アレルギーとは、食物、花粉、ハウスダストなどが原因で起こる免疫反応です。
アレルギーの症状には、かゆみ、鼻づまり、鼻水、咳などの症状があります。
中でもアレルギーが原因の咳には、どのような症状原因があるのでしょうか。
本記事では、アレルギーが原因の咳について以下の点を中心にご紹介します。
- アレルギーが原因の咳の症状と特徴とは
- アレルギーの咳を発症させる原因とは
- アレルギーの予防方法について
アレルギーが原因の咳について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アレルギーとは?
アレルギーとは、食物、薬剤、花粉、ホコリなど、通常は体に害を与えない物質に対して過剰な免疫反応が起こることです。
アレルギー疾患は1つの病名ではなく、免疫反応の異常により起こる病気の総称でさまざまな種類があります。
また、アレルギー症状にもさまざまあり、症状が軽い場合は自然に治ることがほとんどです。
しかし、気管支喘息の重症の場合、呼吸困難から窒息を起こすこともあります。
さらに、血圧が急低下して意識を失うアナフィラキシー症状を引き起こすこともあります。
日本人では、2人に1人が何かしらの物質に対してアレルギーがあり、年々増加傾向にあります。
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アレルギーが原因の咳の症状と特徴
アレルギーと風邪には、共通する症状がさまざまあります。
アレルギーと風邪の症状は、似た症状が出ることもありますが、比較するとそれぞれ特徴があります。
アレルギーと風邪の症状の特徴を以下の表にあらわしています。
症状 | アレルギー | 風邪 |
くしゃみ | 発作的で連続する | よくある |
鼻水 | 透明でサラッとした鼻水 | 粘りのある黄色い鼻水 |
鼻づまり | よくある | よくある |
鼻症状特徴 | ・朝方の強い症状(モーニングアタック)・特定時期(花粉飛散期)のみに起きる(花粉症:季節性 アレルギー性鼻炎)・1年中しばしば起きる(通年性アレルギー性鼻炎) | ・初期の鼻水は、透明でサラサラしているが、次第に粘りのある黄色い状態へ変化することが多い・鼻水を認めても、少量で多くはサラサラしている |
鼻以外の症状 | 鼻のかゆみ・目がかゆく、涙が出ることもある・においや味が分かりにくい・熱はないが、あっても微熱程度 | 鼻やのどの不快感からはじまり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりや、咳や痰、のどの痛みや、声がかすれたりすることも・症状が進むと、熱っぽさや、だるさといった体全体の不調 |
アレルギーによるくしゃみでは、発作的に連続して出ます。
一方、風邪はくしゃみはよく出ますが、連続で出ることはあまりありません。
また、アレルギーによる鼻水は水っぽくサラサラとしています。
一方、風邪の鼻水は黄色っぽく色がつき、粘り気があります。
アレルギーと風邪を見分けるポイントは、風邪ではないかもと疑うことです。
風邪は、長引いたり症状を繰り返したりはしません。
風邪は、1週間~10日ほどで治ります。
咳が1、2週間以上続く場合、季節の変わり目に症状が起こるなどの場合は、風邪ではない可能性があります。
さらに、軽い咳がずっと続く、鼻水がよく出るなどの同じ症状が続く場合も風邪ではないかもしれません。
さらに、アレルギーは症状に波があるという特徴があります。
たとえば、朝方になると鼻や咳が出る、日にちにより症状が異なるなどがあります。
花粉症や食物、動物など様々なアレルギーで困っている方は少なくありません。中には、自分に何のアレルギーがあるか知りたい方もおられるでしょう。また、アレルギーはどのような手順で調べるのか、気になることもあります。アレルギーの検査[…]
アレルギーの咳を発症させる原因は?
アレルギーは、特定の物質に対して免疫が過剰反応することで引き起こされます。
通常、免疫とは体の中に侵入した細菌やウイルスなどを攻撃して、体を守る仕組みとなっています。
しかし、遺伝的に免疫反応が過剰に起こりやすい体質、喫煙などが原因で免疫が過剰反応してしまいます。
ハウスダストや花粉などの物質が体内に入ることで、本来なら体に害を与えない物質まで免疫の仕組みにより攻撃してしまいます。
その結果、全身にさまざまなアレルギー症状が起こります。
咳の原因はアレルギー?検査方法について
アレルギーの検査は、血液検査、パッチテスト、プリックテスト、誘発試験などさまざまあります。
血液検査は、食物、花粉、ハウスダストなどのIgE抗体を調べます。
血液中のIgE抗体の数値を調べることで、アレルギーの可能性を確認できます。
しかし、検査は原因を特定する力はないため、あくまでその可能性を評価する検査です。
パッチテスト、プリックテストは、アレルゲンを皮膚の一部に貼ったり、体内に注入したりすることでアレルギー反応を調べます。
診断する上で有効な検査ですが、アレルギーの可能性を示すまでで、診断の根拠とはなりません。
また、皮内テストはアナフィラキシー症状を引き起こす可能性もあるため、一般的には行われていません。
誘発試験では、鼻、気管支、目から直接、体内にアレルゲンを入れてアレルギー反応が起こるか調べる検査です。
誘発試験は、最も直接的な検査方法で診断の根拠となります。
しかし、アナフィラキシー症状を引き起こす危険性があるため、専門の医療機関で実施することが推奨されています。
アレルギーの予防方法
アレルギーを予防するには、まずアレルゲンに触れたり、体内に入れたりしないようにすることが大切です。
アレルギーの原因が分かっている場合は、アレルゲンを回避、除去する生活を心がけましょう。
また、アレルギーの予防方法は生活環境を改善することが大切です。
住環境では、ほこり、ダニ、カビなどに対する対策が必要になります。
カビやダニが増えるのを防ぐためには、こまめに部屋を換気して湿気がこもらないようにしましょう。
しかし、花粉飛散時期は花粉を室内に入れてしまうことがあるので、窓は開けずに除湿機などを活用しましょう。
また、ダニの繁殖を防ぐために寝具を日光に当てて干すことが推奨されています。
しかし、外に干すと寝具へ花粉が付着してしまうため、乾燥機を活用して花粉飛散時期は外気にさらさないようにしましょう。
食生活では栄養バランスのとれた食事が大切です。
食事は、主菜、副菜、汁物など定食にして摂ることで、さまざまな野菜が摂れて栄養バランスが整います。
時期別アレルギー一覧
花粉にはさまざまな種類があります。
また、季節や地域によって花粉量も異なります。
【スギ】
スギは、年初から飛び始めて3月頃にピークを迎えて、5月くらいまで飛散します。
【ヒノキ】
ヒノキはスギよりも少し遅れて飛び始めて、4月にピークを迎えて6月くらいまで飛散します。
【シラカンバ】
北海道ではシラカンバ属の飛散が5月~6月にピークを迎えます。
【イネ科】
イネ科は北海道では6月~9月に飛散しますが、本州より西ではほぼ1年間を通して飛散します。
【キク科】
秋の花粉として知られているキク科のブタクサ属、ヨモギ属、クワ科のカノカナムグラは8月~10月に飛散します。
花粉は飛散開始から短期間で花粉が急増します。
油断せずに早めに対策をとりましょう。
アレルギーの咳を止める効果がある市販薬
咳を止める効果がある市販薬は、複数の咳止め成分が配合されているものが多いです。
以下では、1日2回の服用で眠気が出にくいタイプ、中枢に働きかける作用が強いタイプなどをご紹介します。
【クールワンせき止めGX24錠】
クールワンせき止めGX24錠は、ジヒドロコデインリン酸塩とdlーメチルエフェドリン塩酸塩が配合されています。
そのため、強力に咳を抑えられるという特徴があります。
また、医療成分であるカルボシステインも配合されており、痰の切れも良くなります。
抗ヒスタミン薬も配合されているため、アレルギー性の咳におすすめです。
【新コンタックせき止めW持続性】
新コンタックせき止めW持続性は、コデインという成分が含まれていないため、眠気が気になる方におすすめです。
しかし、配合されている咳止めの成分が眠気を誘う可能性があります。
そのため、服用後は運転などは控えましょう。
また、効果が長続きするように製剤上の工夫がされています。
15歳未満は服用できないため、注意しましょう。
【ミルコデ錠A】
ミルコデ錠Aは、気管支拡張成分のテオフィリンとdLーメチルエフェドリン塩酸塩を配合しています。
生薬も配合されており、痰の絡みにも効果が期待できます。
ゼーゼーやヒューヒューという咳におすすめです。
しかし、15歳未満は服用できないため注意しましょう。
【「クラシエ」漢方 五虎湯エキス顆粒SII】
「クラシエ」漢方 五虎湯エキス顆粒SIIは、体力が中等度以上で強い咳が出る方におすすめの漢方薬です。
喘息の咳にも効果が期待できます。
1日2回タイプの服用のため、昼間に飲めない方におすすめです。
【ツムラ漢方、麦門冬湯、エキス顆粒20包】
ツムラ漢方、麦門冬湯、エキス顆粒20包は、体力が中等度以下の方に向いている漢方薬です。
痰の切れが悪い方、風邪の後に空咳が続いている方、喘息症状のある方におすすめです。
また、のどの乾燥、しわがれ声などにも有効です。
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アレルギーの咳に対する治療方法は?
アレルギーの咳に対する治療では、善玉菌を増やす食材を意識して摂り、主食などの糖質を減らすことが大切です。
乳酸菌のような善玉菌を含む食材を摂ることで、腸内環境のバランスが整います。
そのため、善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を含む食材を積極的に摂りましょう。
昔ながらの和食は、善玉菌を増やす食物繊維、発酵食品が豊富に含まれています。
しかし、現代の食生活は欧米化やファストフードの普及により、食事で善玉菌を増やす機会が減っています。
その結果、昔に比べると免疫力が低下し、アレルギーに悩む方が増えてきたと考えられます。
アレルギー症状に悩んでいる方は、悪玉菌のエサとなる糖質を好む傾向にあります。
糖質は、お菓子だけでなく、ご飯、パン、麺類などの炭水化物に多く含まれています。
そのため、毎日の食事で主食類を摂りすぎていないか確認しましょう。
また、糖質の摂り過ぎは血糖値の変動が激しくなります。
血糖値を安定させるために、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、アレルギーの治療薬に使われるステロイドと同じ働きをします。
コルチゾールが血糖値を安定させるために使われてしまうと、アレルギーを抑える働きができなくなりアレルギーの症状が悪化します。
腸内環境が整うと、腸の働きが良くなり免疫力向上につながり、アレルギー症状が軽くなります。
アレルギーに悩む方は、ぜひ食生活を見直しましょう。
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アレルギーの患者が年々増えている?
環境の変化などにより、花粉症や喘息などのアレルギー患者が増えている傾向にあります。
たとえば、小学校低学年でも花粉症がみられるようになっています。
アレルギー患者の増加傾向の理由には、衛生仮説と呼ばれる説が考えられます。
衛生仮説とは、乳幼児期の衛生環境が免疫系へ影響を与えてアレルギーになりやすいかどうかを決めるという仮説です。
近年は、衛生に対する意識が固まっている傾向にあります。
ドラッグストアなどでも除菌を歌っている商品が数多く並んでいます。
しかし、過度に衛生的な環境は、アレルギーになりやすい体を作っていると考えられています。
たとえば、家畜がいる農家などで育った乳幼児は、アレルギーが少ないとされており、兄妹姉妹が多い場合もアレルギーが少ないことがわかっています。
過度に衛生的な環境で育つよりも、適度に細菌のある環境の方が免疫力がつき、アレルギーになりにくいと考えられます。
出典:厚生労働省「第4章食物アレルギー」
出典:厚生労働省「アレルギー疾患の現状等」
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アレルギーが原因の咳・まとめ
ここまで、アレルギーが原因の咳の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- アレルギーが原因の咳の症状と特徴には、アレルギーのくしゃみは発作的に連続して出る、風邪は連続で出ないなど
- アレルギーの咳を発症させる原因には、遺伝的な体質、喫煙など
- アレルギーの予防方法には、栄養バランスのとれた食事、アレルゲンの除去
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。