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健達ねっと>健康お役立ち記事>脳梗塞>脳梗塞の食事療法|家庭で気を付けるべきポイント5選をご紹介

脳梗塞の食事療法|家庭で気を付けるべきポイント5選をご紹介

脳梗塞を含む脳卒中は日本人の死因の上位にランクインしています。
脳梗塞は高齢者だけでなく若年層でも発症します。
発症や再発を予防するためには食事療法がとても大切になります。

では、脳梗塞の食事療法は具体的にはどうすればよいのでしょうか。
本記事では脳梗塞の食事療法について以下の点を中心にご紹介します。

  • 脳梗塞を予防するための食事療法とは
  • 摂取したほうがよい栄養素とは
  • 控えた方がよい栄養素とは

脳梗塞の食事療法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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脳梗塞とは

脳梗塞とは脳に分布する血管が詰まってしまう病気です。
血管が詰まることでその先の細胞には、血液が流れなくなります。

血液が流れなくなった先の細胞は酸素・栄養不足により死んでしまいます。
一度死んでしまった細胞は元に戻りません。

死んでしまった細胞の部位によって症状はさまざまです。
主な症状としては

  • 麻痺
  • 意識障害
  • 言語障害
  • 認知機能の低下

があげられます。

脳梗塞の原因は主に3つに分けられます。

  • ラクナ梗塞:細い血管が詰まる
  • アテローム血栓性脳梗塞:太い血管が詰まる不整脈
  • 心原性脳梗塞:心臓にできた血栓がとんできて血管が詰まる

があります。

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脳梗塞を予防するための食事方法7選

脳梗塞を予防するには生活習慣を見直すことが重要です。
生活習慣には食事や運動、喫煙、飲酒などがあります。

脳梗塞を予防するための食事方法について、詳しく説明していきます。
脳梗塞をすでに発症した方も、2度目以降の発症抑制につながります。
ぜひ、参考にしてください。

食塩の量を控えめにする

脳梗塞を予防するためには塩分を控えめにしましょう。

塩分を摂りすぎると血液中の塩分濃度を下げるために水分が溜め込まれます。
水分が溜め込まれると血液量が増えて血圧が高くなります。

血圧が高い状態が続くと、血管に負担をかけて動脈硬化の原因になります。
すると脳梗塞の発症リスクが高くなります。

WHO(世界保健機関)では食塩摂取量を5g/日未満に設定しています。
日本人は昔から醤油や味噌といった調味料を使うため、食塩摂取量が多い傾向があります。

また漬物や梅干しなど、日本人に馴染みのある食べ物には塩分が高いものが多いです。
塩分の高い食べ物を把握して量を減らすなどの工夫をしましょう。

特にラーメンやうどんの汁には塩分がたくさん入っています。
汁を飲み干してしまうことは控えましょう。

満腹になるまで食べない

食事を食べ過ぎると肥満につながります。
肥満になると内臓脂肪が蓄積され、血中のコレステロール値が高くなります。

コレステロールが高いと血栓ができやすくなります。
また動脈硬化も進むため脳梗塞のリスクが高まります。
そのため食事量を控えめにして、適正な食事量を心がけることが大切になります。

食事量を控えめにするためには、満腹になるまで食べないことです。
腹八分目になる程度の量を摂取しましょう。

また食事を食べるスピードにも注意しましょう。
早食いをすると満腹と感じるまでに時間がかかります。
腹八分目にしたつもりでも、時間が経つと満腹になってしまうことがあります。

しっかりと噛むことで、満腹中枢が刺激されます。
また満足感も得られるようになり、エネルギーの摂りすぎを防ぐことができます。

アルコールの過剰摂取を控える

アルコールの過剰摂取は脳梗塞のリスクを高めます
アルコールを摂取しすぎるとエネルギーの摂りすぎになります。
エネルギーの摂りすぎはメタボの原因になり、動脈硬化の原因になります。

また、アルコールには利尿作用があります。
多量に摂取することで水分が尿として出ていき、脱水に陥りやすくなります。
脱水になると血液成分が濃縮され、血栓ができやすくなります。

逆に、アルコールの適度な摂取は、血流を改善し脳梗塞予防につながります。
アルコールの適度な量の目安は、日本酒で1合か多くても2合以内です。
適度な量を守ってアルコールと上手に付き合いましょう。

野菜と果物を食べる

野菜や果物を食べると動脈硬化を予防して脳梗塞の予防につながります。

アテローム血栓性脳梗塞は血管壁のLDLコレステロールが酸化して固まることが原因です。
LDLコレステロールは活性酸素によって酸化します。
つまり、活性酸素を取り除くことでLDLコレステロールが固まることを防げます。

野菜や果物にはβ-カロテンやビタミンCが多く含まれています。
このβーカロテンやビタミンCには抗酸化作用があります。

抗酸化作用には、活性酸素を除去する働きがあります。
そのため果物や野菜を摂ることで、血栓ができにくくなり脳梗塞の予防につながります。

水分補給をこまめにする

脳梗塞の原因の1つに脱水があります。
特にラクナ梗塞の発症と脱水には比較的強い関係性があります。

体の中の水分が不足して脱水傾向になると血液成分が濃縮されます。
血液成分が濃縮すると粘度が高まり、血液がドロドロになります。

血液がドロドロの状態になると血流が悪くなります。
そうすると血栓ができやすくなるため脳梗塞のリスクが高くなります。

意識的に水分を摂取することが大切です。
お風呂前やお風呂上がり、就寝前はコップ1杯程度の水分を摂りましょう。

特に高齢者になると喉の渇きを感じにくくなります。
水分をこまめに摂る習慣をつけて脳梗塞を予防しましょう。

食物繊維を意識して摂る

食物繊維はLDLコレステロールを減らします
そして、肥満や動脈硬化、高血圧の改善に役立ちます。

肥満や動脈硬化が改善されると血栓のリスクも低減します。
そのため脳梗塞予防につながります。

食生活の欧米化やライフスタイルの変化に伴い食物繊維の摂取量は減ってきています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では食物繊維の摂取目標量を

  • 男性:21g/日以上
  • 女性:18g/日以上

と定めています。

しかし、「令和元年国民健康・栄養調査」によると全世代で平均が18g/日となっています。
目標量に達しておらず、特に若年層で摂取量の低下が認められます。

野菜や果物だけでなく、きのこ類や海藻類なども摂取しましょう。

青魚を進んで食べる

青魚に含まれているDHAやEPAはLDLコレステロールや中性脂肪を減らします
また、動脈効果を予防し、血栓を予防することで脳梗塞予防につながります。
DHAやEPAは鯖、鯵、鰯などの青魚に多く含まれています。

食の欧米化によって肉を多く摂るようになってきています。
肉類中心の食事ばかりでなく、青魚を積極的に摂るようにしましょう。

外食でも魚の定食なども取り入れるようにしましょう。

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脳梗塞経験者が進んで摂りたい栄養素5選

脳梗塞は再発するリスクがあります。
脳梗塞の再発を予防するために食事には気をつけましょう。

脳梗塞発症後に積極的に摂るべき栄養素を紹介します。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸には脳の機能を正常に保つ働きがあります。
また、血液中の中性脂肪を低下させる働きもあります。
動脈硬化や高脂血症を予防し脳梗塞再発に効果が期待できます。

さらに不飽和脂肪酸には脳の働きを正常に保つ効果もあります。
脳梗塞にて低下した脳の働きの悪化予防につながるため積極的に摂りましょう。

注意点として不飽和脂肪酸にはオメガ6系とオメガ3系の2種類あります。

オメガ6系はマーガリンやマヨネーズに含まれています。
このオメガ6系は炎症などを引き起こし、動脈硬化を引き起こす原因となります。
そのため避けるようにしましょう。

不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系が脳梗塞予防に効果が期待できます。
オメガ3系はオリーブオイルや魚、アボカドなどに多く含まれています。

オメガ3系の血液をサラサラにする効果や動脈硬化を防ぐ効果があります。
不飽和脂肪酸でも種類が違うと作用も異なるので注意してください。

おすすめの摂取方法は、アボカドを少量の塩とオリーブオイルをつける食べ方です。
調理も簡単でアボカドの皮を剥くだけです。

食物繊維

食物繊維には余分な脂質や糖質、ナトリウムを体外に排出させる働きがあります。
そのため、肥満や高血圧を予防し動脈硬化も予防することができます。

他にも血糖値の上昇を抑制する働きもあります。
そのため脳梗塞の要因となる糖尿病も予防することが期待できます。

また、脳梗塞を発症すると排便を司る神経が障害されることもあります。
すると、便通が悪くなり便秘気味になる方もいます。

便秘になると腸内環境が悪くなり、悪玉菌が発生します。
腸内環境を整えるためにも食物繊維を摂取することは大切です。

カリウム

カリウムはナトリウム(塩分)を排泄させる効果があります。
塩分の摂りすぎは高血圧の原因になります。

高血圧は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞の要因になります。
そのため、塩分を多く摂ってしまう方は、カリウムも意識的に摂りましょう。

カリウムを多く含む食材には

  • バナナ
  • メロン
  • アボカド
  • ほうれん草
  • さつまいも

などがあります。

カリウムは水溶性のため水に溶け出してしまいます。
そのため、生野菜や生の果実で食べると効率よく摂取できます。

火を通す場合は、汁物に野菜や芋類をたくさん入れるのがおすすめです。
カリウムが溶け出した水分も一緒に摂取することができます。

タンパク質

タンパク質は筋肉や血管を構成する栄養素です。
血管の強度や柔軟性を高める働きがあります。

脳梗塞で麻痺が出た場合は、動きが制限されることで筋肉量が低下します。
また、リハビリをするためには体力が必要になってきます。
リハビリのための体力をつけて、筋肉量を増やすためにタンパク質は重要です。

またタンパク質は血管を柔らかくするための物質を産生するために必要な栄養素です。
血管が硬く動脈硬化が進むと脳梗塞再発につながります。

タンパク質は肉や魚、卵、大豆、乳製品などに含まれます。
1種類を多く摂るのではなく、いろんな食材を組み合わせて摂取してください。

コーヒーなどに豊富なポリフェノール

ポリフェノールは抗酸化作用が強く活性酸素除去に効果的な栄養素です。
強い抗酸化作用によって動脈硬化などの予防に役立ち脳梗塞再発に効果的です。

ポリフェノールはほとんどの植物に存在しており、8,000種類以上あります。

コーヒーにもポリフェノールが豊富に含まれています。
100gあたりのポリフェノール含有量は赤ワインに次いで多いです。
コーヒーポリフェノールは長時間、血中を巡り血管をしなやかにする働きがあります。

コーヒーは嗜好品として手軽に好んで飲用している方も多いです。
そのため日常生活に取り入れやすい栄養素といえます。

脳梗塞を発症した後も、嗜好品としてコーヒーを飲用することをおすすめします。
ただし、カフェインも含まれるので飲用のタイミングには気をつけましょう。

また、薬と影響がある可能性があるので、医師や薬剤師とも相談しましょう。

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脳梗塞経験者が控えたい栄養素3選

進んで摂りたい栄養素の次は控えたい栄養素について説明します。
脳梗塞の再発予防だけでなく、普段の食生活から注意したい栄養素です。

控えることで脳梗塞だけでなく、他の病気の予防にもつながります。

脳梗塞を発症すると食事制限が行われる

脳梗塞を発症すると食事の制限がされます。
特に病院食ではナトリウムや糖質、カロリーが制限されます。

栄養素の中には摂りすぎると体に悪影響を与えるものが存在します。
美味しく食事をいただきながら、制限する栄養素は制限しましょう。
そうすることで、再発を予防することができます。

ナトリウム

ナトリウムの過剰摂取は高血圧の原因になります。
高血圧は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞再発の要因となります。

ナトリウムには水分を引き寄せる作用があります。
ナトリウムを多く摂ることで血管内に水分を多く引き寄せます。

血圧は血管の弾力性と心臓が拍出する血液量によって決まります。
血液量が増えることで血圧が高くなります。

塩分は1日6g未満を目標に減塩しましょう。

ナトリウムはしょうゆや味噌などにも多く含まれています。
出汁などをうまく活用して旨味を足すことで減塩の物足りなさをカバーできます。

またウインナーやハムなどの加工食品にも多く含まれています。
成分表で塩分含有量をチェックしてみてください。

よく食べる方は、食べる頻度や量を減らすことでナトリウムを控えることができます。

飽和脂肪酸・トランス脂肪酸

摂りすぎると悪玉コレステロールを増やす原因になります。

飽和脂肪酸は過剰に摂ると動脈硬化を促進する原因になります。
バターやチーズ、動物性の肉脂などに多く含まれています。

飽和脂肪酸は体内での合成も可能なため、摂りすぎに注意が必要です。

トランス脂肪酸は加工油脂とも呼ばれます。
マーガリンやショートニングなどに含まれており、スナック菓子やケーキなどに多く含まれています。
エネルギーとして代謝されにくく、動脈硬化の原因になります。
動脈硬化が進行すると脳梗塞再発につながります。

対策としては不飽和脂肪酸の中のオメガ3系に置き換えましょう。
オメガ3系の油はオリーブオイルやアマニ油などになります。

糖質

糖質はエネルギー源となるため必要な栄養素です。
しかし、過剰摂取は脳梗塞の原因となります。

糖質を過剰に摂取すると高血糖の状態になります。
高血糖は血管を傷害し動脈硬化を促進します。

高血糖状態が続く以外にも、食後急激に血糖値が上がる状態も危険です。
血糖が急激にあがる病態を血糖スパイクといいます。

健康診断は空腹で血液検査をするため血糖スパイクはわかりません。
そのため、気づかないうちに高血糖による血管傷害が起きている可能性があります。

血糖スパイクを引き起こす食品には

  • 清涼飲料水
  • アイスクリーム
  • 菓子パン
  • スナック菓子

などがあります。
空腹時にはこれらの食品を避けて血糖値が緩やかに上昇する食品を摂りましょう。

血糖値が緩やかに上昇する食品には

  • 玄米
  • ナッツ
  • 春雨

などがあります。

その他にも先にタンパク質や野菜類を摂ることで急激な血糖上昇を予防できます。
糖質は摂りすぎないように注意し、また摂るタイミングにも気をつけましょう。

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脳梗塞発症後の食事で気をつけること5選

脳梗塞を発症した後の食生活ではポイントがあります。
ポイントを抑えて食事をしていくことで、無理のない食習慣を心がけましょう。

適正なエネルギー摂取量を心がけて肥満を避ける

脳梗塞の危険因子として肥満があります。
肥満により内臓脂肪が蓄積されることで動脈硬化が促進されてしまいます

肥満を予防するためには、食事と運動のバランスを維持することが大切です。
食事によるエネルギー摂取量が運動による消費エネルギーより多いと肥満になります。

エネルギーの摂取量と消費量のバランスの指標としてBMIがあります。
BMIとは身長と体重の関係から算出される肥満度を表す指数です。

BMIの目標範囲は以下の通りです。

年齢(歳)BMI
18~4918.5~24.9
50~6420.0~24.9
65~7421.5~24.9
75歳以上21.5~24.9

目標のBMI範囲内の体重を維持できるよう心がけてください。

ただし、カロリーを気にしすぎて食事回数を減らすのはおすすめできません。
回数を減らすと1回の食事量が増えやすくなります。
また、食事を抜くと次の食事で糖や脂肪が吸収されやすくなります。

1日3食バランスよく食事を心がけましょう。
間食をされる方は間食をやめたり減らすところから実践してみてください。

塩分を減らした食事に慣れる

脳梗塞発症後の食事では塩分の制限が必要です。
1日6gが目安となります。

しかし、1日6gの塩分では薄味となり味気ないと感じる方がほとんどでしょう。
食事療法が大切だとわかっていても、毎日3食、味気ない食事をするのは辛いです。

塩分制限食を維持していくためには苦にならないような工夫をしていくことが重要です。
塩分制限食の物足りなさを補うためには香りや旨味を活用しましょう。

活用される食材として鰹節や昆布、煮干しなどからでる出汁がよく知られています。
キノコ類やトマトも旨味が強い食品となり満足感を感じやすいです。

その他にも山椒やわさびなどの香辛料もあります。
柑橘類やごま油で香りをつけることもできます。
バジルや大葉などのハーブなども活用できる食材です。

また全ての料理を減塩するのではなく、味付けの濃さを変えるのも効果的です。
味にメリハリをつけることで減塩に対する物足りなさを解消できます。
塩分制限食は1品ごとではなく、1食または1日のトータルで考えましょう。

ラーメンやうどんの汁は塩分が多いので飲み干さないようにしましょう。

外食では単品より定食を選ぶ

外食についてもしっかりと考えておく必要があります。
外食では全体の量が多かったり、味付けが濃い場合が多いです。

また、糖質や脂質が中心になっていて、野菜は少なめです。
麺類とご飯など炭水化物同士といったセットもあります。

栄養バランスを考えると定食を食べることをおすすめします。
定食では一汁三菜になっていることが多いです。

野菜もとれるので、栄養バランスがとりやすくなっています。
外食では単品よりも定食を食べることを意識しましょう。

むせるのを防ぐため食事形態を工夫する

脳梗塞を発症すると麻痺がでる可能性があります。
麻痺は手足だけでなく、舌や喉の筋肉にも発症する可能性があります。

舌や喉の筋肉が麻痺すると飲み込む力(嚥下力)が弱くなります。
すると、誤嚥といって食事が気管に入りむせてしまうことがあります。

誤嚥が繰り返されると肺炎を引き起こします(誤嚥性肺炎)。
特にサラサラの水分は誤嚥しやすいです。

誤嚥性肺炎を予防するためには食事形態を工夫する必要があります。
水分にとろみをつけたり、ペースト状にすると誤嚥を予防することができます。
ゼリー状のものも誤嚥しにくい食事形態です。

薬局などでとろみ剤が販売されています。
水分の種類によってはとろみがつきにくいものもあります。
また嚥下力にあわせて、とろみの強さを変える必要もあります。

脳梗塞発症後の食事ではむせがないかに注意しましょう。
むせる場合はとろみをつけるなど食事形態を工夫していきましょう。

1人で食事できない場合は食事介助をする

脳梗塞を発症すると麻痺がでる可能性があります。
利き腕に麻痺が出ると、食事行動にも影響が出ます。

また、麻痺の程度によっては細かな作業が難しい場合があります。
箸を持つことが難しくなり、スプーンでさえ持つのが困難な場合があります。

食事で栄養を摂ることは生きていく上で欠かせません。
1人で食事がとれない場合は食事介助をしましょう。

食事介助をする時には、顎をひいて食べてもらうことで誤嚥を予防できます。
1口量が多くなりすぎないように、小さじ1程度を目安に介助します。

1人で食べられない時は介助が必要ですが、むやみに介助するのは避けましょう。
できる範囲を見極めて、補助具を使用するのも1つの方法です。

薬の使い方

脳梗塞の再発を予防するには?

再発を予防するためには食事面以外にも気をつけるべきポイントがあります。
食事と併せて気をつけることで、より再発予防策として効果が出ます。

それぞれのポイントを簡潔に説明していきます。

脳梗塞の危険性を高める症状

脳梗塞の危険因子は以下です。

  • 高血圧:血管に強い負担がかかり動脈硬化を引き起こす
  • 糖尿病:血管壁が傷つきやすくなり動脈硬化を引き起こす
  • 喫煙:動脈硬化や血管狭窄を引き起こす
  • 肥満:中性脂肪が高くなり動脈硬化を引き起こす
  • 運動不足:エネルギーバランスが崩れ肥満の原因になる
  • 多量飲酒:肥満・高血圧・糖尿病の原因になる

危険因子の疾患がある方は、病院に通い治療をしましょう。
また、再発しないように生活習慣を見直しましょう。

食事面で気をつけること

脳梗塞の再発を予防するためには食習慣を見直すことが重要です。
食事面でのポイントは以下です。

  • 食べ過ぎになっていないか
  • 食事量と活動量のバランスがとれているか
  • 塩分を摂りすぎていないか
  • 3食バランスのよい食事をとれているか
  • 野菜や果物を摂取しているか
  • 水分補給がこまめにできているか

食事は毎日欠かすことのできない習慣です。
積み重ねが大事になるので、維持できるように工夫しましょう。

その他の生活習慣で気をつけること

​​食事以外の生活習慣にも気をつけましょう
特に気をつけるべきポイントは以下です。

  • 禁煙する
  • 適度な運動を行う
  • アルコールは控えめに飲酒する
  • 規則正しい生活をする
  • 高血圧や糖尿病などの疾患がある方は適切に治療する

薬剤による予防

脳梗塞発症後は一般的に再発を予防するために薬が処方されます

特に、血栓が出来にくくするための抗凝固薬や抗血小板薬は重要です。
血液をサラサラにするので血液が固まりにくくなります。

その他にも高コレステロール血症を改善する薬が処方されることもあります。
高血圧や糖尿病に対する薬が処方されることもあります。

病院から処方された薬は忘れずに服用しましょう。

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脳梗塞の食事まとめ

ここまで脳梗塞の食事療法についてお伝えしてきました。
脳梗塞の食事療法をまとめると以下の通りです。

  • 適正なエネルギーを理解し、塩分を控えたバランスのよい食事を心がける
  • 摂取したほうがよい栄養素は不飽和脂肪酸やカリウム、ポリフェノールなど
  • 控えた方がよい栄養素はナトリウム、糖質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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