身体のあちこちの関節が痛むのは、大変不快な症状かと思います。
全身の慢性的な関節痛は、何らかの病気が原因の可能性があります。
関節痛が全身に起こる原因にはどのようなものがあるでしょうか?
全身に起こる関節痛を治すにはどうすればよいでしょうか?
本記事では、全身の関節痛について以下の点を中心にご紹介します。
- 関節痛が全身に出る原因となる状態や病気について
- 関節痛が全身にある時は何科の病院に行くべきかについて
- 全身の関節痛の痛みのやわらげ方について
全身の関節痛について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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全身の関節痛とは?
関節痛は、身体を動かすための関節の組織が刺激を受け、炎症を起こし痛みを感じる症状です。
身体の中でも、関節痛のよくあらわれる箇所は、以下のような場所です。
- ひざの関節
- 指の関節
- 股関節
- 足首の関節
- 肩の関節
関節に炎症が起こると以下のような痛みの症状があらわれます。
- 水がたまり腫れる
- しびれる
- ずきっとした痛み
- 関節がこわばり動きにくくなる
- 関節が腫れてこわばり痛みが出る(変形性股関節症の場合)
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関節痛が全身に出る原因となる状態や病気
関節痛が全身に出る原因となる状態や病気は、以下の4つがあります。
- 膠原病
- 産後
- ワクチン接種後
- 風邪やその他の病院
それぞれの原因についてご紹介します。
関節リウマチなどの膠原病
関節リウマチなどを含む膠原病が、関節痛の原因となる場合があります。
膠原病は、朝の関節がこわばり動きにくくなります。
特に、午前中に関節の痛みや腫れが強いのが特徴です。
関節リウマチは、以下のような病気を併発すると重症化して悪性関節リウマチになります。
- 肺や肝臓などの内臓障害
- 全身の血管の病気
関節リウマチは、治療や管理、リハビリなど複数の専門家の連携を必要とします。
関節リウマチは、その後の生活の質(QOL)を保つためにも、
- 早期診断
- 早期治療
がとても必要です。
また、膠原病による関節痛は、中年女性に多く見られますが、若年層でも発症することがあります。
産後
産後の女性も、関節痛が起こりやすい状態にあります。
関節が痛む箇所も手首や足首、指関節などと身体の多くの箇所であらわれます。
産後に関節痛が起こる原因には以下のようなものがあります。
お産時の骨盤のゆがみ | 女性ホルモンの減少 |
妊娠中の体重増加 | お産時の無理な体勢やいきみ |
赤ちゃんの長時間抱っこ | なれない授乳による姿勢変化 |
ワクチンの接種後
ワクチンの接種後にも関節痛があります。
ワクチンを接種すると、体内でウイルスに対する免疫ができるためです。
免疫ができる過程で、副反応の1つとしてさまざまな症状の痛みがあらわれます。
ワクチン接種後の関節痛も副反応の1つです。
風邪やその他の病気
膠原病以外にも、関節痛が症状として出る以下のような病気があります。
- 風邪
- ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
- 痛風(高尿酸血症)
- 化膿性関節炎
関節痛が全身にあるけど熱なしの対策は?
関節痛が全身にあるが熱はない、以下3つのようなときの対策についてご紹介します。
- 寒気や頭痛があるとき
- ワクチン接種後のとき
- 安静にしても長続きするとき
寒気や頭痛があるとき
風邪などの感染症によって、
- 関節の痛み
- 寒気
- 頭痛
- 倦怠感
などが生じます。
すぐに発熱がなくても、時間が経ってから出る可能性があります。
まずは、安静にして様子を見ます。
同時に十分な睡眠、バランスのよい食事を心がけましょう。
ワクチン接種後のとき
ワクチン接種後に痛みが出たときは、医師の処方薬や以下のような市販薬で対応できます。
- 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)
- 非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)
ただし、基本的にはワクチン接種前の注意に従いましょう。
安静にしても長続きするとき
関節痛が全身にあり、安静にしても痛みが長く続く場合は、病院の受診をおすすめします。
病院の受診が必要なのは、過度の運動など原因が明確でなく関節痛が長く続く場合です。
原因が明確でなく、全身の関節痛が長く続く場合は、病気の可能性があるからです。
関節痛が全身にある時は何科の病院に行くべき?
関節痛が全身にあるときに行くべき病院の受診科について、以下の通りにご紹介します。
- 整形外科
- 内科
- リウマチ科
- 心療内科
整形外科
全身の関節痛の他に、以下のような症状がある場合はまず整形外科を受診しましょう。
高熱が続く | むくみ |
倦怠感がひどく動けない | 食欲不振 |
体重減少 | 眠れない |
貧血 | 精神症状がいつもと違う |
意識障害 |
内科
風邪を含むさまざまな内部疾患が関節痛の可能性がある場合は、内科を受診します。
関節痛以外に、以下のような症状が考えられます。
咳 | 鼻水 |
腹痛 | 微熱 |
高熱 | 筋肉痛 |
倦怠感 | リンパ腺の炎症 |
リウマチ科
関節リウマチが原因の場合は、リウマチ科を受診します。
関節リウマチをはじめ、膠原病の症状はさまざまです。
そのため、専門科を受診することが大事です。
関節痛以外に発症する症状には、以下のようなものがあります。
微熱 | 高熱 |
筋肉痛 | リンパ腺の炎症 |
目や口の渇き | 皮膚に赤い斑点が出現する |
倦怠感 | レイノー現象 |
レイノー現象とは寒い冬の朝や冷水に触れたときに手足の先端が白変色する症状です。
心療内科
ストレスや心因が原因の関節痛が疑われる場合は、心療内科を受診します。
関節痛以外に、以下のような慢性疲労症候群の症状があらわれます。
頭痛 | 痛み(鼻の奥から喉にかけて) |
疲労感や倦怠感 | 睡眠障害 |
抑うつ状態 | 認知症のような症状 |
全身の関節痛の痛みのやわらげ方
全身の関節痛が発症した際の痛みのやわらげ方を以下の4つご紹介します。
- 安静にする
- 身体を温める
- 運動をする
- 生活習慣を見直す
安静にする
関節の痛みがひどい場合には、まず無理に身体を動かさずに安静を保ちます。
安静というのは、普段の生活は続けながらも、
- 普段はもたないような重いものを持つ
- 長時間の歩行
- 普段行っているウォーキングやスポーツ
など、無理をせずに少し休んで様子を見るということです。
身体を暖める
関節痛が強く出た場合はまずは、「安静」を保つことが最優先です。
「安静」を保ち、症状が改善してきたら次に身体を温めましょう。
身体を温める方法は、「お風呂の湯船にゆっくりつかる」など自宅でできる方法で結構です。
身体をよく温めることで、身体全体の血行をよくし、老廃物の除去を促します。
運動をする
運動療法は、関節痛をやわらげる方法の1つです。
ひざの痛みなどには、
- ストレッチ
- 下半身を中心とした筋トレ
- 有酸素運動
などが効果的です。
血液の循環をよくしてら痛みをやわらげる効果があります。
股関節の痛みなどに対しても、運動療法で痛みをやわらげたり筋力維持を図ることができます。
生活習慣を見直す
関節痛の原因にストレスなどの場合、生活習慣を見直すことで改善の可能性があります。
ストレス状態の兆候の1つに、関節痛があります。
関節痛の原因の1つの痛風などは、以下のような生活習慣の乱れが、尿酸を増やしているからです。
- ストレス
- 食べ過ぎ
- 運動不足
生活習慣を見直すことは、関節痛改善のポイントの1つになります。
関節痛の全身の痛みが慢性的にある時の対策
厚生労働省は、慢性的にある痛みの対策として、「慢性疼痛対策」を提示しています。
受療頻度が高い上位5疾病の中に、関節痛も含まれています。
慢性疼痛対策の中で「慢性の痛み情報センター」は、
- 肩の痛みやひざの痛み
- 腰痛
- 神経痛
- 慢性疼痛
など慢性の痛みのある方や家族、医療関係者のための参考情報を提供しています。
その中で、慢性疼痛に効く治療法が、ビデオ映像で紹介されています。
タイトルを以下に示しますのでぜひ参考にしてください。
- 長引く痛みのメカニズム
- 慢性(疼)痛の薬物療法
- なぜ慢性(疼)痛に運動療法が効くのか
- 慢性(疼)痛の運動療法
出典:厚生労働省【慢性疼痛対策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)】
全身の関節痛のまとめ
ここまで全身の関節痛についてお伝えしてきました。
全身の関節痛についての要点を以下にまとめます。
- 全身の関節痛は関節リウマチなどの膠原病や産後、ワクチン接種後、風邪やその他の病気を原因として出る
- 関節痛が全身にある時はまず整形外科へ、その他症状に応じて内科、リウマチ科、心療内科などへ行く
- 全身の関節痛の痛みのやわらげ方は安静を基本に身体を温める、運動をする、生活習慣を見直すなどがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。