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健達ねっと>健康お役立ち記事>関節痛>関節痛に効く漢方一覧|漢方を用いるメリットとデメリットを説明

関節痛に効く漢方一覧|漢方を用いるメリットとデメリットを説明

関節痛とは、関節の周りに生じる痛みで、膝、肘、手指の関節などにみられます。
関節痛の治療には、薬物療法、運動療法、装具療法などがあります。
では、関節痛に効く漢方にはどのようなものがあるのでしょうか。

本記事では、関節痛と漢方について以下の点を中心にご紹介します。

  • 関節痛に効く漢方とは
  • 関節痛に漢方を用いるメリットとは
  • 関節痛に漢方を用いるデメリットとは

関節痛と漢方について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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関節痛とは

関節痛とは、関節の周りに生じる痛みのことをいいます。
主に膝、肘、手指や足指の関節、腰、手首などが多いですが、とくに膝の痛みが多い傾向にあります。

関節の表面を覆っている軟骨は衝撃を和らげたり、関節の動きを良くしたりします。
軟骨は、加齢、肥満、ゆがみなどの原因によりすり減ることで、関節の変形、炎症を起こします。

関節の変形や炎症を起こすことを変形性関節症といいます。

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関節痛に効く漢方一覧

関節痛に効く漢方には、どのような漢方があるのでしょうか。
以下でそれぞれ具体的にご紹介します。

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は比較的体力があり、下腹部痛、肩こり、打撲症、めまい、のぼせなどに効果があります。
そのほか、めまい、しもやけ、しみ皮膚炎、更年期障害、月経不順などの症状に適しています。

桂枝茯苓丸は、滞った血のめぐりを良くする漢方薬です。
体のすみずみに熱や栄養分を運ぶ血のめぐりが停滞すると、瘀血(おけつ)の状態となります。

瘀血の状態になると、熱の偏りや痛みがあらわれます。
また、血が滞ることで十分な栄養が肌に行きわたらなくなります。
その結果、肌の状態が悪くなることがあります。

越婢加朮湯

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)は、体力があり、関節が腫れているときや痛み、のどが渇く、尿の出が悪いときに服用します。
そのほか、腎臓の機能低下、湿疹にも使用されます。

炎症により関節が熱をもっていたり、腫れていて関節液がたまっているような状態のときに服用します。

また、熱感、発赤の強い湿疹、皮膚炎などの皮膚症状があるときにも使用します。
いずれも病気の初期段階に向いている漢方薬です。

防已黄耆湯

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、水太りタイプで、関節が腫れて汗をかき、足が冷えて屈伸するのも難しい方に適している漢方薬です。

膝の痛みや関節の痛みの原因は、体の水分バランスの乱れによるものです。
水分を体にため込みやすい体質の方は、日常生活で冷たいものを摂り過ぎないように注意しましょう。

芍薬甘草附子湯

芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)は、冷え性で関節や筋肉の痛み、麻痺感があり、屈伸が困難な方に使用します。
そのほか、慢性神経痛、関節リウマチ、筋肉リウマチ、慢性関節炎、肩こりなどに使用する漢方薬です。

桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)は、関節痛、線形痛の治療に使用する漢方薬です。
関節の腫れ、痛みは軽く、体力が弱い、手足の冷えやこわばりなどの症状がある方に適しています。

桂枝加朮附湯は、体を温めて、痛みを発散させる効果があります。

桂芍知母湯

桂芍知母湯(けいししゃくやくちもとう)は、慢性症で体力が衰え、関節の腫れ、関節周りの脂肪が落ち、皮膚がガサガサしている状態に使用する漢方薬です。

そのほか、体がやせる、脚部の腫れ、めまいなどのある方に使用します。
通常は、神経痛、関節リウマチなどの治療に使用します。

防風通聖散

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、体力が充実していて、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適している漢方薬です。
高血圧、肥満による動悸、肩こり、のぼせ、むくみ、便秘、蓄膿症、皮膚炎、肥満症などに使用します。

防風通聖散は、便秘をしやすい肥満症の方におすすめです。
お腹周りに脂肪がつきやすい内臓脂肪型の肥満に適しています。
体を温めて汗を出すとともに、腸の熱を下げて脂肪の分解燃焼を促し、便と脂質を一緒に排出します。

葛根湯

葛根湯(かっこんとう)は、風邪の初期、鼻風邪、鼻炎、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みがある方に適している漢方薬です。
首の後ろから肩甲骨の間にかけてこわばりがあったり、風邪の初期で寒気がしたりするなどの症状に使用します。

葛根湯は、葛根を主薬として7種類の生薬で構成されています。
筋肉の緊張をゆるめる働きもあるため、頭痛や首周辺のこわばりなどの症状も軽減できます。

葛根加朮附湯

葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)は、頭痛があり、肩こり、肩甲部の神経痛、上半身の関節リウマチがある方に適している漢方薬です。

発汗作用があり、体の熱や腫れ、または痛みを発散して治します。
体がゾクゾクし、冷えて痛みがあるときに適しています

麻杏薏甘湯

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)は、関節痛、筋肉痛、神経痛の治療に使用する漢方薬です。
皮膚が乾き、汗は出ない、四肢の筋リウマチ、関節の痛みや腫れに適しています。

また、いぼ、手足の湿疹、皮膚炎なども改善します。

大防風湯

大防風湯(だいぼうふうとう)は、関節リウマチ、慢性関節炎、痛風の治療に使用する漢方薬です。
通常、関節が腫れて痛みがあり、まひ、強直して屈伸が難しい方に用いられます。

長期間に患っていたことで体力が衰え、関節だけが腫れており、関節周りが痩せた方に適しています。
慢性的に関節に炎症がある方に使用します。

疎経活血湯

疎経活血湯(そけいかっけつとう)は、瘀血の著しい慢性症状に適している漢方薬です。
関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛の治療に服用します。

疎経活血湯は、冷えている部分を温めたり、過剰な水分を取り除いたりすることで関節痛の痛みやしびれを改善します。

関節痛に漢方を用いるメリット

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせにより、その方の体質に適した症状に対応できるというメリットがあります。
漢方薬には何千年もの歴史があり、治療効果のあるものが漢方薬として使用されています。

漢方の基本は、人間の体も自然の一部という考え方です。
病気を診るのではなく病人を見るという考え方で、体の一部分だけに焦点を当てるのではなく、体全体のバランスを見直すという特徴があります。

また、体質や生活習慣なども見直し整えていくことで、体全体のバランスが整います。
さらに、漢方薬には病名がついていない未病にもアプローチできるという特徴があります。

西洋薬は、今ある辛い症状を早く抑えるというメリットがあります。
しかし、副作用のデメリットも避けられません。

西洋薬は、病気の症状だけを診るのに対し、漢方薬は人間そのものに焦点をあてるという点が大きく異なります。

関節痛に漢方を用いるデメリット

漢方薬は、副作用が少ないイメージがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、漢方薬も体質に合わない場合、副作用があらわれます

有名な副作用として小柴胡湯で起こる間質性肺炎があります。
小柴胡湯は、慢性肝炎治療に使用されますが、風邪が長引いた時などにも使用されます。
そのため、漢方薬だからと安心せずに副作用には注意しましょう。

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関節痛の痛みを漢方以外で和らげる方法

関節痛の痛みを漢方以外で和らげる方法には

  • 薬物療法
  • 運動療法
  • 装具療法

などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。

薬物療法

関節痛で使用する薬には、内服薬、外用薬、座薬、注射薬などがあります。

関節リウマチの薬は、炎症を抑えて痛みをとる消炎鎮痛剤、免疫の異常を改善して病気の進行を抑制する抗リウマチ薬などがあります。

変形性関節症の薬は、関節の炎症を抑えて痛みをとる消炎鎮痛剤、関節の滑りを良くするヒアルロン酸注射などがあります。
しかし、薬を服用しても一度すり減ってしまった軟骨や変形した骨は元に戻ることはほとんどありません。

関節痛でよく使用する消炎鎮痛剤には、湿布、塗り薬、内服、坐薬、注射などがあり、症状に合わせて使用する薬剤を検討します。
また、数種類を組み合わせて使用することもあります。

運動療法

筋トレやウォーキングなどの運動をすることで、関節の予防、改善効果が期待できます。
運動不足の状態は筋力低下を招き、関節痛を進行、悪化させる原因の1つです。

膝を支えている大東四頭筋の筋力が低下すると、膝の周りが不安定になります。
その結果、軟骨への衝撃が増えてしまい痛みが起こります。

変形性膝関節症は、主に40代以降の女性に多い症状です。
しかし、下肢の筋肉が衰え始める30代から発症することもあります。

筋肉量は年齢とともに減少してしまいます。
そのため、日常的に意識して運動したり、体を動かす習慣をつけたりして筋力を維持しましょう。

また、運動は関節に過剰な負担をかけない運動が適しています。
普段、運動していない方が急に登山やランニングなどの過度な運動を始めると、膝への負担がかかってしまいます。
そのため、久しぶりに運動をするときは軽いウォーキングなどから始め、運動前には準備運動を必ず行いましょう。

装具療法

装具療法の目的は、膝関節や股関節にかかる負担を軽くすることです。
また、関節を安定させることが目的となります。
装具は、患者の骨格や関節の状態に合ったものを使用します。

装具には

  • サポーター
  • 足底版
  • 硬性装具

などがあります。

サポーターは、軽くて着け外しが簡単なため、よく使用されています。
しかし、サポーター自体には関節の負担を軽くしたり、安定させたりする効果はあまりありません。
サポーターを着けることで安心感と関節の保温効果などが主な働きとなります。

足底板は、足に直接つけたり靴の中に入れたりする装具です。
足の外側が高くなっていて、O脚を補正して、歩行時の膝の内側にかかる負担を減らします。

硬性装具は、プラスチックや金属の枠組みで作られた装具です。
関節の安定性を高めて、痛みを軽減することを目的としています。

杖は、片足にかかる力を軽減して、歩行時の体の揺れを安定させます。
関節に痛みがあると、足にしっかりと体重をのせられず、歩いたときに体が揺れて不安定になることがあります。

杖を使うことで、重心が左右に揺れず、安定して歩けます。

薬の使い方

防已黄耆湯は稀に重篤な副作用がある

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、関節痛、肥満症、むくみ症状、汗をかきやすい方に適している漢方薬です。
防已黄耆湯に含まれるカンゾウは、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎が起こるとされています。

間質性肺炎の症状には、階段を上ったり、少し無理をしたりすると息が苦しい、空咳、発熱などがあります。
また、症状は急に生じたり、持続したりします。

漢方薬を服用後、間質性肺炎の症状があらわれた場合は副作用の可能性があります。
すぐに服用を中止し、医師の診察を受けましょう。

関節痛と漢方のまとめ

ここまで、関節痛と漢方の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 関節痛に効く漢方には、桂枝茯苓丸、越婢加朮湯、防已黄耆湯、芍薬甘草附子湯など
  • 関節痛に漢方を用いるメリットとは、体質に適した症状に対応できるなど
  • 関節痛に漢方を用いるデメリットとは、まれに重篤な副作用があるなど

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
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