みなさんは、海藻はお好きですか?
栄養豊富な上、低カロリーである海藻は、美容や健康の面で注目を集めています。
海藻の中でも、特に「あおさ」は、安価で手に入りやすく、調理も簡単なため、重宝している方も多いことでしょう。
では、あおさには具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
あおさの栄養分は、どのような働きをするのでしょうか?
あおさを美味しく食べる調理方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
本記事では、あおさの栄養分などについて、以下の点を中心にご紹介します。
- あおさには、どんな栄養素が含まれているのか
- あおさの効能とは
- あおさを使ったおすすめレシピ
あおさについて理解するためにも、ご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
スポンサーリンク
あおさとは
あおさの存在は広く知られているものの、そもそもどんな食べ物なのかはあまり知られていませんよね。
あおさは、海藻類の一種です。
海藻は、以下のように分類されます。
- 褐藻:こんぶ、わかめ、ひじきなど
- 紅藻:海苔、海藻サラダなど
- 緑藻:あおさ、青のりなど
あおさと青のりは、同じ緑藻の仲間です。
あおさと青のりは見た目は似ていますが、実際は全く別の食べ物です。
両者にどのような違いがあるかといいますと、青のりは粉状なのに対して、あおさは平べったくぱらぱらとしているのが特徴です。
また、青のりは香りが良いことも特徴ですね。
あおさと青のりを比較すると、青のりはやや高級なのに対して、あおさはリーズナブルなお値段で売られていることが多いです。
愛知県の三河湾はあおさの名産地としてよく知られています。
収穫時期は5月上旬から12月までと長く、日本のあおさの70%は三河地域で収穫されていると言われています。
スポンサーリンク
あおさの栄養素
ここでは、あおさに含まれる栄養素についてご紹介します。
食物繊維
あおさ100gに対して、44.2gの食物繊維が含まれています。
食物繊維は、小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する成分です。
消化・吸収されないため、身体を動かすエネルギー源にはなりません。
食物繊維は、腸内に生息する善玉菌の数を増やし、腸の内部の壁を刺激する働きがあります。
その結果、腸内環境を整え、便秘予防に役立ちます。
あおさには、食物繊維が豊富に含まれます。
便秘に悩む方は積極的に摂ると良いでしょう。
食物繊維について詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
食物繊維は、炭水化物やタンパク質などの五大栄養素に次いで「第六の栄養素」といわれています。食物繊維はおなかの調子を整え、便秘の解消に効果的です。では、食物繊維とは具体的にどのような栄養素なのでしょうか。本記事では食物繊維につ[…]
カルシウム
カルシウムと言えば、牛乳にたくさん含まれるというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
牛乳100gに含まれるカルシウムは、110mgと言われています。
それに対して、あおさ100g中には、920mgのカルシウムが含まれています。
なんと、あおさは牛乳の約8倍のカルシウムが含まれているということになります。
カルシウムのうち99%は骨や歯に含まれ、残りの1%は筋肉や神経に存在しています。
カルシウムは、骨や歯の主成分となるため、成長期のお子様や、妊娠中の方、骨粗鬆症になりやすい高齢者の方は積極的に摂りたい栄養素です。
カルシウムについて以下の記事で詳しくまとめておりますので、ぜひご覧ください。
カルシウムは健康には欠かせない栄養素です。カルシウムは骨や歯以外にも筋肉、血液、神経などにも欠かせません。カルシウムとはどういう栄養素なのでしょうか。本記事ではカルシウムについて以下の点を中心に紹介します。 カルシ[…]
マグネシウム
あおさ100gに対して、880mgのマグネシウムが含まれています。
マグネシウムは、身体の機構を保つための重要な役割を担っています。
体内のマグネシウムの50〜60%は骨や歯に存在しており、残りの40%は筋肉や脳神経に存在しています。
マグネシウムは、栄養素の合成・分解を助けるほか、神経の伝達を正常に保つ働きがあります。
また、カルシウムと拮抗して筋肉の収縮を制御したり、血管を広げて血圧を下げたり、血小板の凝集をおさえて血栓を作りにくくする作用もあります。
マグネシウムについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
私たちの体はさまざまな成分によって動いています。マグネシウムにはたくさんの働きがあり生体の維持機能を保つ上でとても重要です。体の中でマグネシウムはどのような働きをしているのでしょうか。マグネシウムを含む食品にはどのようなもの[…]
カリウム
あおさ100gに対して、810mgのカリウムが含まれています。
カリウムは、肝臓からナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、高血圧や脳卒中の予防になると言われています。
普段から塩分の多い食事を摂っている方に特におすすめです。
また、カリウムは、カルシウムを骨に蓄積させる効果を高めてくれます。
そのため、カルシウムを豊富に含むあおさを食べれば、効率的に骨粗鬆症の予防ができます。
カリウムとむくみの関係について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
夕方になると、身体のむくみで足が痛くなった経験はありませんか?カリウムは、むくみの原因となる塩分を身体から排出してくれる役割をもっています。本記事は、カリウムとむくみの関係について以下の点を中心にご紹介します。 カリウ[…]
ビタミンA
あおさ100gに対して、710mgのビタミンAが含まれています。
ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、目や粘膜を健康に保ち、抵抗力を高めてくれる効果があります。
また、レチノールは、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。
ビタミンAは、白血球細胞の発生を助ける働きもあります。
白血球は、体内に侵入した病原体と戦う役割を担っているため、生命維持に必要不可欠な細胞です。
ビタミンAの不足について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンaはあらゆる食材に含まれる必要不可欠な栄養素です。摂取することで身体の機能を正常に保つことができます。しかし、摂取量を守らないと身体に壊してしまう場合があります。今回は、ビタミンa不足や過剰摂取が身体にどのような影響[…]
ビタミンB6
あおさ100gに対して、0.06mgのビタミンB6が含まれています。
ビタミンB6は、酵素の働きを助ける成分として、多くのアミノ酸の代謝を助けています。
また、免疫機能を維持したり、全身の皮膚の抵抗力を高めたりする効果もあります。
以下の記事ではビタミンB6の効果についてまとめております。
「ビタミンB6ってどんな効果があるの?」「ビタミンB6は1日にどれくらいとったら良いの?」ビタミンB6は、健康や美容を維持するために積極的にとって欲しい栄養素のひとつです。しかし、上記のようにビタミンB6について、疑問を抱えてい[…]
ビタミンB12
あおさ100gに対して、0.3mcgのビタミンB12が含まれています。
食品の中に含まれるビタミンB12はタンパク質と結合しています。
胃の中でタンパク質が消化されて分解されると、タンパク質からビタミB12が離れ、酵素の働きを助けます。
ビタミンB12は、野菜からはほとんど摂取できませんが、海藻類の中でもあおさには豊富に含まれています。
ビタミンB12の不足について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
βカロテン
あおさ100gに対して、2500mcgのβカロテンが含まれています。
βカロテンは、体内でビタミンAに変換され、目や粘膜を健康に保つ働きをします。
また、ビタミンAとしての機能以外では、βカロテンは抗酸化作用(身体の老化を抑える作用)や免疫力を高める作用があります。
鉄分
あおさ100gに対して、5.3mgの鉄分が含まれています。
鉄分は身体に吸収されたあと赤血球の一部となり、身体全体に酸素を運搬します。
鉄分の不足による代表的な病気として、貧血が挙げられます。
貧血になると、立ちくらみやめまい、息切れなどの症状がみられます。
日々の健康的な活動を維持するためにも、鉄分は必要不可欠な存在であるといえるでしょう。
鉄分の効果について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
鉄分は私たちの体に必須のミネラルの1種です。鉄分が不足すると貧血を起こします。鉄分が不足すると貧血以外にも体にどのような影響があるでしょうか?鉄分不足をどのようにして補うことができるでしょうか?本記事では鉄分の効果に[…]
葉酸
あおさ100gに対して、180mcgの葉酸が含まれています。
葉酸は、ビタミンB12と協力して赤血球の生成を助けます。
また、葉酸には、細胞の発生や細胞の再生を助ける働きもあるため、妊娠している方は積極的に摂取するよう指導されることが多いです。
以下の記事では葉酸について詳しくまとめております。
葉酸は赤血球の生産を助けたり、胎児の発育をサポートしたりする働きを担っています。葉酸にはどのような効果や働きがあるのでしょうか?妊活中や妊娠中は葉酸をどれくらい摂取したら良いのでしょうか?本記事では、葉酸の効果について解説し[…]
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
あおさの効能
あおさには下記のような効能があります。
- 浮腫の解消
- 骨粗鬆症の予防
- 高血圧や動脈硬化の予防
- 便秘解消効果
- 貧血予防
順番に解説します。
浮腫の解消
あおさ100gの中には、810mgのカリウムが含まれています。
カリウムは、体内の余分な水分を身体の外に出す作用があるため、浮腫(むくみ)の解消に役立ちます。
ただし、病院で高カリウム血症を指摘されたことがある方や、腎機能が低下していると言われたことがある方の場合は、カリウムは慎重に摂取しなければなりません。
かかりつけ医に相談のもとで、適度な量を食べるようにしましょう。
骨粗鬆症の予防
先ほどもご紹介した通り、あおさには、牛乳の約8倍のカルシウムが含まれています。
カルシウムは骨や歯の主成分となる栄養素です。
ご高齢の方の中には、骨粗鬆症を指摘された経験がある方も多いのではないでしょうか?
骨粗鬆症は、骨がもろくなることによって、骨折のリスクが高くなってしまいます。
ご高齢の方ですと、骨折による入院期間が長引くことが少なくなく、その入院によって認知症を発症することもあります。
カルシウムが豊富に含まれるあおさを積極的に食べることで、丈夫な骨を育むことは、骨粗鬆症の予防にも繋がります。
高血圧や動脈硬化の予防
あおさにはカリウムやβカロテンなど高血圧や動脈硬化の予防に役立つと言われる栄養素が豊富に含まれています。
便秘解消効果
あおさの成分の約40%が食物繊維です。
食物繊維は、腸内の善玉金の数を増やし、腸の壁の動きを助けてくれる効果があるため、食物繊維を摂取することは腸内環境を改善することに繋がります。
結果として、便秘を解消する効果も期待できるため、普段から便が固い方や、便秘気味の方は、食物繊維が豊富に含まれるあおさを食べると良いでしょう。
貧血予防
あおさには鉄分や葉酸が含まれているため、赤血球の発生を助け、貧血予防に繋がります。
普段から貧血気味の方や、立ちくらみのある方などにおすすめです。
あおさの栄養がしっかり摂れる料理
ここまで、あおさが持つ魅力的な効能を紹介してきました。
ここからは、あおさをしっかり食べられる料理のレシピをご紹介します。
あおさのりのポテト焼き
磯の香りが引き立つポテト焼き。
お子様にもおすすめです。
あまじょっぱいしょうゆだれと、よく合います。
【材料】
- 乾燥あおさのり:5g
- じゃがいも:2個
- 小麦粉:大さじ1
- マヨネーズ:大さじ2
- みそ:小さじ1
- サラダ油:大さじ1
【しょうゆだれ】
- しょうゆ:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- 水:大さじ1
【作り方】
- ① あおさはあらかじめ細かく刻んでおく。
- ② じゃがいもをラップで包んで、電子レンジでやわらかくなるまで加熱する。
- ③ じゃがいもの皮を剥いて、実を潰す。
- ④ じゃがいもが冷めないうちに、あおさ・片栗粉・マヨネーズ・みそを加え、混ぜ合わせる。4等分にして平たく丸める。
- ⑤ フライパンに、しょうゆ・みりん・砂糖・水を入れて、軽く煮詰め、しょうゆだれを作る。照りが出てきて泡立ってきたら火を止める。
- ⑥ しょうゆだれを④にかけて、完成。
あおさの焼きそば
ボリュームのある焼きそばです。
あおさを使うことで、簡単に栄養たっぷりな焼きそばを作れます。
【材料(2人分)】
- 中華麺:2玉
- 豚肉(切り落とし):150g
- ごま油:小さじ2
- ねぎ:10cm
- あおさ:10g
【下味】
- 料理酒:大さじ1
- 片栗粉:小さじ1
- ごま油:小さじ1
【味付け】
- オイスターソース:小さじ1
- 料理酒:小さじ2
- しょうゆ:小さじ2
【作り方】
- 中華麺を電子レンジにかけて温め、麺をほぐす。
- 豚肉は一口大に切り、【下味】の酒をもみ込み、片栗粉をまぶし、ごま油をかけてほぐす。
- ねぎを切って白髪ねぎにしておく。
- フライパンでごま油を温め、あおさを入れて炒る。火が通ったら取り出す。
- 同じフライパンに豚肉を入れて炒め、色が変わったらねぎ、中華麺を加えてひと混ぜする。
- 【味付け】のオイスターソース、料理酒、醤油を加えて炒め合わせる。
- 器に盛り付けて、完成。
あおさの天ぷら
そのまま食べても美味しいですが、うどんやそばにトッピングするのもおすすめです。
【材料(4人分)】
- 乾燥あおさ15g
- 揚げ油:適量
【衣】
- 小麦粉:2/3カップ
- 片栗粉:1/3カップ
- 水:適量
【天つゆ】
- だし汁:200ml
- みりん:大さじ3
- 砂糖:小さじ2
- しょうゆ:大さじ3
【作り方】
- 乾燥あおさは水でもどして柔らかくし、水気を絞る。
- 【天つゆ】の材料を小鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。
- 揚げ油を170℃に熱する。
- ボウルに【衣】の小麦粉と片栗粉を混ぜ合わせ、水を少しずつ加えながら混ぜ、衣を作る。普通の天ぷらの衣より少し固めに混ぜる。
- ひとくち大ほどの量のあおさを衣からめ、少し広げながら揚げ油に入れる。
- 油を切って、器に盛り、天つゆをかけて完成。
あおさが香る卵焼き
お弁当の定番とも言える、卵焼きです。
あおさの香りが卵焼きの美味しさを引き立たせます。
【材料(2人分)】
- 卵:3個
- 水:大さじ3
- 油:適量
【味付け】
- 薄口醤油:小さじ2
- 砂糖:小さじ1
- あおさ:小さじ1
【作り方】
- ボウルに卵を割り、溶いたら【味付け】の薄口醤油、砂糖、あおさを入れ混ぜ、そこに水を入れてさらに混ぜ、卵液を作る。
- 卵焼き器に油をひいて中火で熱する。
- 卵焼き器全体に広がる程度の卵液(1/4程度)を流し入れて広げる。
- プクッと膨らんだところは箸で突いてつぶす。
- 表面全体が半熱ほどになったら、奥側の卵を持ち上げて手前に向けて、4つ折りほどに折り返すように焼く。
- もう一度、卵焼き器に油を薄くひき、焼いた卵を奥側へ動かす。
- 卵液がなくなるまで、工程の3〜6を繰り返す。
- 形を整え、食べやすい大きさに切る。
- 器に盛ってC、完成。
あおさの栄養を手軽に摂る方法
あおさは、料理にふりかけることでも手軽に食べられます。
あおさをかける料理といえば、お味噌汁を想像する方も多いのではないでしょうか?
あおさは、味の主張が強くないため、さまざまな食べ物にほどよくマッチしてくれます。
ぜひ、チェックしてみてください。
ふりかけ
白ごはんに乾燥あおさをかけるだけでも良いのですが、一手間加えて、あおさふりかけを作ってみてはいかがでしょうか。
乾燥あおさをフライパンに入れて弱火で炒り、塩胡椒などを混ぜるだけで、簡単にふりかけが作れます。
白ごはんにふりかけたり、混ぜ込みご飯にしておにぎりにしたりしてお使いください。
味噌汁
誰もが一度は食べたことがあるでしょう、あおさのお味噌汁です。
乾燥あおさでも生あおさでも、味噌汁に入れるだけでOKです。
味噌の味に磯の風味がマッチしていて、いつものお味噌汁に特別感をプラスできます。
時間がない時などは、豆腐だけのお味噌汁を作って、そこにあおさを入れるとよいでしょう。
手間もかからないので、忙しい朝などにおすすめです。
冷奴
こちらも、乾燥あおさでも生あおさでもマッチします。
生あおさは食感も楽しめるので、おすすめです。
冷奴にあおさをふりかけた後、ごまやちりめんじゃこをかけて、その上からめんつゆや醤油をかけると、栄養たっぷりな冷奴に大変身します。
納豆
意外かもしれませんが、納豆もあおさによく合います。
いつもの納豆に、乾燥あおさをかけるだけでOK。
納豆自体にも栄養がたっぷりと含まれているので、おすすめのメニューです。
あおさの栄養まとめ
ここまで、あおさに含まれる栄養素について紹介してきました。
あおさに含まれる栄養素の要点を、以下にまとめます。
- あおさは豊富な栄養素を含んでいる。特に、食物繊維やカルシウムが豊富。
- あおさには、腸内環境を改善したり、骨粗鬆症を予防したりする効能がある。
- あおさの卵焼きや、あおさの味噌汁など、手軽にあおさを食べられるレシピがおすすめ。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。