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健達ねっと>健康お役立ち記事>嚥下>嚥下障害の口腔ケアに取組もう|家庭でもできる口腔ケア5選を紹介

嚥下障害の口腔ケアに取組もう|家庭でもできる口腔ケア5選を紹介

嚥下障害とは、食べ物を食べて飲み込む動作が不自由になった状態をいいます。
嚥下障害では、なぜ口腔ケアが重要なのでしょうか?
嚥下障害の口腔ケアには、どのような方法があるのでしょうか?

本記事では、嚥下障害の口腔ケアについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 嚥下障害とは
  • 嚥下障害の口腔ケアの目的とは
  • 嚥下障害の口腔ケアの種類とは
  • 家庭でできる口腔ケア5選とは

嚥下障害の口腔ケアについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

嚥下障害とは

嚥下障害とは、食べ物を食べて飲み込む動作が不自由になった状態をいいます。
嚥下障害は、さまざまな原因により、嚥下機能が低下することでみられます。

嚥下機能が低下することにより、

  • 食事が十分に摂取できなくなる
  • 栄養不足や体重減少につながりやすい
  • 食べ物がのどにつまり、窒息する
  • 肺炎を引き起こしやすい

などの危険性があります。

嚥下障害は、命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。
しかし、嚥下障害は適切な訓練をすることにより、改善することができます。

嚥下障害は、加齢とともに誰にでも起こりうる可能性があります。
嚥下障害にならないために、日頃から嚥下障害の予防や機能維持に取り組むことが重要です。

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嚥下障害の口腔ケアを行う目的

嚥下障害では、なぜ口腔ケアが重要なのでしょうか?
嚥下障害の口腔ケアを行う目的について詳しくみてみましょう。

口腔ケアをしないとどうなる?

口腔ケアをしないことで、口腔内が細菌の温床となってしまいます
口腔内で細菌が繁殖すると、感染症や肺炎にかかりやすくなってしまいます。

摂食嚥下機能の維持と改善が目的

嚥下障害の口腔ケアは、嚥下機能の維持と改善の目的があります。
口腔ケアは感染予防のみではなく、唇・舌・鼻腔などの運動機能の向上にもつながります。

歯周病予防にも役立つ

口腔ケアは、口腔内の細菌を除去し、歯周病予防にも役立ちます

コミュニケーション機能の維持・向上にも効果的

口腔ケアは、コミュニケーション機能の維持・向上にも効果的です。

目的達成のために看護計画を立てる

嚥下障害の口腔ケアでは、目的達成のために看護計画を立案しましょう。

観察項目を設定し記録する

嚥下障害の口腔ケアでは、観察項目を設定し、常に記録するようにしましょう。

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口腔ケアは大まかに分けると2種類

口腔ケアは、大きく2つに分類されます。
口腔ケアの各分類について詳しくみてみましょう。

器質的口腔ケア

器質的口腔ケアとは、口腔内の細菌や汚れを取り除き、口腔内を清潔に保つケアになります。
器質的口腔ケアを行うことは、誤嚥性肺炎の発症リスクの低減にもつながります。

口腔内の清潔を保つために、歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルクロス・歯磨き剤などを使用します。

歯磨き

歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルクロスを用いて、毎食後や就寝前に歯磨きを行います。
歯磨きにより、口腔内へ爽快感や清涼感が与えられます。
また、虫歯や歯周病など口腔疾患の予防にもつながります。

口腔粘膜の清掃

口腔粘膜の清掃は、歯磨き時に軽くブラッシングしたり、うがいをします。

舌苔の清掃

舌苔の清掃は、歯ブラシや舌苔専用のブラシで舌をブラッシングし、清掃します。
舌苔を除去することで、口臭が軽減されます。

機能的口腔ケア

機能的口腔ケアとは、口腔機能を維持・向上させるためのケアになります。
機能的口腔ケアを行うことは、咀嚼・嚥下・発声などの機能低下を予防し、脳への刺激が促進され、表情が豊かになります。

口周辺の筋肉を動かす体操

唇を横に引いて頬をあげ、口と目を思いっきり開けましょう。
口をしっかり閉じてから、頬を膨らませて、口を左右に動かしましょう。

口を開けて、舌を思いっきり出したり、ひっこめたり、舌を上下・左右に動かしたり、口の周りをなめるように回しましょう。

口を閉じて、舌で上唇・下唇を内側から押したり、頬を押したりしましょう。

口周辺の筋肉を動かす体操は、舌の働きが良くなることで唾液の分泌が促進され、発音が良くなります。

唾液腺マッサージ

頬や顎の下をマッサージします。
唾液腺マッサージにより、口腔内の乾燥を予防します。
出典:厚生労働省【健康高齢者の口腔ケア | e-ヘルスネット

専門職が行う嚥下障害の口腔ケア

専門職が行う嚥下障害の口腔ケアは、どのような場所で受けることができるのでしょうか?
専門職が行う嚥下障害の口腔ケアが受けられる場所や方法について詳しくみてみましょう。

専門職による口腔ケアを受けられる場所

専門職による口腔ケアを受けられる場所は、大きく3つに分けられます

高齢者施設

高齢者施設とは、満60歳以上の方が入所・通所する施設になります。
要介護度に応じて入所・通所できる施設は異なっています。

高齢者施設には、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型施設・介護医療院・軽費老人ホームなどがあります。

リハビリ施設

リハビリ施設とは、医療とリハビリの体制が整った施設になります。
介護老人保健施設・老人ホームなどの高齢者施設では、リハビリ体制が整っています。

要介護度に応じて入所・通所しながら、リハビリを受けることができます。

訪問看護、訪問介護、訪問歯科

訪問看護・訪問介護・訪問歯科とは、看護師・介護士・歯科医師または歯科衛生士が在宅で生活している利用者を訪問し、看護や介護、歯科治療を行います。

嚥下障害の口腔ケアを行う手順

嚥下障害の口腔ケアを行う手順についてみてみましょう。

口腔ケアに必要な道具を準備する

口腔ケアに必要な道具を準備しましょう。

歯ブラシ球体歯ブラシ歯間ブラシデンタルフロス
スポンジブラシ舌用ブラシバイドブロック義歯ブラシ
うがい受け口腔ケアシート口腔用ジェルエプロン

対象者の心を落ち着けて口腔ケアを始めることを伝える

対象者に口腔ケアを行うことを説明しましょう。
対象者がリラックスした姿勢と気持ちで受けられるように配慮しましょう。

始めのうがいをする

口腔ケアのはじめは、うがいをしてもらいましょう。
口腔内に残った食べ物のかすを取り除き、口腔内を潤します

歯磨きをする

小さく柔らかい歯ブラシや歯間ブラシを使用し、歯磨きを行いましょう。
歯磨きを行い、口腔内の細菌や食物残渣を取り除きます。

歯磨きは、口腔内へ爽快感や清涼感が与えられます。
また、虫歯や歯周病など口腔疾患の予防にもつながります。

歯磨きは出来る限り本人に行ってもらいましょう。
歯磨きは、介助が必要な場合のみサポートしましょう。

粘膜の清掃をする

スポンジブラシを使用し、口腔粘膜の清掃を行いましょう。

舌の清掃を行う

スポンジブラシや舌苔専用のブラシで舌をブラッシングし、清掃します。
舌苔を除去することで、口臭が軽減されます。

舌苔がある場合は、強くこすりすぎないように注意しましょう。

口腔内のマッサージをする

口腔内のマッサージを行いましょう。

仕上げのうがいをする

最後にうがいを行いましょう。

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嚥下障害の口腔ケアを行う際の留意点

嚥下障害の口腔ケアを行う際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?
嚥下障害の口腔ケアを行う際の留意点について詳しくみてみましょう。

口腔内を他人にみせるのに抵抗がある人もいる

嚥下障害の口腔ケアを行う際は、環境に配慮しましょう。
口腔内を他人にみせるのに抵抗がある方もいます。
また、他人に歯を磨いてもらうことを不快に感じる方もいます。

高齢者の場合は自立を促すためにも、できる限りのことは自力で行ってもらいましょう。
サポートは必要最小限にしましょう。

口腔内を傷つけないよう気を付ける

嚥下障害の口腔ケアを行う際は、口腔内を傷つけないように配慮しましょう。
口腔内の健康状態をチェックしながら、口腔ケアを行いましょう。
歯ブラシは柔らかめのものを選択し、強くブラッシングしすぎないようにしましょう。

舌苔がある場合は、一度に取り除こうと強くこすり過ぎないようにしましょう。
毎回スポンジで軽くこすりながら、少しずつ除去するようにしましょう。

安定した安全な姿勢をとる

嚥下障害の口腔ケアを行う際は、安定した安全な姿勢で実施しましょう。
口腔ケアを行うと、唾液の分泌が促進されます。

顎が上がった姿勢で口腔ケアを行うと、水や唾液を誤嚥し、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうリスクが高まります。
口腔ケアを行う際は、顎をしっかり引いて安全な姿勢で行いましょう。

長時間の口腔ケアにならないよう注意する

嚥下障害の口腔ケアを行う際は、できるだけ短時間で済ませるようにしましょう。

高齢者の口腔内は、乾燥しているため、違和感を覚えやすくなっています。
口腔ケアを行うことで爽快感を感じてもらうためには、リラックスした状態で短時間で済ませるようにしましょう。

唾液で誤嚥しないよう吸引ブラシを使う

嚥下障害の口腔ケアを行う際は、万が一の誤嚥に備えて吸引ブラシを準備しましょう。

口腔ケアを行うと、唾液の分泌が促進されます。
吸引ブラシを使用して、適宜唾液を除去するようにしましょう。

薬の使い方

家庭でできる嚥下障害の口腔ケア方法5選

家庭で嚥下障害の口腔ケアはできるのでしょうか?

家庭でできる嚥下障害の口腔ケアの方法について詳しくみてみましょう。

毎食後、口腔内の食べ物の残りかすを点検し清掃する

毎食後、歯ブラシや歯間ブラシを使用して口腔内の食べ物の残りかすを点検し、清掃しましょう。

毎食後、口腔内を清掃することは、誤嚥性肺炎の発症リスクの低減や虫歯、歯周病など口腔疾患の予防にもつながります。

歯と歯茎を歯ブラシで清掃する

歯と歯茎はあまり力を入れず、軽くブラッシングし、清掃しましょう。
歯のみではなく、歯茎をブラッシングすることは、歯石や歯周病予防につながります。

頬や舌などの口腔内をスポンジやブラシで清掃する

口腔内の頬や舌などは、口腔内専用のスポンジやブラシで軽くブラッシングし、清掃しましょう。

口腔内を清掃することは、口腔疾患の予防につながります。

動画などを参考にして嚥下体操をする

動画などを参考に、食前に嚥下体操を行いましょう。

食べるために必要な筋肉を動かしたり、刺激を与えることは、口腔周辺の運動・感覚機能を促進し、誤嚥リスクの予防につながります。

食前に唾液腺のマッサージをする

食前には唾液腺のマッサージをしましょう。
食前に唾液腺のマッサージを行うことで、唾液の分泌を促進し、嚥下しやすくなります。

嚥下障害の口腔ケアまとめ

ここまで嚥下障害の口腔ケアについてお伝えしてきました。
嚥下障害の口腔ケアについての要点を以下にまとめます。

  • 嚥下障害とは、食べ物を食べて飲み込む動作が不自由になった状態をいう
  • 嚥下障害の口腔ケアの目的は、感染予防、口腔内の各器官の運動機能の向上などである
  • 嚥下障害の口腔ケアの種類には、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアがある
  • 家庭でできる口腔ケアは、歯磨き・口腔粘膜のケア・嚥下体操などがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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