲労を持ち越さないことも必要です。
なぜなら、手術を決行するときに体力を大きく消耗するからです。

ストレスを処理する、睡眠時間を確保するなどして、体力を回復しておきましょう。

過度のアルコール摂取を避ける

アルコールの摂取は、心房細動を誘発する原因のひとつです。
現状では、平均2合(約4ドリンク)以上の飲酒をすると、罹患リスクが約2倍に上がると報告されています。

そのため、過度のアルコール摂取は避けるようにしましょう。

中程度の強度の運動をする

中程度の強度で運動をして筋肉を付けると、術後の早期回復につながります。
一般的な運動の基準は、下記のとおりです。

  • ウォーミングアップ(ストレッチ)
  • 有酸素運動(ウォーキング)
  • 抵抗運動(筋トレ)
  • クールダウン(ストレッチ)

など、計50分で週3回以上が推奨されています。
健康寿命を伸ばすためにも、運動習慣を継続していきましょう。

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不整脈の手術まとめ

今回は、不整脈の症状と治すための手術についてご紹介しました。
不整脈の症状と治すための手術についての要点を以下にまとめます。

  • 不整脈の治療費は、数百万の費用がかかることが多いが保険適用ができる
  • 手術で失敗するリスクは、極めて低く0.5%~2%程度といわれている
  • 手術前後はストレス、飲酒、適度な運動、休息など体に気を使うことなど

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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