アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどが原因でくしゃみ、鼻水などの症状がでる病気です。
アレルギー性鼻炎には、季節性と通年性の2種類があります。
では、アレルギー性鼻炎にはどのような症状、検査、治療方法があるのでしょうか。
本記事では、アレルギー性鼻炎について以下の点を中心にご紹介します。
- アレルギー性鼻炎とは
- アレルギー性鼻炎の検査方法とは
- アレルギー性鼻炎の治療方法とは
アレルギー性鼻炎について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アレルギー性鼻炎とはアレルゲンへの過敏症状
アレルギー性鼻炎とは、アレルゲンが鼻の粘膜から侵入して免疫反応が起こることをいいます。
免疫反応が起こると、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状がみられます。
アレルギー性鼻炎には、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎があり、両方を併用している方もいます。
また、アレルギー性鼻炎をもつ子どもが増加している傾向にあり、アレルギー性鼻炎発症が低年齢化しています。
さらに、子どもがアレルギー性鼻炎を発症した場合、症状を上手く伝えられないことが多いです。
そのため、鼻をこすったり、口呼吸になったりして症状に気付くことがあります。
アレルギー性鼻炎のメカニズム
アレルギー性鼻炎のメカニズムは
- アレルゲンが体内に入り、異物を食べる細胞であるマクロファージが食べて、その情報をリンパ球へ伝える
- 情報を得たリンパ球は異物と認識して、次に攻撃ができるように抗体を作る
- 再びアレルゲンが入ると、アレルゲンと抗体は結合する
- アレルゲンと抗体が結合することで、炎症を起こしヒスタミンなどの化学伝達物質により、くしゃみ、鼻水などを起こす
アレルギーは、異物に対して起こる防御反応です。
アレルギー性鼻炎は、ハウスダスト、花粉、カビ類、動物の毛などのアレルゲンに対して、過敏反応を起こします。
アレルギー性鼻炎の特徴
アレルギー性鼻炎の特徴は、風邪を引いたわけでもないのにくしゃみ、鼻水などの症状がでることです。
病院へ受診するとアレルギー性鼻炎と診断されます。
アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎の2種類があります。
通年性アレルギー性鼻炎の主な原因はハウスダストで、年間を通してアレルギー症状があらわれます。
中でもダニが多く、ダニ以外には猫や犬などのペットなどがアレルゲンとなります。
季節性アレルギー性鼻炎の主な原因は、ヒノキ、スギ、ブタクサなどの花粉です。
季節性アレルギー性鼻炎は、一定の季節の間だけアレルギー症状があらわれます。
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アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎の症状には
- くしゃみ・鼻水型
- 鼻づまり(鼻閉)型
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
くしゃみ・鼻水型
くしゃみ・鼻水型は、頻繁にくしゃみ・鼻水などの症状があらわれます。
くしゃみや鼻水は、鼻の中の異物を体外へ排出するための体の反応です。
鼻水は、水のようにサラサラした水っぽい鼻水がほとんどです。
くしゃみや鼻水の症状があり、熱やだるさなどがなければアレルギー性鼻炎の可能性があります。
また、鼻水に粘り気があったり、色のついた鼻水だったりする場合は、ほかの原因が考えられます。
鼻づまり(鼻閉)型
鼻づまり型とは、鼻の粘膜が腫れることで空気の通り道を狭めている状態をいいます。
口を閉じたり、鼻が詰まっていない方を押さえたりすると、呼吸がしにくくなります。
風邪を引いたわけでもないのに鼻が詰まる場合は、アレルギー性鼻炎の可能性があります。
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アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎の原因として多いのが花粉です。
成人の患者のおよそ90%が花粉症といわれています。
中もでも多いのがスギ花粉症で、次にイネ科花粉症、ブタクサ花粉症の順になっています。
ほかにもアレルギー性鼻炎を引き起こす花粉は、一年を通して飛んでいます。
アレルギー体質の方は、年間を通して何かしらの花粉症の症状に悩まされている方もいます。
アレルギー性鼻炎の原因となるハウスダストやカビは、身近な場所に潜んでいます。
また、子どものアレルギー性鼻炎の発症時期が早まっている傾向にあります。
そのため、小さな子どもがいる場合は、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などアレルゲン対策が必要です。
また、アレルギー症状を悪化させる疲れ、ストレス、偏った食事などにも注意しましょう。
アレルギー性鼻炎の検査方法
アレルギー性鼻炎の検査方法には
- 血液検査
- 皮膚プリックテスト
があります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
血液検査
血液検査にはいくつか種類がありますが、一般的な検査は特異的IgEを測定するものです。
IgEとは、感作の程度をあらわしているもので、IgEが高いほど強く感作されています。
5mlの血液で39項目のハウスダスト、花粉などのアレルゲンを調べることができる検査です。
また、指先に細い針を刺して血液を採取し、20分で結果がでる血液検査もあります。
0.1mlの血液で検査ができるので、小さな子どもにおすすめです。
ダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ、スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギの8項目のみが検査対象になります。
皮膚プリックテスト
皮膚プリックテストは、即時型アレルギーに対する検査です。
安全性、有用性、簡単に検査できることから欧米で推奨されている検査です。
検査方法は、プリック針で少量のアレルゲンを皮膚に入れて、15分後に出現する膨れた部分の大きさを測ります。
皮膚プリックテストは全ての年齢の方に行え、乳幼児にも検査可能です。
適応疾患は、花粉症、鼻アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎などさまざまな即時型のアレルギー疾患に行えます。
また、皮膚プリックテストは本人が目で見て納得できるため、その後の治療へのモチベーションが上がります。
アレルギー性鼻炎の治療方法
アレルギー性鼻炎の治療方法には
- 薬物療法
- アレルゲン免疫療法
- 手術療法
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
薬物療法
薬物療法とは、飲み薬、鼻に直接使用する噴霧薬などを使用して治療します。
飲み薬の中でも、抗ヒスタミン薬は主に鼻水やくしゃみに効果があります。
また、飲み薬は眠気などの副作用が少ないものを服用します。
鼻に使用する噴霧薬にはステロイド点鼻薬があり、鼻粘膜に噴霧して粘膜の炎症を抑えます。
症状や重症度によって飲み薬と噴霧薬を組み合わせて治療します。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、アレルギー性鼻炎を根本的に治せると期待されている治療です。
アレルギーの原因となる花粉などの抗原を体内に少しずつ入れます。
反応を弱めていくことでアレルギー症状を抑えられます。
アレルゲン免疫量表は、注射で行う皮下免疫療法と薬の舌の下に入れる舌下免疫療法があります。
少量の治療薬から服用を開始し、その後は一定量を数年間、継続して服用します。
また、口の中にかゆみ、不快感などの副作用がでることがあります。
手術療法
手術療法では、レーザー手術などの粘膜を焼く手術があります。
レーザー手術を受けた方のおよそ8割の方が日常生活に支障がない程度になり、5割程は7年以上効果が続いています。
また、症状が再発した場合も再手術が可能です。
さらに、レーザー手術が適さない方、効果がない方には、鼻腔構造を改善する手術、くしゃみ、鼻水に関与する神経切断手術があります。
アレルギー性鼻炎は体質的な疾患のため、薬や手術により体質自体を変えられません。
そのため、手術でアレルギー性鼻炎が治るというのは適切ではないかもしれません。
しかし、さまざまな手術方法により鼻粘膜をアレルギー反応が起こりにくい粘膜に変えることは可能になってきています。
アレルギー性鼻炎に対する民間療法の効果
アレルギー性鼻炎に対する民間療法はさまざまな種類があります。
たとえば、アロマ療法、鼻スチーム療法、クロレラ、つぼ、乳酸菌剤などがあります。
しかし、民間療法の科学的評価はほとんど行われていません。
科学的評価が行われていない理由には、評価を行う方法が簡単ではないこと、コスト、時間がかかるなどです。
民間療法はアレルギー症状の改善がみられ、体への有害成分が含まれていない場合は問題ないと考えられます。
しかし、花粉症に効果があるとして販売する場合、疾患に対する有効性を提示する必要があります。
そのため、残念ながら民間療法のほとんどは十分な効果の根拠があるとはいえないのが現状です。
アレルギー性鼻炎のまとめ
ここまで、アレルギー性鼻炎の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- アレルギー性鼻炎とは、アレルゲンが鼻の粘膜から侵入して免疫反応が起こること
- アレルギー性鼻炎の検査方法には、血液検査、皮膚プリックテストなど
- アレルギー性鼻炎の治療方法には、薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。