双極性障害で悩んでいる方で、再発の可能性や予防について知りたいという方は多いはずです。
双極性障害とはどのような病気で、どのように向き合っていくべき病気なのでしょうか。
本記事では、双極性障害の再発について、下記の内容を中心にお伝えします。
- 双極性障害が再発する原因
- 双極性障害の再発を防止する方法
- 双極性障害の治療法
双極性障害の再発について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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双極性障害(躁うつ病)とは
双極性障害とは、気分障害に分類されており、躁うつ病ともいわれます。
躁状態とうつ状態が繰り返される病気で、人によって症状のあらわれ方が異なります。
何らかの脳の異常があると考えられていますが、はっきりと解明されておらず、遺伝性や環境、ストレスなどが要因といわれています。
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双極性障害が再発する原因
双極性障害は再発しやすい病気です。
再発の原因として多いのが、通院や薬の服用を自己判断で止めてしまうことです。
薬で症状を抑えることができると、治ったと思い薬を止めてしまう人が多いようです。
双極性障害は長く付き合っていく必要がある病気です。
薬を継続して飲み続け、症状を抑えることが重要です。
薬は副作用もあるため継続を断念してしまう人もいます。
ですが、自己判断で止めてしまうと再発し、症状が前よりも悪化してしまう可能性もあります。
症状が治まった場合や、問題が生じていない場合でも定期的に通院し、医師の判断で薬の調整を行います。
双極性障害の再発を防止する方法
双極性障害の再発はどうすれば防げるのでしょうか。
再発を防止するために大切なことを3つご紹介します。
病気を正しく理解する
再発を防ぐためには、双極性障害という病気を正しく理解する必要があります。
双極性障害という病気は完治させる病気ではなく、長く付き合っていく病気です。
長期間にわたり症状を繰り返す病気なので、完治しようと必死になったり、治らないと焦ったりするとますます苦しくなってしまいます。
双極性障害の場合、完治ではなく「寛解」という、病気自体は治ってはいなくても症状が治まっている状態を目指します。
薬を飲みながらでも、躁状態やうつ状態の波がなく、気分が安定していれば寛解であると考えられます。
薬の効果がでるのも、寛解までの期間も人それぞれなので、焦らずに治療していくことが重要です。
病気と正しく付き合っていく
双極性障害は病気を理解したうえで、病気と正しく付き合っていくことが大切です。
双極性障害の治療に通院と薬は不可欠で、医師の指示通りに継続して服用しなければ、高い確率で再発してしまいます。
自分で治った、もう大丈夫と決めつけるのは危険です。
医師や家族、周りの人と一緒に病気と長く正しく付き合っていくことを忘れないようにしましょう。
再発しないために気を付けること
双極性障害を発症する人のなかには、完璧主義で几帳面という性格の方も多くいるようです。
完璧主義であるが故に、人間関係や些細な出来事からもストレスを受けやすいので、再発を予防するためには、完璧主義を止めることから始めましょう。
自己評価の基準を緩くしたり、抱え込まずに周りに相談したり、1日にやるべきことを減らしてみたりと、自分の中の合格ラインを思い切って下げることが重要です。
双極性障害にストレスは大敵ですので、ストレスを軽減するためにも、考え方の転換に取り組んでみてください。
また、再発を防ぐためには規則正しい生活習慣も大切です。
生活リズムの乱れが気分の波につながってしまう方もいるので、起床から就寝まで規則正しく生活するよう意識しましょう。
双極性障害の症状
双極性障害の症状は、躁状態とうつ状態のときで異なります。
それぞれどのような症状があるのか、みていきます。
躁状態の主な症状
- 自分は何でもできるような気がする、偉くなった気がする
- エネルギーに満ち溢れていて、じっとしていられない
- 買い物やギャンブルに莫大な金をつぎ込む
- ほとんど眠らなくても平気
- 人の意見に耳を貸さない
- 多弁になる、声が大きくなる
躁状態は突然起こり、1週間〜数か月続くといわれています。
躁状態のとき、本人は気分が高揚しており、これが本来の自分であると思っているため、周りの指摘を受け入れることが難しくなります。
ときには攻撃的になるため人間関係の悪化、経済的、社会的損失を招く恐れもあります。
うつ状態の主な症状
- 眠れない、または1日中眠い
- 何に対しても興味が持てない
- 自分を必要以上に攻める
- 食欲がわかない、または食べ続ける
- 体がだるい、疲れやすい
- 表情が暗い
うつ状態のときは気分が落ち込み、思考がネガティブになります。
双極性障害の場合、病気の期間の約半分〜3分の1程度はうつ状態である場合が多いといわれており、心身ともに苦しい状態が続いてしまいます。
双極性障害とうつ病との違い
双極性障害はうつ病と同じうつ症状があることから、うつ病と診断される場合もある病気です。
しかし、双極性障害はうつ状態だけでなく躁状態があり、2つの気分の波に苦しむ病気です。
双極性障害とうつ病は別の病気です。
ですので治療薬も異なり、うつ状態があるからといって、うつ病の薬で代用することはできません。
躁状態が軽度の場合は特に、双極性障害の判断がしづらくなります。
ですが、眠らなくても平気な時期があったか、仕事や勉強がすごくはかどった時期があったかなどを思い返し、医師に伝え診断の材料にしてもらいましょう。
双極性障害の種類|「双極Ⅰ型」と「双極Ⅱ型」の違い
双極性障害には双極Ⅰ型と双極Ⅱ型があり、違いは躁状態の程度です。
Ⅰ型は躁状態とうつ状態、Ⅱ型は軽躁状態とうつ状態で気分の波がみられます。
Ⅰ型の躁状態は、周りの人がみたらおかしいと感じるくらい気分の高揚がみられるのが特徴です。
例えば、別人のように気分が顕著に高揚する、気が大きくなって信じられない行動にでようとするなどです。
顕著な躁状態からトラブルを招いてしまったり、躁状態により起こした行動がきっかけで不利益につながったりというリスクがあります。
Ⅱ型の躁状態はⅠ型ほど激しい高揚がなく、軽躁状態の判断が難しくなっています。
行動面では衝動性が高いことが指摘されており、自殺未遂などがⅠ型よりも多い傾向にあります。
双極性障害の治療法
双極性障害はどのように治療していくのでしょうか。
治療法を詳しく解説していきます。
薬物治療
双極性障害の治療は一般的に薬物療法を用います。
躁とうつのどちらでもない安定した状態をできるだけ長く維持し、仕事や勉強、日常生活を病気の影響なく送れるように治療します。
症状に合わせて、気分安定薬、抗精神病薬、睡眠薬などが処方されます。
とくに、気分安定薬は、抗躁効果・抗うつ効果・再発予防効果の3つの効果が期待できるといわれているため、治療のメインとなる薬といえます。
抗精神病薬は統合失調症の治療薬として開発されたものですが、気分の改善効果があることがわかり、双極性障害の治療にも用いられるようになってきました。
どの薬も、効果をみながら、薬の種類や量を調整していくので、即効性よりも長期的にみて効果を得られるように医師と治療を進めていきます。
心理社会的治療
心理社会的治療は薬物治療と併せて行う治療で、下記のような種類があります。
- 心理教育
- 認知行動療法
- 家族療法
- 対人関係・社会リズム療法
心理教育は、病気や薬剤の性質を理解し、病気を自らコントロールできるようになることを目的としています。
再発の兆候を自分で把握することも目標となります。
認知行動療法はポジティブな思考の習慣を付けることを目指します。
ネガティブな考え方の癖を自覚し、客観的に考えられるようにします。
家族療法は、家族とともに回復を目指すことを目的としています。
家族の病気への理解を深め、協力してもらいながら、治療にあたることが重要です。
対人関係・社会リズム療法は生活リズムを整え、人間関係のストレスを軽減できるようにします。
生活リズムが乱れると症状悪化、再発の原因につながる恐れがあるため、規則正しい生活リズムをつくります。
また、人間関係によるストレスを改善していくことで再発予防へとつなげます。
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双極性障害は治るのか?
双極性障害は、適切な治療をしていても完治が難しい病気です。
理由として、再発しやすい病気であること、再発すると深刻化していく可能性が高いことが挙げられます。
そのため、完治ではなく、寛解を目指し、薬を飲みながらでも安定した日常生活を送れるように治療をしていきます。
しかし、寛解期がしばらく続いてもまた再発する可能性はあり、寛解期をいかに長くしていけるかが重要です。
再発した場合も自分を責めたり、諦めたりせず、そういう病気だということを理解しておきましょう。
再発の予防と、寛解期を少しでも長くしていけるようにするのが、双極性障害の治療で重要なポイントです。
決して焦らず、周囲の協力を得ながら病気と付き合っていきましょう。
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双極性障害の再発のまとめ
ここまで双極性障害の再発についてお伝えしてきました。
双極性障害の再発についてまとめると以下の通りです。
- 双極性障害の再発の原因は、自己判断で薬や通院を止めてしまうことが多い
- 規則正しい生活とストレスの軽減で再発を予防する
- 双極性障害の治療法には、薬物療法と心理社会的治療がある
本記事の内容が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。