ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>健康お役立ち記事>歯周病>虫歯より怖い歯周病とは?歯周病にならないためにはどうすればよいの?

虫歯より怖い歯周病とは?歯周病にならないためにはどうすればよいの?

30歳以上の約70%がかかっているといわれているのが歯周病です。
歯ぐきの腫れや出血が気になるという方は、歯周病にかかっているかもしれません。
歯周病は、口だけでなく全身の病気に関わる怖い病気です。

本記事では歯周病について以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯周病になる原因とは
  • 歯周病が原因となる病気や症状とは
  • 歯周病の予防法とは

歯周病について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

スポンサーリンク

歯周病とは

歯周病とは、口の中の細菌によって引き起こされる炎症性疾患です。

口の中には約400~700種類もの細菌が常在しています。
これらの細菌は、普段は悪影響を及ぼすことはありません。
しかし、歯磨きをおろそかにしたり、甘いものを過剰に摂取したりすると歯垢ができます。

歯垢は細菌が出すネバネバ物質です。
歯の表面にはりついて、うがいだけでは取れるものではありません。
歯垢をそのままにしておくと、硬化して歯石に変化します。

歯石になると、歯磨きでは取ることができません。
歯石の中に周りの細菌が入り込み、歯周病を悪化させる毒素を出し始めます。

歯周病によって歯ぐきの腫れや炎症を引き起こし、歯の土台となる骨を溶かし、最終的には、歯を失うことになります。
さらに、最近の研究では、歯周病菌が血液から全身に巡っていることがわかってきました。

歯周病が動脈硬化、糖尿病、誤嚥性肺炎、狭心症などさまざまな病気の引き金になっています。

スポンサーリンク

歯周病の原因は?

歯周病の原因には「直接的原因」と「間接的原因」があります。

直接的原因

直接的原因には、歯垢と歯石があります。

歯垢

歯周病の直接的原因は歯垢です。

歯垢とは、細菌の固まりのことで、そのほとんどが酸素の少ない場所を好みます。
そのため、歯と歯ぐきの隙間にある歯周ポケットに入り込みます。

歯垢に潜む細菌から毒素が出ることにより、歯ぐきに炎症が起こります。

歯石

歯垢は、歯磨きによって落とすことができます。

しかし、磨き残した歯垢は2~3日で石灰化して歯石へと変化します。
歯石になってしまうと、歯磨きでは落とすことができず、歯周病の原因になります。

間接的原因

間接的原因には、

  • 歯並び
  • 歯に合っていない被せ物
  • 歯ぎしりや口呼吸
  • 生活習慣
  • ストレス

などがあります。

歯並び

歯並びは、歯周病の間接的原因となります。

歯並びが悪いと、歯磨きをしっかり行ったつもりでも磨き残しが出てしまいます
磨き残しから歯垢がつきやすくなり、歯周病の原因となります。

歯に合っていない被せ物

虫歯の治療のときに施された被せ物が歯に合っていない、あるいは経年劣化している。
そのような場合には、被せ物のまわりに歯垢が付きやすくなり歯周病の原因となります。

歯ぎしりや口呼吸

歯ぎしりは、歯ぐきや歯に強い力が加わるため、炎症が起こりやすくなります。
また、口呼吸は口の中が乾燥するため、歯垢が溜まりやすくなります。 

生活習慣

歯周病の原因は、生活習慣も間接的原因となっています。

たとえば喫煙習慣のある方は、血管が収縮するため歯ぐきの血流が悪くなります。
歯周病菌への抵抗力が弱まるため、歯周病にかかりやすくなります。 

ストレス

ストレスも歯周病の原因となります。
ストレスにより自律神経が乱れて体の抵抗力が弱まると、歯周病が悪化することがあります。

歯周病はどのように進行していくのか

歯周病は、ある日突然発症する病気ではありません
徐々に段階を踏みながら進行していきます。

まず、健康な歯ぐきは、薄いピンク色で、歯と歯の間に歯ぐきが入り込んで弾力があります。
歯ぐきが引き締まっており、ブラッシングをしても出血しません。

初期の歯周病では、歯ぐきが赤くなり、歯と歯の間の歯ぐきが膨らんできます。
ブラッシングで出血することがあります。
腫れた歯ぐきと歯の間に歯垢が溜まって歯周病が悪化します。

歯周病がさらに悪化すると、歯と接している歯ぐきが腫れ、色が赤紫色になります。
ブラッシングすると出血だけでなく膿が出るようになります。

歯と歯の間が広がって、食べたものがよく挟まるようになります。
歯ぐきが退縮するため、歯が長く見えます。
歯周ポケットがどんどん深くなり、歯槽骨が溶けだします。

歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病は、口の中だけでなく全身に及ぼす影響が大きい病気です。

歯周病の原因は、歯垢です。
歯垢はたくさんの細菌のコロニーのようなものです。
これらの菌が歯ぐきに攻撃を仕掛け始めると、防御として体の免疫が発動します。

歯ぐきから出血したり、腫れたりするのは細菌との攻防戦の証です。
このとき毒性物質が排出され、歯ぐきの血管から全身に入って、さまざまな病気を引き起こします。

たとえば、血糖値を下げるインスリンの働きを阻害して糖尿病を発症させます。
血管の動脈硬化に関与し、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくします。

歯周病の細菌は、誤嚥によって肺炎に入り込み、誤嚥性肺炎を発症させるものもあります。
誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の上位にくるものです。

このように、歯周病が全身に及ぼす影響は大きく、健康上見過ごすことはできないのです。

健達ねっとECサイト

歯周病の治療方法

歯周病の原因は、歯についた歯垢です。
原因である歯垢を取り除かなければ、歯周病の進行を止めることはできません。

歯周病の治療方法には「基本治療」と「外科治療」があります。

基本治療

歯周病の治療は、基本治療から始めます
歯周病の原因となっている歯垢を取り除き、歯石の除去、歯の根っこの面を滑らかにする、歯のかみ合わせ調整などです。

これらの基本治療によって歯ぐきのまわりが改善され、歯周ポケットが浅くなれば定期的なメンテナンスに移行します。

もちろん家庭での丁寧なブラッシングは怠ってはいけません。

外科治療

基本治療で歯周ポケットの深さが改善されない場合もあります。
また、歯周病が進行してしまい、歯垢や歯石が基本治療で取りきれない場合もあります。
このようなときには、外科治療が施されます。

外科手術には、歯周ポケットを掻き出したり、歯肉を切除するなどの手術があります。

薬の使い方

なぜ歯周病は虫歯より怖いのか

虫歯は痛みを伴うため、すぐに歯医者に行く方も多いでしょう。
しかし、歯周病は痛みを伴ったときには、すでにかなり進行している状態です。

歯周病は、虫歯よりも怖い病気だといわれています。
なぜなら、命にかかわるような病気を始め、さまざまな病気の原因になるからです。

歯周病菌は歯ぐきの血管や一部は肺や食道の粘膜を通して体内に入り込みます。
そして、次のような病気を引き起こします。

  • 歯周病菌が心臓弁に付着すると、細菌性心膜炎を起こします。
  • はがれたバイオフィルムが心臓の冠動脈を詰まらせて狭心症の原因となります。
  • 血管内壁にはりついて、動脈硬化を進行させます。
  • 糖尿病を罹患している方は、血糖値のコントロールが困難になります。
  • 妊婦が歯周病になると、早産や低体重児出産の危険が高まります。
  • 高齢による誤嚥性肺炎の危険性が高くなります。
  • 食道がんの発生に深く関係します。
  • アルツハイマー病を悪化させる可能性があります。

このように歯周病は歯を失うだけでなく、命にかかわる怖い病気なのです。

歯周病にならないためにはどうすればよいのか

歯周病にならないためには、どのようにすればいいのでしょうか。

毎日のセルフケア

毎食後の歯ブラシは、歯垢を取り除いて歯周病を予防します。
とくに就寝中は歯周病菌が活発に活動するため、寝る前のブラッシングは丁寧に行いましょう。

磨き残しがないように、歯ブラシだけでなく、デンタフロスやタフトブラシなども併用するとよいでしょう。

歯医者で定期的なメンテナンス

歯垢は2~3日で歯石となってしまいます。
歯石に変化すると、歯ブラシでは取れません。
歯医者で専用の器具で取り除いてもらいましょう。

同時に歯周ポケットの深さを測ってもらって、歯周病が進行していないか調べてもらいましょう。
少なくとも半年に1回程度の定期健診を受けることをおすすめします。

生活習慣にも注意

歯周病の悪化は、生活習慣も間接的にかかわっています

喫煙習慣のある方は、禁煙することです。
ストレスはできるだけ溜めず、発散するようにしましょう。

食べものはよく噛み、柔らかいもの、甘いものばかりを食べないようにしましょう。

スポンサーリンク

歯周病罹患の現状と対策

2016年の調査によると、35~69歳の成人の約7割に歯周病が認められています
また、歯周ポケット4㎜以上の進行した歯周病にかかっている人は、高齢者で増加傾向にあります。
とくに75歳以上になると、この傾向が顕著となります。

また、歯が失われる原因として最も多いのが「歯周病」で37%となっています。
続いて「虫歯」の29%、「歯が割れる」の18%が続きます。

歯が失われる原因を年代層をみると中高年の場合は、歯周病と歯が割れることが原因となっています。
若い世代では、親知らずや矯正が多くなっています。

このように、年齢が高くなればなるほど歯周病によって歯を失うことが多くなります。
ブラッシングを丁寧に行い、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。


出典:厚生労働省【資料2 「歯周病罹患の現状と対策について」

スポンサーリンク

歯周病まとめ

ここまで、歯周病について紹介してきました。
要点を以下にまとめます。

  • 歯周病になる原因は歯垢などの直接的原因と、生活習慣などの間接的原因がある
  • 歯周病が原因となる病気には、糖尿病、誤嚥性肺炎、心筋梗塞、動脈硬化など
  • 歯周病の予防法は、毎日のブラッシングと歯医者での定期的なメンテナンス

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク