玄米は白米より栄養価が高いことで有名です。
それでは、玄米には具体的にどのような栄養が含まれているのでしょうか。
また、玄米にはどのような効果・効能が期待できるのでしょうか。
本記事では、玄米の栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- 玄米に含まれる主な栄養
- 栄養価の高い玄米の効果・効能
- 栄養価の高い玄米を使ったおすすめレシピ
玄米の栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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玄米と白米の違い
玄米と白米のもっとも大きな違いは精米の程度です。
玄米は稲の実からもみ殻だけを取り除いたものを指します。
対して白米は、稲の実からもみ殻・ぬか・胚芽を取り除いたものです。
玄米にはぬかや胚芽が残っている分、白米より栄養価が高いという特徴があります。
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玄米に含まれる栄養
玄米にはぬか・胚芽などが残されているため、白米よりも高い栄養価が期待できます。
玄米に含まれる栄養について、具体的にみていきましょう。
ビタミンB群
ビタミンB群は水溶性ビタミンで、8種から成り立ちます。
それぞれの主な作用は次の通りです。
ビタミンB1 | 糖質代謝を助ける・疲労回復・末梢神経や筋肉を正常に保つ |
ビタミンB2 | 脂質代謝を助ける・皮膚や粘膜を健やかに保つ |
ナイアシン | 糖質代謝や脂質代謝を助ける・皮膚や粘膜を健やかに保つ・脳神経を正常に保つ |
ビタミンB6 | アレルギー症状の緩和・免疫機能の向上・ホルモンバランスを整える・脂質代謝を助ける |
ビタミンB12 | 造血作用・貧血予防・DNAの合成 |
葉酸 | 細胞の生まれ変わりを助ける・赤血球を作る |
パントテン酸 | 代謝を助ける・ストレスへの抵抗力を高める・動脈硬化予防 |
ビオチン | 皮膚や髪を健やかに保つ・筋肉痛を軽減する |
玄米に含まれるビタミンB群の量を以下にまとめました。
【ビタミンB群の含有量】
含有量(mg/100gあたり) | ||||||||
ビタミンB1(mg) | ビタミンB2(mg) | ナイアシン相当量(mg) | ビタミンB6(mg) | ビタミンB12(μg) | 葉酸(μg) | パントテン酸(mg) | ビオチン(μg) | |
水稲穀粒/玄米 | 0.41 | 0.04 | 8.0 | 0.45 | 0 | 27 | 1.37 | 6.0 |
水稲めし/玄米 | 0.16 | 0.2 | 3.6 | 0.21 | 0 | 10 | 0.65 | 2.5 |
出典:文部科学省【日本食品標準成分表】
マグネシウム
マグネシウムはミネラルの1種です。
主な作用は以下の通りです。
- 体内の酵素の働きを助ける
- 骨や歯を丈夫にする
- 神経伝達を正常に保つ
- 精神を安定させる
玄米に含まれるマグネシウムの量を以下にまとめました。
【マグネシウムの含有量】
含有量(mg/100gあたり) | |
水稲穀粒/玄米 | 110 |
水稲めし/玄米 | 4 |
出典:文部科学省【日本食品標準成分表】
カリウム
カリウムはミネラルの1種です。
主な作用は次の通りです。
- 余分な塩分を排出する
- 体内の浸透圧を調整する
- 心機能の制御
- 筋肉の調整
玄米に含まれるカリウムの量は以下の通りです。
【カリウムの含有量】
含有量(mg/100gあたり) | |
水稲穀粒/玄米 | 230 |
水稲めし/玄米 | 95 |
出典:厚生労働省【カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
マンガン
マンガンはミネラルの1種です。
主な作用は以下の通りです。
- 酵素の活性化
- 血液を作る
- 骨・歯を丈夫にする
- 生殖機能を正常に保つ
【マンガンの含有量】
含有量(mg/100gあたり) | |
水稲穀粒/玄米 | 2.06 |
水稲めし/玄米 | 1.04 |
出典:文部科学省【日本食品標準成分表】
リン
リンはミネラルの1種です。
主な作用は次の通りです。
- 骨・歯を丈夫にする
- 筋肉・神経の働きを正常に保つ
- 糖質代謝を助ける
リンの玄米含有量を次にまとめました。
【リンの含有量】
含有量(mg/100gあたり) | |
水稲穀粒/玄米 | 290 |
水稲めし/玄米 | 130 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
食物繊維
食物繊維は、ヒトの消化酵素で分解されない物質です。
もっとも大きな特徴は、小腸で吸収されず、大腸に到達する点です。
食物繊維の主な作用は次の通りです。
- 脂質・糖質の吸収を緩やかにする
- 便秘を解消する
- 腸内環境を整える
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があります。
2つをあわせた総量を以下の表にまとめました。
【食物繊維の含有量】
含有量(mg/100gあたり) | |
水稲穀粒/玄米 | 3.0 |
水稲めし/玄米 | 1.4 |
出典:文部科学省【日本食品標準成分表】
出典:厚生労働省【食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
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玄米で得られる効果・効能
玄米は栄養価が高い分、さまざまな効果・効能を期待できます。
玄米の主な効果・効能をご紹介します。
便秘解消
玄米は便秘解消効果を期待できます。
便秘解消に役立つ栄養素としては、食物繊維が代表的です。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ効能が異なります。
- 水溶性食物繊維:便を柔らかくして排出しやすい状態にする
- 不溶性食物繊維:便のカサを増やす・腸を刺激して活性化させる
- 玄米には水溶性・不溶性の両方が含まれます。
血糖値上昇抑制作用
玄米は食後の血糖値の上昇を緩やかにする作用があります。
血糖値上昇の抑制に役立つ栄養素は、食物繊維です。
食物繊維は腸内での糖質の吸収を抑制することで、血糖値の上昇を抑えます。
血糖値の上昇が緩やかになることは、糖尿病予防や肥満の解消につながります。
免疫機能の向上
玄米には免疫力を高める効果が期待できます。
免疫アップに役立つ栄養素としては、次が代表的です。
- ビタミンB:免疫機能を正常に保つ
- 食物繊維:腸内環境を改善する
- カリウム:食欲減退を防いで栄養バランスを整える
- マグネシウム:体温を保持する
免疫力が高まると、風邪などの感染症への耐性が強くなります。
免疫アップには、アレルギー症状の緩和・がんの予防などの効果も見込めます。
コレステロール値の低下・高血圧の改善
玄米にはコレステロール値を改善する効果があります。
コレステロール値が改善されると、血圧が下がりやすくなります。
コレステロール値・血圧降下に役立つ栄養素は次の通りです。
- 食物繊維:コレステロールを吸着して体外に出す
- カリウム:体内の塩分を排出する
- マグネシウム:血管を拡張する
疲労回復
玄米には疲労回復効果が期待できます。
疲労回復効果を発揮するのはビタミンB群です。
玄米にはビタミンB群がバランス良く含まれます。
疲れやすいという方は、白米を玄米にかえてみるのもおすすめです。
抗酸化作用
玄米には強い抗酸化作用も期待できます。
抗酸化作用とは、体内の活性酸素を取り除く仕組みのことです。
活性酸素は身体を老化させる物質です。
たとえば皮膚のたるみ・しわなどのほか、血管の動脈硬化・がん細胞の増殖にも関わります。
玄米は抗酸化作用が強いため、身体の老化防止に役立ちます。
玄米を使ったレシピ
玄米を使ったレシピをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
玄米の味噌炊き込みごはん
玄米にはビタミンA・Cがほとんど含まれません。
ビタミンAが豊富な人参と、ビタミンCが豊富な小松菜を用いることで、足りない栄養を補えます。
味噌を用いる点もポイントです。
発酵食品である味噌には善玉菌が豊富に含まれます。
善玉菌は、エサである食物繊維と一緒に摂ることで、より高い効果を発揮します。
玄米には食物繊維が豊富であるため、善玉菌を含む味噌と合わせることは理にかなっています。
材料 | |
米 | 2合 |
昆布水 | 2合分 |
鶏もも肉 | 200g |
味噌・みりん | 各大さじ1/2 |
しめじ | 50g |
にんじん | 5~6cm |
油揚げ | 1/2枚 |
味噌・清酒 | 各大さじ1/2 |
小松菜 | 1株 |
塩 | 適宜 |
作り方 |
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玄米のミルクリゾット
玄米はかみ応え・パサつきがあるため、高齢の方などには食べづらいことがあります。
リゾットにすると米が柔らかくなり、パサつきも少なくなるため、どなたにも食べやすくなります。
ミルクリゾットは栄養面でもメリットがあります。
玄米に不足しているビタミンAやカルシウムをチーズ・牛乳などから補えるためです。
材料 | |
炊いた玄米ご飯 | 100g |
玉ねぎ | 1/2 個 |
牛乳 | 200cc |
塩コショウ | 少々 |
粉チーズ | 6g |
オリーブオイル | 適宜 |
作り方 |
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日本人は食物繊維の摂取量が減少傾向
厚生労働省の発表によると、日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあります。
たとえば1950年頃の1日の食物繊維摂取量は平均20gでした。
現在は1日の平均摂取量は14g程度と推定されています。
なお、18歳~64歳以上の1日の目標量は男性で21g、女性で18g以上です。
食物繊維は、ビタミンやミネラルのように直接的に身体の栄養になるものではありません。
しかし、食物繊維は身体の健康を整える効果が高い栄養素であることは事実です。
そのため、食物繊維はできるだけ積極的に摂ることが望まれます。
特に普段野菜や穀物を食べる機会が少ない方は、食物繊維の摂取量が不足しがちです。
白米を玄米に替えるなどして、こまめに食物繊維を摂るようにしましょう。
出典:厚生労働省【食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
玄米の栄養まとめ
ここまで玄米の栄養についてお伝えしてきました。
玄米の栄養の要点を以下にまとめます。
- 玄米に含まれる主な栄養は、ビタミンB群・ミネラル・食物繊維など
- 栄養価の高い玄米の効果・効能は、便秘解消・血糖値の抑制・免疫力アップなど
- 栄養価の高い玄米を使ったおすすめレシピは、味噌炊き込みごはんやミルクリゾットなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。