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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>不整脈と脳梗塞って関係あるの?関連性を徹底解説します

不整脈と脳梗塞って関係あるの?関連性を徹底解説します

不整脈と脳梗塞はどちらも死に至る可能性のある疾患です。
実は不整脈が原因で、脳梗塞が引き起こされることがあります。
不整脈と脳梗塞は、どのように関係しているのでしょうか。

本記事では、不整脈と脳梗塞の関係性について、以下の点を中心にご紹介します。

  • なぜ不整脈が脳梗塞を引き起こすのか
  • 不整脈が原因の脳梗塞の特徴
  • 不整脈の治療法とは

不整脈と脳梗塞の関係性について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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不整脈とは

不整脈とは、心拍のリズムに異常が生じる状態です。
不整脈は以下の3タイプに分類できます。

タイプ特徴
頻脈1分間の脈拍が100回以上
徐脈不整脈1分間の脈拍が50回以下
期外収縮脈が1拍飛ぶ・乱れる

不整脈の代表的な原因としては、心筋梗塞・心不全などの心疾患が挙げられます。
また、不整脈は、糖尿病・喫煙・飲酒・ストレスなどによって起こることもあります。

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脳梗塞とは

脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり塞がったりすることで、脳の血流が停止することです。
血流が停止した先の脳細胞は壊死するため、脳機能などが著しく低下します。

脳梗塞の代表的な原因は高血圧・動脈硬化などです。
あるいは、不整脈などの心疾患が脳梗塞を引き起こすこともあります。

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不整脈による脳梗塞はなぜ起こるのか

不整脈は脳梗塞に発展することがあります。
ここからは、不整脈と脳梗塞の関係性についてみていきます。

心臓と脳の関係性

脳梗塞は心疾患によって生じることがあります。
特に脳梗塞のリスクを高めるのは、心房細動です。

なお、脳梗塞が不整脈を誘因するという医学的根拠はみつけられませんでした。

脳梗塞を発症する主な原因

不整脈が脳梗塞を引き起こすのは、血栓が原因となります。
血栓とは心臓で生じる血の塊のことです。

不整脈によって心拍が乱れると、心臓内の血液が停滞しやすくなります。
すると血液の成分が固まりやすくなるため、血栓という血の塊が生じます。

心臓でできた血栓は、血流に乗って全身を巡ります。
やがて脳にたどり着いた血栓が脳血管を詰まらせると、脳梗塞に至ります。

特に脳の深部は細い血管が密集しています。
そのため、小さな血栓であっても、致命的な梗塞を引き起こしやすいのです。

血栓ができやすいのは、高血圧・動脈硬化の方です。
高血圧・動脈硬化は、血管を収縮させて血液を通りにくくさせます。

血液が通りにくくなった部位では、血管の壁に血液成分が沈着します。
つまり、血の塊=血栓が生じるというわけです。

不整脈も血栓をつくる原因の1つであり、特に心房細動は、血栓の生成率が高いものです。

心房細動は、心臓の上部(心房)が細かく痙攣する状態のことをさします。
心房細動が起こると、心房内の血液が停滞して淀むため、血栓が生じやすくなります。

心房細動を原因とする脳梗塞は、脳梗塞全体の20%とも指摘されています。
心房細動による脳梗塞のリスクが高まるのは、60代以降の高齢者の方です。

心房細動がある方は、ない方に比べて脳梗塞のリスクが6倍高いとも指摘されています。
なお、心房細動は脳梗塞だけでなく、心不全を引き起こすこともあります。

心房の痙攣が激しくなると、心臓の運動自体が停止しやすくなります。
心機能が停止すると全身に血液が届かなくなるため、数分で死に至ります。

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不整脈による脳梗塞は重症化しやすい

心臓に原因がある脳梗塞は、心原性脳梗塞と呼ばれます。
心原性脳梗塞の原因は、多くの場合、心房細動です。

心原性脳梗塞は、その他の脳梗塞に比べ重症化・死亡リスクが高いと指摘されています。

なぜ重症化しやすいの?

心原性脳梗塞が重症化しやすい理由の1つは、突然前触れもなく発症するためです。
心原性以外の脳梗塞は、動脈硬化などによって徐々に進行することが多くみられます。

一方、心原性脳梗塞は、心臓でできた血栓が突然はがれて脳血管を詰まらせます
そのため、急激な発症となりやすいのです。

心原性脳梗塞が重症化しやすいのには、もう1つ理由があります。
心原性脳梗塞は、その他の脳梗塞と比べると、梗塞の範囲が広いためです。

心臓でできる血栓は、他の部位でできる血栓よりサイズが大きめです。
そのぶん脳血管の広い範囲を詰まらせるため、脳梗塞が一気に重症化しやすいのです。

心原性脳梗塞は短時間で死に至ることもあるため、「ノックアウト型脳梗塞」とも呼ばれています。

出典:厚生労働省【心原性脳梗塞 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

こんな症状が出たら早急に受診を!

脳梗塞は、前兆・初期に以下のような症状があらわれることがあります。

めまい片側の手足が自由に動かない
動悸・息切れ足がもつれる
激しい頭痛ろれつが回らない・言葉がでてきづらい
顔の片側が半分歪む片目がみえない・片方の視野が欠ける

脳梗塞のセルフチェックとして、「FAST」を行うのもおすすめです。

【FASTの行い方】

Fface(顔)笑顔を作ったときに、片側が歪んでいる・片側の口の端からよだれがこぼれる
Aarm(腕)両腕を水平にあげたときに、片腕だけが自然に下がる
Sspeech(言語)ろれつが回らない・人やものの名前が出てきづらい
Ttime(時間)F・A・Sの症状がある場合、発症時刻を確認してすぐに救急車を呼ぶ

脳梗塞は、発症から治療開始時間が長引くほど重症化・後遺症リスクが高まります。
もし1つでも気になる症状がある場合は、一刻も早く病院に搬送しましょう。

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病院ではどんな治療をするの?

不整脈による脳梗塞が疑われる場合は、すぐに病院で検査を受けてください。
ここからは、不整脈・脳梗塞の検査・治療方法についてご紹介します。

検査

不整脈や脳梗塞の主な検査方法は以下の通りです。

【不整脈の検査方法】

心電図検査心拍のリズムに乱れがないか調べる
24時間ホルター心電計24時間の心拍のリズムを調べる
心エコー検査超音波を使って、心臓が血液を繰り出す様子を画像出確認する
胸部X線検査心臓のレントゲンを使って、器質的な異常などを確認する

【脳梗塞の検査方法】

CT検査放射線を使って脳の様子を画像で確認する
MRI検査磁気を利用して脳の様子を画像で確認する
MRAZ検査薬剤と磁気を利用して、脳血管の様子を画像で確認する

薬剤

不整脈・脳梗塞の治療では、薬物療法が選択されることが多くみられます。
不整脈治療に用いる医薬品は、抗不整脈と呼ばれます。

抗不整脈は、大きく分けて以下のような種類があります。

分類特徴商品名
Ⅰ群薬

(a・b・c)

心臓のナトリウムチャネルを遮断して異常な電気信号を防ぐキニジン・アミサリン・リスモダン・シベノール・キシロカイン・メキシチール・アスペノン・タンボコール・プロノン・サンリズム
Ⅱ群薬交感神経β受容体の働きを抑制して心拍の増加を抑えるインデラル・ナディック・メインテート
Ⅲ群薬心臓のカリウムチャネルを遮断して異常な電気信号を防ぐアンカロン・ソタコール・シンピット
Ⅳ群薬カルシウムチャネルを遮断して血管の収縮を防ぐワソラン・ベプリコール・ヘルベッサー

脳梗塞の治療は、発症後の経過時間によって異なります。
脳梗塞の代表的な治療法には以下があります。

分類特徴使用の目安
t-PA治療(経静脈血栓溶解療法)静脈にt-PA薬剤を投与して、脳血管を詰まらせている血栓を溶かす発症後4時間以内
局所線溶治療血管の梗塞部位に細いカテーテルを通し、ウロキナーゼという薬剤を投入して血栓を溶かす発症後6時間以内
血管内療法血管に細いカテーテルを通し、血栓を破損させたり掻き出したりするt-PA治療や局所線溶治療が有効でないとき
抗血栓療法血液をサラサラにして血栓の生成を防ぐ心原性脳梗塞の場合

手術

薬物療法で不整脈や脳梗塞の改善がみられない場合は、手術を行うことが一般的です。
不整脈の手術には、ペースメーカーやアブレーションなどがあります。

一方、脳梗塞の手術は、局所線溶治療・血管内療法などが代表的です。

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薬の使い方

ペースメーカーとアブレーションの違い

不整脈の代表的な手術方法は、ペースメーカーとアブレーションです。
それぞれの特徴をご紹介します。

ペースメーカー

ペースメーカーとは、心臓の働きをサポートする器具を心臓に埋め込むことです。
徐脈性不整脈の方に用いられます。

ペースメーカーの手術後は、普段とほぼ変わらない生活を送れるようになります。
ただし、ペースメーカーは電磁波の影響を受ける点に留意しなければなりません。

たとえばMRIやAEDは、ペースメーカーを狂わせることがあるため、使用できません。
そのほか、マッサージチェアなどの家電製品の使用を制限されることもあります。

アブレーション

アブレーションは、異常な電気信号を発する回路を焼き切る方法です。
具体的には、足の付け根から心臓にカテーテルを通し、高周波を流して、心筋の異常な回路に熱を加えます。

アブレーションは、頻脈不整脈・心房細動などの治療に用いられます。
アブレーションのメリットは、なんといっても不整脈を根治できることです。

そのため、治療後は生活の質を高く保つことが可能です。
デメリットは、血管・心臓のその他の部位を傷つける可能性があることです。

また、アブレーションは術後の合併症リスクもあります。
最近は、合併症やリスクの低いアブレーション術も確立されつつあります。

後遺症について

不整脈の手術後は、後遺症として合併症などが起こることがあります。
代表的な後遺症をまとめました。

ペースメーカー血栓症・気胸・感染症・植え込み部分の皮膚のかゆみ
アブレーション血栓塞栓症・心タンポナーデ・房室ブロック・不整脈の再発・横隔神経麻痺・肺静脈狭窄・ 食道障害

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発症・再発を防ぐには?

不整脈は生活習慣の乱れに起因することが多くみられます。
不整脈を防ぐには、以下のようなポイントに気をつけましょう。

栄養バランスのよい食事ストレス解消
適度な運動カフェイン・辛いものの多量摂取を控える
質の高い睡眠肥満の解消
禁酒・禁煙
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不整脈と脳梗塞の関係性についてのまとめ

ここまで、不整脈と脳梗塞の関係性についてお伝えしてきました。
不整脈と脳梗塞の関係性の要点を以下にまとめます。

  • 不整脈が脳梗塞を引き起こすのは、心臓でできた血栓が脳の血管を詰まらせるため
  • 不整脈が原因の脳梗塞は、一気に重症化しやすいのが特徴
  • 不整脈の治療法は、薬物療法、ペースメーカー手術、アブレーションが代表的

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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