花粉が飛散する時期に、花粉症に悩まされる方も多いでしょう。
花粉症と風邪は症状が似ているため、間違われることもよくあります。
花粉症の症状とは、一体どのようなものなのでしょうか。
本記事では、花粉症の症状について以下の点を中心にご紹介します。
- 主な花粉症の症状とは
- 花粉症の症状を軽減するには
- 花粉症の症状の予防方法
花粉症の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、植物の花粉が原因でアレルギー症状が出ることです。
より具体的には、身体の免疫反応が花粉に過剰反応することで、さまざまな症状が出る状態を指します。
代表的な花粉症の症状は鼻水・くしゃみなどです。
主な原因としては、スギ・ヒノキなどの花粉が挙げられます。
日本人の約30%が花粉症と指摘されています。
出典:厚生労働省【平成22年度花粉症対策|厚生労働省】
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花粉症の主な症状
主な花粉症の症状を部位別にご紹介します。
心当たりがないか、ぜひチェックしてみてください。
鼻の症状
鼻は、特に花粉症の症状が出やすい部位です。
主な症状は次の通りです。
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
くしゃみ・鼻水が出るのは、花粉を体内から押し出そうとしているためです。
花粉症での鼻水は透明でサラサラしていることが一般的です。
鼻づまりがひどくなると、集中力を阻害されて家事・勉強・仕事に支障が出ることもあります。
目の症状
目も花粉症の症状が出やすい部位です。
具体的な症状は次の通りです。
- 充血
- 涙
- かゆみ
- 目やに
- かすみ
涙が出るのは、目についた花粉を押し流すためだと考えられています。
かゆみ症状などの原因は、身体の免疫機能が花粉に過剰反応するためです。
のど・口の症状
のど・口にも花粉症の症状が出ることがあります。
具体的な症状は次の通りです。
- かゆみ
- 痛み
- イガイガ
- 乾燥
かゆみ・痛みなどは、花粉がのどの粘膜に付着して炎症を起こすためです。
乾燥の原因は、鼻づまりによって口呼吸が増えるためと指摘されています。
頭の症状
稀にですが、頭部に花粉症の症状が出ることもあります。
具体的な症状は次の通りです。
- 頭痛
- 発熱
- 意識がボーッとする
- 顔のほてり
風邪の症状と似ていますが、風邪に比べると軽度であることが多いです。
体調不良
全身に花粉症の症状があらわれることもあります。
たとえば次のような症状が代表的です。
- 倦怠感
- イライラ
- 悪寒
- 不眠
- 下痢
- かゆみ
上記のような症状は、風邪と間違われることもあります。
花粉症を治療するには
花粉症の症状に悩まされている場合は、我慢せずに医療機関を受診するのも1つの方法です。
花粉症の代表的な治療法をご紹介します。
出典:厚生労働省【的確な花粉症の 治療のために(第2版)】
薬物療法
薬物療法は花粉症の代表的な治療法です。
薬物療法の目的は、薬剤を用いて花粉症の症状を抑えることです。
よく利用されている薬剤は次の通りです。
- 抗ヒスタミン薬
- ステロイド薬
- 漢方薬
- 注射薬
初期症状には経口薬が用いられることが一般的です。
重症の場合は、鼻噴霧用薬などが用いられることもあります。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、アレルギー物質に身体を慣らしていく方法です。
具体的には、花粉を少しずつ体内に取り込んでいきます。
花粉を少しずつ体内に取り込むと、免疫機能が花粉を異物とみなしにくくなります。
すると身体の防御機能が働かないため、アレルギー症状が出にくくなります。
代表的なアレルゲン減免療法は舌下免疫療法です。
舌下免疫療法は、アレルギー物質を含む薬を一定時間舌の下で溶かし、その後飲み込む方法です。
手術療法
花粉症の症状がひどい場合は手術が選択されることもあります。
手術療法は、特に鼻水症状がひどい場合に用いられることが一般的です。
代表的な手術療法は次の通りです。
- 下鼻甲介粘膜焼灼術:鼻の粘膜をレーザーで焼く
- 後鼻神経切断+粘膜下下鼻甲介骨切除術:鼻水を出す神経系を切断する
- 後鼻神経凍結手術:鼻水を出す神経を凍らせる
医院によっては、日帰り手術を実施しているところもあります。
個人でできる治療方法は?
花粉症の症状はセルフケアで対応できる場合もあります。
主な方法をご紹介します。
粘膜を冷やす
目・鼻のかゆみがひどい場合は、粘膜を冷やすと軽減されることがあります。
たとえば冷たいタオルで目をまぶたの上から冷やしてみましょう。
鼻を冷やす場合は、左右の小鼻を片方ずつ氷などで冷やしてください。
時間は1分が目安です。
冷やしすぎるとかえって鼻づまりが悪化することがあるため、注意してください。
ちなみに、鼻づまり症状はホットタオルなどで鼻を温めると軽減されやすくなります。
保湿をする
肌・のどのかゆみには保湿が有効です。
具体的には、乾燥を防いでください。
肌の保湿にはクリームなどが有効です。
クリームは花粉付着の原因となることもあるため、衣服・手袋などで肌を覆うとなおよいでしょう。
のどの保湿には、マスクの着用・加湿器の利用がおすすめです。
洗う
花粉症対策では、とにかく皮膚・粘膜についた花粉を落とすことが大切です。
可能な範囲で、うがい・手洗い・鼻うがいなどに取り組みましょう。
ツボを押す
鼻水・鼻づまりの軽減にはツボ押しも有効です。
鼻に効く代表的なツボは次の通りです。
- 迎香(げいこう):左右の小鼻のすぐ横のくぼみ
- 鼻痛(びつう):左右の小鼻の付け根
ツボをおすときは、左右の人差し指でゆっくり押してください。
力加減は「痛いけれど気持ちいい」くらいの強さが適当です。
市販の薬を服用する
花粉症の治療薬には、市販薬もあります。
ドラッグストアなどで探してみてください。
よりご自身にあった薬を選ぶためにも、購入時は薬剤師に相談することが望ましいです。
花粉症を予防するには
花粉症は、しっかり予防対策を取ることで、症状を軽減できます。
代表的な予防方法をご紹介します。
出典:環境省【Ⅲ . 花粉症の予防と治療】
マスクや眼鏡をする
第1に大切なのは、花粉を体内に入れないことです。
ちなみに花粉は、目・鼻・口などから侵入します。
つまり花粉の侵入を防ぐには、目・鼻・口を守ることが大切です。
具体的にはマスク・サングラスなどを付けましょう。
帽子の着用も花粉症予防に有効です。
花粉は髪にも付着するためです。
なにげなく髪に触れた手で鼻や目をこすると、花粉が体内に侵入することもあります。
帰宅したら花粉を落とす
自宅内に花粉を持ち込まないようにしましょう。
たとえば、帰宅時には玄関の外で上着を払うなどするのがおすすめです。
花粉シーズンは、帰宅したらすぐに洗髪・洗顔をすることも大切です。
生活習慣を改善する
花粉症予防には生活習慣の見直しも大切です。
花粉症は身体の免疫機能が下がると起こりやすくなるためです。
免疫力を上げるためにも、規則正しい生活習慣を見直しましょう。
たとえば次のようなポイントを心がけてください。
- 質のよい睡眠
- 栄養バランスのよい食事
- 適度な運動
- ストレスの解消
食生活を改善する
免疫力を高めるためにも、食生活を改善しましょう。
大前提として大切なのは、栄養バランスのよい食事です。
次のような栄養素・食材は特に免疫力アップに役立ちます。
積極的に食卓に取り入れてみましょう。
- 食物繊維:きのこ類・海藻類・根菜
- 発酵食品:ヨーグルト・味噌・納豆・チーズ
- DHA・EPA:青魚
- ビタミンD:きのこ類
花粉症予防に効果がある飲み物は甜茶(てんちゃ)です。
甜茶には、アレルギー症状を誘発する物質の合成を妨げる効果があります。
風邪とアレルギーの症状の違い
風邪とアレルギー(花粉症)は症状がよく似ており、間違われることもあります。
適切な治療を行うためにも、症状の原因が風邪なのか花粉症なのかを見極めることが大切です。
風邪とアレルギー症状の見分け方の例を次にまとめました。
花粉症 | 風邪 | |
鼻水 | 透明・サラサラしている | 初期はサラサラ・次第に粘り気が出る |
くしゃみ | 連続して出やすい | 冷たい空気などを吸い込んだときに単発で出やすい |
鼻づまり | ある | ある |
目のかゆみ | ある | ない |
発熱 | ない(稀に微熱) | ある |
咳 | 稀にある | ある |
のど | イガイガ・かゆみ | 痛み・腫れ |
身体・筋肉の痛み | ない | ある |
時間帯での症状の変動 | ある(朝・花粉の飛散量が多いときに出やすい) | ほとんどない |
9月でも症状が出るのはなぜ?
花粉症といえば春のイメージがあります。
しかし、花粉症は9月~10月にかけて発症することもあります。
秋の花粉症の原因の多くは、ブタクサ・ヨモギ・イネ科の植物などです。
花粉症は春・秋以外で起こることもあります。
花粉は季節・種類を問わずに飛んでいるためです。
ことさら敏感な方であれば、季節に関係なく花粉症を患うことはありえます。
ちなみに、秋のアレルギー症状は花粉以外の可能性があります。
代表的なのはハウスダスト・ダニの死骸です。
特にダニは、夏に増殖して秋に死滅する傾向があります。
つまり秋はダニの死骸が大量に発生する時期であるため、アレルギー症状が出やすいのです。
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花粉症の症状で辛いことは?
花粉症は鼻・目を中心にさまざまな症状があらわれます。
症状がひどい場合は、日常生活に支障をきたすこともあります。
リンナイ株式会社の調査によると、花粉症の方が最も辛い症状は鼻水・鼻づまりでした。
次いで辛い症状は目のかゆみです。
特に症状が辛いと感じるのは昼間の時間帯です。
具体的には、仕事・勉強中に辛いと感じる方が多い結果となりました。
次いで症状が辛い時間帯は朝の起床直後です。
起床直後に症状がひどくなる現象は、花粉症の「モーニングアタック」と呼ばれています。
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花粉症の対処法まとめ
ここまで花粉症の症状についてお伝えしてきました。
花粉症の症状の要点を以下にまとめます。
- 主な花粉症の症状とは、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなど
- 花粉症の症状を軽減するには、医療機関で治療を受けることが大切
- 花粉症の症状の予防方法は、マスクなどを活用して花粉を体内に入れないことや、免疫力をアップさせることが大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。