アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストなどが原因で発症します。
アレルギー性結膜炎の目のかゆみなどの症状は、目薬で治療します。
では、アレルギー性結膜炎の目薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、アレルギー性結膜炎の目薬について以下の点を中心にご紹介します。
- アレルギー性結膜炎で用いられる目薬の種類とは
- アレルギー性結膜炎の目薬の使用方法
- アレルギー性結膜炎の目薬の副作用
アレルギー性結膜炎の目薬ついて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アレルギー性結膜炎とは
アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などのアレルゲンが付着して、結膜に炎症を起こす病気のことをいいます。
結膜とは、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことを指します。
アレルギー性結膜炎は、日本人の約15~20%がかかっているといわれています。
また、アレルギー性結膜炎には、季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎があります。
季節性アレルギー性結膜炎は、花粉などが原因で起こり特定の季節にのみ発症します。
通年性アレルギー性結膜炎は、ダニやハウスダストなどが原因で起こり、1年中症状がみられます。
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アレルギー性結膜炎で用いられる目薬
アレルギー性結膜炎で用いられる目薬には、どのような目薬があるのでしょうか。
以下でそれぞれ具体的にご紹介いたします。
目薬の種類
アレルギー性結膜炎で使われる目薬は、主に抗アレルギー性点眼薬を使用します。
また、重症の場合はステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を使用することがあります。
主な抗アレルギー点眼薬の名前は、以下のとおりです。
- アレジオン
- リボスチン
- アレギサール
- ケタス
- パタノール
抗アレルギー点眼薬は、ヒスタミンなどを出さないように抑制する目薬です。
アレルギー反応は、さまざまなアレルゲンがIgE抗体を介して、ヒスタミンなどを放出することで起こります。
そのため、アレルギー症状が出る前から目薬を使用すると効果的です。
主なステロイド点眼薬の名前は、以下のとおりです。
- フルメトロン0.02%
- フルメトロン0.1%
- オドメール0.02%
- オドメール0.1%
抗アレルギー点眼薬を使用してもかゆみが治まらなかったり、角膜に傷ができたりなどの症状がある場合はステロイド点眼薬を使用します。
また、アトピー性皮膚炎がある方は、まぶたにもステロイド剤のぬり薬を使用します。
ステロイドはとても効果的な薬ですが、副作用についても注意が必要です。
主な免疫抑制剤点眼薬の名前は、以下のとおりです。
- タリムス
- パピロックミニ
抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を使用しても症状が安定しない場合は、免疫抑制剤点眼を組み合わせます。
また、目薬での治療と合わせて生活習慣の改善などのアドバイスも行います。
有効成分
アレルギー性結膜炎の目薬に用いられる代表的な成分を説明します。
抗アレルギー成分
アレルギー性結膜炎の目薬に使用される主な抗アレルギー成分は以下のとおりです。
- エピナスチン
- オロパタジン
- レボカバスチン
- イブジラスト
- トラニラスト
エピナスチン、オロパタジン、レボカバスチンは、主に体内のヒスタミンの働きを阻害して、アレルギー反応を抑えます。
また、目薬以外にも飲み薬もあり、アレルギー性鼻炎や喘息の治療に使用します。
イブジラストは、免疫細胞からアレルギーを引き起こすヒスタミンなどの放出を抑えます。
ヒスタミンなどの放出を抑制することで、アレルギー反応を抑えます。
トラニラストは、体内のアレルギーを引き起こすさまざまな化学伝達物質の放出を阻害して、アレルギー反応を抑えます。
また、傷の治りをサポートする効果も期待できます。
抗ヒスタミン成分
アレルギー性結膜炎の目薬に使用される主な抗ヒスタミン成分は以下のとおりです。
- ケトチフェンフマル酸塩
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
目のかゆみなどの症状がある場合、抗ヒスタミン成分が含まれている目薬を使用します。
抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑えて、かゆみ、発赤などのアレルギー反応による炎症を改善します。
抗ヒスタミン成分は、すでに起こっているアレルギー反応に効果的です。
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アレルギー性結膜炎の目薬の使い方
アレルギー性結膜炎の目薬の使い方について
- 目薬をさすタイミング
- 目がかゆくなってから点眼するのではない
- コンタクトレンズは外す
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介いたします。
目薬をさすタイミング
目薬は通常、目のかゆみ、充血などの症状が出てから点眼薬を使用しても問題ありません。
目薬を2種類以上使用する時は、使用する順番に注意しましょう。
まず、最初に点眼する目薬は混濁していない目薬を使用します。
混濁とは濁っている目薬で、使用する前に振ってから点眼するタイプの目薬です。
最初に振らないタイプの目薬を使用して、その後に混濁性の目薬を使用します。
続けて目薬を使用する際は、5分以上間隔をあけて使用しましょう。
間隔が短いと、先に使用した目薬が流れ出てしまいます。
さらに、混濁していない目薬はどちらを先に使用してもとくに問題ありません。
しかし、抗生物質が含まれている目薬の場合は、最後に使用した方が流れ出てしまうことが少なくなるので効果的です。
目がかゆくなってから点眼するのではない
花粉が原因のアレルギー性結膜炎では、症状が出る前から目薬を使用する初期療法が有効です。
花粉症は症状が出る時期をある程度予想できます。
そのため、初期療法を行うと、症状が出る時期を遅らせたり、症状を軽くしたりなどの効果が期待できます。
コンタクトレンズは外す
アレルギー性結膜炎の治療で使用する目薬は、コンタクトレンズを着けたまま使用できません。
コンタクトレンズを着けたまま使用できない理由は、目薬に入っている防腐剤がコンタクトレンズと相性が悪いためです。
防腐剤入りの目薬を使用すると、コンタクトレンズが溶けたり、目に張りついたりすることがあります。
目薬を使用するときはコンタクトレンズを外して、目薬を使用後はコンタクトレンズの装着は止めましょう。
また、結膜炎の原因がコンタクトレンズの汚れや、使用期限以上の使用によることもあります。
そのため、結膜炎の症状や目やに、かゆみなどがある場合は、コンタクトレンズの使用を控えましょう。
アレルギー性結膜炎の目薬による副作用
アレルギー性結膜炎の目薬は、飲み薬に比べて量が少ないため、全身に副作用を起こす可能性は低いとされています。
そのため、同じ成分でも飲み薬だと不安だが、目薬なら安心と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、目薬は成分量が少なくても副作用があるので、注意が必要です。
基本的に目薬には、成分以外にもpHや浸透圧などを調整する成分が入っています。
また、目薬の開封後の細菌の繁殖を防ぐために、多くの点眼薬では防腐剤が含まれています。
そのため、長期間、目薬を使用すると防腐剤などの添加物による接触性皮膚炎などの副作用が生じることがあります。
とくに目薬を1回に2~3滴以上つけたり、目薬を使用した後にあふれ出た液を拭きとらなかったりすると副作用が生じやすくなります。
目薬は用法と用量を守り、副作用を防ぐためにもつけすぎには注意が必要です。
アレルギー性結膜炎で選んではいけない目薬
結膜炎が疑われる場合は、血管収縮剤配合の目薬は避けましょう。
血管収縮剤配合の目薬を使用して充血が良くなると、病気が治ったと誤解してしまう可能性があります。
そのため、結膜炎の炎症の症状が判断できなくなる可能性があります。
血管収縮剤には、「塩酸ナファゾリン」「塩酸テトラヒドロゾリン」「塩酸フェニレフリン」などがあります。
ステロイド点眼薬の効果と依存性
ステロイド点眼薬は、かゆみや充血などの症状に対して即効性があります。
そのため、患者の中にはステロイド点眼薬に依存してしまうことがあります。
しかし、ステロイド点眼薬の使用は眼圧が上昇するなどの副作用が報告されています。
そのため、安全に使用するためには医師の指示のもとで使用することが重要です。
基本は抗アレルギー点眼薬を回数を守って一定期間続けて使用しましょう。
抗アレルギー点眼薬を使用しても効果が十分でない場合にのみステロイド点眼薬を使用することが大切です。
アレルギー性結膜炎の目薬のまとめ
ここまで、アレルギー性結膜炎の目薬の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- アレルギー性結膜炎の目薬の種類には、抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬など
- アレルギー性結膜炎の目薬の使用方法は、花粉が原因の場合は初期療法が効果的
- アレルギー性結膜炎の目薬の副作用は、防腐剤による接触性皮膚炎など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。