日本では2人に1人が何らかのアレルギーを持つといわれています。
アレルギーにはさまざまな種類があり、分類されています。
そして分類によって症状や治療法が異なっています。
本記事ではアレルギーの分類について以下の点を中心にご紹介します。
- アレルギーの分類とは
- アレルギーを調べる方法とは
- アレルギーの治療方法とは
アレルギーの分類について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アレルギーとは
アレルギーとは、通常なら大きな害を与えない物質に対して、過剰反応することです。
私たちの体は、免疫によって守られています。
免疫とは外部から細菌やウイルスなどが侵入したときに、身体を守る防御システムです。
しかし、遺伝的な体質であったり、異物が過剰に体内に取り込まれると免疫システムが暴走します。
つまり、何でもない物質にまで免疫システムが攻撃し、その結果さまざまなアレルギー反応を起こします。
アレルギーとは、ひとつの病名ではありません。
免疫反応の異常によって引き起こされる病気の総称であり、さまざまな種類があり分類されています。
アレルギー症状もさまざまです。
軽度のアレルギーであれば、自然に症状も治まります。
しかし、重度のアレルギーでは、アナフィラキシーショックを起こします。
この場合、対応が遅れると死に至ることもあります。
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アレルギーの分類
アレルギーは、薬によってどのような効果が得られるかによって分類されています。
それぞれの分類の特徴と疾患をみていきましょう。
出典:厚生労働省「アレルギー総論」
Ⅰ型アレルギー
Ⅰ型アレルギーの原因は、IgEという抗体が関係するアレルギーに分類されます。
特徴
Ⅰ型アレルギーは「即時型アレルギー」「アナフィラキシー型」とも呼ばれています。
花粉症やじんましんなど、私たちに最も身近なアレルギーの分類となります。
即時型アレルギーは、ヒスタミンによって腫れやかゆみなどが起こる症状です。
数時間もすればひいてくる種類のアレルギーです。
しかし、花粉症では常にヒスタミンが放出されており、時間の経過で改善することはありません。
主な疾患
- アトピー型気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- じんましん
- アレルギー性結膜炎
- アトピー性皮膚炎
- アナフィラキシーショック
Ⅱ型アレルギー
Ⅱ型アレルギーは「細胞傷害型」「細胞融解型」といわれるアレルギーに分類されます。
特徴
何らかの原因によって、自分自身の細胞を異物として認識してしまうことで起こるアレルギーです。
自分の細胞が攻撃され細胞を傷つけてしまいます。
主な疾患
- 不適合輸血による溶血性貧血
- 自己免疫性溶血性貧血
- 重症筋無力症
- 橋本病
- バセドウ病(Ⅴ型とも考えられています)
- グッドパスチャー症侯群
Ⅲ型アレルギー
別名「免疫複合体型」と呼ばれています。
免疫複合体が沈着した組織に対して攻撃して炎症を起こします。
特徴
組織障害を起こすアレルギーです。
皮膚反応では、皮内注射のあと3~8時間で紅斑や浮腫といった炎症反応をあらわします。
主な疾患
- 関節リュウマチ
- 血清病
- SLE、RAをはじめとする諸種自己免疫疾患
- 各種糸球体腎炎
- 過敏性肺炎
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
Ⅳ型アレルギー
「遅延性アレルギー」「細胞性免疫」「ツベルクリン型」などと呼ばれています。
T細胞やマクロファージが関係する細胞性の免疫が関係するアレルギーです。
特徴
抗原を皮内注射すると、24~72時間後に紅斑や皮膚が硬くなったりするアレルギー症状が起こります。
アレルギー反応が強すぎる場合には、潰瘍を形成することもあります。
主な疾患
- アレルギー性接触性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 過敏性肺炎
- ツベルクリン反応
分類一覧
アレルギーの分類 | 特徴 | 主な疾患 |
I型 | 即時型 15-20分で最大の発赤と膨疹 | アナフィラキシーショック アレルギー性鼻炎 結膜炎 気管支喘息 蕁麻疹 アトピー性皮膚炎 |
II型 | 炎症 | 不適合輸血による溶血性貧血 自己免疫性溶血性貧血 特発性血小板減少性紫斑病 薬剤性溶血性貧血・顆粒球 減少症・血小板減少症 グッドパスチャー症候群 |
Ⅲ型 | 遅発型 3-8時間で最大の紅斑と浮腫 | 血清病 SLE RA 糸球体腎炎 過敏性肺炎 ABPA |
Ⅳ型 | 遅発型 24-72時間で最大の紅斑と硬結 | 接触性皮膚炎 アレルギー性脳炎 アトピー性皮膚炎 過敏性肺炎 移植拒絶反応 結核性空洞 類上皮細胞性肉芽腫 |
花粉症や食物、動物など様々なアレルギーで困っている方は少なくありません。中には、自分に何のアレルギーがあるか知りたい方もおられるでしょう。また、アレルギーはどのような手順で調べるのか、気になることもあります。アレルギーの検査[…]
V型アレルギーとは
アレルギーの分類では、Ⅰ~Ⅳがありますが、近年これにⅤ型を加える分類があります。
Ⅴ型は細胞表面上のホルモンなどが関係するアレルギー症状です。
Ⅱ型と非常によく似たアレルギー反応が出るため、Ⅱ型に分類することもあります。
Ⅴ型の主な疾患としては、重症筋無力症、Graves病、バセドウ病などがあります。
出典:厚生労働省「アレルギー総論」
アレルギーの調べ方
アレルギー症状が出たときやアレルギーを疑ったときには、何に反応したのかを知る必要があります。
その場合には、次のような調べ方があります。
パッチテスト
アレルギー物質を皮膚の一部に貼って、アレルギー反応が出るかどうかを調べる方法です。
とくに金属アレルギーといった接触皮膚炎に分類されるⅣ型アレルギーの有無を調べるために使われます。
パッチを貼って48時間後に皮膚の状態を観察し、発赤や水膨れが出ていた場合は陽性となります。
プリックテスト
皮膚にアレルギー物質の含まれたエキスを垂らし、小さな傷を付けて調べる検査方法です。
アレルギー反応が出た場合は、じんましんが出ます。
IgE抗体を証明するものではありませんが、アレルギー物質を特定することができます。
検査時間は15分程度です。
皮膚生検
皮膚生検は、切り取った皮膚を検査する検査方法です。
局部麻酔をして、直径3~4㎜の大きさの皮膚をくりぬいて検体を取り出します。
検体を取り出したあとのキズは、ニキビ跡のようになることがありますが、徐々に目立たなくなっていきます。
血液検査
食物や花粉、ハウスダストが原因のアレルギーは、IgE抗体によって引き起こされます。
アレルギーの可能性を調べるためには、まず血中のIgE抗体の数値を調べます。
ただし、血液検査ではアレルギーの原因を特定することはできません。
また、アレルギーの症状がなくてもIgE抗体が検出されることもあります。
アレルギーの治療・予防方法
アレルギーを治療するためには、どのような治療方法があるのでしょうか。
アレルギーの治療には大きく分けて「症状を抑える治療」「炎症を抑える治療」「免疫療法」があります。
薬物療法
症状を抑える治療、炎症を抑える治療には、薬物療法が使われます。
アレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻水、アトピー性皮膚炎のかゆみの症状を抑えるには薬物療法があります。
主に抗ヒスタミン薬などが使われます。
また、アナフィラキシーには自己注射薬、通称「エピペン」が使われます。
アレルギー性の炎症が起こった場合にも、薬物療法が有効です。
たとえば、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎で炎症が起こった場合、炎症を取るためにステロイドを使います。
ステロイドは副腎皮質ホルモンの薬で、長期継続すると副作用の心配があります。
減感作療法
減感作療法は「アレルゲン免疫療法」とも呼ばれています。
アレルギーの原因物質を意図的に体内に投与することによって、アレルギー反応に体を慣らせていくことを目的としています。
薬で一時的に症状を抑えるのではなく、アレルギー体質そのものを改善する治療法です。
注射治療と舌下治療があります。
注射治療では月に1回、舌下治療では毎日治療する必要があります。
治療期間も3~5年必要になります。
アレルギー分類の覚え方
アレルギー分類の覚え方にはコツがあります。
Ⅰ型の原因はIgEですから、「アレルギE(イー)」と覚えるとよいでしょう。
Ⅱ型の原因は血液型不適合輸血があります。
不適合輸血は2種類の血液を混ぜてしまうことからイメージしましょう。
Ⅲ型の主な疾患は糸球体腎焱、血清病、膠原病です。
それぞれ糸球体腎【焱】、血【清】病、【膠】原病には3つのちょんちょんがあります。
これをイメージしましょう。
Ⅳ型の主な症状にはツベルクリン反応があります。「ツベルクリン」のツを「シ」に見立てて覚えましょう。
Ⅴ型の主な疾患はバセドウ病です。
ヴァを頭文字「V(ブイ)」と連想して覚えましょう。
アレルギー症状持ちの人の割合
20~50代の女性をターゲットにアレルギーの調査をした結果があります。
何らかのアレルギーがあると答えた人は約40%もいました。
そのうちアレルギーの原因を聞いたところ、次のような結果になりました。
- 花粉 79.6%
- ダニを含むハウスダスト 42.8%
- ダニ 14.6%
最も多い原因が花粉となりましたが、ダニを含むハウスダストとダニを加えると60%がダニが原因と考えています。
また、アレルギー症状が出ていても、原因が花粉だということがわかっているため、医療機関を受診しないという人は半数近くいました。
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アレルギーの体質改善まとめ
ここでは、アレルギーの分類について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- アレルギーはⅠ型~Ⅴ型まで分類される
- アレルギーを調べる方法にはパッチテスト、血液検査、皮膚生検など
- アレルギーの治療方法には薬物療法と減感作療法がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。