花粉症で目のかゆみの症状は大変不快なものです。
目のかゆみの症状は目の充血、涙とあわせて花粉症の目の三大症状の一つです。
花粉症に良く効く目薬にはどのようなものがあるでしょうか?
市販の目薬を買うときにはどのような点に注意すれば良いでしょうか?
本記事では花粉症の目薬について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症に効果的な目薬について
- 市販の目薬を選ぶ際のポイントについて
- 目がかゆいときにできるセルフケアについて
花粉症の目薬について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉を原因とするアレルギー症状をいいます。
花粉が原因のアレルギー症状にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
花粉症は医学的にはアレルギー性鼻炎のうちの「季節性アレルギー鼻炎」に分類されます。
花粉症の症状は目と鼻にあらわれやすく、目の場合は
- かゆみ
- 充血
- 涙
が三大症状としてあらわれます。
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花粉症に効果的な目薬
花粉症に効果的な目薬を以下に3つ挙げます。
- 抗アレルギー点眼薬
- ステロイド点眼薬
- 免疫抑制点眼薬
それぞれの概要と病院での処方薬についてご紹介します。
抗アレルギー点眼薬
抗アレルギー点眼薬について概要と処方薬を以下にまとめます。
【概要】
抗アレルギー点眼薬はアレルギー性結膜炎のかゆみや充血を抑える点眼薬です。
アレルギー性結膜炎は花粉などを原因として目の結膜に起こるアレルギー反応です。
アレルギー反応はヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出され、目の神経や毛細血管を刺激して症状があらわれます。
抗アレルギー点眼薬は主にヒスタミンの働きを阻害することで抗アレルギー作用をあらわします。
【処方薬】
抗アレルギー点眼薬の処方薬には以下のようなものがあります。
ゼペリン点眼液0.1% | ケタス点眼液0.01% |
アレジオンLX点眼液0.1% | アレルギー点眼液0.05% |
パタノール点眼液0.1% | ザジテン点眼液0.05% |
ステロイド点眼薬
ステロイド点眼薬について概要と処方薬を以下にまとめます。
【概要】
ステロイド点眼薬は目の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎など)を抑える点眼薬です。
ステロイドは以下のような作用をあらわします。
- 抗炎症作用(体内の炎症物質を抑える作用)
- 抗アレルギー作用(体内の免疫反応を抑える作用)
ステロイド点眼薬はステロイドをもとにした薬剤成分を含む点眼薬です。
【処方薬】
ステロイド点眼薬の処方薬には以下のようなものがあります。
フルメトロン点眼液0.02% | フルメトロン点眼液0.1% |
サンテゾーン点眼液0.02% | サンテゾーン点眼液0.1% |
オルガドロン点眼液0.1% | リンデロン点眼液0.1% |
免疫抑制点眼薬
免疫抑制点眼薬について概要と処方薬を以下にまとめます。
【概要】
免疫抑制点眼薬はアレルギー性結膜炎の中で「春季カタル」の諸症状を抑える点眼薬です。
春季カタルは花粉などでまぶたの裏側がはれたりする症状です。
免疫抑制点眼薬は免疫反応に作用して免疫細胞からのヒスタミンなどの放出を抑えます。
【処方薬】
免疫抑制点眼薬の処方薬には以下のようなものがあります。
- パピロックミニ点眼液0.1%
- タリムス点眼液0.1%
市販の目薬を選ぶ際のポイント
市販の目薬は以下の成分の両方もしくはどちらかが含まれているものがおすすめです。
- 抗アレルギー成分
- 抗ヒスタミン成分
それぞれの成分について説明します。
抗アレルギー成分
抗アレルギー成分にはアレルギー反応で起こる症状を緩和する働きがあります。
抗アレルギー成分がヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝導物質の放出を抑制するからです。
抗アレルギー薬の代表的な成分には以下の2つがあります。
- クロモグリク酸ナトリウム
- アシタザノラスト水和物
抗ヒスタミン成分
抗ヒスタミン成分にはアレルギー反応で起こる症状を緩和する働きがあります。
抗ヒスタミン成分は放出されたヒスタミンの受容体への結合をブロックします。
花粉症の目の症状はヒスタミンが目にあるヒスタミン受容体に結合して起こるからです。
抗ヒスタミン薬の代表的な成分には以下の2つがあります。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ケトチフェンフマル酸塩酸塩
目薬の正しい使い方と保管法
目薬の正しい使い方と保管法について以下の3つをご紹介します。
- 正しい使い方
- コンタクトレンズ使用時の場合
- 保管方法
正しい使い方
正しい目薬の使い方には以下の2つの方法があります。
【基本の点眼方法】
- 手をせっけんで洗い流水で良く流す
- 下まぶたを片方の手で軽く下にひき、1滴を確実に点眼する
- 点眼時に、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないように注意する
- 点眼後はまばたきをせずにまぶたを閉じる
- あふれた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで軽くふき取る
- まぶたを閉じたまま1~5分待つ、もしくは涙嚢部を指先で軽く押さえる
【げんこつ法】
- 手をせっけんで洗い流水でよく流す
- キャップを外し点眼液を持ち、開いた方の手はげんこつを作る
- げんこつを点眼する方の下まぶたにあて、軽く下にひく
- げんこつの上に点眼液側の手を置き、1滴を確実に点眼する
- 以下は基本の点眼方法と同じ
点眼について以下のような注意が必要です。
- 手術後の場合は点眼後は傷口に触れないようにまぶたを閉じるだけにする
- 医師や薬剤師の指示がある場合は指示に従った方法とすること
コンタクトレンズ使用時の場合
コンタクトレンズ使用時の場合は、レンズの種類ごとに以下の注意が必要です。
【ハードコンタクトレンズ】
レンズを装着したままで点眼が可能で、一般に点眼薬の種類は問いません。
【ソフトコンタクトレンズや酸素透過性コンタクトレンズ】
コンタクトレンズを装着したままで点眼すると以下のような懸念があります。
- レンズに目薬の成分や保存剤が吸着していき目に刺激を与える
- レンズの性状に影響を与える
装着時に使用可能な人工涙液タイプ(防腐剤を含まない)の目薬を使うようにしましょう。
その他の点眼薬を使う場合は、コンタクトレンズを外してから点眼をします。
点眼後の再装着には5分以上の間隔を開けるのが望ましいでしょう。
保管方法
点眼後の目薬の保管は以下の点に注意しましょう。
- しっかりキャップをして付属の袋に入れて保管する
- 保存場所は直射日光の当たるところは避けなるべく涼しい場所で保管する
- 保存の指示(遮光保存や冷所保存)がある場合は指示に従うこと
- 夏場に自動車内への放置はしない
目がかゆいときにできるセルフケア
目がかゆいときにできるセルフケアについて以下の3点をご紹介します。
人工涙液で目を洗う
目がかゆいときに人工涙液で目を洗うのは特にアレルギー性のかゆみに有効です。
人工液で目を洗うと、花粉などの異物を一緒に洗い流すことができます。
一方、水道水での洗眼は塩素などが含まれているためあまりおすすめできません。
目の周りを洗う(拭う)
目を洗う際には、目の周りも一緒に洗うか拭うのが良いでしょう。
目の周りを洗うことで、周りの皮膚の汚れや付着した花粉が目に入らないようにできます。
目を冷やす
タオルなどで目を冷やすのも目のかゆいときのセルフケアとして有効です。
以下のような方法があります。
- 清潔なタオルを流水に浸して冷やして使う
- 清潔なタオルで保冷剤を包んで目に当てて使う
空気清浄機・加湿器の使用
自宅で空気清浄機や加湿器を使うのも花粉症で目のかゆみを抑える方法になります。
また、花粉やホコリ、ダニを除去できる空気清浄機を使うのが有効な対策です。
加湿器も一緒に使えば、空気中に浮遊した花粉を床に落とす効果も期待できます。
空気清浄機には加湿器と一体になったタイプもあります。
花粉症に効く目薬以外の薬
花粉症に効く目薬以外の薬を以下に3つご紹介します。
第二世代抗ヒスタミン薬
第二世代抗ヒスタミン薬の概要、特徴、代表的な薬剤名を以下にまとめます。
【概要】
抗ヒスタミン薬にはヒスタミンが受容体と結合するのをブロックする働きがあります。
ヒスタミンが結合する前に受容体と結合しブロックすることでアレルギー反応を抑えます。
第1世代抗ヒスタミン薬の副作用を軽減したもので現在は第2世代抗ヒスタミン薬が主流になっています。
【特徴】
- 最も使用されている薬
- 第1世代抗ヒスタミン薬に比べ少ない副作用(眠気や口渇、便秘、排尿障害、眼圧上昇など)
- 第1世代抗ヒスタミン薬に比べて高効果、持続性に優れている
- 抗ヒスタミン薬作用のほかの作用(鼻づまりなど)に効くのも多数あり
- 飲み薬のほか鼻噴霧用薬や点眼薬あり
- ほかの病気の薬との飲み合わせに注意が必要
【代表的な薬剤名】
- アゼプチン
- アレジオン
- アレロック
- ザジテン点鼻
- アレジオン点眼
抗ロイコトリエン薬
抗LTs薬(抗ロイコトリエン薬)の概要、特徴、代表的な薬剤名を以下にまとめます。
【概要】
鼻粘膜の炎症や鼻づまりを引き起こす化学伝達物質のロイコトリエンの働きを阻害する薬です。
【特徴】
- 主に鼻づまりに効果を発揮する
- 鼻水、くしゃみにも効果あり
- 眠くならない
- 副作用として吐き気や腹痛、胃部不快感、下痢などの症状があらわれる場合がある
- 頻度は極めて稀であるが血小板減少、肝機能障害の症状があらわれる場合がある
【代表的な薬剤名】
- オノン
- キプレス
- シングレア
化学伝達物質遊離抑制薬
遊離抑制薬の概要、特徴、代表的な薬剤名を以下にまとめます。
【概要】
抗原抗体反応が起きてもマスト細胞から化学伝達物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)の遊離を抑える薬です。
マスト細胞(肥満細胞)は抗原と反応してアレルギー反応を起こす細胞です。
【特徴】
- 薬を連用することで改善率が上昇する
- 十分な効果が出るのに1〜2週間かかる(効果がマイルド)
- 飲み薬のほか鼻噴霧用薬あり
- 副作用が比較的少ない
- 眠気がない
【代表的な薬剤名】
- リザベン
- ソルファ
- アレギサール
- ぺミラストン
- インタール点鼻
花粉症の目薬のまとめ
ここまで花粉症の目薬についてお伝えしてきました。
花粉症の目薬についての要点を以下にまとめます。
- 花粉症の点眼薬には抗アレルギー性やステロイド、免疫抑制点眼薬が効果的
- 市販の目薬選定のポイントは抗アレルギー成分や抗ヒスタミン成分を含むこと
- 目がかゆいときできるセルフケアには人工涙液の使用や目の周りの洗浄、目を冷やす、空気清浄機・加湿器の利用など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。