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健達ねっと>健康お役立ち記事>嚥下>喉トレーニングで摂食嚥下機能を高めよう!効果的な方法を詳しく解説

喉トレーニングで摂食嚥下機能を高めよう!効果的な方法を詳しく解説

喉トレーニングというものをご存じでしょうか。
ボイストレーニングとは違って、嚥下をしやすくするものです。
加齢によって喉の筋肉が弱くなると、誤嚥などのリスクが高まります。

本記事では喉トレーニングについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 喉トレーニングにはどのようなメリットがあるのか
  • 喉トレーニングをするときの注意点とは
  • 喉トレーニングのやり方とは

喉トレーニングについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

摂食嚥下訓練とは

私たちは、普段何気なく食事をしていますが、そのとき必ず「飲み込む」動作をします。
飲み込むためには、さまざまな筋肉や神経が連動して行われます。
ところが、40歳前後から飲み込むための筋力が衰え始めます。
そして60歳を超えるあたりから、さらに急激に衰えて摂食嚥下障害を起こします。

摂食嚥下訓練によって飲み込みにくさを改善したり、誤嚥を避けることができます。
摂食嚥下訓練には「間接訓練」と「直接訓練」があります。
間接訓練は食べ物を使わずに、舌、口のまわりの筋肉を鍛える方法です。
直接訓練は、実際に食べ物を使って行う訓練です。

喉トレーニングは、間接訓練にあたるトレーニング方法です。
食べ物を口にしないので、窒息などの心配もありません。
安全にトレーニングすることができ、コツをつかめば自宅でも簡単にできます。

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喉トレーニングのメリット

喉トレーニングにはどのようなメリットがあるのでしょう。

誤嚥の危険性が少ない

嚥下障害がある方は、リハビリテーション施設で摂食嚥下訓練が行われます。
専門の職員が見守る中で行われる訓練も多く、とくに直接訓練には注意が必要です。
なぜなら、窒息の危険性もあるためです。

喉トレーニングは、間接訓練です。
食べ物を口にせず、口や喉の動きによって筋肉をトレーニングするので誤嚥の危険性が少なく安全です。

咽頭残留も少なく安全

摂食嚥下において咽頭期は食べ物を食道に送り込む段階です。
ところが嚥下障害のある方は、咽頭部分で食道に食塊を送り込めません。
咽頭期は「ごっくん」と飲み込む嚥下反射で、摂食嚥下の中でも最も重要な段階です。

咽頭残留があると、何かの拍子に食道ではなく気管に侵入し誤嚥になる危険性が高まります。
喉トレーニングは、食べ物を使ったトレーニングではありません。
そのため、咽頭残留の危険性もなく安心して行えます。

食べ物を使わないので窒息の危険性も少ない

嚥下障害の訓練では、食べ物を使わない間接訓練と食べ物を使う直接訓練があります。
喉トレーニングは間接訓練ですから、食べ物は使いません。
そのため食べ物が詰まったり、気管に入ったりせず、窒息の危険性もほとんどありません。

筋力が鍛えられる

喉トレーニングのメリットは、嚥下をスムーズに行えるように筋力が鍛えられます。
喉トレーニングでの筋肉強化は、食べるためだけではありません。
表情筋を鍛えて笑顔をつくることや、おしゃべりをすることにもメリットがあります。

筋肉は、動かすほどリハビリになります。
喉トレーニングによって、いろいろな筋肉がバランスよく協力し合う動きへと改善されます。

誤嚥性肺炎のリスクを下げられる

肺炎は、日本人の死亡原因の3位になります。
とくに高齢者の死亡原因の多くが、誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎は、嚥下障害によって食べ物や唾液が気管に入り、そこで細菌が増殖して起こります。
もし異物が気管に入ってしまったとしても咳き込むことで排除できます。
しかし、喉の筋力が衰えると咳き込む力も弱く、異物を完全に排除できなくなってしまいます。
喉トレーニングは嚥下だけでなく、喉の筋力をアップして誤嚥性肺炎を防ぐメリットがあります。

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喉トレーニングをする際の注意点

喉トレーニングする際には、いくつかの注意点があります。

トレーニング前に口腔内に残渣がないかチェックする

喉トレーニングを開始する前に、口腔ケアの状態を観察します。
嚥下に問題を抱える方は、とくに口腔ケアが十分でないことも多いものです。
口腔内に残滓がある場合は、喉トレーニング中に残滓を誤嚥してしまうリスクがあります。

喉トレーニングをする前に、複数回嚥下を繰り返しましょう。
また、残滓があると声がガラガラと湿った声になることもあるので、注意しましょう。

負荷をかけすぎないようにする

筋トレは、ある程度の負荷をかけることによって筋肉を鍛えるものです。
そのため喉トレーニングも、まったく負荷をかけずに行っては意味がありません。

とはいっても、最初から無理な負荷をかけるのはかえって逆効果です。
弱った筋力に応じた小さな負荷から始め、徐々に負荷を高めていきましょう。

対象者の摂食嚥下レベルに合うトレーニングを行う

摂食嚥下では、人それぞれ嚥下状態が異なります。
嚥下訓練では「食べ物の形態」「ひと口の量」の調整が必要になります。
レベルに合わせて「スライス型ゼリー丸飲み法」や「ストローピペット法」などのトレーニングを行います。

見守りながらトレーニングする

喉トレーニングは、自宅でも簡単にできるトレーニング方法です。
間接訓練なので、窒息といった心配はありません。
しかし、高齢者にとっては負荷のかかるトレーニングでもあります。
途中で、唾液が気管に入ってむせたりすることもあります。
家族がいる場合には、見守りながらトレーニングするのが安心です。

喉トレーニングをする最適なタイミング 

喉トレーニングをするタイミングはいつがいいのでしょう。

食事を食べる前

喉トレーニングをする一番良いタイミングは、食事を食べる前です。
喉トレーニングによって、口、頬を動かすことで唾液がよく出るようになります。
唾液によって、スムーズに嚥下することができます。

また、食事の前に喉トレーニングをすると、首や肩の緊張をほぐすことができます。
舌や喉の動きがスムーズになり、誤嚥防止にもつながります。

食事を終えた後

食事を終えた後は、すぐに横になると残滓がある場合には誤嚥の危険性があります。
残滓を防ぐためにも、嚥下を繰り返すなどのトレーニングをするといいでしょう。
口腔内のケアをしっかり行うことも大切です。

空いた時間にする

喉トレーニングは、道具の必要のないトレーニングです。
いつでもどこでもできるというメリットがあります。
たとえば、お風呂でリラックスしながらトレーニングするのもいいでしょう。
テレビを見ながらの「ながらトレーニング」でもOKです。
できるだけ空いた時間にこまめにトレーニングしましょう。

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喉トレーニングのやり方7選

具体的な喉トレーニングを紹介しましょう。
空き時間に、毎日継続することが大切です。

喉上げ体操

喉上げ体操とは、これまで無意識でおこなってきた「飲み込み」を意識的に行うことで飲み込む力をアップするトレーニングです。

1. 少量の水を飲み込んで口の中の様子を感じ取りましょう。
たとえば、のどぼとけが上に動く、舌が上あごにくっつくなど

2. 少量の水を力を入れて飲み込みましょう。
ごっくんするときに喉の筋肉が硬くなるなど、力強く飲み込んだときの違いを感じましょう。

3. 飲み込んで3~5秒ほど止めましょう。
水を飲み込んだら、力を入れたまま止めます。
のどぼとけが上がったまま、ごっくんするときに筋肉が硬くなったままであることを意識しましょう。

あご持ち上げ体操

物を飲み込むときには、さまざまな筋肉が連動して動きます。
そのなかでも「舌骨上筋群」を鍛えることで、飲み込む力を維持します。
あご持ち上げ体操は、舌骨上筋群を鍛えるのに効果的な体操です。

1. 下を向いてあごを引き、両手の親指を自分のあごの下に入れます。

2. 親指であごを持ち上げ、それに逆らうようにあごを下げます。

3. 押し合うような状態を5秒間キープしましょう。
      これを5~10回繰り返します。

舌出し体操

舌出し体操は、口のまわりの筋力低下を予防するトレーニングです。
毎日10分ほど、空いた時間で行うと誤嚥を防ぐことができるようになります。

1. アッカンベーをするように舌を前に突き出したまま1分間キープしましょう。

2. 舌を前に突き出す、奥に引っ込めるを1分間繰り返しましょう。

舌出し体操をすることで、舌の筋肉の収縮維持、弛緩と収縮の繰り返しをします。
それぞれ筋肉の動きが違っているのがわかるでしょう。
舌だし体操を交互に5セット行います。
途中で疲れたら、休みながらでもOKです。

タオルストレッチ

誤嚥しないためにも、呼吸筋を鍛えることは大切です。
気管に異物が入ったとき、呼吸筋を鍛えておけば、勢いよく吐き出すことができます。

1. タオルを用意しましょう。

2. 肩幅の広さに両足を開き、タオルも肩幅の広さで両手に持ちます。

3. ゆっくりと息を吸いながら両腕を頭の上まで持ち上げます。

4. 息を吐きながら両腕を下に下げます。

5. 両腕を上に持ち上げ、肘を伸ばした状態で右側に倒していきます。
      このとき、左の体側が伸びていることを意識しましょう。

6. 元に戻し、今度は左側に倒していきます。
      一連の運動を10セット行いましょう。

カラオケ

カラオケで歌うことは、声帯トレーニングだけでなく喉トレーニングにもなります。
カラオケはあまり得意でないという方も、喉トレーニングだと思えば、がんばれるのではないでしょうか。

カラオケで歌うことは、呼吸のトレーニングにもなります。
肺活量を増やすことによって、誤嚥を防ぐこともできます。
大声で声を出すことは全身に力を入れることとなり、ストレスも解消できるでしょう。

朗読や音読

声を出すことでカラオケ同様、朗読や音読でも喉トレーニングになります。
飲み込む仕組みと声を出す仕組みは、ほぼ同じ器官を使って行われています。
1分間朗読や音読をするだけで、喉周辺の筋肉が鍛えられるのです。

普段から声を出して読む習慣を身につければ、吐き出す力を鍛えることができます。
食事前に1分間の朗読の習慣をつけましょう。
新聞の天声人語などは1分間の朗読にちょうどいいボリュームかもしれません。

あくび

あくびをするときは、舌とあごに力が入っていないものです。
そして、咽頭は意識しなくても下がったままの状態になっています。
この咽頭の下がることが、喉トレーニングには重要なポイントとなります。
咽頭を下げることによって、飲み込むための舌やあご、喉まわりの筋肉をストレッチします。

薬の使い方

喉トレーニングまとめ

ここでは、喉トレーニングについて紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。

  • 喉トレーニングは、誤嚥、窒息の危険が少なく、誤嚥性肺炎の予防になる
  • 喉トレーニングの注意点は、無理せず個人のレベルに合ったトレーニングをする
  • 喉トレーニングのやり方とは「喉上げ体操」「あご持ち上げ体操」「舌出し体操」など

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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