しょうがやにんにくは、香辛料や調味料としてよく利用されています。
中でもしょうがは、料理に利用したり、紅茶に入れたりなどアレンジができます。
では、しょうがにはどのような栄養があるのでしょうか。
本記事では、しょうがの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- しょうがの種類について
- しょうがに含まれる栄養とは
- しょうがで得られる健康効果とは
しょうがの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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しょうがの種類
しょうがには
- ひねしょうが
- 新しょうが
- 葉しょうが
- 矢しょうが
の4種類があります。
以下でそれぞれ具体的にご紹介いたします。
ひねしょうが
ひねしょうがとは、茶色くて固い一般的なしょうがのことをいいます。
ひねしょうがは貯蔵性が高いため、年間を通して流通しています。
風味や辛みが強いため、料理の薬味、香辛料として利用されています。
新しょうが
新しょうがは、一般的なしょうがよりも繊維質がやわらかく水分を多く含んでいます。
そのため、風味や辛みはひねしょうがよりもマイルドです。
新しょうがは、6~8月末頃にしか手に入りません。
みずみずしいシャキシャキとした歯ごたえを楽しめるので、生で食べるのがおすすめです。
葉しょうが
葉しょうがは、根茎がまだ小さいうちに葉が付いた状態で採ったものです。
新しょうがと同様に初夏に流通します。
辛みが少ないため、茎をつけたまま味噌につけて生で食べられます。
また、甘酢漬け、しょうゆ漬け、天ぷらにしても美味しく食べられるのでおすすめです。
矢しょうが
矢しょうがは葉しょうがの一種になります。
一般的な葉しょうがではなく、金時しょうがという品種で根茎が小さくやわらかい状態で収穫します。
焼き魚などのあしらいとして利用され、和食店などで添えられることが多いです。
茎が鮮やかな色をしているのが特徴です。
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しょうがに含まれる栄養
しょうがに含まれる栄養にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下でそれぞれみていきましょう。
ビタミンB1・B2
しょうが100gあたりにビタミンB1は0.03㎎、ビタミンB2は0.02㎎含まれています。
ビタミンは体の機能を正常に保つ働きがあり、免疫力を向上する効果があります。
ビタミンは体内ではほとんど合成されないため、食事から摂取する必要があります。
ビタミンB1は免疫力を向上する以外にも糖質の代謝に働きかけて、集中力が向上する効果が期待できます。
ビタミンB2は皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、免疫力向上につながります。
ビタミンC
しょうが100gあたりにビタミンCは2mg含まれています。
ビタミンCは水溶性ビタミンの1つで、メラニンの生成を抑制し、しみ・そばかすを予防します。
また、コラーゲンの生成と維持に関連したり、肉体疲労を回復させたりなどさまざまな効果があります。
ビタミンE
しょうが100gあたりにα−トコフェロールは0.1mg、γ−トコフェロール0.8 mg含まれています。
ビタミンEはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類のトコフェロールがあります。
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、生体膜の機能を正常に保つ働きや赤血球の溶血防止などの働きがあります。
ナイアシン
しょうが100gあたりにナイアシンは0.6mg含まれています。
ナイアシンとはビタミンB群の1つで、植物性食品、動物性食品のどちらにも含まれています。
しかし、形は少し異なり、植物性食品ではニコチン酸、動物性食品ではニコチンアミドとして存在しています。
ニコチン酸、ニコチンアミドはどちらも小腸で速やかに吸収されます。
葉酸
しょうが100gあたりに葉酸は8μg含まれています。
葉酸は水溶性のビタミンB群であり、ビタミンB12とともに赤血球を作るため、造血のビタミンといわれています。
また、DNA、RNAなどの核酸、タンパク質の合成を促し、細胞の生産と再生を助ける働きがあります。
とくに胎児の発育に重要な栄養であるため、女性は妊娠前~産後に摂取することがすすめられています。
カルシウム
しょうが100gあたりにカルシウムは12㎎含まれています。
カルシウムは主に小腸で吸収されます。
しかし、吸収率は成人の場合、20~30%となっており、あまり高くありません。
また、カルシウムは骨や歯の主要な成分になり、制帽の分裂・分化、血液凝固作用の促進などの働きがあります。
骨はおよそ3ヶ月のサイクルで、骨形成と骨吸収を繰り返しています。
男性では50代から、女性は閉経後に骨の形成量よりも吸収量の方が上回るため、骨量が減少してしまいます。
マグネシウム
しょうが100gあたりにマグネシウムは27㎎含まれています。
マグネシウムはミネラルの1つで、体内ではミネラルの中で7番目に多い成分です。
マグネシウムの主な働きは、骨や歯の成長や強化、酵素の働きを助けます。
カリウム
しょうが100gあたりのカリウムの含有量は270mgです。
カリウムはミネラルの1つで、ナトリウムを体外に排出しやすくする効果があります。
そのため、塩分を摂り過ぎた際に役立つ成分です。
そのほか、体液のpHバランスを保ったり、筋肉の収縮に関わったりなど、健康を維持するための役割があります。
リン
しょうが100gあたりのリンの含有量は25㎎です。
リンは骨や歯の正常な発達に欠かせない成分で、カルシウムとともに骨や歯を構成しています。
また、リンタンパク質などの生体内で重要な成分の構成として、さまざまな代謝に関与しています。
さらに、心臓や腎臓の機能維持や神経伝達にも関わっています。
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しょうがの働き
しょうがで得られる効果・効能には
- 冷え性の改善
- 殺菌効果
- 吐き気を抑える
- 胃を健康に保つ
- 炎症を抑える
- せき、のどの痛みの緩和
- コレステロール値、血圧の低下
- アンチエイジング効果
などがあります。
それぞれみていきましょう。
冷え性の改善
しょうがを摂ることで冷え性の改善が期待できます。
しょうがに含まれる成分であるガラノラクトン、辛み成分のジンゲロールは血管に届き、血管を拡張させる効果があります。
その結果、血流がよくなり、血行不良による冷え性、肩こり、体のこわばりなども改善できます。
血流がよくなることで血液がきれいになり、発汗、排尿、排便が促進されて不要なものが排出されやすくなります。
また、しょうがを加熱するとジンゲロールの一部がショウガオールという成分に変化します。
ショウガオールは、熱をつくり出す働きがある成分です。
ジンゲロールとショウガオールの2つの成分をもつひねしょうがは、新しょうがよりも体を温める効果があります。
さらに、体を温めることで関節の痛みを緩和できます。
腰や膝などの関節の痛みは、体の冷えが原因で起こることが多いです。
そのため、しょうがを摂ることで体を温めて、関節痛を緩和できます。
しょうがを食べると3~4時間の保温効果が持続します。
体温を1℃上げると、免疫力が30%上昇するといわれています。
殺菌効果
しょうがに含まれるジンゲロン・ショウガオールは、殺菌効果があります。
食中毒の予防だけでなく、風邪、気管支炎、肺炎などの原因となる細菌や水虫などの真菌にも殺菌効果が期待できます。
寿司や刺身に添えられているガリは、魚の臭みを消すだけでなく、食中毒の予防効果もあります。
吐き気を抑える
しょうがに含まれるジンギベレンは、胃腸の運動が活発になることで生じる二日酔いや吐き気を抑える効果があります。
二日酔いは、過剰に分泌された胃液が排出されずにいるために吐き気などが起きます。
しょうがの成分であるジンゲロール、ショウガオールは、胃腸の消化不良を改善して、吐き気を抑えます。
さらに、乗り物酔いなどによる吐き気にも効果があります。
胃を健康に保つ
しょうがは胃腸の内壁の血流をよくして、胃腸の働きを活発にし食べ物の消化吸収を助けます。
また、しょうがに含まれるジンジベインというタンパク質を分解する酵素は、胃腸の負担を軽減してくれます。
しょうがの成分であるジンゲロン・ショウガオールは、内臓の働きを活発にして食欲を増進させる働きがあります。
そのほか、しょうがには潰瘍を抑えて、胃潰瘍の原因であるピロリ菌を殺菌する効果も期待できます。
炎症を抑える
炎症や痛みなどの症状は、プロスタグランジンという物質が血中でつくられることにより生じます。
しょうがには、炎症や痛みを抑える働きがあるため、抗炎症作用や鎮痛作用があります。
また、しょうがを摂取するだけでなく、しょうが湿布やしょうが風呂などとして使用されています。
せき、のどの痛みの緩和
しょうがに含まれるガラノラクトン、ジンゲロールはせき、のどの痛みが緩和する効果が期待できます。
生のしょうがに含まれるジンゲロールは、抗炎症作用、殺菌作用、鎮痛作用があります。
すりおろしたしょうがを紅茶に入れたり、スライスしたしょうがをはちみつでつけたシロップを水で割るのがおすすめです。
コレステロール値、血圧の低下
しょうがには、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増えすぎたり、善玉コレステロールが少なくなったりすることを改善できます。
しょうがに含まれるジンゲロンは、脂肪燃焼を促す効果があります。
しょうがを摂ったあとに30分ほどウォーキングをすると、血行が促進されて脂肪燃焼が促進します。
さらに、メタボリックシンドロームの予防、改善にも効果が期待できます。
冷えの改善やメタボリックシンドロームの予防や改善にも役立ちます。
アンチエイジング効果
しょうがに含まれるショウガオールやジンゲロールは、抗酸化作用があります。
抗酸化作用は、老化の原因となる活性酸素を除去する効果があります。
体内で必要以上に活性酸素が増えると、細胞が正常に再生できなくなります。
その結果、老化や病気の原因となってしまいます。
しょうがを摂ることで、抗酸化作用により老化防止効果があります。
しょうがを使ったレシピ
しょうがを使ったレシピについてご紹介いたします。
ぜひ参考にしてください。
しょうが焼き
材料(4人分)
- 豚ロース、600g
- 薄力粉、大さじ2
- ごま油、大さじ2
- キャベツ、300g
- (A)すりおろししょうが、大さじ4
- (A)しょうゆ、大さじ4
- (A)砂糖、大さじ2
- (A)料理酒、大さじ2
つくり方
- 1 キャベツの芯を切り、千切りにします。
- 2 豚ロースに薄力粉をふるい、下ごしらえをします。
- 3 (A)をボウルに入れて混ぜ合わせてタレを作ります。
- 4 フライパンを中火で熱してごま油をひき、豚ロースの両面を焼き色が付くまで焼きます。
- 5 フライパンにタレを入れて、中火で炒めて豚肉にタレをからませます。
- 6 千切りにしたキャベツとしょうが焼きをお皿に盛りつけて完成です。
しょうが焼きは、材料がそれほど多くなく、手軽においしいおかずをつくれます。
上記の材料は4人分を想定しているため、人数に合わせて調整しましょう。
小松菜と厚揚げの生姜炒め
材料(2人分)
- 小松菜 (計80g)2株
- 厚揚げ (80g)1個
- 生姜、15g
- (A)しょうゆ、大さじ1
- (A)酒、大さじ1
- (A)みりん、小さじ1
- (A)鶏ガラスープの素、小さじ1/2
- (A)砂糖、小さじ1
- (A)ごま油、大さじ1
つくり方
- 1 小松菜の根元を切り、3cm幅に切ります。
- 2 厚揚げは3cm角に切ります。
- 3 しょうがは皮をむき、みじん切りにします。
- 4 ボウルに(A)、2を入れて混ぜ合わせます。
- 5 フライパンにごま油をひき中火で熱し、香りが立ったら1を加えて炒めます。
- 6 小松菜がしんなりしたら3を加えて煮詰め、火から下ろします。
- 7 器に盛り付けて完成です。
小松菜と厚揚げのしょうが炒めは、しょうがとゴマ油の風味がそそる炒め物です。
手軽な調味料で簡単につくれます。
もう一品欲しいときに副菜としてもおすすめです。
輸入しょうがに実施される検査
中国産の生鮮しょうがから農薬であるチアメトキサムが検出されました。
そのため、検疫所にて検査が実施されることになりました。
チアメトキサムの健康への影響がないとされる1日あたりの摂取量は、体重1kgあたり0.018mgです。
体重60kgの方がチアメトキサムが0.19ppm残留したしょうがを毎日5.7kg食べ続けたとします。
しかし、毎日5.7kg食べ続けても、平均的な摂取量が許容1日摂取量を超えないとされています。
そのため、健康へ悪影響を与える心配はありません。
しょうがの栄養まとめ
ここまで、しょうがの栄養の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- しょうがには、ひねしょうが、新しょうが、葉しょうが、矢しょうがある
- しょうがに含まれる栄養は、ビタミンB1、B2、C、E、ナイアシン、葉酸など
- しょうがで得られる健康効果には、冷え性の改善、殺菌効果、吐き気を抑えるなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。