食中毒になると腹痛や下痢、嘔吐などの症状とともに発熱することがあります。
発熱の原因は、細菌やウイルスが体内に侵入して熱を出す物質を放出することや、免疫機能によるものです。
食中毒による発熱はどのようにして引き起こされるのでしょうか?
また、発熱しやすい食中毒の種類にはどんなものがあるのでしょうか?
本記事では食中毒と発熱について以下の点を中心に紹介していきます。
- 食中毒で発熱が起きる原因
- 発熱しやすい食中毒の種類と食品
- 家庭でできる食中毒を予防するポイント
家庭での食中毒を防ぐポイントも紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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食中毒とは
食中毒とは、細菌やウイルスなどの有害な物質を食品などから摂取することによって下痢や腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気のことです。
食中毒は以下の種類に分けられます。
- 細菌性食中毒
- ウイルス性食中毒
- 化学性食中毒
- 自然毒食中毒
高温多湿になる6〜9月に細菌性食中毒が、12〜3月の冬場はウイルス性食中毒が流行します。
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食中毒で発熱する理由
食中毒で発熱が引き起こされる原因は2種類に分けられます。
それぞれの違いを確認していきましょう。
細菌が熱を出す物質を出すことにより発熱する
細菌やウイルスなどは、発熱の原因になる物質を出すことがあります。
発熱の原因になる物質は「発熱物質」と呼ばれ、体内でも生産されます。
体外から入ってきた発熱物質は、体内の発熱物質の生産を促したり、そのまま脳に運ばれたりします。
脳に運ばれた発熱物質が、体温を調節している神経に働きかけて発熱が引き起こされます。
細菌を排除する免疫の働きにより発熱する
細菌やウイルスが体内に入ると、免疫が細菌を排除しようと働きます。
細菌を排除するには、体温を上げて免疫を活性化させる必要があります。
したがって、体温を調節する神経が体温を上げる指令を出して発熱します。
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食中毒で発熱した際の体温
食中毒による発熱は38℃前後の場合が多いです。
39℃以上の高熱が出る場合は、ロタウイルスやサルモネラ菌、カンピロバクターが原因と推測できます。
発熱しやすい食中毒の種類
食中毒によって発熱することはあります。
しかし、全ての食中毒で発熱の症状が出るわけではありません。
特に発熱しやすい食中毒の種類には、以下の4つがあげられます。
発熱しやすい食中毒|サルモネラ菌
家畜やペットなどの腸に存在する細菌のことです。
低温や乾燥に強く、熱に弱い特徴があります。
感染経路 | ・十分に加熱されていない、鶏肉や牛肉のたたき、レバ刺し、卵などの食品 ・犬や猫、ハムスターなどのペットとの接触 |
潜伏期間 | 食後6〜48時間 |
発熱 | 38〜40℃の発熱 |
発熱しやすい食中毒|腸炎ビブリオ菌
海水などの塩分のあるところに増える菌のことです。
菌の増殖には2〜3%の塩分が必要で、真水や熱に弱いという特徴があります。
水温が15℃以上になると増殖することから、7〜9月に集中して発生します。
感染経路 | ・十分な洗浄がされていない、生の魚介類(刺し身)などの食品 ・調理器具などからの二次感染 |
潜伏期間 | ・食後4〜96時間と差がある ・10時間以内に発症することが多い |
発熱 | 37〜38℃の発熱 |
発熱しやすい食中毒|カンピロバクター属菌
家畜やペットなどの腸に存在する細菌のことです。
乾燥や熱に弱い特徴があります。
感染経路 | ・十分な加熱がされていない、肉類(特に鶏肉)、生乳、生野菜などの食品 ・犬や猫などのペットとの接触 ・野鳥の糞便に汚染された井戸水、湧き水など |
潜伏期間 | 食後2〜7時間 |
発熱 | 37〜39℃の発熱 |
発熱しやすい食中毒|ノロウイルス
カキなどの貝類や人間の腸内に存在するウイルスのことです。
熱に弱い特徴があります。
人間の腸内で増殖するため、少量の摂取で発症します。
感染経路 | ・十分な加熱がされていない、カキ、アサリ、シジミなどの二枚貝 ・ウイルスに汚染された水道水、井戸水など ・ノロウイルスに感染した人間の便や吐瀉物からの二次感染 |
潜伏期間 | 食後24〜48時間 |
発熱 | 38℃以下の発熱 |
食中毒による発熱以外の症状
食中毒は発熱以外にも、腹痛、下痢、嘔吐、筋肉痛や頭痛などの症状を引き起こします。
下痢や嘔吐による脱水で深刻な状態に悪化したり、死亡する可能性もある病気です。
誤った判断で薬を服用すると腸内で菌が留まり重症化します。
食中毒が疑われる場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
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発熱なしの場合でも食中毒の可能性が?
食中毒の典型的な症状には、発熱が見られることが一般的です。
ただし、発熱がない場合でも食中毒の可能性はあります。
食中毒は、ブドウ球菌やボツリヌス菌などが原因となり、下痢、嘔吐、腹痛、悪寒などの症状が現れることがあります。
食中毒は食品の不適切な調理や保存、微生物や毒素の感染などによって引き起こされます。
もし食中毒の疑いがある場合は、早急に医療機関を受診し、専門家の指示に従って適切な対処を行うことが重要です。
自己判断せず、専門家に相談しましょう。
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家庭での食中毒を防ぐポイント
食中毒は飲食店だけの問題ではなく、家庭で発生することも珍しくありません。
食中毒を予防するためには、家庭でもしっかり対策することが大切です。
食中毒を予防するポイントは3つあります。
細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の「食中毒の3原則」を実践することが大切です。
出典:厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント |厚生労働省」
食中毒予防法①細菌を食べ物に「つけない」
細菌を食べ物に「つけない」ように、せっけんでの手洗いを常に心がけてください。
手指にはさまざまな雑菌が付着し、触れたものが汚染されてしまうことがあります。
調理や食事の前後だけでなく、生の肉や魚、卵などを扱ったあとも手洗いをしましょう。
途中でオムツ替えやペットとの接触、トイレに行ったり鼻をかんだりした場合も同様です。
調理器具や食器、食品を洗うことも大切です。
カット野菜なども十分に洗ってください。
調理器具などを洗ったあとはしっかり乾燥を行います。
調理器具や食器は清潔なものを使うようにしてください。
また、生の肉や魚には細菌やウイルスが付着しています。
調理や保存の際はポリ袋に入れるなど、他の食品と別にすることを意識しましょう。
調理中は肉や魚などの汁が、他の食品に付着しないように気をつける必要があります。
包丁やまな板などの調理器具は肉用、魚用、野菜用に分けておくと安全です。
食中毒予防法②食べ物についた細菌を「増やさない」
多くの細菌は10℃以下の環境で増殖が抑えられ、-15℃以下の環境で増殖が止まります。
細菌を「増やさない」ためには、食品を常温ではなく冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。
買い物のとき、表示のある食品は、期限を確認してから購入しましょう。
持ち歩く時間を減らすため、生鮮食品は最後に購入し、寄り道せず帰ることも大切です。
また、持ち帰った食品は早めに冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。
冷蔵庫などは中身を詰めすぎると冷気の循環が悪くなるため、気をつける必要があります。
保存した食品を早めに使い切ることも予防になります。
保存してから時間が経過しているときや、少しでも怪しいときは食べずに捨ててください。
食中毒予防法③食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける(殺菌)」
細菌を「やっつける」ために食品を加熱したり、調理器具に熱湯をかけて殺菌しましょう。
多くの細菌やウイルスは75℃で1分以上加熱することで死滅します。
温めて食べる食品はしっかり加熱するようにしてください。
ノロウイルスの感染源となる二枚貝などは、85〜90℃で90秒以上の加熱が必要です。
残り物の食品も、電子レンジなどでしっかり加熱しましょう。
調理器具や食器は洗ったあとに熱湯をかけると殺菌ができます。
アルコールや漂白剤などの洗剤を使っての消毒も効果的です。
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食中毒と発熱についてよくある質問|Q&A
食中毒になると必ず発熱するのですか?
食中毒になると必ずしも発熱するわけではありません。
しかし、体が感染源や毒素を排除しようとする反応として発熱することがあります。
食中毒の症状は原因となる菌や毒素によって異なります。
食中毒の発熱はどれくらいの期間続くものなのですか?
食中毒の発熱は通常、数時間から数日間続くことが多いです。
しかし、重症の場合や体調が良くない場合は、それ以上の期間続くこともあります。
症状が長引く場合は医師の診察を受けることをおすすめします。
食中毒の発熱以外の主な症状は何ですか?
食中毒の主な症状としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などが挙げられます。
また、頭痛や全身のだるさ、脱水症状も見られることがあります。
食中毒による発熱を下げるための対処法は?
発熱を下げるためには、十分な休息をとることが大切です。
また、解熱剤を使用することも考えられますが、使用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
脱水を防ぐためにも、水分補給を忘れずに行ってください。
食中毒の発熱で病院を受診すべきタイミングは?
高熱が3日以上続く、症状が重症化する、脱水症状が出る、持病があるなどの場合は、速やかに医師の診察を受けることをおすすめします。
また、症状が急激に悪化する場合も、早めの受診が必要です。
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食中毒と発熱のまとめ
ここまで食中毒と発熱についてお伝えしました。
食中毒と発熱の要因をまとめると以下の通りです。
- 食中毒で発熱が起きる原因は細菌の発熱物質か、免疫の働きによるもの
- 発熱しやすい食中毒は4種類あり、主に肉や魚介類などの食品が原因
- 家庭でできる食中毒を予防するポイントは「食中毒予防の3原則」を実践すること
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。