花粉症の症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがよく知られています。
花粉症は頭痛を発症することもあります。
花粉症で頭痛はなぜ起こるのでしょうか?
花粉症と風邪の見分け方は?
本記事では花粉症頭痛について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症頭痛の症状について
- 花粉症の頭痛以外の症状について
- 花粉症と風邪の違いについて
花粉症頭痛について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉を原因とするアレルギー症状をいいます。
花粉が原因のアレルギー症状にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
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花粉症頭痛の症状
花粉症頭痛の症状に関して、主に以下4点が挙げられます。
- 頭痛の原因
- 間違われやすい頭痛の種類
- アレルギー反応による頭の不快感
- 頭痛を和らげる対処法
それぞれについてご紹介します。
頭痛の原因
花粉症頭痛は副鼻腔炎を原因として起こります。
花粉症頭痛がある場合は副鼻腔炎を併発している場合です。
鼻炎で粘膜の炎症を起こし炎症が副鼻腔まで広がると副鼻腔炎を併発します。
副鼻腔炎を起こすと副鼻腔内に膿がたまることになります。
副鼻腔炎の花粉症頭痛の症状は、たまった膿が副鼻腔の壁を圧迫することで起こります。
副鼻腔炎による花粉症頭痛の症状は
- 前頭部の締め付けられるような頭痛
- 目の奥の痛み
- 顔の痛み
など様々な痛みを伴います。
花粉症と副鼻腔炎の関係については以下のような報告があります。
- 花粉症発症者の23%の人が副鼻腔炎の有症者(ロート製薬調査による)
- 花粉症と慢性副鼻腔炎の合併率が高い(厚生労働省)
出典:厚生労働省【アレルギー性鼻炎/花粉症/アレルギー性結膜炎】
間違われやすい頭痛の種類
花粉症で引き起こされる頭痛(花粉症頭痛)に似た痛みに以下のようなものがあります。
- 緊張型頭痛(精神的・身体的ストレスを原因とした筋肉の緊張による)
- 片頭痛(女性に多くホルモンの変動やストレスなどを原因とする)
- 三叉神経痛(顔面の三叉神経が圧迫されて起こる痛み)
いずれの頭痛も症状は似ているものの花粉の時期に起こる花粉症頭痛ではありません。
花粉症頭痛の方は、
- くしゃみや鼻水、鼻づまりの症状の有無
- 頭痛が併発しているか
などを観察し、耳鼻科で副鼻腔炎が起きていないか診てもらうのがよいでしょう。
アレルギー反応による頭の不快感
花粉症頭痛にはアレルギー反応によっても頭の不快感が起こることがあります。
頭の不快感は頭が重い、倦怠感があるなどの症状です。
花粉が目や鼻に入ってくると体内の免疫システムが反応し抗体が作られます。
さらに花粉が入ってくると抗原抗体反応でアレルギー反応を起こす化学物質やサイトカインが放出されます。
化学物質やサイトカインの放出が花粉症頭痛やその他の花粉症の症状を起こすのです。
頭痛を和らげる対処法
花粉症頭痛を和らげる対処法について以下にまとめます。
緊張型頭痛と同じく花粉症でも筋肉の緊張で頭痛になることがあります。
花粉症のくしゃみや鼻の症状で肩や首回りが緊張して固くなることがあるためです。
筋肉の緊張をほぐすためには以下のような方法があります。
- 入浴(肩や首をしっかり温める)
- 蒸しタオルで首や肩周辺を温める
- ストレッチやマッサージ
また以下のような鼻づまり解消のツボ押しも一時的な鼻づまり解消に効果的です。
- 鼻のツボ押し(小鼻のふくらみ部分の両側の「迎香」)
- 手のツボ押し(親指と人差し指の付け根の「合谷」)
その他の花粉症の症状
その他の花粉症の症状として以下のようなものがあります。
- くしゃみ・鼻水・鼻づまり
- 目のかゆみ・充血・涙目
- 喉のかゆみ・イガイガ・咳
- 肌荒れ
それぞれの症状についてご紹介します。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり
くしゃみ・鼻水(水様性)・鼻づまりは花粉症の3大症状です。
くしゃみ・鼻水(水様性)・鼻づまりは放出される化学伝達物質の種類で変わります。
くしゃみや鼻水は、放出されたヒスタミンが神経を刺激して起こります。
一方、鼻づまりはロイコトリエンなどが血管を刺激して起こります。
症状のあらわれかたによって以下のように病型が分類されています。
- くしゃみ・鼻漏型 :くしゃみ・鼻水が強く出るタイプ
- 鼻閉型 :鼻づまりの強いタイプ
- 充全型 :全ての症状があるタイプ
鼻の症状は呼吸困難を伴うため、
- 集中力の低下
- よく眠れない
など仕事や家事、勉強など日常生活に大きな影響を及ぼします。
目のかゆみ・充血・涙目
花粉が原因で起こるアレルギー性結膜炎では主に以下のような症状が起こります。
目のかゆみ | 充血 |
涙目 | 目の異物感 |
目やにが多い | まぶたの裏にぶつぶつができる |
アレルギー性結膜炎で目の症状が出るのはヒスタミンという化学伝達物質のせいです。
目がかゆい時には、
- 目を冷やす
- 人工涙液で洗浄する
などの対処法があります。
効果的なのは以下のような点眼薬による治療になります。
- 抗アレルギー点眼薬(アレルギー性結膜炎のかゆみや充血を抑える)
- ステロイド点眼薬(眼瞼炎や結膜炎、角膜炎など目の炎症性疾患を抑える)
- 免疫抑制点眼薬(春季カタルの諸症状を抑える)
花粉症の治療には症状が出る前から行う「初期療法」が効果的で推奨されます。
初期療法の特徴は、花粉シーズン開始前(2週間程度前)から治療開始することです。
初期療法は目に限らず花粉症全般に効果のある予防治療です。
喉のかゆみ・イガイガ・咳
喉のかゆみ・イガイガ・咳は花粉が喉粘膜に付着してアレルギー反応が起こり発症します。
また、鼻づまりで口呼吸になることで喉が乾燥するために痛みが出ることもあります。
花粉シーズンはマスクなどで花粉の侵入を防ぎ喉を守りましょう。
肌荒れ
花粉症によって肌荒れも起こします。
花粉症による肌荒れには以下のような症状が伴います。
- 肌の乾燥
- かゆみ
- 赤み
- ピリピリ感
また、女性にとっては肌荒れによる以下のような悪影響もあります。
- 化粧のノリが悪くなる
- 付着した花粉とファンデーションなどが合わさり皮膚炎を起こす
外から帰宅の際はすぐに洗顔をするなど、花粉を取り除くことが大切です。
花粉症と風邪の違いは?
花粉症と風邪の違いについて以下の項目で比較します。
どちらも症状が似ていて判断がつきにくい場合がありますがポイントをまとめました。
鼻水の状態 さらっとした
鼻水の違いは以下の表のように粘性にあります。
【花粉症と風邪の違い(鼻水)】
花粉症 | 風邪 | |
鼻水 | 透明でサラッとした鼻水 | 透明から粘性のある黄色い鼻水へ変わる |
鼻以外で気になる症状
鼻以外で気になる症状はそれぞれ以下の表の通りです。
【花粉症と風邪の違い(鼻以外の症状)】
花粉症 | 風邪 | |
鼻以外で気になる症状 | せき、目や喉のかゆみ、 いがらっぽさ、肌荒れ | のどの痛み、せき、痰、 悪寒、発熱 |
1日のうちでつらい時間
花粉症と風邪では以下の表のように1日のうちでつらい時間が異なります。
【花粉症と風邪の違い(1日のうちでつらい時間)】
花粉症 | 風邪 | |
1日の中でつらい時間 | 朝方と花粉飛散が多い 昼間や夕方 | 1日中 |
症状が続く期間
花粉症と風邪で症状が続く期間は以下の表のように異なります。
【花粉症と風邪の違い(症状が続く期間)】
花粉症 | 風邪 | |
症状が続く期間 | 2週間以上で花粉の飛散時期による 花粉の飛散時期は別表 【主な花粉の飛散時期】 を参照 | 軽いものは1~2日 発熱がある場合は4~5日 |
主な花粉の飛散時期を以下の表にまとめました。
【主な花粉の飛散時期】
スギ(2月〜4月) | ヒノキ(3月〜4月) |
イネ科(5月〜10月) | ハンノキ(1月〜4月) |
シラカンバ(3月下旬〜6月) | ブタクサ(8月〜9月) |
ヨモギ(9月〜10月) | カナムグラ(8月〜10月) |
複数の花粉にアレルギーがある場合は症状が長引くことがあります。
自分がどの花粉に反応するかを知っておくことも大切です。
花粉症チェック
花粉症を簡単にチェックするには以下のような診断の方法があります。
診断の表は「的確な花粉症の治療のために(第2版)」の中で示された診断チャートを表にまとめたものです。
【あなたは花粉症?かんたん診断の表】
症状 | かぜの疑い | 花粉症の疑い | |||
0%~25% | 26%~50% | 51%~75% | 76%~100% | ||
花粉症かな?と思う | わからない | 花粉症だと思う | |||
熱がある | 37.6℃以上 | 熱はない・あるいは37.5℃以下 | |||
くしゃみ、鼻水、鼻づまり | ある | 症状ない | 症状がある | ||
鼻水が黄色っぽい | 黄色っぽい | 黄色っぽくない | |||
目のかゆみ | ない | ある | |||
1日に鼻をかむ回数は? | 10回未満 | 10回以上 | |||
鼻はつまっているほうか? | つまらない | つまっている | |||
1日のくしゃみの回数 | 10回未満 | 10回以上 | |||
アレルギーのものがある | 特にない | ある |
出典:厚生労働省【的確な花粉症の 治療のために(第2版)】
表の見方は以下の通りです。
- セルの着色部分は該当しない項目を示す
- 0%~25% :花粉症の疑いは低いが気になる方は医師の診断を推奨
- 26%~50% :花粉症の疑いは低いが可能性はあるので医師の診断を推奨
- 51%~75% :花粉症の疑いがあるので医師の診断推奨
- 76%~100% :花粉症の疑い濃厚なので早めの医師の診断推奨
花粉症による頭痛まとめ
ここまで花粉症頭痛についてお伝えしてきました。
花粉症頭痛についての要点を以下にまとめます。
- 花粉症頭痛は季節性の頭痛で副鼻腔炎やアレルギー反応により起こる
- 花粉症には頭痛以外にくしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ・充血・涙目、喉のかゆみ・イガイガ・咳、肌荒れなどがある
- 花粉症と風邪の違いは花粉の飛散時期や時間帯、鼻水の状態、発熱の有無などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。