口臭が気になる場合、原因は歯周病かもしれません。
歯周病による口臭を見分けるにはどうしたらよいでしょうか。
また、歯周病による口臭がある場合はどのように対処すべきでしょうか。
本記事では、歯周病と口臭について以下の点を中心にご紹介します。
- 歯周病による口臭とは
- 自分で口臭をチェックする方法
- 歯周病による口臭を治すには
歯周病と口臭について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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口臭の種類
口臭が発生する原因はさまざまです。
代表的な口臭の原因は次の通りです。
- 口内の病気(歯周病・虫歯・口腔がん)
- ドライマウス(口内の乾燥)
- 飲食物(にんにく・ニラなど)
- ストレス
- 生理的要因(起床直後・空腹時)
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歯周病の口臭の特徴
口臭の代表的な原因の1つが歯周病です。
歯周病による口臭の特徴をご紹介します。
口臭が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
歯周病の口臭は、どんなニオイなのか。
歯周病で発生する口臭は、口内の状況などによって異なります。
一般的には、次のように表現されることが多いです。
- 腐ったタマネギのような臭い
- 腐った卵のような臭い
- 腐ったキャベツのような臭い
- 生ゴミのような臭い
- 魚のような生臭さ
共通しているのは「腐ったようなにおい」という点です。
自分の口臭を確認する方法について
自分の口臭は分かりづらいものです。
口臭を周囲に指摘されてはじめて気づくというケースは決して少なくありません。
そこで、自分の口臭の簡単なチェック方法をご紹介します。
口臭の有無が気になる方は、ぜひ次の方法をお試しください。
【コップ・ビニール袋を使った方法】
- きれいなコップ・ビニール袋に息を吹き込む
- 吐いた息が逃げないよう、コップ・ビニール袋の口を手などで塞ぐ
- 中に溜まった息を嗅いでみる
【歯ブラシを使う方法】
- 乾いた歯ブラシで歯磨き粉をつけずに歯磨きする
- 歯磨き後の歯ブラシの臭いを嗅ぐ
【デンタルフロス・歯間ブラシを使う方法】
- デンタルフロスなどで歯と歯茎の間の歯垢を掻き出す
- 掻き出した歯垢の臭いを嗅ぐ
歯周病の口臭にはどんな特徴があるのか
歯周病の口臭の特徴は次の通りです。
- 数メートル離れていても臭う
- 時間帯などによる変動がない
歯周病による口臭は、他の原因による口臭に比べて臭いがきつい点が特徴です。
たとえば生理的口臭が届く範囲は30~50cm程度です。
一方で、歯周病による口臭は1メートル以上先に届くこともあります。
歯周病による口臭は、変動しにくい点も特徴の1つです。
たとえば食べ物が原因であれば、口臭が発生するのは特定の食べ物を食べたあとです。
また、口臭は時間経過とともに薄らぐことが一般的です。
対して歯周病による口臭は、時間帯や時間の経過で臭いが大きく変動することはあまりありません。
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歯周病で口臭が発生する原因
なぜ歯周病ではきつい口臭が発生するのでしょうか。
メカニズムをご紹介します。
歯周病菌が原因となる臭いのガスを作る
歯周病の口臭の原因は、歯周病菌が発生させるガスです。
主なガスの種類は次の通りです。
- メチルメルカプタン
- 硫化水素
- ジメチルサルファイド
上記3つはいずれも揮発性硫黄化合物です。
歯周病になると複数のガスが発生するため、臭いが混じり合ってより強烈な口臭になりやすいのです。
歯周ポケットが深くなると臭いがさらに強くなる
歯周病の進行とともに歯周ポケットが深くなると、口臭はより強くなる傾向がみられます。
理由は、歯周ポケットが深くなるほど歯周病菌が活発化しやすくなるためです。
歯周病菌が活発化しやすくなる理由は主に2つあります。
1つ目は、歯周病菌が嫌う酸素が歯周ポケットの中に届かなくなるからです。
歯周ポケットとは、歯周病菌によって歯と歯茎の間にできる隙間です。
より簡単にいえば、歯周ポケットとは歯周病菌の巣のようなものです。
歯肉の奥深くに形成された歯周ポケットには酸素が届きません。
酸素が届かないと、歯周病の活動はより活発化しやすくなります。
2つめの理由はブラッシングがしにくくなるからです。
深い歯周病ポケットには歯ブラシが届きにくいため、汚れがたまりやすくなります。
歯の汚れは歯周病菌のエサになります。
十分なエサが与えられるため、歯周病菌が元気になるというわけです。
歯周病菌が活発化すると、口内で発生するガスも増えます。
結果として口臭もよりきつく強くなっていきます。
歯周病の口臭の治し方・正しい口臭対策
歯周病による口臭を治すには、根本原因である歯周病そのものを治すことが大切です。
歯周病を治すには、歯科医院で治療を受ける必要があります。
特に歯周病がかなり進行している場合は、セルフケアでは対処できないケースが多いです。
適切な治療を受けるためにも、口臭が気になる方は歯科医院を受診してください。
緊急処置をしたい場合は、一般的な口臭対策を行うのも1つの方法です。
一般的な口臭対策には次のようなものがあります。
- 洗口液
- 口臭を抑える歯磨き粉
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
- ガムを噛む
ただし、洗口液などはあくまで一時的な処置である点に留意してください。
口臭を一時的に緩和できても、原因である歯周病自体に効果はありません。
口臭を根本から治すには、やはり歯科医院で歯周病の治療を行うことが大切です。
口臭の実態調査の結果
2016年の厚生労働省の歯科疾患実態調査結果を参照しています。
- 15歳以上の約10%は自身の口臭が気になる
- 食事・うがいなどから時間が経過するほど口内ガスの濃度が高まる
- 口内ガスの濃度に男女差はほとんどない
- 高齢になるほど口内ガスは増える傾向がみられる
- 口臭の自覚と実際の口臭の有無は一致しない
- 社会人のうち社会的容認限度を超える口臭の持ち主の割合は6%~23%程度
- 大学病院の統計によると口臭で受診した方のうち歯周病が認められたのは全体の1/3
歯周病と口臭まとめ
ここまで歯周病と口臭についてお伝えしてきました。
歯周病と口臭の要点を以下にまとめます。
- 歯周病による口臭は、生ものが腐ったような臭いが特徴
- 自分で口臭をチェックする方法は、密閉容器に息を吹き込んだり、乾いた歯ブラシでブラッシングしたりするのがおすすめ
- 歯周病による口臭を治すには歯科医院で歯周病そのものを治療することが大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。