ウォーキングは、健康増進や生活習慣病の予防に最適な運動です。
また、ウォーキング時間の設定により、効果に違いが出てきます。
最適なウォーキング時間は、どのくらいなのでしょうか?
ウォーキングは、どのような効果があるのでしょうか?
本記事では、ウォーキングの時間について以下の点を中心にご紹介します。
- ウォーキングの健康効果について知りたい
- 運動時間毎のメリット・デメリットを知りたい
- ウォーキングに向いている人について知りたい
ウォーキングの時間について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ウォーキングとは
ウォーキングは、健康増進や生活習慣病予防を目的として歩く運動のことです。
けがのリスクが少なく、幅広い健康効果が得られるという特徴と、運動強度が低いため誰もが実践しやすい運動法になっています。
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ウォーキングで得られる健康
ウォーキングで得られる健康効果は、以下のようなものがあります。
それぞれ、1つずつ解説していきます。
エネルギーを消費して痩せる
ウォーキングは、有酸素運動の一種であり、痩せやすい運動です。
なぜなら、運動すると脂肪をエネルギーにして消費し、脂肪燃焼できるからです。
さらに、代謝も上がるため、よりエネルギーを効率的に消費できるのも魅力のひとつです。
むくみにくくなる
むくみの原因は、体内に水分が溜まっている状態です。
ウォーキングは、血液やリンパ液の循環を改善し、老廃物などの水分の滞りを解消します。
そのため、水分の滞りを解消できればむくみを改善できるのです。
体脂肪が減る
継続的なウォーキングを実施することで、脂肪をエネルギーに転換する割合が増大します。
なぜなら、脂肪という予備のエネルギータンクを消費するからです。
ウォーキングの歩数と時間を増やせば、効率的に体脂肪を燃やせるでしょう。
心肺機能が高まる
ウォーキングは、有酸素運動なので、継続すれば心肺機能が高まります。
その結果、心血管疾患のリスクを軽減可能です。
血圧が下がる
定期的な、ウォーキングで血圧を下げることが可能です。
高血圧は、「サイレントキラー」と呼ばれるほど、動脈硬化の引き金になります。
運動により、適正な血圧を保つことで、脳卒中・心臓病・賢臓病などを予防できます。
血糖値が改善する
食後に、血糖値が上がりすぎると、下げるためにインスリンの分泌が増大します。
逆に、インスリンを過剰分泌してしまうと、反応性低血糖に陥ります。
食後の高血糖と反応性低血糖を上下していると、糖化と酸化反応から、血管を傷付けて老化させてしまうのです。
しかし、この糖化と酸化を防止する術が、ウォーキングなのです。
ウォーキングで、血糖をエネルギーとして消費するので、血糖値を調整できます。
血中の中性脂肪が減る
前述したとおりで、ウォーキングにより脂肪燃焼が促進されます。
脂肪が減少することで、肥満の問題も防止されて代謝が上がります。
代謝が上がることは、血中脂質の改善につながるのです。
死亡率が下がる
ウォーキングを続けると、生活習慣病のリスクを下げられるため、死亡率が下がります。
前述したとおりで、肥満・高血圧・高血糖などによる疾患を防止できるからです。
また、健康な肉体を保つという意味でも、非常に有益な運動といえます。
認知症発症のリスクが軽減される
ウォーキングを実施することで、認知症のリスクが軽減可能です。
運動することで、脳の血行は改善され、活性化していきます。
脳が活性化した結果、認知症のリスクは低減されるのです。
ロコモティブシンドロームの予防になる
ウォーキングの実践は、「ロコモティブシンドローム」の予防にもなります。
なぜなら、ひとつの要因として、加齢に伴う運動機能の低下があるからです。
つまり、日々のウォーキングで運動機能を維持できれば予防もしやすいでしょう。
サルコペニアを防げる
ウォーキングは、加齢による筋力低下であるサルコペニアにも有効です。
なぜなら、栄養摂取と適度な運動で筋力を改善できるからです。
若い頃と同じ筋力は難しいですが、ウォーキングでの回復が期待できます。
骨粗鬆症になりにくくする
ウォーキングは、骨粗鬆症になるリスクを低減できます。
運動により骨に負担をかけることで、骨を生成するカルシウムの利用効率が改善されます。
そのため、ウォーキングから、骨の生成を促して骨粗鬆症のリスクを下げられるのです。
インスリン抵抗性を改善する
ウォーキングで、血糖値を維持するホルモンのインスリン抵抗性を改善できます。
抵抗性が高い状態は、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病のリスクを高めます。
しかし、ウォーキングを継続すれば、抵抗性を下げて血糖値を改善することが可能です。
うつ病になりにくくする
ウォーキングすることにより、セロトニンという神経伝達物質が分泌されます。
セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
心を落ち着かせたり、不安感を軽減できる神経伝達物質です。
その結果、不安な感情を抑制し、うつ病になるリスクを低減できます。
ダイエットや健康管理などを目的にウォーキングを行っている方は多いです。ウォーキングは手軽に始めやすいですが、正しい知識や方法はあまり知られていません。ウォーキングを行うとどのような効果が得られるのでしょうか?ウォーキングの目[…]
短時間ウォーキングのメリットとデメリット
短時間ウォーキングは、誰でも継続しやすく健康によい運動法です。
ここからは、メリット・デメリットについて解説していきます。
短時間ウォーキングのメリット
短時間ウォーキングのメリットは、以下の通りです。
ぜひ、参考にしてください。
1日10分から始めると習慣化しやすい
ウォーキングが継続できないという人は、1日10分から始めるとよいでしょう。
初日から、長時間歩くのは大変なうえに、継続しないと効果が期待できません。
そのため、1日10分から始めると習慣化しやすいのでおすすめです。
習慣化したあとは、徐々に歩行時間を増やしつつ効果を測定するようにしましょう。
20分以上歩くと有酸素運動の効果が高まる
有酸素運動は、20分以上の歩行で脂肪燃焼が期待できるといわれています。
そのため、ダイエットに効果的な時間といえるでしょう。
さらに朝のウォーキングでは、セロトニンによるリラックス効果が期待できるので、なるべく朝を選ぶようにしましょう。
高齢者や妊婦でも少ない負担で運動できる
短時間ウォーキングは、高齢者・妊婦でも少ない負担で運動しやすいです。
近くのスーパーまで買い出しに行く時や、徒歩で駅に向かう時間などを有効活用すれば、
ウォーキングできるのでおすすめです。
ただし、持病や不安がある人はかかりつけ医に相談してから、実践しましょう。
短時間ウォーキングのデメリット
短時間ウォーキングのデメリットは、以下の通りです。
1つずつ解説していきます。
大量のエネルギーを消費するわけではない
短時間ウォーキングは、歩数・時間が少なくなる分、大量のエネルギーを消費しにくいというデメリットがあります。
そのため、食事でのカロリー摂取量に注意しつつ、コツコツ続ける必要があります。
効果を実感しづらい
エネルギー消費量が少ないので、効果を実感しづらいというデメリットもあります。
効果が実感できない状況が続くと、モチベーション低下につながります。
そのため、効果を出すために、少しずつ歩数と時間を増やす工夫も必要になるでしょう。
長時間ウォーキングのメリットとデメリット
長時間ウォーキングは、時間を作ることが難しい反面、プラスの面が多いです。
それでは、メリット・デメリットについてみていきましょう。
長時間ウォーキングのメリット
長時間ウォーキングのメリットは、以下の通りです。
それでは、それぞれのメリットについて解説していきます。
がっつり運動できる
長時間のウォーキングは、がっつり運動できるので、体力作りや健康増進がしやすいです。
それに応じて代謝も上がってくるので、脂肪燃焼にも適しています。
また、運動を長時間していると、セロトニンも分泌されやすくなるため、うつ病の改善も期待できます。
消費エネルギーを増やせる
長時間のウォーキングは、続ければ消費エネルギーを増やせます。
なぜなら、歩行時間が増えるほど、脂肪や血糖がエネルギーに変わりやすいからです。
そのため、ダイエットや生活習慣病の防止に最適です。
運動が苦手な方は、少しずつ歩行時間を増やしていきましょう。
じっくり考え事ができる
長時間のウォーキングは、コースの景色を眺めながら考え事ができます。
歩いている間に、アイデアが浮かびやすいです。
そのため「悩み事があり解決したい、なんらかのアイデアが欲しい」など、人生に困難を抱えているときにも効果が期待できます。
長時間ウォーキングのデメリット
長時間ウォーキングのデメリットは、以下の通りです。
運動を実施する際の、参考にしてください。
時間を作るのが難しい
成人していると運動時間を確保することが難しくなります。
健康増進・生活習慣病予防の場合でも、続けることが大切です。
運動時間を確保するために、別の予定を減らすことも出てくるでしょう。
いきなり長く歩くと疲れる
習慣化していない状態で長時間歩くことは、大きな疲労感を残します。
ウォーキングに慣れるまでは、無理のないペース配分も大切です。
そうしないと、疲れてウォーキングが続かなくなります。
習慣化さえできれば、段々と快適に歩けるようになるので、焦りは禁物です。
他の運動をする時間が無くなる
ウォーキングを長時間する分だけ、他の運動時間が無くなる恐れがあります。
効果を実感するためにも、スケジュールの配分に気を付けましょう。
他にやりたい運動がある場合は、「朝一のウォーキング、通勤時間を有効活用する」などして、午後を運動時間に当てるとよいでしょう。
ウォーキングが向いているのはこんな人
ウォーキングが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
それぞれの人がウォーキングに向いている理由について、解説していきます。
肥満体型の人
ウォーキングには、脂肪燃焼の効果があるので、肥満体型の人に向いています。
有酸素運動は、開始20分くらいから脂肪燃焼がはじまるため、1回20分以上からはじめるとよいでしょう。
時間も比較的確保しやすいので、朝の通勤時間や買い出し時などがおすすめです。
最初から無理をせずに、徐々に距離を延ばしていくことがポイントです。
肥満の基準は、BMI値18.5未満が「やせ」、18.5以上25未満が「普通」、25以上が「肥満」と定義されています。
自分が、どの数値に該当するかを把握しながら、ウォーキングを実施しましょう。
出典:厚生労働省「eヘルスネット」
健康的な体型になりたい人
健康的な体型を目指したい人にも、ウォーキングは向いています。
ウォーキングを通して、以下の効果が期待できます。
- 筋力・基礎体力の向上
- ダイエット効果
- むくみの防止
- 基礎代謝力のアップ
など、健康的な体型につながるメリットが非常に多いです。
健康的な体型を目指すために、10~15分程度を朝晩2回、あるいは30分以上を週2日以上を目標にしてチャレンジしてみましょう。
健康診断の結果が悪かった人
「健康診断の結果が悪かった・・・」そんな方は、ウォーキングで改善を図りましょう。
肥満や高血糖、高血圧など、ウォーキングで解決できる問題は少なくありません。
健康増進を目標とするなら、1日30分のウォーキングを目指しましょう。
また、カロリーコントロールも忘れないようにしてください。
高血圧の人
高血圧の人は、ウォーキングが適しています。
なぜなら、定期的な歩行で血圧を下げられるからです。
その結果として、動脈硬化から生じる脳卒中・心臓病・賢臓病を予防できます。
高血圧の目安は、診療施設などで測定した数値が、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)です。
また、自宅での測定の場合は、135mmHg以上が目安とされています。
糖尿病で血糖値が高い人
糖尿病を患っている人は、ウォーキングが効果的です。
血糖をエネルギーとして消費できるため、血糖値を下げられます。
高血糖の改善を目指すために、10~15分程度を朝晩2回、あるいは30分以上を週2日以上を目標するとよいでしょう。
精神が不安定な人
精神が不安定な人は、ウォーキングを続けてみましょう。
なぜなら朝に20分間以上行うと、幸せホルモンのセロトニンが分泌されるからです。
セロトニンが分泌されると、リラックス効果が期待できるので、精神を安定させたい人はウォーキングを試してみましょう。
ストレスが溜まっている人
ストレスが溜まっている人にも、ウォーキングが向いています。
同じく、セロトニンの分泌による、ストレス解消効果が期待できます。
特に朝一の20分間のウォーキングが、おすすめです。
高齢者
高齢者の方は、ウォーキングによる以下の健康増進が期待できます。
- 認知症の予防
- ロコモティブシンドロームの予防
- サルコペニアを予防
- 骨を丈夫にする
ただし、長時間のウォーキングは、足腰に負担がかかるため、やりすぎに注意しましょう。
自分の体力や健康状態を把握したうえで、10分の軽いウォーキングが適しています。
公園や買い出しなど、うまく合わせて1日10分を繰り返せるように工夫しましょう。
運動習慣のない中高年
運動習慣のない中高年に、ウォーキングが向いている理由は、続けやすいからです。
普段から運動習慣のない人が、高強度の運動をすることは困難です。
しかし、1日10分のウォーキングでしたら、ちょっとした工夫で続けられます。
より、健康増進を追求したい場合でも、通常の歩行を30分~60分程度です。
そのため、運動習慣のない中高年にも適しています。
妊産婦
妊婦のウォーキングにも、実はさまざまなメリットが期待できます。
お産は、長時間の持久戦になりがちです。
そんなときは、毎日のウォーキングで、体力・持久力を付けられます。
また、有酸素運動なので、血行改善により、妊婦さんの腰痛・むくみの解消が可能です。
ただし、「おなかが張っている、おなかが痛い」など、体調に違和感がある際は、控えるようにしましょう。
健康で長生きしたい人
ウォーキングは、「生活習慣病の予防、ダイエット、健康増進、メンタルヘルス」など、健康全般に効果的な運動法です。
継続できれば、健康寿命を伸ばすことも期待できます。
そのため、健康で長生きしたい人には、うってつけの運動法です。
1日1時間を目標に、運動を続けていきましょう。
目的に応じたウォーキング時間を設定しよう
ウォーキングの時間を設定する場合は、下記のように目的別に選択しましょう。
- 運動習慣を身につけたい人は1日10分歩く
- 痩せたい人は20分以上続けて歩こう
- 健康増進には30分を2セットがおすすめ
- 1日1時間を目標に毎日歩こう
1つずつ解説していきます。
運動習慣を身につけたい人は1日10分歩く
運動の習慣化が目的の方は、1日10分から挑戦してみましょう。
なぜなら、いきなり運動時間を上げることは、挫折を招くからです。
まずは、習慣を身に付けることを目的にウォーキングを始めましょう。
また、10分を3セットと30分を1セットでは、効果に差がないことがわかっています。
そのため、合計の歩行時間を意識できれば、健康的な体になりますよ。
痩せたい人は20分以上続けて歩こう
痩せたい人は、10分に慣れたら20分以上のウォーキングを推奨します。
なぜなら、+10分の歩行時間から、内臓脂肪や腹囲や体重が減少するからです。
そのため、ダイエット目的の人は、10分のウォーキングを習慣化したあとは、プラス10分を目指していきましょう。
そうすれば、少しずつ痩せられます。
健康増進には30分を2セットがおすすめ
健康増進を目的にする場合は、30分を2セットが適しています。
肥満の防止とともに、高血圧や脂質異常、高血糖も改善可能です。
その結果、「糖尿病、動脈硬化、がん、認知症」などの罹患リスクを下げられますよ。
また、幸せホルモンのセロトニンが分泌されるため、うつ病の改善にも有効です。
1日1時間を目標に毎日歩こう
ウォーキングの目標は、1日1時間、元気に運動できることです。
65歳以上の高齢者では、強度を問わず毎日40分以上が推奨されているので、朝夕の散歩などを実施しましょう。
また、成人の場合は歩行以上の強度で、60分以上歩くことに加えて、30分以上の運動を週に2日以上するのがおすすめです。
そして、「体力・健康・生活習慣病の予防」を実現し、健康寿命を延ばして楽しい人生を謳歌しましょう。
ウォーキングの時間まとめ
今回は、ウォーキングの時間についてご紹介しました。
ウォーキングの時間についての要点を以下にまとめます。
- ウォーキングは、ダイエット・健康増進・うつ病改善につながる
- 短時間は、続けやすい分、消費エネルギーが少なく効果を実感しにくい
- 長時間は、運動時間が長い分、消費エネルギー増大や健康増進しやすい
- ウォーキングは、健康寿命を延ばしたい人に向いている
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。