花粉症は春のイメージが強いですが、9月~10月にかけて起こることもあります。
9月の花粉症の原因は一体何なのでしょうか。
また、春と秋の花粉症にはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、9月の花粉症について以下の点を中心にご紹介します。
- 9月の花粉症の原因
- 9月の花粉症の症状
- 花粉症に効く薬とは
9月の花粉症について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは?
花粉症は、植物の花粉が原因で起こるアレルギー症状です。
代表的な症状は鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどです。
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
出典:環境省【Ⅰ . 花粉症とは】
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花粉症は9月にもなる?
花粉症は春というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし実は、花粉症は9月~10月の秋にも起こります。
さらにいえば、花粉症は1年を通して起こる可能性もあります。
なぜなら、花粉症を引き起こす花粉は1年中飛散しているためです。
ただし、花粉症の原因となる花粉は季節によって異なります。
季節別の主な花粉症の原因は次の通りです。
春 | スギ・ヒノキ・シラカンバ |
夏 | カモガヤ・オオアワガエリ・スズメノテッポウ・イネ科 |
秋 | ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ |
冬 | スギ・ヒノキ |
1つの植物の花粉が季節をまたいで飛散することもあります。
たとえばスギ・ヒノキは春の花粉症として有名ですが、暖冬であれば冬頃から花粉が飛散することもあります。
花粉はさまざまな種類があり1年中飛散しているため、人によっては通年花粉症に悩まされることもあるでしょう。
ちなみに、花粉症とは花粉によって引き起こされるアレルギー症状の総称です。
アレルギー症状を引き起こす物質は、アレルゲンと呼ばれています。
花粉以外のアレルゲンとしては、ハウスダスト・ペットの毛などが代表的です。
9月(秋)の花粉症の症状の特徴
9月の花粉症は、春の花粉症と症状が異なることがあります。
9月の花粉症の特徴をご紹介します。
喉の痛みの症状は風邪?花粉症?
秋の花粉症は喉に症状が出やすい点が特徴です。
代表的なのは喉の痛みです。
9月以降にかけては、風邪などの感染症が流行しやすい季節でもあります。
そのため、喉の痛みを風邪だと誤解するケースも少なくありません。
9月にあらわれる身体の不調の原因を見分けるには、どうしたらよいでしょうか。
花粉症と風邪の症状の違いを次にまとめました。
花粉症 | 風邪 | |
喉の痛み | ある | ある |
喉のかゆみ | ある | ない |
鼻水 | 透明・サラサラしている | 初期はサラサラ・次第に粘り気が出る |
くしゃみ | 連続して出やすい | 冷たい空気などを吸い込んだときに単発で出やすい |
鼻づまり | ある | ある |
目のかゆみ | ある | ない |
発熱 | ない(稀に微熱) | ある |
咳 | 稀にある | ある |
身体・筋肉の痛み | ない | ある |
症状が出る時期 | 花粉シーズン | 通年 |
時間帯での違い | 起床後・昼・夕方が悪化しやすい | ほとんどない |
9月の花粉症はどんな症状?
9月の花粉症は、春の花粉症に比べて喉・気管支の症状が出やすいと指摘されています。
秋と春で症状に違いが見られる理由は主に2つあります。
花粉の種類の違い
1つめの理由は花粉の種類の違いです。
9月以降の花粉症の主な原因はブタクサなどです。
ブタクサの花粉は、春に飛散するスギ・ヒノキより粒子が細かいのが特徴です。
粒子が大きいスギ・ヒノキの花粉は、鼻の粘膜で引っかかることが多いです。
そのため春の花粉症は、鼻水・くしゃみといった鼻炎性の症状がよく見られます。
一方、粒子が小さいブタクサの花粉は鼻粘膜を通り過ぎて喉に侵入しやすいです。
結果として、9月の花粉症は、春に比べると喉の症状があらわれやすいというわけです。
花粉が気管支に入り込むと、喘息に似た症状が出ることもあります。
空気の乾燥
9月の花粉症で喉の症状が出やすい2つめの理由は、空気の乾燥です。
秋から冬の季節は、春に比べて大気が乾燥しています。
大気が乾燥すると、自然と身体も乾燥しやすくなります。
特に喉が乾燥すると、咳や痛みなどの症状が出やすくなります。
9月の花粉症の症状に効く薬は?
9月の花粉症がつらい場合は、薬で症状を抑えるのもよい方法です。
9月の花粉症に効く薬をご紹介します。
花粉症による目のかゆみを和らげる薬
目のかゆみがある場合は、点眼薬(目薬)が有効です。
花粉症の点眼薬は、大きく分けて抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の2種類があります。
抗アレルギー薬 | 抗ヒスタミン薬 | |
効果が出るまでの期間 | 開始から約2週間後 | すぐ |
作用 | ヒスタミンの発生を抑える | ヒスタミンの働きを抑える |
副作用 | 出にくい | 眠気 |
抗アレルギー薬と抗ヒスタミンの大きな違いは作用です。
抗アレルギー薬は、ヒスタミンの発生を抑えることでアレルギー症状を防ぎます。
ヒスタミンとは、アレルゲンが体内に侵入した際に放出される物質です。
アレルギー症状は、ヒスタミンの働きによって起こると考えられています。
一方、抗ヒスタミン薬は、すでに放出されたヒスタミンの働きを抑える作用があります。
つまり抗アレルギー薬は、花粉症の予防に有効な薬剤です。
対して、抗ヒスタミン薬はすでに出ている症状を緩和するのに役立ちます。
花粉症によるくしゃみ等の鼻の症状を和らげる薬
花粉症による鼻炎性に症状には、内服薬・点鼻薬などが用いられます。
点鼻薬とは、鼻の中に直接吹きかけるタイプの薬剤です。
内服薬は花粉症の症状全般をカバーするものが多いです。
一方で、眠気・肝機能障害などの全身性の副作用が出やすいという特徴があります。
点鼻薬は鼻の中に直接投与するため、鼻炎以外の症状にはあまり効果がありません。
全身性の副作用が出にくい点も特徴です。
花粉症用の点鼻薬には主に3つの種類があります。
ステロイド点鼻薬 | アレルギー専用点鼻薬 | 血管収縮薬 | |
効果が出るまでの時間 | 3~5日後 | すぐ | すぐ |
作用 | 免疫機能を抑制してヒスタミンの放出を抑える | ヒスタミンの働きを抑える | 鼻の粘膜の腫れをとる |
効果 | 鼻づまりの解消 | 鼻水・鼻づまりの解消 | 鼻づまりの解消 |
副作用 | 少ない | 眠気 | (長期間使用で)症状の悪化 |
9月(秋)の花粉症の症状を和らげるためには?
9月の花粉症の症状はセルフケアでも改善できる場合があります。
主な方法をご紹介します。
花粉症の症状を和らげる飲み物
花粉症の症状の緩和に役立つ飲み物は次の通りです。
【症状軽減に役立つ飲み物】
- 緑茶
- 甜茶
- ルイボスティー
- 乳酸菌飲料
飲み物はホットがおすすめです。
蒸気で喉が潤うと、咳などの症状が緩和されやすくなります。
反対に摂取を控えたいのは次のような飲み物です。
【控えるべき飲み物】
- アルコール
- 牛乳
花粉症の症状を和らげる食事
花粉症の症状の緩和に役立つ食べ物は次の通りです。
【症状軽減に役立つ食べ物】
- 発酵食品(納豆・ヨーグルト):腸内環境を改善して免疫力を高める
- 食物繊維が多い食材(根菜・海藻):腸内環境の改善して免疫力を高める
- 青魚(DHA・EPA):ヒスタミンを抑える
- ビタミンが豊富な食材(ビタミンA・C・E):抗酸化作用で免疫力を高める
花粉が多い日の天気や時間帯は?
花粉症を予防・改善するには、花粉との接触を減らすことも大切です。
具体的には花粉の飛散量が多いタイミングでの外出をできる限り減らしましょう。
花粉の飛散量が多い日は晴れの日・気温が高い日です。
晴れていて暖かい日は、植物から盛んに花粉が放出されるためです。
雨の日は、花粉が地面に洗い落とされるため、花粉の飛散量はあまり多くありません。
ただし、雨の翌日には注意が必要です。
雨が上がって晴れると、地面に落ちた花粉が大気に舞い上がるためです。
植物からの花粉の放出も始まるため、通常の晴れの日より花粉の飛散量が多くなる傾向が見られます。
時間帯でいうと、飛散量が多いのは昼頃・夕方頃です。
昼頃に増えるのは、午前中に山林から放出された花粉が、風によって都市部に運ばれてくるためです。
夕方に増える理由は、温かい空気が次第に冷え始めるためです。
空気が冷えると、空に舞い上がった花粉が地面に落ちやすくなるため、地表での花粉量が増加します。
花粉症を避けられる地域はあるの?
東西に長い日本では、地域によって花粉が飛散するタイミングが異なります。
花粉症を避けるには、花粉シーズンを避けて各地を移動するのも1つの方法です。
全国的に見ると、スギ花粉患者が少ないのは北海道・沖縄です。
ただし北海道は、スギ花粉にかわってシラカンバ花粉の花粉症が目立ちます。
春の花粉症を避けるには、沖縄に移動するのもよい方法です。
9月に花粉の飛散量が増えるのは関東圏です。
秋の花粉症にお悩みの方は、秋は関東以外の地域で過ごすのもよさそうです。
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9月の花粉症についてまとめ
ここまで9月の花粉症についてお伝えしてきました。
9月の花粉症の要点を以下にまとめます。
- 9月の花粉症の原因は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなど
- 9月の花粉症の症状は、喉の痛みなど
- 花粉症に効く薬は、点眼薬・点鼻薬・内服薬など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。