花粉症に悩まされる方は少なくありません。
花粉症の原因となる花粉にはいろいろな種類があり、それぞれ飛散時期などが異なります。
花粉症を引き起こす代表的な花粉の種類や、それぞれの飛散・ピーク時期はいつなのでしょうか。
本記事では、花粉症の種類について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症を引き起こす代表的な種類と飛散時期
- 花粉症の検査方法
- 花粉症の予防方法
花粉症の種類について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、植物の花粉によって引き起こされるアレルギー症状です。
体内に侵入した花粉に対し、身体の免疫機能が過剰反応することで、さまざまな症状があらわれます。
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
代表的な症状は鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどです。
花粉症は春のものと思われがちですが、花粉自体は種類・季節を問わず飛んでいます。
そのため、特に花粉に敏感な方は通年で花粉症の症状があらわれることもあります。
出典:環境省【Ⅰ . 花粉症とは】
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花粉症を引き起こす種類
花粉症を引き起こす花粉には、さまざまな種類があります。
花粉症の原因となる代表的な種類をご紹介します。
あわせて、関東における種類ごとの花粉の飛散時期・ピーク時期もご紹介します。
関東より西の地域では、関東よりも飛散・ピークが半月程度早くなる傾向がみられます。
反対に関東より北の地域は、関東よりも花粉症シーズンが半月程度遅くなります。
スギ花粉
スギ花粉は、花粉症を引き起こす代表的な種類です。
関東におけるスギ花粉の飛散時期は例年3月上旬~5月上旬です。
飛散のピーク時期は3月中上旬です。
スギ花粉の飛散は、梅雨以降はやや落ち着くことが一般的です。
出典:環境省【花粉情報サイト】
出典:環境省【スギ・ヒノキ花粉のピーク時期と終息予測】
ヒノキ花粉
花粉症を引き起こす代表的な種類がヒノキ花粉です。
関東におけるスギ花粉の飛散時期は例年4月上旬~5月上旬です。
飛散のピーク時期は5月上旬です。
関西地域では、年によってはヒノキ花粉がスギ花粉の飛散量を上回ることもあります。
出典:環境省【花粉情報サイト】
出典:環境省【スギ・ヒノキ花粉のピーク時期と終息予測】
シラカンバ花粉
シラカンバ花粉は、日本国内では主に北海道地方に飛散する種類です。
北海道では、シラカンバ花粉による花粉症患者は年々増加傾向がみられます。
北海道地方におけるシラカンバ花粉の飛散時期は4月中旬~6月中旬です。
飛散のピーク時期は4月下旬~6月上旬といわれています。
イネ花粉
イネ科の植物の花粉による花粉症も報告されています。
関東におけるイネ花粉の飛散時期は3月下旬~10月下旬です。
イネ花粉の飛散時期は、他の種類と比べても長いことが分かります。
ピーク時期はだいたい5月上旬~6月中旬です。
ブタクサ花粉
ブタクサ花粉も花粉症の原因となる種類です。
ブタクサ花粉による花粉症は、特に夏から秋にかけて目立ちます。
関東におけるブタクサ花粉の飛散時期は8月~10月頃です。
飛散のピーク時期は8月下旬~9月下旬が一般的です。
ブタクサ花粉は、特に午前中に飛散量が増える傾向がみられます。
ヨモギ花粉
ヨモギ花粉は秋の花粉症を引き起こす代表的な種類です。
関東における花粉の飛散時期は7月下旬~11月中旬で、年によっては12月まで続くこともあります。
飛散のピークを迎えるのは8月下旬~9月中旬です。
カナムグラ花粉
カナムグラ花粉は、秋の花粉症を代表する種類の1つです。
関東における花粉の飛散時期は8月中旬~11月中旬です。
一般的な飛散のピーク時期は9月~10月上旬です。
カナムグラの花粉は他の種類と比べて花粉量が少なく、飛散距離も短めです。
ただし、カナムグラは公園・道ばた・軒先などの幅広い場所に生息しているため、花粉との接触機会は多いといえます。
花粉症の種類を診断する検査
花粉症を改善するには、まず症状の原因を特定する必要があります。
花粉症の種類の診断に用いられる代表的な検査方法をご紹介します。
血中IgE検査
血中IgE検査は血液検査の1種です。
採取した血液中に、IgEがどの程度生成されているかを調べます。
IgEとはアレルギー物質に反応して作られる免疫抗体物質です。
血中のIgEの数値が高いほど、なんらかのアレルギー症状を有している可能性があります。
ただし、IgEが高いだけでは、アレルギー症状の原因が花粉かどうかは判別できません。
たとえば、アレルギー症状の原因は食べ物やハウスダストの可能性もあります。
そこで花粉症の検査では、特に花粉に反応する特異IgEの検査を行うこともあります。
特異IgEの数値が高いほど、アレルギー症状の原因が花粉である可能性が高まります。
特異IgEの検査結果次第では、花粉症の原因となっている花粉の種類を特定できることもあります。
皮膚反応検査
皮膚反応検査は、皮膚に一定時間花粉のエキスをあてて反応をみる方法です。
パッチ検査方式が多く、実施~結果判明までは数日かかることもあります。
パッチテストを実施した箇所にかぶれなどの症状がある場合は、花粉症の疑いがあります。
鼻粘膜誘発テスト
花粉エキスを染みこませた紙を鼻の粘膜にあてて反応をみる検査です。
くしゃみ・鼻水などの症状が出た場合は、花粉症が疑われます。
鼻粘膜誘発テストでは、花粉症の有無だけでなく、原因となっている花粉の種類の特定も可能です。
花粉症の予防方法
花粉症は、しっかり予防対策をとることで症状を軽減しやすくなります。
ここからは、おすすめの花粉症の予防方法をご紹介します。
外出時
外出の際は、花粉を身体に付着させないことを意識しましょう。
たとえば次のようなアイテム・衣服の着用がおすすめです。
- 帽子
- マスク
- メガネ・サングラス
- ツルツルした素材の衣服
帽子・マスク・メガネは身体に花粉が付着するのを防いでくれます。
衣服はすべりやすい素材のものを身につけると、花粉が付着しにくくなります。
あわせて利用したいのが静電気除去スプレーです。
衣服が静電気を帯びていると、花粉が付着しやすくなるためです。
花粉との接触を減らすために、不要な外出はできる限り減らすことも大切です。
帰宅時
帰宅時は、自宅内に花粉を持ち込まないことを意識してください。
たとえば次のような方法が有効です。
- 玄関の外で衣服・髪を払う
- 帰宅後はすぐに衣服を脱いで洗濯する
- 帰宅後はすぐ洗顔・シャワーをし、身体についた花粉を落とす
衣服の洗濯の際は、柔軟剤の使用がおすすめです。
柔軟剤を使うと静電気が発生しにくくなるため、次の外出時に花粉が付着しにくくなります。
洗濯物はできる限り室内に干しましょう。
屋外に押すと、飛散している花粉が洗濯物に付着する可能性があります。
室内での対策
室内にいる間は、花粉を侵入させないことが大切です。
たとえば次のようなポイントを意識してください。
- 窓の開閉は最小限にする
- 空気清浄機を使う
- 加湿器を使う
- 掃除はまず拭き掃除から行う
花粉の侵入を防ぐには、窓・戸の開閉はできるだけ少なくすることが大切です。
空気を入れ替えたいときは、空気清浄機を使うのも1つの方法です。
加湿器の利用もおすすめです。
適度な湿り気がある場所では、花粉は飛散せずに床に落ちやすくなるためです。
花粉シーズンは、掃除はまず拭き掃除から行いましょう。
乾いた床に掃除機をかけると、床に落ちた花粉が舞い上がる可能性があるためです。
花粉症の7割はスギ花粉
花粉症を引き起こす花粉にはさまざまな種類があります。
日本国内では、花粉症の原因の7割はスギ花粉と推察されています。
スギ花粉症患者は全人口の16%以上ともいわれており、患者数は年々増加しています。
花粉症におけるスギ花粉の割合が大きい理由として、スギ林の面積が指摘されています。
日本においては、スギ林の面積は国土の12%を占めます。
つまりスギは他の植物と比べて数が多いため、相対的に飛散する花粉の量も多いというわけです。
ただし、地域によっては、花粉症の主な原因はスギ花粉以外のこともあります。
たとえば北海道では、スギ花粉よりもシラカンバ花粉のほうが目立ちます。
関西ではスギ林とヒノキ林の面積はほぼ同等です。
そのため、年によってはヒノキ花粉による花粉症患者の方が多いこともあります。
出典:厚生労働省【花粉症の正しい知識とセルフケア】
花粉症の種類のまとめ
ここまで花粉症の種類についてお伝えしてきました。
花粉症の種類の要点を以下にまとめます。
- 花粉症を引き起こす代表的な種類は、春はスギ・ヒノキ・シラカンバなど、秋はイネ・ブタクサ・ヨモギなど
- 花粉症の検査方法は血液検査・パッチ検査・鼻粘膜検査など
- 花粉症の予防方法は、花粉をできる限り身体に付着させないことや、自宅内に持ち込まないこと
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。