レバーは貧血に良い食品と昔から言われています。
レバーは貧血以外にも多くの効果があり「栄養の宝庫」とも言われます。
ではレバーに含まれる栄養素にはどのようなものがあるでしょうか?
また、レバーで得られる効果には貧血以外にどのようなものがあるのでしょうか?
本記事ではレバーの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- レバーの種類について
- レバーの特徴について
- レバーに含まれる栄養について
- レバーで得られる効果・効能について
レバーの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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レバーの種類と特徴
レバーには以下のような種類があります。
牛レバー | 豚レバー |
鶏レバー | 白レバー |
それぞれの特徴についてご紹介します。
牛レバー
牛レバーには以下のような特徴があります。
- とろりとしたやわらかい肉質
- 火で熱を加えると身が締まる
- 風味が濃くて独特の食感がある
- 下処理が不十分だと血の味が残ったり生臭さが残る
豚レバー
豚レバーには以下のような特徴があります。
- 低脂肪で高タンパク
- 新鮮な豚レバーは表面にツヤがあり弾力が牛レバーよりしっかりしている
- コレステロールが高め
鶏レバー
鶏レバーには以下のような特徴があります。
- きめ細かくしっとりとした食感
- 牛レバーや豚レバーに比べてクセが少ない
- 調理では焼きすぎずあぶる程度が良い
白レバー
白レバーには以下のような特徴があります。
- 鶏の脂肪肝で通常の鶏レバーよりも栄養を多く含む
- 色はピンクがかった乳白色
- 舌ざわりはフォアグラに似た濃厚さとまったり感がある
- 臭みがなく繊細な味わい
- 希少品
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レバーに含まれる栄養
レバーには以下のような栄養素が含まれています。
鉄分 | ビタミンA |
ビタミンB1 | ビタミンB2 |
葉酸 | 亜鉛 |
それぞれの栄養素の概要とレバーに含まれる含有量をご紹介します。
鉄分
鉄分は必須ミネラルの1つです。
鉄分は赤血球を作る成分になり、全身に酸素を運ぶ役割を担っている栄養素です。
体内に取り込まれた鉄分は肝臓や膵臓、骨髄などに貯蔵鉄としても蓄えられます。
レバーに含まれる鉄分は吸収率が高いヘム鉄に分類されます。
レバーの鉄分はタンパク質と結合して十二指腸から空腸上部で効率良く吸収されます。
鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になります。
鉄欠乏性貧血になると身体が重い、息が切れる、疲れやすいなどの症状があらわれます。
レバーに含まれる鉄分の量は以下の通りです。
【レバー可食部100gあたりの含有量(mg)】
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
鉄分 | 4.0 | 13.0 | 9.0 |
出典:文部科学省【食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)対応)】
ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンの1つで、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称です。
ビタミンAはレチノールとしてレバーなどの動物性食品から摂取できます。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜の健康維持や抵抗力強化の働きがある栄養素です。
ただしビタミンAは脂溶性で体内に蓄積しやすいので過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンAが不足すると
- 薄暗い所でものが見にくくなる
- 皮膚や粘膜の乾燥、肥厚、角質化
- 小児の成長障害
などの症状があらわれます。
レバーに含まれるビタミンAの量は以下の通りです。
【レバー可食部100gあたりの含有量(μg)】
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
ビタミンA | 1100 | 13000 | 14000 |
出典:文部科学省【食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)対応)】
ビタミンB1・B2
ビタミンB1は水溶性ビタミンの1つでチアミンという化合物です。
ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変えるのに必要な栄養素で消化管で吸収されます。
糖質を多く摂ったり運動をよくする人はビタミンB1の不足に注意が必要です。
エネルギーの産生により多くのビタミンB1が必要になるからです。
ビタミンB1が不足すると
- 食欲不振
- 疲労
- だるさ
- 脳や神経への障害
などの症状があらわれます。
ビタミンB2も水溶性ビタミンでリボフラビンという化合物です。
ビタミンB2は特に脂質をエネルギーに変えるのに必要な栄養素です。
また、ビタミンB2は消化管で吸収され皮膚や髪、爪などの再生に役立つ発育促進の栄養素です。
ビタミンB2が不足すると
- 成長期の子供の成長障害
- 皮膚や粘膜の機能障害(口内炎、口角炎、舌炎、角膜炎など)
などの症状があらわれます。
レバーに含まれるビタミンB1・B2の量は以下の通りです。
【レバー可食部100gあたりの含有量(mg)】
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
ビタミンB1 | 0.22 | 0.34 | 0.38 |
ビタミンB2 | 3.0 | 3.6 | 1.8 |
出典:文部科学省【食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)対応)】
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の1つです。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球を作る働きがあります。
また、細胞の生産や再生を助けるため、特に胎児の発育にとっては重要な栄養素です。
葉酸が不足すると
- 胎児の神経管閉鎖障害や無脳症(母体の葉酸不足による)
- 悪性貧血(成長期の子供)
- 動脈硬化のリスクが高まる
などの症状があらわれます。
レバーに含まれる葉酸の量は以下の通りです。
【レバー可食部100gあたりの含有量(μg)】
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
葉酸 | 1000 | 810 | 1300 |
出典:文部科学省【食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)対応)】
亜鉛
亜鉛は必須ミネラルの1つで体内では作ることができません。
亜鉛は身体の成長と維持に欠かせない栄養素で以下のような作用に関わっています。
- 200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化
- ホルモンの合成や分泌の調整
- DNAの合成
- タンパク質の合成
- 免疫反応の調節
- 味蕾細胞の産生
亜鉛が不足すると
- 成長障害(タンパク質やDNAの合成に影響)
- 味覚障害
- 貧血
- 皮膚炎
- 免疫力低下
など様々な症状があらわれます。
レバーに含まれる亜鉛の量は以下の通りです。
【レバー可食部100gあたりの含有量(mg)】
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
亜鉛 | 3.8 | 6.9 | – |
出典:文部科学省【食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)対応)】
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レバーで得られる効果・効能
レバーで得られる効果・効能を3つ挙げます。
それぞれの効果・効能について以下にご紹介します。
貧血予防
レバーは貧血予防に良いと昔から言われています。
貧血の多くは鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血です。
レバーが貧血に良い理由には
- 鉄分の含有量が多い
- ヘム鉄のため吸収率が高い
- レバーに含まれる動物性タンパク質が野菜の非ヘム鉄の吸収を助ける
- タンパク質と結合してヘモグロビン合成に必須の酵素を作る銅を含む
などがあって、貧血予防に大変効果的な食品です。
特にレバーと鉄分を多く含む野菜と合わせた料理は鉄分の供給に大変効果的です。
鉄分を多く含む野菜には以下のようなものがあります。
- パセリ
- 小松菜
- ほうれん草
皮膚や目の健康を保つ
レバーには皮膚や目の健康を保つ栄養素のビタミンAを多く含んでいます。
ビタミンAの主要成分のレチノールには以下のような働きがあります。
- 皮膚や目の粘膜の健康を保つ
- 薄暗いところで視力を保つ
- 上皮細胞で発がん物質の効果を軽減する
またビタミンAはビタミンCやビタミンEとともに抗酸化作用を持つ栄養素です。
レバーとビタミンCやビタミンEを多く含む緑黄色野菜と一緒に摂ると効果的です。
疲労回復
レバーは疲労回復に効果のあるビタミンB群を豊富に含んでいます。
エネルギーの産生にはビタミンB群が欠かせません。
特にビタミンB1は炭水化物を分解してエネルギーを産生し、疲労回復に効果を発揮します。
レバーの調理方法と注意点
レバーは、その栄養価の高さから多くの料理に使用されます。
しかし、その調理方法や保存方法には注意が必要です。
特に、レバーの臭みを取るための下処理や、栄養素を損なわない調理法が重要となります。
また、食材としてのレバーは衛生面での配慮が必要となります。
レバーの調理法
レバーの調理法はその種類によりますが、一般的には炒め物や揚げ物がおすすめです。
また、レバーの臭みを取るためには、塩水や牛乳に漬ける下処理が効果的です。
特にレバニラ炒めはレバーとニラの栄養素が相互に高まる効果があります。
レバーの保存方法と注意点
レバーの保存方法は、栄養素を損なわないようにすることが重要です。
また、生のレバーを食べると場合によっては食材としての安全性に問題が生じる可能性があるため、適切な保存方法と調理法が必要です。
冷蔵保存の場合は、購入後すぐに冷蔵庫で保存し、2-3日以内に調理することが推奨されます。
冷凍保存の場合は、購入後すぐに冷凍し、解凍後はすぐに調理することが重要です。
レバーを使ったレシピ
レバー料理のレシピを2つご紹介します。
貧血予防に☆味付け簡単おいしいレバニラ
【材料(1人分)】
- レバー 少々
- ニラ 少々
- 片栗粉 少々
- 焼き肉のタレ 少々
- 油 やや多め
【作り方】
- レバーをスライス
- 片栗粉をまぶす
- フライパンにやや多めに油をひいて揚げ焼きにする
- ある程度火が通ったらニラを投入
- 蓋をして少し蒸し焼きしてしっとりしたら焼き肉のタレを投入
- 出来上がり
【コツ・ポイント】
- 片栗粉をつけて揚げ焼きすることでパサパサ感をなくす
- 焼き肉のタレで味付け簡単
パパッと簡単に☆牛レバもやし炒め
【材料】
- 牛レバー スライスされたもの6枚
- 醤油 大さじ1/2
- 酒 大さじ1/2
- チューブ生姜 2センチ
- 片栗粉 大さじ1~適量
- もやし 1袋
- エリンギ 2本
- 鶏がらスープのもと 小さじ1
- 醤油 小さじ1/2
- 塩、こしょう 少々
- グリンピース 適量
【作り方】
- もやしを洗い、水気をよく切っておく
- 牛レバーを食べやすい大きさに切る
- 牛レバー、醤油、酒、しょうがをビニール袋に入れてモミモミする
- 片栗粉を加えて、さらにモミモミする
- フライパンを加熱し、ごま油をひいて牛レバーを焼く
- 片面がこんがりしたらひっくり返し、火が通るまで焼く
- もやし、エリンギを入れ軽く炒めたら鶏ガラのもとを加え、ざっと混ぜる
- さらに、醤油を加え炒める
- レバーを戻し、軽く炒め、塩、コショウを少々かけて、味を調える
- 彩りのために、最後に茹でたグリンピースを加えてざっと炒めて完成
【コツ・ポイント】
- もやしはさっと炒めてシャキシャキ感をだす
- レバーは下味をつけて臭みをとれば美味しくなる
牛・豚レバーの生食は禁止されている
食品衛生法で牛・豚レバーの生食用の販売・提供は以下のように禁止されています。
- 牛レバーの生食用の販売・提供は平成24年7月より禁止
- 豚肉や豚レバーの生食用の販売・提供は平成27年6月より禁止
牛・豚のレバーは食中毒のリスクが高いからです。
厚生労働省は消費者に対して以下のような呼びかけを行っています。
- 「牛レバーは生で食べず、中心部まで十分に加熱して食べましょう」
- 「豚肉や豚レバーなどの内臓は生で食べず中心部まで、加熱して食べましょう」
どちらも「十分に火を通して調理する」ことがポイントです。
出典:厚生労働省【牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)】
レバーの栄養に関するよくある質問
Q:レバーはどのような栄養素が豊富に含まれていますか?
A:レバーは鉄分、ビタミンA、ビタミンB群(特にB12)、亜鉛など、多くの重要な栄養素が豊富に含まれています。
特に、鉄分は貧血の予防や治療に役立つとされています。
Q:レバーを食べることでどのような健康効果が期待できますか?
A:レバーは免疫力を向上させ、エネルギー産生を促進し、細胞の成長と修復を助け、視覚と皮膚の健康を維持するのに役立つ栄養素が豊富です。
また、鉄分が豊富なため、貧血の予防にも役立ちます。
Q:ビタミンAが過剰に摂取されるとどうなりますか?レバーにはビタミンAが多く含まれていると聞きます。
A:ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると体内に蓄積されてしまい、ビタミンA過剰症を引き起こす可能性がありま
す。
ビタミンA過剰症は頭痛、めまい、吐き気、皮膚の異常などの症状を引き起こす可能性があります。
Q:レバーはどのように調理すれば栄養を最大限に活用できますか?
A:レバーは過熱しすぎると栄養が失われやすいため、中火でゆっくりと加熱することがおすすめです。
また、ビタミンCと一緒に摂取すると、レバーに含まれる鉄分の吸収率が上がります。
Q:レバーは誰でも食べて良い食材ですか?
A:基本的には、レバーは誰でも食べることができます。
ただし、ビタミンAが多いため、妊婦は医師の指導の下で摂取するべきです。
また、鉄過剰症や銅過剰症の人も注意が必要です。
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レバーの栄養まとめ
ここまでレバーの栄養についてお伝えしてきました。
レバーの栄養についての要点を以下にまとめます。
- レバーには牛レバー、豚レバー、鶏レバー、白レバーの4種類がある
- 牛はやわらかな肉質、豚は低脂肪高タンパク、鶏はクセの少ないしっとり食感、白レバーは鶏レバーより高栄養だが希少品などの特徴がある
- レバーは鉄分、ビタミンA、ビタミンB1、B2、葉酸、亜鉛などを含む栄養の宝庫
- レバーには貧血予防、皮膚や目の健康を保つ、疲労回復などの効果・効能がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。