関節痛とは、関節の周りで生じる痛みのことをいいます。
主に膝、肘、手指や手足の関節などに関節痛が生じます。
では、関節痛の対処法にはどのようなことがあるのでしょうか。
本記事では、関節痛の対処法について以下の点を中心にご紹介します。
- 関節痛の対処法とは
- 熱のある・なしで変わる関節痛の対処法について
- 日頃から意識で関節を予防する方法
関節痛の対処法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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関節痛とは
関節痛とは、関節の周りで生じる痛みのことをいいます。
膝、肘、手指や足指の関節、手首、腰などに多く発症し、中でも膝の痛みが多くなっています。
関節の表面を覆っている軟骨が、加齢、肥満、ゆがみなどが原因ですり減ることで関節に痛みが起こります。
関節に変形や炎症を起こすことを変形性関節症といいます。
そのほか、普段あまり運動していない方が急に運動したり、過度な運動により関節に痛みが生じることがあります。
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関節痛の3つの対処法
関節痛の3つの対処法には
- ストレッチをする
- 市販薬を使う
- 病院で受診する
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
ストレッチをする
関節痛の対処法は、ストレッチが効果的です。
ストレッチをするとじん帯や筋肉がしなやかになり、柔軟性が増します。
柔軟性をつけることで、関節を囲む筋肉のバランスが整い、動きがスムーズになります。
また、柔軟性が不足している状態は関節痛の原因となります。
痛みが軽いうちは、無理のない範囲でストレッチを行うことで、痛みが和らぐことがあります。
ストレッチで柔軟性を高めることは、すでに起きている関節痛への対処と痛みの発生を予防できます。
市販薬を使う
2つめの関節痛の対処法は、市販薬を使うことです。
市販薬には、内服薬と外用薬があります。
痛みが強いときは、痛み止めといわれる消炎鎮痛剤を服用することで、痛みを軽くできることがあります。
しかし、消炎鎮痛剤は長期間服用すると、消化器官への副作用があらわれることがあります。
そのため、ビタミン剤や滋養強壮剤がおすすめです。
ビタミン剤には、神経を修復する働きがあるビタミンB群や血行促進に関わるビタミンEなどの成分が含まれています。
ビタミンのほかには、軟骨に弾力性や保水性を与えるコンドロイチンが含まれている商品もおすすめです。
外用薬には、湿布、テープ剤などの貼り薬、塗り薬があります。
外用薬を使用することで、炎症を抑えて、痛みを和らげる効果が期待できます。
湿布が最も広く使用されていますが、関節のような動く場所に貼るときは、薄い湿布や塗り薬が適しています。
病院で受診する
3つめの関節痛の対処法は、病院で受診することです。
関節の痛みを取るために、湿布を使ったり、消炎鎮痛剤を服用したりすることで改善されることもあります。
しかし、市販薬を服用しても痛みが改善されない場合は、整形外科などを受診しましょう。
病院では、MRIやレントゲンなどの検査を行い、痛みの原因をみつけられます。
痛みの原因がわかることで、適切な治療を受けられます。
関節痛の原因が関節リウマチや変形性膝関節症などの疾患による可能性もあります。
痛みだけでなく、こわばりや腫れなどの症状がみられるときには病院を受診しましょう。
熱のある・なしで変わる関節痛の対処法
熱のある・なしで変わる関節痛の対処法は変わります。
- 患部に熱がある場合
- 患部に熱がない場合
に分けてご紹介いたします。
患部に熱がある場合
患部に熱がある場合の対処法には、以下のようなことがあります。
- 安静にする
- 冷やす
- 高くあげる
打撲などで患部に熱がある場合は、横になるなど無理に膝を動かさないように安定させましょう。
また、患部に熱があるときは、すぐに冷やすことで痛みや腫れを抑えることができます。
しかし、急に冷やすと皮膚にダメージを与えてしまうこともあるため注意しましょう。
冷やす方法は、袋に氷と少量の水を入れてタオルで包み、患部に優しく当てます。
そのほか、膝を心臓より高い位置に上げるようにします。
心臓より高い位置に上げると、患部に血液が流れないようになるため、腫れの悪化を抑えられます。
患部に熱がない場合
患部に熱がない場合の対処法は、温めることが有効です。
寒い季節になると、体内の熱が逃げないように血管が収縮します。
血管が収縮した状態が長く続くと、体温が低下して関節や末端などが冷えを起こします。
患部の冷えを取るためには、お風呂でゆっくりと全身を温めるのがおすすめです。
全身が温まることで血管が拡張し、その結果、関節痛が和らぎます。
また、患部をサポーターなどで保護することも効果的です。
そのほか、軽いストレッチなどを習慣にすることで、血流が改善されます。
ストレッチをして、関節周りの緊張やコリを解消していくことで冷えづらい身体になります。
無理のない範囲で筋トレを行い筋力をアップすることも、筋肉が熱を作り冷えを抑えてくれます。
関節痛の治療方法
関節の治療方法には、保存療法と薬物療法があります。
以下でそれぞれみていきましょう。
保存療法には
- 薬物療法
- 関節腔内注射
- 運動療法
などがあります。
保存療法は、変形性膝関節症の治療としてまず行われます。
保存療法とは手術ではない治療方法という意味があります。
消炎鎮痛剤の服用、ヒアルロン酸注射などが保存療法にあたります。
薬物療法
薬物療法は、抗炎症や痛み止めの内服または、患部への塗り薬の塗布により炎症と痛みを抑えます。
痛みが軽い場合は、1~2週間程度服用し、塗り薬で症状が治まることがあります。
また、飲み薬は痛みの緩和に効果をあらわしますが、副作用の心配があるため、長期間の使用はおすすめできません。
関節腔内注射
関節腔内注射は大きく分けて、鎮痛作用と炎症抑制効果のあるステロイド、ヒアルロン酸の2種類があります。
ステロイドは強い薬のため、痛みへの即効性があります。
しかし、繰り返し使用すると副作用の心配があるため、頻繁には使用できません。
ヒアルロン酸注射は、定期的に使用することで関節痛の痛みを和らげます。
症状が進行すると、ヒアルロン酸注射では痛みを抑えられなくなります。
運動療法
運動療法では筋トレやストレッチを行い、筋肉をつけることで関節への負担を軽減します。
とくに、太ももの前部の筋肉である大頭四頭筋を鍛えることで、膝の安定性が高まります。
また、過度な運動や関節の状態に適さない運動は逆効果になることもあります。
そのため、自宅で行う場合は医師や理学療法士に相談しましょう。
手術療法は、保存療法を継続しても症状の改善がみられない場合、関節の変形が進行してしまった場合などに手術を行うことがあります。
手術としては骨切り術、人工関節置換術などがあります。
しかし、骨切り術や人工関節置換術は大きな手術になるため、身体に大きく負担がかかることがデメリットとなります。
日頃から意識で関節痛を予防する
日頃から意識で関節痛の予防法について
- 適度な運動
- 体重のコントロール
- 正しい姿勢を意識する
- 関節を冷やさない
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
適度な運動
関節に痛みがあるからといって、あまり関節を動かさずにいると、筋肉が衰えて動きが悪くなります。
その結果、関節痛が起こりやすくなります。
何歳になっても元気に歩けるように、普段から適度な運動を心がけましょう。
また、鍛えた筋肉が固まってしまわないように、簡単なストレッチ、定期的な水中ウォーキングなどの有酸素運動もおすすめです。
体重のコントロール
変形性膝関節症になる原因の1つに肥満があります。
体重が3kg増えると歩行時に約9kg、階段の昇り降りは約15~21kgも膝への負担が増えるとされています。
そのため、適切な体重コントロールを行うことが関節痛の予防になります。
体重をコントロールするために、普段から栄養バランスの取れた食事と適度な運動をしましょう。
正しい姿勢を意識する
急な動作や無理のある姿勢は関節に負担をかけてしまいます。
そのため、正しい姿勢を意識することが大切です。
膝関節に痛みがある方は、急に立ち上がったり、歩いてる途中に急に止まったりすると負担がかかるため避けましょう。
また、床に座るときも焦らずにゆっくりと座るようにします。
床に座るより、椅子に座った方が膝への負担を軽くできます
関節を冷やさない
間接を冷やすと、周りの筋肉や腱がこわばり硬くなり、血行が悪くなることがあります。
その結果、筋肉疲労が起こることがあります。
そのため、関節は冷やすことなく温めることが大切です。
関節を温めるには、普段の入浴で温めたり、膝を温める効果のあるサポーターなどを利用しましょう。
関節痛の有訴者率と通院率
病気やけがなどで自覚症状のある方の割合を症状別にみると、男性では腰痛が最も高くなっています。
次に肩こり、せきやたんなどの症状があります。
女性では肩こりが最も高く、次に腰痛、手足の関節が痛む割合が高くなっています。
ともに、腰痛や手足の関節が痛むなどの関節痛が上位を占めています。
また、通院している方は人口1,000人当たり390.2人となっています。
通院率を性別でみると、男性は372.5人、女性は406.6と女性の方が高くなっています。
関節痛の対処法のまとめ
ここまで、関節痛の対処法の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 関節痛の対処法とは、ストレッチをする、市販薬を使う、病院で受診するなど
- 熱のある・なしで変わる関節痛の対処法は、熱がある場合は冷やして安静にするなど
- 日頃から意識で関節を予防する方法は、適度な運動、体重のコントロール正しい姿勢を保つなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。