日本では国民の3人に1人が花粉症であると言われており、花粉症に悩まされる方も多いかと思います。
そもそも花粉症はなぜ引き起こされるのでしょうか?
花粉症の正しい対処法はあるのでしょうか?
本記事では花粉症の正しい対処法について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症に効果的な食べ物とは
- 花粉症を解消する対応とは
- 花粉症と遺伝の関係とは
花粉症の対処法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは植物の花粉がアレルゲンとなってあらわれるアレルギー症状のことです。
「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれており、花粉が多い時期に症状が強くあらわれます。
花粉症の主な原因物質
花粉症の主な原因物質であるアレルゲンを以下にまとめます。
- スギ
- ヒノキ
- カモガヤ
- オオアワガエリ
- ブタクサ
- シラカンバ
花粉症の代表的な症状
花粉症の代表的な症状は以下の通りです。
- くしゃみ・鼻水・鼻づまり
- 目のかゆみ・涙・充血
- のどのかゆみ
- 皮膚のかゆみ
- 下痢
- 体熱感
上記のようなアレルゲンに接触することで症状が出現します。
何がアレルゲンになるかは人それぞれなので、検査することが大切になります。
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花粉症の対処法
花粉症の対処法について紹介していきます。
以下でいくつかの方法を説明していくので参考にしてください。
花粉を取り込まない
アレルゲンとなる花粉を体内に取り込まなければアレルギーは発症しません。
そのため、マスクやゴーグル、帽子などを用いて粘膜に花粉が付着しないようにすることが対策として挙げられます。
ただし、これらには限度があります。
粘膜を保湿することでバリア機能を上げることができます。
花粉が体内に入ったとしても過剰に反応しないような体調にしていくことも大切です。
花粉を持ち込まない
帰宅後には衣服や髪の毛についた花粉を払い、手洗い・うがいをして顔に付着した花粉を取るために洗顔することも大切です。
うがいの際には鼻うがいが効果的になります。
花粉が多く飛散する時期には、着用する衣服にも配慮をすることをおすすめします。
花粉の付着しやすいウール素材は避けてツルツルした生地のものを選びましょう。
花粉を滞留させない
花粉症の対処法としては、花粉を滞留させないことも大切です。
例えば、窓を少し開けて換気し、花粉を滞留させないなどです。
窓を開ける際にはレースのカーテンを使用することで外から花粉が入り込むことを避けられます。
また、花粉が多い日には窓を閉め、空気清浄機を活用することで花粉の飛散を防げます。
免疫力を高める
ストレスや体調不良は免疫力を弱め、花粉症が発症しやすい状態になります。
生活習慣を見直し、規則正しい生活やストレスをため込まない生活をして免疫機能が正常に働くように心がけましょう。
また、ビタミンを摂取することで免疫機能のバランスが整って花粉症の症状を改善することにつながります。
薬物療法
症状出現時には、症状に合わせて内服薬や点鼻薬、点眼薬などを使用して症状を緩和することが大切です。
花粉症で用いられる薬としては、
- 抗ヒスタミン薬
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬
- 抗ロイコトリエン薬
- 鼻噴霧用ステロイド薬
- 点鼻用血管収縮薬
などがあります。
アレルギー薬の中には眠気を誘発させるような薬もあります。
副作用が強い場合には、車の運転や飲酒などは控えるようにしましょう。
花粉症に効果のある食べ物は?
花粉症は免疫システムの異常で発症します。
対処法として、免疫機能が正常に働く食べ物を摂取することをおすすめします。
以下で実例を挙げながら説明していくので、参考にしてください。
乳酸菌
乳酸菌は腸内環境を整えるは働きがあり、免疫機能にも深い関わりがあります。
腸内細菌は外部から侵入した細菌などと戦ってくれます。
腸内環境が整えば花粉の侵入を防ぎ、侵入したとしても症状出現を予防してくれます。
乳酸菌が多く含まれる食べ物を以下で紹介します。
- ヨーグルト
- キムチ・漬物
- 納豆
- 味噌
- 乳酸菌飲料
- チーズ
ビタミンD
ビタミンDは骨を丈夫にする食べ物として知られていますが、免疫機能を正常にする働きもあります。
免疫機能が正常に働くことで、花粉症の予防や改善につながります。
ビタミンDを多く含む食べ物は以下の通りです。
- サーモン
- きくらげ
- 干しシイタケ
- カツオ
- サンマ
- シラス
食物繊維
食物繊維は水溶性と不溶性に分かれます。
中でも水溶性食物繊維は腸内にある善玉菌のエサとなるので、腸内環境を整える働きがあります。
水溶性食物繊維を多く含む食品を以下で紹介します。
- 海藻類(ワカメ、ひじき、昆布)
- らっきょう
- ごぼう
- ブロッコリー
- オクラ
- 大麦
- かぼちゃ
- キウイフルーツ
ポリフェノール
ポリフェノールには抗酸化作用があり、免疫機能を強化して抵抗力を高め、花粉症の発症を防ぐ効果があります。
また、花粉症のかゆみの症状の原因であるヒスタミン分泌を抑える効果もあるとされています。
ポリフェノールを多く含む食べ物を以下に挙げます。
- 赤ワイン
- ほうれん草
- 赤玉ねぎ
- チョコレート(カカオ)
- コーヒー
- こしょう
花粉症を解消する手術療法
花粉症の症状がひどい場合には、対処法として手術療法を検討することをおすすめします。
以下に花粉症を解消する手術療法を紹介していきます。
下甲介粘膜焼灼術(レーザー手術・アルゴンガス凝固術)
アレルギー性鼻炎では粘膜にアレルゲンが付着し、過剰に反応することで鼻水や鼻詰まりが発生します。
この反応を少なくして症状を改善できるようにするのが、下甲介粘膜焼灼術です。
炭酸ガスレーザーなどを用いて粘膜を少し焼くものになります。
この手術は侵襲が少なく、日帰りで受けられるので安心感があります。
後鼻神経切断術
鼻の粘膜でアレルギー反応が起こると、神経が刺激されてくしゃみが誘発されます。
アレルギー性鼻炎ではこの神経反応が過敏になっている状態なので、このくしゃみを誘発する神経を切断する術式になります。
全身麻酔で手術が行われ、一泊二日程度で退院できます。
手術の他にも花粉症はアレルゲン免疫療法が適応になることがあります。
舌下免疫療法
舌下免疫療法はアレルゲンを含む治療薬を舌の上に置き、アレルゲンに身体を慣らして、過敏に反応しないように体質改善する方法です。
アレルゲン免疫療法は100年以上の歴史を持つ治療法で、体質改善によってアレルギーの根治を望めるものになります。
花粉症が辛い時にはどうすれば?
次に花粉症で辛いときに自分でできる対処法を紹介していきます。
日常生活でも試せる方法なのでぜひ参考にしてください。
粘膜を冷やす
花粉症の症状として目のかゆみやまぶたの腫れがみられることがあります。
目がかゆいとついついこすってしまうこともあります。
こすることで目の粘膜や皮膚が傷つき、症状が悪化してしまうことがあるので注意が必要です。
このような辛い症状が出現したときの効果的な対処法としては、目を冷やすことをおすすめします。
目の粘膜を冷やすことで、かゆみの原因となっているヒスタミンの異常分泌を抑えてかゆみを軽減させることができます。
外出先から帰宅した際には、手洗い・うがいや洗顔をして家に花粉を持ち込まないようにすることが大切です。
そのあとにタオルを冷水で濡らしたり、保冷剤を用いたりして目を冷やしましょう。
保湿をする
花粉症の症状が出現しているときは、普段よりも粘膜がただれて敏感な状態になっていることが多いです。
そのため、喉や鼻の乾燥を予防して粘膜を守り、炎症を抑えることが大切になります。
花粉症の対処法としておすすめの軟膏としては、「ワセリン」が挙げられます。
ワセリンは天然成分由来であり、全身に使用することができます。
アレルギー反応が起きにくいものになるので、敏感肌の方にもおすすめです。
鼻の周りや鼻の粘膜部分、目の周りなどに塗布して使用すると良いです。
鼻の粘膜に塗る場合には、綿棒などを使用すると塗布しやすいです。
なお、目の中には入らないように注意してください。
ツボを押す
花粉症の主な症状として鼻水・鼻詰まりなどが挙げられます。
サラサラとした鼻水が止まらず、鼻詰まりが悪化すると副鼻腔炎を発症することも珍しくありません。
このような不快症状を緩和させる対処法としては、ツボを押すことがおすすめです。
以下でツボを紹介します。
迎香(げいこう)
迎香は小鼻のすぐ横にあるツボです。
名前の通り、鼻詰まりを改善することで香りを迎えられるようにするツボです。
痛みを感じない程度の強さでゆっくりと押すことがポイントになります。
鼻通(びつう)
鼻通は迎香の少し上の小鼻の両脇にあるツボです。
こちらも名前の通り、鼻の通りを良くするツボになります。
人差し指を使って垂直にゆっくりと押すことで効果が期待できます。
花粉症は遺伝する?
花粉症は遺伝するのか気になるところだと思います。
さまざまな意見はありますが、製薬会社が実施したある調査結果によると、父親よりも母親からの遺伝の影響が高いという結果が出ています。
これは0〜16歳の子どもを持つ親に行われたアンケートによるもので、両親共に花粉症の場合に花粉症が遺伝する確率は、43.2%という結果が出ています。
所説ありますが、この調査結果から花粉症は遺伝するということがわかります。
花粉症対策は発症してからで大丈夫?
花粉症対策はいつから行えば良いのか迷われる方も多いかと思います。
結論としては、花粉症の症状が本格的に出てからでは遅いので、発症前から対策していくことが大切です。
このように早めに治療を開始することを「初期療法」と呼びます。
鼻アレルギー診療ガイドラインでも初期療法がすすめられており、早めの対策が大切になります。
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雨の日は花粉症の心配がない?
雨の日は花粉症の心配がないと思われている方も少なくないかと思います。
雨の日は花粉が落ちるので、晴れた日に比べると花粉症の症状は出現しにくくなります。
雨が上がると落とされた花粉が舞い散ってより飛散するので、注意が必要になります。
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実際に行われている花粉症対策は?
実際に行われている花粉症対策について紹介していきます。
以下に室内と室外で実際に行われた対策の調査結果をまとめます。
【室内の場合】
- 窓を開けない:35.3%
- 空気清浄機の設置:33.1%
- シャワーを浴びる:16.7%
- 掃除機の使用:6.5%
- 専用クリーナー:1.7%
- その他:6.7%
【室外の場合】
- マスクの着用:69.8%
- 薬を服用する:19.3%
- ゴーグルや専用メガネの装着:5.1%
- ポータブル空気清浄機の使用:1.4%
- その他:4.4%
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花粉症の対処法まとめ
ここまで花粉症の対処法についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 花粉症に効果的な食べ物は、乳酸菌やビタミン、食物繊維は花粉症対策に効果的である
- 花粉症を解消する対応には手術療法がおすすめである
- 花粉症は遺伝的な要素が強い
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。