トクホは消費者庁の許可マークの付いた特定保健用食品です。
トクホには特定の保健の効果が期待できることが表示されています。
トクホにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
栄養機能食品とは何が違うのでしょうか。
本記事ではトクホの効果について以下の点を中心にご紹介します。
- トクホの効果について
- 栄養機能食品との違いについて
- トクホを利用する際の注意点について
トクホの効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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トクホとは
国によって制度化された保健機能食品の一つに特定保健用食品(トクホ)があります。
トクホとは、生理学機能に影響を与える保健機能成分を含む食品の事をいいます。
トクホは国により、特定の保健機能効果が期待できる食品か審査されます。
認可された食品には消費者庁許可マークと特定の保健機能が表示されています。
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トクホの種類
トクホには、用途に応じて以下の5つの種類があります。
- 特定保健用食品
- 特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
- 特定保健用食品(規格基準型)
- 特定保健用食品(再許可型)
- 条件付き特定保健用食品
それぞれの内容についてご紹介します。
定義の出典は以下の通りです。
出典:消費者庁【特定保健用食品とは】
特定保健用食品
特定保健用食品は消費者庁により以下のように定義されています。
【食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品】
一般的なトクホでは以下のような表示ができます。
- お腹の調子を整えます
- 糖の吸収を穏やかにします
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)は消費者庁により以下のように定義されています。
【関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合、疾病リスク低減表示を認める特定保健用食品(現在は関与成分としてカルシウムおよび葉酸がある)】
以下のような表示ができます。
- カルシウム成分の骨粗鬆症へのリスクを低減させる可能性
- 葉酸成分の胎児の二分脊髄などの神経管閉鎖障害のリスク低減の可能性
特定保健用食品(規格基準型)
特定保健用食品(規格基準型)は消費者庁により以下のように定義されています。
【特定保健用食品としての許可実績が十分であるなど科学的根拠が蓄積されている関与成分について規格基準を定め、消費者委員会の個別審査なく、消費者庁において規格基準への適合性を審査し許可する特定保健用食品】
以下のような表示ができます。
- 難消化性デキストリン(関与成分)を含むので糖の吸収を穏やかにします
- 大豆オリゴ糖が含まれておりビフィズス菌を増やしてお腹の調子を整えます
特定保健用食品(再許可等)
特定保健用食品(再許可型)は消費者庁により以下のように定義されています。
【既に認可を受けている食品について、商品名や風味等の軽微な変更等をした特定保健用食品】
条件付き特定保健用食品
条件付き特定保健用食品は消費者庁により以下のように定義されています。
【特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可する特定保健用食品】
以下のような表示ができます。
本品は〇〇を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、〇〇が高めの方に適している可能性があります
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トクホの主な目的と効果一覧
トクホについて以下の2つをご紹介します。
- トクホの目的
- トクホの効果
トクホの目的
トクホの目的は、あくまでも不足した栄養素の摂取にあります。
健康の維持・増進を補助する食品としての使用が求められます。
健康の維持・増進はバランスの良い食生活など、生活習慣の見直しが基本です。
食生活の見直しなどを前提にトクホを上手に使うことが大切です。
トクホの効果
許可されているトクホの効果表示の例を以下に示します。
お腹の調子を整える、便通改善等 | 血圧が高めの方に適する |
コレステロールが高めの方に適する | 血糖値が気になる方に適する |
ミネラルの吸収を助ける | 食後の血中の中性脂肪を抑える |
虫歯の原因になりにくい | 歯の健康維持に役立つ |
体脂肪がつきにくい | 骨の健康が気になる方に適する |
トクホと栄養機能食品との違い
トクホも栄養機能食品も国で制度化されている保健機能食品です。
しかし、以下の点で違いがあります。
【消費者庁の許可マーク】
トクホには許可マークが付きますが、栄養機能食品には付きません。
【国の審査】
トクホは国の審査を経て認可の上、特定の効果が期待できる表示が可能になります。
栄養機能食品は国の審査がありません。
【関与成分と目的】
トクホの関与成分は以下を満たすことで表示ができます。
- 健康の維持・増進に役立つこと
- 特定の効果が期待できること
- 科学的根拠が認められること
栄養機能食品は以下の条件を満たすことで表示ができます。
- 人の生命や健康の維持に必要な、特定の栄養素の補給を目的とすること
- 決められた栄養成分に限定されていること
【機能表示をすることができる栄養成分】
栄養機能食品として機能表示が可能な栄養成分は以下の表のとおりです。
脂肪酸 | n-3系脂肪酸 |
ミネラル | 亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム |
ビタミン | ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2 |
ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK | |
葉酸 |
出典:消費者庁【栄養機能食品について | 消費者庁】
トクホを利用する際の注意点
トクホを利用する際の注意点を以下に3つ挙げます。
- 生活習慣の改善が必要なこと
- 食べ過ぎ飲みすぎは厳禁なこと
- トクホで病気が治るわけではないこと
それぞれの内容についてご紹介します。
生活習慣の改善も必要
トクホの容器には以下の文言の表示が義務付けられています。
【食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。】
日常の食生活の見直しや、適度な運動を心がけるなどの生活習慣の改善が必要です。
その上で、表示通りに正しくトクホを摂取することが、より良い効果を得る利用法です。
食べ過ぎ飲み過ぎは厳禁
トクホはあくまでの「食品の一種」です。
トクホは今の食生活を改善したうえで、利用することで効果が期待できます。
例えば、代表的なトクホの利用に「血圧が高めの方に適する食品」があります。
血圧が高めの方は、トクホを利用する前に以下の点を心がける必要があります。
- 塩分を控える
- コレステロールや脂肪の摂取を控える
- アルコールを控える(飲みすぎを控える)
- カリウムを多く含む野菜や果物を摂取する
- 適正体重の維持(食べ過ぎを控える)
- 適度な運動
- 禁煙
食べ過ぎ飲みすぎは生活習慣として利用前に改善すべき大切なポイントです。
トクホで病気が治るわけではない
トクホは「食品」であり「医薬品」ではありません。
そのため、トクホを利用して病気が治るわけではありません。
トクホは以下のような方を利用対象として設計されています。
- 健康が気になり始めた方
- 普段の食生活に不安を感じている方
健康の維持・増進の補助を目的としていることを理解し、効果的に利用しましょう。
トクホは効果がないとも聞くけど?
トクホは、効果的に利用するための正しい認識と状況に応じた食品選びが大切です。
トクホの目的や効果についてまとめると以下のようになります。
- 健康維持・増進の補助のための普段の栄養摂取サポートを目的とすること
- 「食品の一種」であり「医薬品」ではないこと
- 生活習慣の改善があって、トクホの効果が期待できること
- 効果は個人差や個人の生活習慣の状況によって異なること
トクホの効果に対する正しい認識と効果的な利用法を心がけましょう。
トクホの効果を実感する人の割合
特定保健用食品の利用に関するアンケート調査(第5回)結果がマイボイスコム社より報告されています。
アンケート調査でトクホの効果について以下のような結果が報告されています。
【特定保健用食品の効果・効用の実感】
効用を感じた | 2.3% |
やや効用を感じた | 9.4% |
どちらともいえない | 38.0% |
あまり効用を感じない | 23.7% |
効用を感じない | 19.3% |
無回答 | 7.4% |
【特定保健用食品のであることの意識度合い】
効用を意識して選ぶ | 30.8% |
効用までは意識しないがトクホを優先して選ぶ | 21.9% |
選んだ商品がたまたまトクホだった | 42.9% |
無回答 | 4.4% |
アンケート調査結果から以下のことがわかります。
- トクホの効果を実感(効用を感じた+やや効用を感じた)する人の割合は約10%
- どちらともいえないを合わせても約半分しかいない
- トクホを意識して選ぶ人は約3割
出典:「【特定保健用食品の利用】に関するアンケート調査(第5回)」
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トクホの効果まとめ
ここまでトクホの効果についてお伝えしてきました。
トクホの効果についての要点をまとめると以下の通りです。
- トクホの目的は、不足した栄養素の摂取
- 食生活の見直しなどを前提にトクホを上手に使うことが大切
- 脂肪の吸収を抑える、血糖値の上昇を抑える等の効果がある
- トクホは国の審査を経て認可されるが、栄養機能食品は国の審査がない
- トクホは病気を治す「医薬品」ではなく「食品」である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。