花粉症とは、スギ、ヒノキなどの植物が原因で起こるアレルギー性の疾患です。
家族に初めて花粉症の症状があらわれたり、花粉症で悩んでいたりする方もいるのでしょうか。
では、花粉症はまず何科を受診したらよいのでしょうか。
本記事では、花粉症は何科で受診について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症で何科を受診すべきか迷ったときに選ぶ基準について
- 花粉症の検査方法とは
- 花粉症の治療方法とは
花粉症は何科で受診すべきかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、スギなどの植物の花粉が原因で起きる季節性アレルギー性疾患の総称です。
主に、鼻の症状からなるアレルギー性鼻炎や目のかゆみなどの症状からなるアレルギー性結膜炎が生じます。
また、皮膚に症状が出る「花粉皮膚炎」と呼ばれる症状が出ることもあります。
花粉症の患者数は毎年増加傾向にあり、日本人の40%ほどがスギ花粉症といわれています。
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花粉症は何科で受診?
花粉症は何科で受診すべきかについて
- 耳鼻科/耳鼻咽喉科
- 内科
- 眼科
- 小児科
- 重症の場合はアレルギー科
などがあります。
それぞれ具体的にご紹介します。
耳鼻科/耳鼻咽喉科
鼻に関する症状があり、何科を受診するか迷ったときは眼科を受診しましょう。
耳鼻科や耳鼻咽喉科は、鼻、耳、のどを専門的に診る診療科です。
くしゃみ、鼻づまり、鼻水などの症状が気になる場合は、耳鼻科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、花粉症であることがはっきりと診断されれば、目のかゆみにも対応してくれます。
花粉症だけでなく副鼻腔炎を合併している場合もあります。
そのため、鼻水やくしゃみなどの症状があり、何科に受診するか迷ったときは耳鼻科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
内科
風邪の治療は内科で診ますが、アレルギーの一つである花粉症も内科で対応してくれます。クリニックによっては小児科も対応している場合があります。
花粉症はアレルギー性の病気のため、主に鼻や目に症状があらわれます。
しかし、気管支などにぜんそく症状としてあらわれることもあります。
花粉症の症状はさまざまであり個人差があります。
状況によって医療機関の間で協力し合って診察をします。
花粉症で何科に受診するか迷ったときは、まず内科を受診するのがおすすめです。
眼科
目に関する症状があり、何科を受診するか迷ったときは眼科を受診しましょう。
眼科は、目とその周りのまぶた、目の筋肉、涙に関する器官を診る診療科です。
花粉によるアレルギー性結膜炎では、目のかゆみ、目やに、充血、まぶたの腫れなどの症状があらわれます。
そのため、目の症状に関しては眼科で診てもらうとよいでしょう。
また、ステロイド点眼薬を使用する場合は緑内障の作用が出ることがあります。
ステロイド点眼薬を使用する場合は、眼科に定期的に受診し眼圧検査をしてもらいながら治療しましょう。
小児科
子どもの花粉症の場合、何科を受診すべきか迷う方もいるのではないでしょうか。
子どもの花粉症は小児科で診てもらうのがよいでしょう。
小児科では、本当に花粉症なのか子ども特有の感染症ではないかを調べて治療します。
子どもの場合は、薬の種類や薬の量などが大人と異なることがあります。
耳鼻咽喉科、内科、眼科でももちろん薬の量などを考えて薬を処方します。
しかし、かかりつけの小児科がある場合は、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。
重症の場合はアレルギー科
アレルギー科は、アレルギー性疾患を専門的に診る診療科です。
医師にはさまざまな専門医がいます。
日本アレルギー学会が認定するアレルギー専門医もその一つとなっています。
クリニックの名前に「〇〇アレルギークリニック」や診療科目名にアレルギー科と掲げているところのほとんどはアレルギー専門医が診察をしています。
花粉症に対する治療は診療ガイドラインがあるため、診療科によって治療内容が大きく変わることはありません。
しかし、重症であり何科を受診すべきか悩んだら、アレルギー専門医がいるアレルギー科を受診することも検討しましょう。
花粉症の検査方法
花粉症の検査方法は基本的に血液検査を行い、スギ、ヒノキなどのIgE値を測定します。
血液を採取して4~5日後には結果が出ます。
IgE 抗体はアレルギーに関連する物質で、体内に IgE 抗体の量が多いほどアレルギー症状が起きやすいとされています。
血液検査で測定可能な抗原は約200種類ほどあり、健康保険では13種類までの検査ができます。
花粉症の治療方法
花粉症の治療方法には
- 薬物治療
- 手術
- 舌下免疫療法(減感作療法)
があります。
それぞれ具体的にご紹介します。
薬物治療
薬物治療では抗ヒスタミン薬などの飲み薬を使用します。
症状が強いときは、抗ロイコトリエン薬やステロイドの飲み薬を使用することがあります。
とくに花粉症では、薬の選択と開始時期が重要になります。
花粉飛散開始前から服薬を始めると、シーズン中の症状が軽くなることがあります。
花粉飛散開始前から服用する治療法のことを初期療法といいます。
花粉が大量に飛散して今まで服用していた薬が効かないときは、一時的に強い薬に変更することもあります。
薬の効き具合や眠気などの副作用には個人差があります。
そのため、効果があった薬、効果がなかった薬の名前をおくすり手帳などに記録するとよいでしょう。
手術
手術では日帰り手術で行う炭酸ガスレーザーを用いて鼻の粘膜を処置する手術があります。
手術の流れは以下のとおりです。
- 約15分から30分間程度、鼻の中に麻酔の薬を浸したガーゼを入れます。
- その後、内視鏡で鼻の中を後方まで確認しながら鼻の粘膜をレーザーで焼灼します。
- 手術時間は両側で10~20分程度で終了します。
花粉症のシーズン前にレーザー手術を行うことで、シーズン中の鼻炎症状を弱められます。
複数回、レーザー手術を行うことでより効果が期待できます。
舌下免疫療法(減感作療法)
舌下免疫療法とは、体内に少量のアレルゲンを入れて体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状が軽くなるようにする治療です。
舌下免疫療法は、スギ、ダニにのみ治療対象となっており、現在の治療法の中では唯一根本的に症状を緩和できる治療法です。
治療期間は3年から5年が推奨されていますが、半年~1年ほどで効果が出ることもあります。
花粉症の症状を軽減するには
花粉症の症状を軽減するには何よりも花粉を体内に入れないことです。
花粉のほとんどは鼻と口から侵入するため、鼻と口の侵入経路を塞ぐことで花粉の侵入を防げます。
また、花粉症用のマスクは、およそ7~8割の花粉の侵入を防げます。
しかし、マスクの付け方を間違えたり、サイズが合っていなかったりすると予防効果は期待できなくなります。
マスク装着時は以下のことに気をつけましょう。
- 顔にあったサイズのマスクをつける
- ノーズクリップの形を鼻に合わせる
- プリーツを伸ばし、鼻から顎まで隠れるようにする
- くしゃみや鼻水で内側が汚れたらすぐに交換する
また、目の粘膜に花粉が着かないように、花粉症用のメガネをかけることも有効です。
気温が高く湿度が低い日や晴れた日の日没頃は、花粉が飛びやすい条件となります。
花粉が飛びやすい日は、外出を避けるのも効果的です。
逆に夜間、雨の日、気温が低い日は花粉が飛びにくいです。
外出する際は、花粉が飛びにくい日を選ぶのもよいでしょう。
花粉症のセルフチェック方法
花粉症で何科を受診すべきか考え、病院への受診を考えている方もいるのではないでしょうか。
花粉症の疑いがある方は病院へ行く前に、まず花粉症なのかを以下でセルフチェックしてみましょう。
- 花粉症のニュースを見ると憂鬱になる
- 鼻水が水のようにさらっとして透明
- 鼻つまりがある
- くしゃみが連続して出る
- 1日に鼻をかむ回数が10回以上
- 症状は朝起きたとき、昼頃、夕方に強くなる
- 症状は花粉の飛散時期に2週間以上つづく
- 目のかゆみや充血もある
- 熱はない(あっても微熱)
当てはまる項目が多い方は花粉症の疑いがあります。
花粉症はその年の花粉の飛散量によっては、発症しない方もいます。
また、花粉症と風邪との区別もつきにくいです。
気になる症状がある方は、一度、医師の診断を受けましょう。
花粉症:何科のまとめ
ここまで、花粉症は何科を受診すべきか情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 花粉症で何科を受診すべきか迷ったときは、くしゃみ、鼻の症状が気になる場合は耳鼻科や耳鼻咽喉科
- 花粉症の検査方法は、血液検査でIgE値を測定など
- 花粉症の治療方法は、薬物治療、手術、舌下免疫療法
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。