食中毒とは、細菌やウイルスなどの感染が原因で嘔吐や下痢などが起きる病気です。
食中毒は、細菌やウイルスの種類により治るまでの期間が異なります。
では、食中毒が治るまでの期間はどのくらいなのでしょうか。
本記事では、食中毒が治るまでの期間について以下の点を中心にご紹介します。
- 食中毒の原因と症状とは
- 食中毒が治るまでの期間について
- 食中毒の予防するポイントとは
食中毒が治るまでの期間について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
食中毒とは?
食中毒とは、食べ物や飲み物などに含まれている有害物質を摂ることにより、発症する病気です。
主な症状は、
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛、発熱
などの消化器症状があらわれます。
食中毒の原因となる物質は、直接毒物として作用する場合と、細菌やウイルスなどの微生物が増殖して発症する場合があります。
スポンサーリンク
食中毒はどれぐらいで治る?
食中毒が治るまでの期間は、どのくらいなのでしょうか?
以下の通りにそれぞれ具体的にご紹介いたします。
- 主な食中毒の原因と症状及び治療方法
- 食中毒の原因・症状別に治るまでの期間
主な食中毒の原因と症状及び治療方法
食中毒には、以下のような原因や症状、治療方法があります。
- 細菌による食中毒
- ウイルス性による食中毒
- 自然毒による食中毒
- 化学性による食中毒
- 寄生虫による食中毒
細菌による食中毒
細菌による食中毒の原因は、以下の通りです。
- 黄色ブドウ球菌
- カンピロバクター
- サルモネラ
- O-157などの腸管出血性大腸菌
細菌性食中毒は、
- 毒素型
- 感染型
の2種類に分類されます。
毒素型は、生体以外で産生された毒素が原因となる食中毒です。
潜伏期間がとても短く、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがあります。
感染型は、生体内で毒素が作り出される腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオなどが原因で発症します。
細菌による食中毒の主な症状は、
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 38度~40度の発熱
などがあります。
食中毒になった場合の対処法は、症状が軽い場合は水分をよく摂り、脱水にならないように気をつけましょう。
下痢や吐くことで、体の水分やミネラルが失われてしまいます。
そのため、水分よりもスポーツドリンクの方が適しています。
ウイルス性の食中毒
ウイルス性の食中毒の原因は、以下の通りです。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- A型肝炎ウイルス
- E型肝炎ウイルス
ウイルス性の食中毒では、加熱不十分による生ガキを食べるなどして、ノロウイルスに感染することが多くみられます。
ウイルス性の食中毒は、感染力がとても強く、人から人への感染が多くみられます。
ウイルス性の食中毒による症状は、
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
などがみられます。
主な治療法では、脱水を防ぐために水分を十分に摂り、吐き気が強い場合は吐きやすいように横向きに寝ましょう。
仰向けで寝てしまうと、吐いたものがのどに詰まってしまう可能性があります。
また、高齢者や小さい子どもは、吐いたものが口の中に残らないようにビニール手袋をしてかきだしましょう。
自然毒による食中毒
自然毒による食中毒の原因には、
- 動物性
- 植物性
の2種類あります。
動物性の食中毒では、強力な神経毒であるフグ毒があげられます。
テトロドトキシンによるフグ毒は、呼吸困難になる恐れがあるため、とても危険です。
毒キノコなどの植物性の自然毒には、カキシメジ、クサウラベニタケなどがあります。
タマゴテングタケやドクツルタケは、命の危険にかかわることがあります。
自然毒による食中毒の症状は、
- 嘔吐
- 吐き気
- 下痢
などがみられます。
下痢がずっと続く場合は、下痢止めを服用せずに食中毒の原因となる毒を排出することが大切です。
化学性による食中毒
化学性による食中毒の原因には、
- 鮮度の落ちたマグロ、カジキ、サバなどの魚
- チーズなどの発酵食品
- 腐敗した食品に含まれるヒスタミン
などがあります。
化学性食中毒の主な症状は、
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
などがみられます。
食中毒では、便や吐いたものをきちんと処理することが大切です。
吐いたものや便が床などに飛び散った場合は、使い捨てのマスク、ビニール手袋を着けて拭き取りましょう。
また、拭き取ったものはビニール袋に入れて密閉して捨てます。
さらに、次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、処理している最中と処理後はしっかり換気しましょう。
寄生虫による食中毒(アニサキス等)
寄生虫による食中毒では、
- サバやイカに寄生するアニサキス
- ヒラメに寄生するクドア
などが食中毒の原因となります。
食中毒の主な症状は、
- 激しい腹痛
- 悪心
- 嘔吐
- 下痢
などがあります。
十分な水分を摂り、食欲があれば、おかゆなど胃に負担のかからないものを食べましょう。
食中毒の原因・症状別に治るまでの期間
食中毒が治るまでの期間は、以下のように原因・症状によって異なります。
細菌による食中毒が治るまでの期間
細菌による食中毒の潜伏期間は短く、通常1〜5時間で平均3時間と言われています。
症状は、
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
などが多く、発熱はあまりみられません。
大体、2〜3日で治るとされます。
ウイルス性の食中毒が治るまでの期間
ウイルス性の食中毒の潜伏期間は、24時間〜48時間とされています。
主な症状は、
- 下痢
- 吐き気
- 腹痛
- 発熱
などがみられ、その症状の多くは3日以内で回復するとされています。
自然毒による食中毒が治るまでの期間
症状の発症は早く、食後30分から4時間であらわれると言います。
主な症状は、
- 下痢
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛
などがあらわれます。
回復は早い傾向にあり、治るまでは通常、3日以内に回復するとされています。
化学性による食中毒が治るまでの期間
化学性食中毒は、おおむね数日から2週間程度で完治します。
食中毒の症状が強い場合は、医療機関を受診しましょう。
寄生虫による食中毒(アニサキス等)が治るまでの期間
アニサキスなどの寄生虫に対する効果的な治療薬はありません。
また、アニサキスの治療法は、胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜の虫体を摘出します。
腸アニサキス症では対症療法を行い、状況によっては外科的処置が行われます。
食中毒の対処法について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
食中毒は高温多湿な夏季に起こるものというイメージがあります。ですが食中毒には細菌性とウイルス性があり、ウイルス性の食中毒は季節を問いません。食中毒にはどのような症状があるでしょうか?食中毒になったときはどうすればよいでしょうか?本記事で[…]
食中毒と時間について食中毒は、感染から発症まで時間がかかることをご存じですか。潜伏期間は原因菌によっても異なります。それでは、一般的な食中毒の潜伏期間はどれくらいなのでしょうか。本記事では、食中毒と時間について以[…]
ときどき飲食店で食中毒による業務停止命令などが出ることがあります。しかし、それは氷山の一角で、実は家庭でも食中毒が起こっているのです。食中毒はどうやったら防ぐことができるのでしょうか。本記事では食中毒について以下の点を中心に[…]
食中毒の予防のためのポイント
食中毒の予防のためのポイントは、以下の通りです。
- 食中毒予防のための食品購入時の注意点
- 家庭での保存方法・下準備
- 食中毒にならないための調理方法
- 残った食品の保存・処理方法
それぞれ具体的にご紹介します。
参照:【厚生労働省】家庭での食中毒予防
食中毒予防のための食品購入時の注意点
食中毒を予防するために食品を購入するときは、消費期限などを確認して購入しましょう。
購入した食品は、肉汁や魚などの水分が漏れないようにビニール袋など包み、持ち帰ります。
また、できれば保冷剤や氷などと一緒に持ち帰ることがおすすめです。
特に、生鮮食品などのように、冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品は、最後に買い物して早めに帰宅しましょう。
家庭での保存方法・下準備
冷蔵や冷凍の必要のある食品は、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
また、冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎには気をつけましょう。
冷蔵庫や冷凍庫の収納は、7割程度に抑えるようにしましょう。
冷蔵庫の温度は10度以下にし、冷凍庫はー15度以下に維持することが目安です。
肉や魚などはビニール袋や容器に入れ、ほかの食品に肉汁などがかからないように気をつけましょう。
食中毒にならないための調理方法
調理する際は手を洗い、加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。
加熱を十分にすることで、食中毒菌がいたとしても殺菌することができ、食中毒を予防できます。
加熱の目安は、中心部の温度が75度で1分間以上加熱しましょう。
また、調理を途中で止めるときは冷蔵庫に入れ、再び調理するときは十分に加熱します。
電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器と蓋を使い、調理時間に気を付けて使用します。
熱が伝わりにくい食品は、時々かき混ぜることも必要です。
残った食品の保存・処理方法
残った食品を調理する場合も手を洗うことが大切です。
また、残った食品は綺麗な調理器具で調理し、綺麗なお皿を使って保存しましょう。
残った食品は、早く冷えるように浅い容器に保存します。
時間が経ちすぎている食品は、思い切って捨てましょう。
残った食品を温めなおすときも、75度以上を目安にして十分に加熱しましょう。
食中毒の予防について、陀羅尼詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
ときどき飲食店で食中毒による業務停止命令などが出ることがあります。しかし、それは氷山の一角で、実は家庭でも食中毒が起こっているのです。食中毒はどうやったら防ぐことができるのでしょうか。本記事では食中毒について以下の点を中心に[…]
食中毒が治るまでの食事のポイント
食中毒が治るまでの食事は、体の状態をみながら水分補給をします。
水分補給するときは、少量ずつを回数を分けて摂取しましょう。
摂取する水分は、温かい汁物やお茶などがおすすめです。
また、スポーツドリンクや野菜ジュースなどは、不足しがちなミネラル、ビタミンも一緒に摂ることができます。
嘔吐が治まってきたら、消化の良いものから食べ始めましょう。
消化の良いものには、以下のようなものがあります。
- おかゆ
- うどん
- くず湯
- やわらかく煮た野菜
- 食パン
症状が落ち着いてきたら、体力を回復するためにも栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。
調理方法は、
- 煮る
- 蒸す
- 茹でる
などして柔らかくし、油をあまり使用しないことが胃腸への負担を軽くします。
食中毒が治るまでの食事について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
[sitecard subtitle=関連記事 url= target=][sitecard subtitle=関連記事 url= target=]食中毒とは、細菌やウイルスなどの感染が原因で嘔吐や下痢などが起きる病気です。食中毒は、細[…]
同じ食事をしても食中毒になる方とならない方の違い
家族で同じ食事をしたとしても、全ての方が食中毒になるわけではありません。
健康な方は、以下のことにより食中毒になりにくくなっています。
- 胃酸により食中毒菌が殺菌される
- 乳酸菌などにより繁殖しにくい環境が作られている
しかし、以下のような方は食中毒になりやすくなります。
- 高齢者や小さな子供
- 成人でも免疫力が落ちている方
さらに、食中毒菌を摂取した量によっても発症時間や症状の強さなどが異なることがあります。
また、症状がみられない方でも、検便を行うと食中毒菌が検出される可能性があります。
このような方を健康保菌者と言います。
そのため、健康保菌者でも感染力の強いノロウイルスなどを保菌している場合には、気づかないうちに食品を汚染し、周りの方に食中毒菌を移してしまう可能性が考えられます。
また、家族が食中毒になった場合は、自分に食中毒の症状がなくても、健康保菌者となっている可能性があります。
そのため、トイレに行った後は、石鹸でよく手を洗うなど感染予防に気をつけましょう。
食中毒って人に移るの?
通常、食中毒は人から人に移ることはありません。
しかし、以下のような
- O157
- 赤痢菌
- ノロウイルス
などのウイルスは、感染力が強いため、人から人へ感染する場合があります。
感染経路は、
- 感染した方の便や吐いたもの
- 咳
- クシャミ
- 汚染された水
などが主なものとされています。
もし、腹痛、下痢、発熱などの症状がみられるときは、病院へ受診しましょう。
参照:【厚生労働省】食中毒|厚生労働省
参照:【厚生労働省】食中毒の原因(細菌以外)
食中毒の原因について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
食中毒は高温多湿な夏季に起こるものとのイメージがあります。食中毒の原因にはさまざまあり実際は夏季だけの発生に限りません。本記事では食中毒の原因ランキングについて以下の点を中心にご紹介します。 食中毒の原因ランキングにつ[…]
家や学校で痛んだ食べ物を摂取して食中毒になったことのある方は少なくありません。しかし細菌やウイルスの種類による食中毒の違いはあまり知られていません。食中毒になる原因はどのような分類があるのでしょうか?食品別による食中毒の原因[…]
食中毒が治るまでの期間について・まとめ
ここまで、食中毒が治るまでの期間の情報を中心にお伝えしました。
食中毒の治るまでの期間についての要点を以下にまとめます。
- 食中毒の原因と症状には、黄色ブドウ球菌などがあり、腹痛、嘔吐、発熱などの症状がある
- 食中毒が治るまでの期間は、細菌による食中毒では2~3日で治る
- 食中毒の予防するには、購入した食品は水分が漏れないようにビニール袋に包むなどがある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。