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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>骨粗鬆症の予防で出来ること!食品・レシピを説明

骨粗鬆症の予防で出来ること!食品・レシピを説明

骨粗鬆症は多くの高齢者に起こります。
骨粗鬆症は骨折・寝たきりのリスクを高めるため、できる限り予防に努めることが大切です。
骨粗鬆症を予防するには、具体的にどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。

本記事では、骨粗鬆症の予防について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 骨粗鬆症の予防のための食事
  • 骨粗鬆症予防に効果的な運動とは
  • 骨粗鬆症予防と日光浴の関係
  • 骨粗鬆症予防のために日常で注意すべきこと

骨粗鬆症の予防について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、骨密度が下がって骨の中がスカスカになる状態です。
骨が脆くなるため、ささいな転倒や衝撃による骨折リスクが高くなります。

骨粗鬆症の主な原因としては、加齢・カルシウム不足・閉経などが挙げられます。
出典:厚生労働省【骨粗鬆症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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骨粗鬆症の予防で出来ること

骨粗鬆症になると、ささいな転倒や衝撃でも骨折するおそれがあります。
たとえば「ふらついて壁に手をついただけで手首を骨折した」といったケースが代表的です。

骨折箇所によっては、そのまま寝たきりに移行する可能性もあります。
骨粗鬆症による骨折・寝たきりを回避するには、日頃から骨粗鬆症の予防に努めることが大切です。

骨粗鬆症の予防方法としては、食事・運動・日光浴が代表的です。

食事

骨粗鬆症を予防するには、カルシウム・ビタミンDを意識して摂取しましょう。
カルシウムは骨の原料となる栄養素です。

体内に入ったカルシウムは骨の中に吸収されることで、骨を強くします。
一方、ビタミンDは、体内のカルシウムを骨に定着させる作用があります。

また、ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げる作用もあります。
カルシウムは単体では体内に吸収されにくいため、できればビタミンDと一緒に摂取するのがおすすめです。

成人の1日のカルシウム摂取量は、600~800mgが理想的です。
ビタミンD摂取量は、成人は1日8.5μgが目安です。

ただし、骨粗鬆症予防のためには、カルシウム・ビタミンDだけを摂ればよいわけではありません。

骨の健康のためには、たとえばマグネシウム・ビタミンKなどの栄養素も必要です。
つまり骨粗鬆症を予防するには、さまざまな栄養をバランスよく摂ることが大切なのです。

栄養バランスを整えるには、1日3食しっかり食べましょう。
パスタなどの単品メニューではなく、品数が多い定食を摂ることも大切です。

たとえば一汁三菜を心がけると、品数が増えるため、自然と栄養バランスが整いやすくなります。
出典:農林水産省【大切な栄養素カルシウム
出典:厚生労働省【骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典:厚生労働省【日本人の食事摂取基準(2020 年版)

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運動

骨粗鬆症のためには、適度な運動が必要です。
運動時に骨に加わる物理的な衝撃には、骨を強くする作用があるためです。

具体的には、物理的な衝撃は、骨芽細胞の働きを活性化させます。
骨芽細胞とは、骨を作る細胞のことです。

骨芽細胞を活性化させるには、身体に重力の衝撃が加わるような運動が有効です。
たとえばウォーキング・ジョギングなどは着地時に身体に衝撃が加わるため、骨粗鬆症の予防に役立ちます。

体力がある方・ハードな運動ができる方であれば、重量挙げなどの筋トレもおすすめです。
反対に骨粗鬆症の予防に向いていないのは、水泳です。

水中では浮力によって重力が分散されるため、身体物理的な刺激が加わらないためです。
水泳は優れた有酸素運動ではありますが、骨粗鬆症予防という点ではあまり推奨されていません。

なお、骨粗鬆症予防のために無理に激しい運動をする必要はありません。
散歩・ゲートボールのほか、家事で身体を動かすだけでも、骨粗鬆症予防に役立ちます。

骨粗鬆症予防のための運動は、できれば毎日行うことが理想的です。
運動時間の決まりは特にありませんが、10分~30分程度を目安にしてください。

これまで運動習慣のなかった方が無理に運動すると、かえって骨折したり、筋を痛めたりする原因となります。

運動は、自分の体力・運動量に応じて、無理のない範囲で行いましょう。
どの程度の運動をすればよいか分からないときは、まずかかりつけ医に相談するのも良い方法です。
出典:厚生労働省【骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を | e-ヘルスネット

日光浴

日光浴は骨粗鬆症予防に有効です。
理由は、日光浴には体内でビタミンDを作り出す効果があるためです。

日光浴の時間は、冬場は1時間が目安です。
夏場は、15~30分程度の日光浴を行いましょう。

日光浴をするうえで大切なのは、直射日光を浴びることです。
ビタミンDは、肌に直接紫外線があたることで合成されるためです。

窓越しに日光浴をすると、紫外線はガラスに遮られます。
つまり、窓越しの日光浴ではビタミンDの合成はできません。

長袖・日焼け止め・日傘も紫外線を遮るため、骨粗鬆症予防としては不適です。
ただし、日差しがきつくなる夏場などに直射日光を浴びると、今度は熱中症などのおそれが高まります。

日差しが強い季節であれば、木陰・日傘を利用するのも1つの方法です。

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骨粗鬆症の予防となる食品

骨粗鬆症予防に役立つ栄養として代表的なのは、カルシウム・ビタミンD・ビタミンKです。

カルシウムは骨の原料となります。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて、骨に定着させる作用があります。

ビタミンKは、カルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ栄養素です。
それぞれの栄養素が豊富な食品には、たとえば以下があります。

豊富な食品具体的な例
ビタミンD乳製品牛乳・チーズ・ヨーグルト
緑黄色野菜ほうれん草・小松菜・モロヘイヤ
小魚煮干し・いわし・ししゃも・しらす
大豆製品大豆・豆腐・納豆・味噌・油揚げ
ビタミンDきのこマイタケ・エリンギ・えのき・干し椎茸
魚類あん肝・かつお・しらす・いわし・かれい・鮭
卵類鶏卵・うずらの卵
ビタミンK野菜類ブロッコリー・ほうれん草・小松菜・ニラ
大豆製品納豆

出典:農林水産省【大切な栄養素カルシウム
出典:厚生労働省【骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

骨粗鬆症の予防におすすめのメニュー

骨粗鬆症予防に役立つメニューをご紹介します。
ぜひ日々の食卓に取り入れてみてください。
出典:福岡市【 骨粗鬆症予防 – 栄養・食育の部屋(食育レシピのご紹介)

さばの牛乳味噌煮

カルシウムが豊富な牛乳と、ビタミンDが豊富なさばを組み合わせたレシピです。

材料(4人分)
さばの切り身4切れ
牛乳1と1/2カップ
みそ大さじ2
砂糖大さじ3
鷹の爪少々

 

作り方
1さばは、身の表面に切り込みを入れる
2小鍋に牛乳・みそ・砂糖・鷹の爪を入れる
32の鍋に魚がひたひたになる程度まで水を足して火にかける
43の鍋にみそを溶く
54の鍋が沸いてきたら、さばを入れる
65の鍋に落とし蓋をして、弱火でしばらく煮る

じゃこひじきご飯

カルシウム・ビタミンDが豊富な小魚や海藻を使ったレシピです。

材料(4人分)
1と3/4合
1.6カップ
めんつゆ(ストレート)大さじ1と1/3
芽ひじき(乾燥)大さじ2と2/3
まいたけ1/2パック
にんじん小1/2本
ちりめんじゃこ40g
いりごま大さじ1/2

 

作り方
1米はといで、ざるにあげておく
2芽ひじきはザルなどを使って水洗いする
3にんじんは千切りにする
4米と分量の水、めんつゆを炊飯釜に入れ、さっと混ぜる
54に芽ひじき・まいたけ・にんじんをのせて炊く
65が炊き上がったら、ちりめんじゃこといりごまを混ぜる
健達ねっとECサイト

骨粗鬆症の予防のために控えた方がよいこと

骨粗鬆症を予防するには、禁酒・禁煙を心がけることが大切です。
まずは、お酒と骨粗鬆症の関係をご紹介します。

体内のカルシウムは、尿・汗と一緒に体外に排出されます。
一方、お酒には利尿作用があります。

利尿作用とは、尿の量・回数を増やす作用のことです。
利尿作用によって尿の量が増えると、体外に多くのカルシウムが排出されることになります。

つまり体内のカルシウムが不足しやすくなるため、骨粗鬆症のリスクが高まるのです。
特に飲酒によって骨粗鬆症になりやすいのは、お酒で顔が真っ赤になる方です。

お酒で顔が真っ赤になる方は、肝臓でのアルコール分解能力が低いためです。
アルコール分解能力が低いと、体内で合成されるアセトアルデヒドの量が多くなります。

アセトアルデヒドは、アルコールの分解過程で合成される物質です。
アセトアルデヒドは二日酔いを引き起こすほか、骨芽細胞の働きを低下させる作用があります。

骨芽細胞が低下すると骨が作られなくなるため、骨粗鬆症のリスクが高くなります。
なお、アセトアルデヒドはお酒に強い人であっても合成されます。

自分は顔が真っ赤にならないからといって、お酒をたくさん飲んでも骨粗鬆症にならないわけではありません。

次に、タバコと骨粗鬆症の関係をご紹介します。
タバコに含まれるニコチンには、カルシウムの吸収を阻害する作用があります。

具体的には、ニコチンは血管を収縮させることで、全身の血流を悪化させます。
全身の血流が悪化すると胃腸の働きが悪くなるため、食べたものの消化・吸収がうまくいかなくなります。

結果、カルシウムが体内に吸収されなくなるため、骨粗鬆症が起こりやすくなります。
また、ニコチンには女性ホルモンの働きを乱す作用もあります。

女性ホルモンのうち、エストロゲンには骨の分解を抑制する作用があります。
ニコチンによって女性ホルモンが阻害されると、骨の分解スピードがアップします。

すると骨の破壊スピードに骨の合成スピードが追いつかなくなるため、骨量が減少しやすくなります。

骨粗鬆症のリスクを下げるには、お酒・タバコは控えるのがベストです。

薬の使い方

骨粗鬆症の予防には定期的な検診も大切

骨粗鬆症を予防するには、定期的に病院で検査を受けることも大切です。
骨粗鬆症は多くの場合、自覚症状がないまま進行していくためです。

さらに、骨の量は自分では調べようがありません。
自身の現在の骨の状態を知るためにも、病院で定期的な検査を受けましょう。

ちなみに、骨粗鬆症の検査としては以下が代表的です。

  • 骨密度検査:骨の中のカルシウムなどの量を調べる
  • レントゲン検査:骨のレントゲンを撮って、ヒビ・変形の有無を調べる
  • 尿・血液検査:骨の成長時に放出される物質の量を調べる

骨粗鬆症の検診を受けられる診療科は、整形外科です。
ただし、病院によっては内科・婦人科などで対応しているところもあります。

診療科に迷ったときは、まずかかりつけ医に相談するのもよい方法です。

若年層でも骨粗鬆症の予防をする意義

世間一般的に、骨粗鬆症は高齢者の病気というイメージがあります。
そのため、骨粗鬆症予防は高齢者が取り組むべきと考えられています。

しかし20代などの若年者であっても、骨粗鬆症の予防に取り組むことは大切です。
若いうちに骨密度を高く保っておくと、将来的な骨粗鬆症のリスクが下がるためです。

簡単にいえば、老後に備えて資金を貯めておくようなイメージです。
ちなみに、骨密度は20歳前後にピークを迎え、40歳頃まではほぼ変化しません。

骨密度が減少しはじめるのは、50歳を過ぎる頃です。
特に女性は、50歳前後から急激に骨密度が減少しやすくなります。

理由は閉経によって女性ホルモンの分泌量が激減するためです。
急激に骨密度が減っても持ちこたえられるよう、若いうちにすこしでも骨を貯金しておくことが大切です。

若いうちに骨密度を上げておくと、高齢になってからも骨粗鬆症が起こりにくいため、ひいては骨折・寝たきりの予防につながります。

反対に、若い頃の骨密度が極端に低いと、老後の蓄えがなくなるため、骨粗鬆症のリスクが高まります。

若い頃に骨密度を下げる要因としては、無理なダイエット・食事制限が代表的です。
出典:【骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版

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骨粗鬆症の予防のまとめ

ここまで、骨粗鬆症の予防についてお伝えしてきました。
骨粗鬆症の予防の要点を以下にまとめます。

  • 骨粗鬆症の予防のためには、カルシウム・ビタミンDを中心に、さまざまな栄養をバランスよく摂ることが大切
  • 骨粗鬆症予防に効果的な運動は、ウォーキング・筋トレなどの身体に物理的な衝撃が加わる運動
  • 日光浴はビタミンDの合成を促進するため、骨粗鬆症予防に効果的
  • 骨粗鬆症予防のためには、日頃から禁酒・禁煙に努める

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 栄養提供
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