歯周病は現代病の1つに数えられる病気です。
歯周病は感染症ですが、どのようなことが原因で感染するのでしょうか。
また、歯周病の感染を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
本記事では、歯周病の感染について以下の点を中心にご紹介します。
- 歯周病はキスで感染する?
- 歯周病を予防するには
- 歯周病の主な症状とは
歯周病の感染について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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歯周病とは
歯周病とは、細菌によって歯肉に炎症が起きた状態です。
症状が進行すると、歯を支える骨が溶けて、歯がぐらぐらしたり抜けたりすることもあります。
歯周病を引き起こす菌は歯周病菌と呼ばれています。
歯周病菌は多くの場合、歯と歯茎の間から歯肉の中に侵入します。
歯周病は虫歯と異なり、痛みなどの自覚症状があらわれないことも多いです。
そのため気づかないうちに症状が進行し、「気づいたときには歯が抜けた」というケースも少なからずみられます。
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歯周病はキスをすると感染するの?
歯周病はキスで感染することがあります。
理由は、歯周病菌は唾液にも含まれるためです。
キスでは高確率で互いの唾液が交わるため、歯周病菌も一緒に口内に侵入してきます。
つまり、唾液が交わるような行為であれば、キス以外でも歯周病の感染は起こり得ます。
代表的なのは食器の使い回しです。
歯周病の方とは、カトラリー・皿・コップの使い回しをするのはやめましょう。
もちろん飲み物の回し飲みや、食べ物の交換も歯周病の感染リスクを高めます。
歯周病の方がいるご家庭では、食器やコップの使い回しに特に注意しましょう。
歯周病に感染したからといって、必ずしも発症するとは限りません。
ただし、感染していない方に比べると発症リスクが高くなる点には留意してください。
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歯周病の感染を防ぐには?
歯周病の家族・パートナーがいる方は、歯周病の感染を100%防ぐのは困難です。
たとえばパートナー同士であれば、キスなどのスキンシップを止めることは難しいでしょう。
では、歯周病を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
答えは、歯周病を発症させないことです。
歯周病菌を保有している方でも、適切な予防策をとれば発症を防ぐことは可能です。
ここからは、歯周病の発症を防ぐための方法をご紹介します。
歯磨きをする
歯周病予防に大切なのは第1に歯磨きです。
より厳密には、丁寧な歯磨きを心がけてください。
歯磨きの目的は歯垢(プラーク)の除去です。
歯垢とは簡単にいえば、歯周病菌の巣です。
歯磨きで歯垢を除去するためのポイントは、歯と歯茎の間を磨くことです。
歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間にあてて、優しく丁寧に磨きましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると、より精度の高い仕上がりに近づけます。
歯磨きの仕方に不安がある方は、歯科医院などで指導を受けるのもおすすめです。
免疫力を高める
歯周病を予防するには免疫力を高めることも大切です。
歯周病菌と戦うのは免疫細胞であるためです。
免疫機能を高める方法の1つは生活習慣の見直しです。
たとえば次のようなポイントに注意してください。
- 栄養バランスのよい食事
- 質のよい睡眠
- 適度な運動
- ストレスの解消
日頃からビタミンCを意識して摂取するのもよい方法です。
ビタミンCは免疫細胞の成分の1つであるためです。
ビタミンCには、歯周病による歯茎のダメージを修復する作用も期待できます。
水分補給をする
実は水分補給も歯周病予防に重要です。
口内の乾燥は歯周病菌の増殖を招くためです。
特に普段から口が渇きやすい方は、こまめに水分で口内を潤すようにしてください。
ちなみに、水分とは水がベストです。
反対に避けたいのはコーヒー・紅茶・ジュースなどの嗜好品です。
嗜好品は歯のエナメル質をすり減らしたり、歯の表面に着色汚れが付着したりしやすいためです。
エナメル質の減少・着色汚れは、いずれも歯周病を悪化させる要因です。
できれば水分補給の際は、お茶ではなく水を飲みましょう。
もし嗜好品を口にした場合は、こまめに口をすすぐと、着色汚れなどを防ぎやすくなります。
他に感染症予防に必要なことは?
歯周病予防に役立つその他のポイントをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
食生活に気を付ける
歯周病を予防するには日々の食生活に気をつけることが大切です。
まず前提として、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
偏った食事は糖尿病などの生活習慣病の原因となるためです。
生活習慣病は身体の免疫力低下を引き起こすため、間接的に歯周病のリスクを高めます。
また、歯周病予防のためには次のような食事も避けましょう。
理由とあわせてご覧ください。
- 柔らかいもの:唾液が出にくいため、口内が乾燥しやすくなる
- 甘いもの:雑菌の栄養になる
- 酸っぱいもの:歯を溶かす
柔らかいもの・甘いもの・酸っぱいものを100%避ける必要はありません。
ただし、歯周病リスクを下げるには、できる限り頻度を少なくすることが大切です。
反対に、積極的に摂取したいのは乳製品・緑黄色野菜・小魚などです。
乳製品などにはカルシウムが含まれるためです。
カルシウムは骨だけでなく、歯の原料としても使われます。
歯の健康を保つためにも、カルシウムの多い食品を摂りましょう。
禁煙をする
たばこは歯周病の発症・重症化リスクを高めます。
歯周病予防の観点からは、たばこはやめるのがベストです。
たばこが歯周病を悪化させる理由は主に2つあります。
1つめは、たばこに含まれるニコチンが関係しています。
ニコチンには血管を収縮させて血行を悪化させる作用があります。
歯茎の血行が悪くなると、酸素や栄養が歯肉・歯に行き渡りにくくなります。
すると歯肉の抵抗力が弱くなるため、歯周病菌への耐性も弱くなってしまいます。
2つめの理由はヤニです。
たばこに含まれるヤニが歯の表面に付着すると、雑菌が繁殖しやすくなります。
さらにたばこはドライマウスを引き起こす原因にもなりえます。
唾液の分泌が少なくなるため、歯垢が付着しやすくなったり、雑菌が繁殖しやすくなったりします。
口腔習癖を改善する
歯周病は、普段の何気ないクセが原因で起こることもあります。
歯周病を引き起こしやすいクセとしては、次が代表的です。
- 食いしばり
- 歯ぎしり
- 口呼吸
食いしばりや歯ぎしりは歯茎に大きなダメージを与えて、炎症を起こすことがあります。
口呼吸は口内が乾燥しやすくなるため、雑菌の繁殖を招きます。
口腔習癖がある方は、歯周病リスクを下げるためにもできるかぎり改善しましょう。
しかし普段のクセは自分では気づきにくいため、周囲に気になる点がないか確認するのがおすすめです。
口回りのクセを発見するには、歯科医のチェックを受けるのも1つの方法です。
歯周病の主な症状
歯周病の主な症状は次の通りです。
【歯茎の症状】
- 歯が長くなった(歯茎が下がった)
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎を押すと血・膿が出る
【歯の症状】
- 歯がぐらぐらする
- 歯が自然に抜けた
- 歯が浮いている
【口全体の症状】
- 口臭
- 起床後に口の中がネバネバする
- 歯磨き後に歯茎から出血している
歯周病は初期には自覚症状があらわれないことも多いです。
つまり自覚症状が多いほど、歯周病が進行している可能性が高いです。
気になる症状がある場合は、数・程度にかかわらず、すぐに歯科医を受診してください。
歯周病になってしまったら
歯周病になった場合は、歯科医で治療を受けることが大切です。
治療内容は個人差がありますが、一般的には次のようなものです。
【軽度の場合】
- 歯垢・歯石の除去
- かみ合せの調整
- 口内ケア・歯磨き指導
【重度の場合】
- 外科手術
歯周病は再発する可能性があります。
再発を防ぐには、治療完了後も定期的に歯科医院を受診してメンテナンスを受けることが大切です。
歯周病は遺伝するの?
歯周病自体は遺伝しません。
ただし、歯周病になりやすい体質は遺伝します。
どのような体質が歯周病になりやすいとは一概にはいえません。
そのため、家族に歯周病患者がいる場合は、念のため定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。
1つの家族内で歯周病患者が多い場合は、原因として生活習慣も考えられます。
たとえば歯周病リスクは、食事の内容によって左右されることが少なくありません。
家族内では同じ食事を摂ることも多いため、そのぶん歯周病リスクは高くなりがちです。
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歯周病について知っていることは?
歯周病は現代病とも呼ばれるほど発症者が多い病気です。
そのため、歯周病という病名を耳にしたことがある方も多いでしょう。
それでは、歯周病についてもっと具体的に知っている方はどれくらいいるのでしょうか。
下記は、科研製薬が行った歯周病の意識調査の結果です。
- 歯周病の発生場所を正しく認識している方:13.6%
- 歯周病の好発年齢を正しく認識している方:76.8%
- 歯周病の発症原因を正しく認識している方:(原因別に)10.4%~65.2%
上記の結果からは、歯周病自体は知っていても、具体的な内容はあまり周知されていないことが分かります。
歯周病は気づかないうちに重症化することも多い病気です。
歯周病の発症・重症化を予防するには、正しい知識を持って、日頃から予防対策をとることが大切です。
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歯周病の感染まとめ
ここまで歯周病の感染についてお伝えしてきました。
歯周病の感染の要点を以下にまとめます。
- 歯周病は唾液を介して感染するため、キス・食器の使い回し・回し飲みなどで感染するおそれがある
- 歯周病を予防するには、丁寧な歯磨きや規則正しい生活、免疫力をあげることが大切
- 歯周病の主な症状とは、口臭・歯茎の腫れ・歯茎の出血・歯がぐらぐらするなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。